相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

電子辞書手に入れたよ

 現在2017年2月28日22時02分である。


♪それぞれの未来へと 旅立っていくんだね

♪その背中に 夢の翼(はね)が生えてる


「太郎さん。ご機嫌ね。良いことあったの?」

 遂に、遂に、2年越しの願いがかなって、電子辞書、手に入れたんだよ。

「えっ、一番欲しがってたの?」

 そう。CASIOのXD-G20000という素晴らしいの。2015年1月7日から、ずっと欲しかったんだ。

「あらっ、検索してみると、えっ、価格ドットコムでも、44,160円するわよ。ヨドバシカメラビックカメラは、61,560円もする。太郎さん、いったいいくらで、買ったの?」

 45,500円だよ。

「ほとんど、底値じゃない。価格ドットコム、利用したの?」

 どこで買ったと思う?

「冒頭の『桜の花びらたち』を考えると・・・。秋葉原まで、来たのね!」

 当たり。


 先週の金曜日(2017年2月24日)に、遂に、ホーキング-エリスの本の翻訳の着手金、44,895円が、プレアデス出版から、振り込まれた。

 それで、その段階では、お金は、母へ贈るつもりだった。

「太郎さん、漢字を間違えているわ。『贈る』じゃなくて、『送る』でしょう」

 いや、『贈る』で、いいんだ。

 私は、この44,895円のうち、40,000円くらいを、今までの苦労に対してのささやかなプレゼントにしようと、1月くらい前から、母に打診してたんだ。

「40,000円で、何を買ってあげるつもりだったの?」

 広島へ行って、お好み焼きを食べる、新幹線代としようと思ってたんだ。

「ちょっと、待って。鶴見、広島間。あれっ、片道だけで、37,000円くらい、するわよ」

 どれどれ。

 飛行機じゃないよ。新幹線だよ。

「あっ、そうか。つい、自分のこと、考えちゃった」

 固定観念というのは、なかなか抜けないね。

「新幹線とすると、広島まで、18,000円くらいなのか。飛行機だと2万円も上乗せしてるのね」

 ちょっと、飛行機代は、出せないので、新幹線往復と、お好み焼きと、あとちょっと市内電車に乗るくらい、プレゼントするつもりだった。

「どうして、お好み焼きなの?」

 麻友さんは、広島へ行ったことがあるから、多分食べさせてもらうか、自分で食べたことがあるだろうけど、広島のお好み焼きって、すっごく美味しいでしょ。

「確かに美味しいけど、そんなに、日本全国から、これっ、というほど、美味しいかしら?」

 私は、美味しいと思うよ。

 麻友さん、焼きたてを食べさせてもらってないんじゃないかな。

 今もあるかどうか、分からないけど、広島駅の南側の駅ビルの中の『麗ちゃん』というお好み焼き屋で、『えびうどん』と注文するのが、楽しみだった。ときには、『いかそば』と変えることもあった。

「太郎さん、自分が、食べに行きたかったんじゃないの?」

 私は、まだ若いからいいんだよ。

 麻友さんと一緒になった後ででも、また行ける。

「そうか、太郎さんのお母さま、今年、73歳ですものね」

 日本人の平均寿命が、延びたといっても、ボケた後の人生の人も、かなりいる。

「そうなのねぇ。親孝行、したいときには、親はなし」

「でも、どうして、お父さまは、そこの勘定に加わってこないわけ?」

 父は、なんだかんだいっても、働いているからね。出張とかで、広島方面へ行くこともあるんだよ。

「本当に、お好み焼き、食べられているかしら?」

 まあ、この間、聞いたら三次には行ったけど、広島市内までは、行ってないとかいってたけどね。

「ほらっ、お母さまだけじゃダメよ」

 そういうけどね、このお好み焼きは、私の人生全部での恩などという大きなことではなく、父の母親、つまり私の父方の祖母の死の前後での母の働きに対するご褒美のつもりだったんだ。

「お母さまが、お姑様に?」


 以前、父が、結婚するとき、

『結婚したら、絶対けんかしないどこうな』

といったという、話をしたよね。

「いきなり、なぜ、それが?」

 父が、そう言った理由が、父の母、つまり祖母が、いつも祖父に冷たかったからなんだ。

「そんな家庭でも、子供が3人も育てられるの?」

 今から、70年くらい前の日本では、どんな女の人でも、子供を産まないと、一人前と見られないというのが、常識だったんだ。

 麻友さんたちは、本当に、恵まれているよねえ。

 女優業に専念したいから、子供は、産みません、でも、通るし、本当に子供も欲しいし、女優もやりたいのなら、子供も産んで、仕事もして、というのも通る。もちろん、完全に引退して、子育てに専念することもできる。いや、結婚して、仕事も辞め、子供も作らないで、いても良い。

「でも、男の人は、昔から、全部、選べたのよ」

 そう。

 女の人は、当然の権利を、主張してるんだ。

「そういうことを、言える、太郎さんは、いっぱい勉強したのね」

 その勉強成果を話すとね、実は、昔は、男の人達が、ものすごく働かされていたという歴史が浮かび上がる。

「男の人が?」

 麻友さんのお父さまだって、そうだっただろうけど、私の父は、次長になった頃からは、残業しても、役職手当があるからと、残業手当も申請しなかった。そして、妹が職に就く頃まで、有給休暇などというものは、ほとんど取ったことが、なかった。

「妹さんは、太郎さんより後に短大に入ってるんだから、1994年卒業?」

 いや、妹は、専攻科へ行ってるから、1995年卒業なんだ。

 国文学のことは、妹に聞けばいい。

 私も以前、

私小説って、どういうものだい?』

と、質問したら、

『自分に起こったことをそのまま書くもので、日本にしかない文体だけど、独創性に欠けるから、私は、好きではないよ』

と、コメント付きで、教えてくれた。

「その妹さんが、会社に入られてから、ということは、1995年、つまり、私が、1歳の頃まで、太郎さんのお父さまは、有給休暇を取ってなかったというの?」

 それが、わかるのは、妹が、会社で苦労も知ってきた頃、父に聞こえるように、

『あんなに、お母さんが、大変な思いしているときは、お父さんが、有給取って、手伝ってあげれば良いんだ』

と言って、それ以来、父も、時々は、有給休暇を取るようになったということがあったからなんだ。

「えっ、じゃあ、太郎さんのお父さまって、風邪引いたときなんか、どうしてたの?」

 基本的に、風邪で熱があろうが、ストで電車が止まろうが、父は、会社へ行っていた。

「ちょっと聞きたいんだけど、会社はどこにあったの?」

 秋葉原

 麻友さんが、よくいるところ。

「確か、渋谷に住んでたのよね」

 そう。渋谷から、歩いて行ったこともある。

 大きい会社だから、社宅まで、送迎バスが来たこともあるけど、歩いて行ったことが、1回あったのは、本当。

「でも、20年後に妹さんが、そう言うって事は、お父さまの働きぶりは、すごかったのね」

 そんなこというけど、高卒の人間は、それぞれの高校で1番か2番でなければ、取らないなんていう一流企業では、そんなの当たり前だったんだよ。


「お父さん。ずっと単身赴任だった。私達のためだったのね・・・」

 麻友さん、今頃、気付いてるでしょ。

「えっ、ときどき太郎さんから言われて・・・」

 どうして、私が、知ってるんだと思う?

「それは、太郎さんが、かしこいから・・・」

 そうじゃないんだよ。全部、母が、しゃべったからなんだよ。

 全部って言うと、オーバーだけど、渋谷にいた頃の事なんかは、母から聞いたことも多いんだ。

 父の苦労を、話してくれる、母がいなかったら、私は、こんなに知らない。

「だから、お母さまに、今までのご褒美のつもりだったのね。それで、打診の結果は?」

『お好み焼きをそんなに食べたくはないよ。それより今年受かった姪と一緒に、はとバスに乗りたい』

と言ったんだよね。

「あら、はとバスだって、そんなに安くはないわよ」

 いや、我が家では、はとバスっていうのは、安いものの象徴なんだ。

「どうして?」

 麻友さんには、渋谷で1回会ったとしか話してない、幼稚園に入る前からの親友の家があるんだけど、・・・。

「ああ、お母さまが、パーキンソン病とか・・・」

 よく覚えてるね。

「幼稚園の頃と言ったので、思い出したのよ」

 すごい記憶力だねぇ。

 それで、昔なんだけどね、その私の親友が、

『ああ、はとバス乗りたいな』

って、言ったらしいんだよ。

 それに、親友のお母さまが答えようとしたら、親友の弟が、

『ミリでしょ。お金がないから』

って、言っちゃって、そのお母さまが、

はとバスくらい、乗せてあげられるわよ』

って、怒った。というのは、我が家では、語りぐさになってるんだ。

「アハハッ、それで、太郎さん、がっかりしちゃったのね」

 4,000円くらいなら、いつでもなんとかなるから、目標の45,000円を、クリアできた、電子辞書を、買うことにしたんだ。


「でも、太郎さん。カタログを見れば見るほど、謎なんだけど」

 何が?

「太郎さん、物理学のことにこの電子辞書を使うのよね」

 そうだよ。

「この、XD-G20000には、英語の辞書はいっぱい入っているのに、太郎さんの役に立ちそうな、『岩波 理化学辞典』と『研究社 理化学英和辞典』が入ってないわ」

 そんなことを見落とすようじゃ、いつものようなことは、言えないよ。

「いつものことって、歴史上最高の数学者で物理学者?」

 種明かしをするとね、以前麻友さんに、『理化学辞典チップ』とツイートしたように、この2つは、SDメモリで買うつもりなの。

「そんなことを、するくらいなら、理化学辞典搭載モデルを買って、後で不足の英語の辞書を、たせばいいのに。物理学で、重要じゃないの?理化学辞典?」

 実はさぁ、それができないから、こっちを買ったんだよ。

「できない?」

 この英語のトップのモデルには、SDカードで小分けしてない辞書が、いっぱい入ってるの。たとえば、オックスフォードイディオム辞典というのは、理化学辞典モデルには入ってないのに、小分けされてないんだよ。

「でも、差し当たって、困らないの?」

 物理学関連では、ランダウ理論物理学教程、全巻そろえてあるし、ブルバキもある。実は、培風館の『物理学辞典 三訂版』を、特殊相対性理論誕生100年で改訂されたとき買ってるし、フェラーリの親友とただ一人の女性の親友から贈られた『岩波 数学辞典 第4版』もある。

 これだけあって、分からなかったら、そりゃ原著が間違えてる可能性の方が高い。


「太郎さん。今、住んでる家、いくらで借りてるの?」

 43,000円だと思う。

「その中に、現代の最新鋭の武器が、詰まってるのね」

 そうだね。他の人には価値が分からないだろうけど、宝の山だからね。

「太郎さん。その電子辞書、どこのお店で買ったの?」

 『アキバe-チョイス』っていう店だよ。

「どうしてそこにしたの?」

 店頭販売があるなかで、一番、安かったから。

秋葉原へ、来たかったんじゃない?」

 分かってるよ。父の本のリストを62冊入れて、2,480円稼いで、秋葉原までの電車賃の他に1,200円くらい余裕を見て、今日というか昨日、電車に乗った。

「じゃあ、じゃあ、来たの?」

 昨日は、物理学や数学でなく英語だったから、先に、AKB48カフェへ行った。

「もうっ」

 アハハ、それに、お昼で、お腹が空いてたんだ。

「当然、これ、よねー」

 うん。これ頼んだ。

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「どうだった?」

 うん。美味しかったよ。『むちち』っていうの、つい最近まで知らなかったんだけど、こじまつり前夜祭のとき、『まゆちゃんのスカート柄はむちちなんだね!』って、『BAKO@知らないうちに』さんが、言ってて、『むちち』って何だろう?って調べたから知ってた。

「ぎりぎりセーフじゃない」

 こういうところにも、シンクロを感じるね。

「運命の巡り合わせってこと?」

 自然とパズルのピースが合っていくんだよ。


「お昼に行ったってことは!」

 うん。食べてたら、2人現れて、カフェ室とシアター室で、対決しますって言って、じゃんけんしてたら対決する3人に、選ばれちゃったんだ。

「えっ、太郎さん、前へ出て行ったの?」

 うん。それで、イチゴ摘みのレースで、2個イチゴ取ったよ。

「2個は、普通だわ」

 相手かたに、3個取った人がいたから、これは、負けるなと思ってたら、金のイチゴを、アンカーが取ったので、シアター室が、逆転勝利で、くじを引かせてもらった。

「4等、だったのよね」

 うん。良く分かったね。

「私、『むちちの愛』を、大切に食べてたおじさんがいたって、後で、聞かされたもの」

 女の人達のネットワークって、すごいんだなぁ。

 ちゃんと、お店の人に、

『これの写真、撮っていいですか』

って、許可をもらった上で、写してきた。

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「どうして、こう、傾いちゃうのかしらね」

 仕方ないんだよ。照明が映り込むのをよけようとすると、そうなっちゃうんだ。

「その言葉が、昨日来てくれたことの、何よりの証ね」

 今月の26日は、お誕生日だね。

「お金が、ないから、プレゼントは、諦めてって、言うんでしょう」

 そんなことは、言わない。ささやかだけど、プレゼント用意してある。

「よく、そんな、おけらで、プレゼント買えるわね」

 まあ、26日間、楽しみにしてて。

「期待しないで、待ってるわよ。それより、もう寝なさいよ」

 うん。おやすみ。

「私は、寝てられないわ。結婚したら、こういう状態は、解消しなきゃダメよ」

 分かった。

 現在2017年3月1日7時56分である。おしまい。

相対論への招待(その5)

 現在2017年2月25日22時23分である。

「前回は、磁力線を、ぶっ壊したのよね」

 科学の進歩は、まったく新しいものを生み出すか、既存のものを壊すかして、なされる。

 私の見るところ、これまでの歴史で、壊した回数の方が、多いと思う。

「でも、良く考えてみると、磁力線というものは、本当は、ないんだよ、と言っただけで、磁力線という概念を使うと、考えるのが楽になることもあるんじゃないかしら?」

 さすが、特待生、気付いている。

 実は、理科の授業の中で、こう考えると便利だよ、というものは、たくさん出てくる。

「たとえば?」

 電池の電圧が1.5V(ボルト)というのにしても、そんな単位、人間が定めたものだ。

「つまり、どういうこと?」

 1.5Vの電池を二本、直列につなぐと、それの倍の電圧、つまり、3Vの力を持つ。この計算のしやすさに、目をつけて、電圧という概念を、作った。

 自然が、最初から、電圧なんて考えて、電気を流しているわけではない。

「だから?」

 普通、理科では、こう考えると便利なんですよ、というのを、明示的には言わないけど、教える側も、教わる側も、分かってて、勉強している。

 ところが、磁力線のときだけ、鉄粉をまいて、線ができるとか、方位磁石がこっちを向くだとか、磁力線の密度が濃いと、磁力が強くなるだとか、やたらと磁力線が実在すると、信じさせようとする。

「太郎さんは、それに対して、おかしい、と思ったのね」

 そういうことだね。

「その欺瞞に対する太郎さんなりの憤りが、私に、あんな質問をさせたのね」

 でも、良かったろ?

「結構、スッキリした。ところで、神7のことを、エントロピーで、使うというのは?」


 ツイッターを見ていない人のために、説明しておくと、ここで彼女が言ってるのは、私が、2017年2月24日3時22分に、


渡辺麻友様。『神7』を私はいつも『かみなな』と読んでいました。『かみせぶん』って言うんだね。2009年と2010年で神7は内部に変動はあったもののメンバーの顔ぶれは一緒なんだね。7人のメンバーの入れ換え方は全部で何通りあると思う?エントロピーで使うよ!


と、ツイートしたことを指す。

 以下で見るように、AKB48の選抜総選挙の第1回と第2回は、上位7人が、メンバーが同じだった。これを用いて、話を進める。


 まず、もう少し易しいところから、行こう。

「易しいって?」

 神2(かみとぅー)から、行こう。

「そんなもの、ないわよ」

 私、ちゃんと、

日経エンタテインメント!『AKB48 10周年』

で、卒業メンバーの過去の順位、調べたんだ。

「そんなことに、使われるなんて、思わなかった!」

 ビッグデータじゃないけど、データがたくさん集まると、ものすごいことが、できるんだ。

 おい、特待生! 神2は、誰と誰?

前田敦子(まえだ あつこ)さんと、大島優子(おおしま ゆうこ)さんよ」

 そして、見事なことに、第1回選挙と第2回選挙で、二人が入れ替わってる。

「どうして、それが、見事なの?」

 この二人の順位の取り方って、1位2位だけだったら、これ以外に有り得る?

「ないわよ。有り得ないわよ。これ以外」

 そう。だから、二人の人間の、入れ換え方は、2となる。

「それが、そんなに、重要なの?」


 しびれを切らしてきただろうから、神3(かみすりー)に、進もう。

「うっ、調べてるのね」

 特待生! 神3には、誰が加わる?

篠田麻里子(しのだ まりこ)さんよ」

 そうなんだ。加わるのは、一人なんだ。篠田麻里子さんは、どちらも、3位だった。

 ここで、1度も1位になれなかった、篠田麻里子さんのために、全員に権利の行き渡る選挙をしよう。

「全員に権利の行き渡る?」

 麻友さん。この3人が、1位2位3位をしめる状態は、何種類作れる?

「それは、そのう、まず、あっちゃんが1位で、優子ちゃんが2位で、麻里子様が3位の最初の年の。それから、あっちゃんが1位で、麻里子様が2位で、優子ちゃんが3位の。これで、2つ」

「それから、優子ちゃんが1位で、あっちゃんが2位で、麻里子様が3位の。それと、優子ちゃんが1位で、麻里子様が2位で、あっちゃんが3位の。これで、4つ」

「最後に、麻里子様が1位で、あっちゃんが2位で、優子ちゃんが3位の。残ったのは、麻里子様が1位で、優子ちゃんが2位で、あっちゃんが3位の。」

「これで、全部のはずだわ。数え落としはない。全部で取り得る状態は、6種類よ」

 おお。特待生と呼ばれるだけあるね。たいしたものだ。

 ところで、名前を並べてて、何か気付かなかった?

「うーん。誰を1位にするかで、後が、決まってくる」

 そうだね。

「つまり、最初に、1位にする人の選び方が、3通りあって、次に、2位にする人の選び方が、もう1位に一人取られているから、2通りなのよ。そして、3位は、残った人。あっ、そうか、{3 \times 2 \times 1 = 6 \ }なんだ」

 そこも、センス感じるなぁ。

「えっ、どこ?」

 {3 \times 2 = 6}とするより、結果は同じだけど、{3 \times 2 \times 1 = 6}とするほうが、遥かに、拡張性もあるしエレガントだ。

「なるほどね。あっ、分かった。太郎さん、これを、神7に応用しろって言うんでしょ」

 いつもの冴え。

「太郎さん。優しいのねぇ。神7で、1位になったのは、あっちゃんと優子ちゃんと私だけなのよね。他の人達にも、このブログ上で、1位を味わわせてあげようというわけね」

 ただ、言っとくけどね。{7!}というのは、膨大な数だからね。

{7!}って?」

 {7!= 7 \times 6 \times 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1}だよ。

「えっと、Googleで、『7!』ポンッ」

「えっ、5040。これは、さすがに書けないわね」

「このブログに、名前を登場させてあげるだけだわね」

 じゃあ、7人の人間が、1位から7位までをしめる、状態は、何種類?

「誰から、始めようか?」

 私ね、神7で、ただ一人、顔と名前が一致しないのが、板野友美(いたの ともみ)さんなの。だから、彼女、最初に1位にしてあげて。

「じゃあ、板野友美さんが1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 次は、たかみなに。

「じゃあ、高橋みなみ(たかはし みなみ)さんが1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 それから、にゃんにゃん。

「はい。小嶋陽菜(こじま はるな)さんが1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 麻里子様。

「そうね。篠田麻里子さんが1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 優子さん。

「おしりこちゃん。大島優子さんが1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 前田さん。

「そうよね。前田敦子さんが1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 おっしーまい。

「えっ?」

 全部たして、いくつになった?

「あの?」

 計算できない?

「分かってる。太郎さんって、こういう人なのよ。ほーんと、頭、きちゃう」

 分かってるよ。

 さっき、あの雑誌で、卒業メンバーの過去の順位調べたって言ったじゃない。

「言ったけど」

 麻友さん、卒業してない。

「あーっ、太郎さん。とんだポカやったわね。小嶋陽菜さんは、2017年4月19日に、卒業公演するのよ。まだ、今は、2017年2月26日。残念でした。私をいじめようとしたの、みえみえ」

 ごめん。麻友さんが、1位のも、数に加えて。

「(背をそらせて)渡辺麻友が1位の場合が、以下6人入れ換えて、{6!}通り」

 全部で、7人だから、

{7 \times 6! = 7! = 5040}種類の状態がある」


 よくできた。

「こんなこと、計算して、何をやりたかったの?」

 エネルギーの取り得る状態の数を計算するのに、使うんだ。

「えっ、AKB48の選抜総選挙と、エネルギーと、どう関係するの?」

 麻友さんは、エネルギーもさることながら、エントロピーというものを知りたい。

 エネルギーは、保存するようだから、一定。

 だけど、エントロピーは、エネルギーが使いにくくなった割合を表す量だから、時間と共に増える。

「えっ、そうなの? あっ、でも、いつでも、質問して良いって言った」

 そう。そんな、増えるだけのものなんて、なさそうだけど、実は、あるんだ。

「謎めかして、何よ」

 ちょっと、想像してみよう。

 2009年の時点で、AKB48にメンバーが48人だったとして、そのなかで、エネルギー(仕事をする能力と一応呼んでおこう)を持っているのは、神7の7人だけだったとする。

「厳しいこというわね」

 これは、説明上だからね。

 そうした場合、そのエネルギーが、48人の中で、1位から48位まで、散らばる、散らばり方、つまり、エネルギーの存在できる状態は、何種類あるだろう?

「えっ、神7は、1位から7位までじゃないの?」

 今は、神7だった7人が、すごろくのさいころを振るように、1位から48位まで、行き渡ったとする。

 その、場合、どれだけの可能性が、考えられるだろう?

「ちょっと待って、さっきのを応用すると、まず、1位から48位までのうちの、1つを選ぶのよ。それから、残った47から、選ぶ」

 どうして、さっきは、1位を、誰にするか、3人から選んだのに、今度は、順位の方から、選ぶやり方に、変えたの?

「うーん。その方が、計算しやすかったのよ」

 そう。こっちの方が、計算しやすい、というのを、見抜くのは、重要。

「こうなるのよ。

{48 \times 47 \times 46 \times 45 \times 44 \times 43 \times 42 = 371,090,522,880}

だから、3千7百10億9千52万2千8百80通りよ」

「こんな大きい数、本当に計算してて出てきたの、初めてよ」

 すごい。すごい。麻友さん、たいしたものだ。

「でも、ちょっと、気になるのよ。私達、神7の7人は、たとえば、前田敦子さんが1位で、大島優子さんが2位の場合と、前田敦子さんが2位で、大島優子さんが1位の場合を、2つの状態と区別して、2通りと数えてるのに、他の41人のメンバーは、全員、同じ人みたいになっちゃって、他の人同士の入れ替えを、カウントしてないのよ」

 さっすが、特待生。よくぞそこまで、気付いてくれました。

「分かってたの?」

 私は、その逆をやって欲しいのです。

「逆って?」

 麻友さんたち、AKB48のメンバーに恨まれないように、神7だけが、エネルギーだった、という記憶だけを残して、7人の区別をなくして欲しいのです。

「つまり、たとえば、前田敦子さんが1位、大島優子さんが2位、篠田麻里子さんが4位、渡辺麻友が5位、小嶋陽菜さんが6位、高橋みなみさんが7位、板野友美さんが8位、というのと、前田敦子さんと大島優子さんを入れ換えたのは、エネルギーとして見たとき、同じ配置だから、1つの状態と、数えるということ?」

 そうだよ。

 もっと、入れ換えたのも全部、1つの状態と数える。

「あっ、そうか。さっきの1位から7位まで、入れ換えたのが、全部の場合に言えて、じゃあ、・・・{7!}で、割れば良いのか。さっきの膨大な数を」

 まったく、特待生だな。一気に走り切っちゃう。

 普通の人は、順位の分布の仕方が違ったら、同じように、{7!}で、割って良いのだろうか?とか、色々つまずくものなんだよ。

「あっ、そうか。でも、いいのよね?」

 うん。

 どういう順位になってても、7人を入れ換えるのは、同じだから。

「太郎さんは、48個の箱の中に、エネルギーを7つ、まき散らす仕方を、計算したかったの?」

 なかなか、もっとすごいことを、考えてた。

「もっとすごい?」

 AKB48には、姉妹グループが、あるでしょう。

「えっ、それも、想定内?」

 麻友さんには、さっきからエントロピーという量を、見せるといってる。

「そうよね」

 実は、そのお膳立てが、ほとんどできてる。

「確かに、エネルギーという言葉は、出てきてるけど」


 ちょっと、違うことに、話を移そう。

「えっ」

 麻友さんは、お酒をほとんど飲まない。私も、誰かと飲むときしか、まず飲まない。

 でも、以前から言っているように、『ザ・マッカラン25年』というお酒は、本当に美味しい。

 ところで、これは、ウィスキーだ。

 日本人は、つまらないことを考えたもので、氷を入れたロックとか、水割りにする人がいる。

「太郎さん。ロックにもしないの?」

 美味しいウィスキーに、水たすなんて、とんでもない。

「西部劇みたいに、ストレートを一気にあおるの?」

 私は、麻友さんに、お酒の飲み方を、教えてるんだよ。

「なんで?」

 麻友さんは、敵視してるかも知れないけど、箱入り娘だった母は、色々苦労もしてるんだよ。

「箱入り娘が、苦労って?」

 母が、父を、初めて実家に連れて行ったとき、母の父、つまり昔パイロットだった祖父が、歓迎のために、珍しく、ウィスキーを用意したらしいんだね。

「おじいさまは、お酒は飲まれなかったの?」

 たばこはよく吸うし、パイプをくわえてる写真が遺影になってる。でも、そんなにお酒は飲まなかったんだ。

「全然、お母さまが、苦労してない」

 父と祖父が挨拶して、では一緒に飲みましょうとなって、祖父が、父と、母と、自分に、ウィスキーをついだ。

「うん、うん」

 母、恥ずかしかったのもあって、喉が渇いたような気分になったんだね。

「えっ、まさか」

 そのストレートのウィスキー、ごっくんって、飲んじゃったの。

「自分では、やったことないけど、ドラマなんかでは、倒れちゃうわよね」

 うん。胸がカーッと熱くなる、なんての通り越して、意識失うくらいになってたらしい。

『ごっくんって、飲んじゃったの?』って未来の夫が言ってる声が、微かに聞こえたという。

「太郎さんは、お母さまから、聞いたのね?」

 そう。

 だけどね。母は、4年生の私立大学、卒業してて、企業にも入ってるんだよ。ウィスキーの飲み方知らないって、そりゃ、箱入り娘過ぎるでしょ。

「やっぱり、箱入り娘なの?」

 母の父親、つまり祖父は、

『勉強の邪魔になるから、アルバイトしちゃいけない』

って、言ってたらしい。

 実際、母は、工学部が大変なこともあり、部活動やサークルも、幽霊部員のような感じで、合同コンパとか、まったく経験なかったんだね。

「あ、でも、太郎さん。私、太郎さんのこと調べるうちに、京都大学でなく、放送大学、卒業間際まで、『カンペ』っていう言葉知らなかったって、聞いたわよ」

 アハハ、『ねくすと』のときね。

 あのプログラムで、友人が

『単位をどうしても、取れなくて、カンペで、通った』

と言ったので、

『カンペって、何?』

と、聞いたんだよね。まあ、非常識かも知れないけど。

「太郎さんって、カンニングペーパーなんて、使ったことないのよね。何でもできちゃうから」

 そうばかりでもない。

 私は、父と一緒に働いていた時期があるのは、前にも話した。

 そこで、父が、仕事に役立つからと、『CAD利用技術者』という資格を取れと言った。

「太郎さん、大学以外にも、試験受けてるんだ」

 2級には、受かったんだよ。だから、『CAD利用技術者補』には、なったんだ。

「1級が、受からなかったの?」

 1級は、実技だったんだ。

「CADで、実技って、何やるの?」

 実際に、図面の枠や、日付も入れて、きちんとした図面を描き上げて、提出するんだ。

「手で描くの?」

 Computer Aided Design なんだから、パソコンで、描くんだよ。

「あっ、そうか。それで、この話をしたのは?」

 私、2回、試験を、受けてるんだ。

「1級を、2回?」

 そう。

「それで?」

 2回目受けるとき、

『あっ、こうすれば、カンニングできるな』

って、気付いたの。

「えっ、カンニングの方法?どうやって?」

 図面を、描くって言ったでしょう。

「うん」

 そのとき、図面の枠は、いつも同じで、日付だけ違うんだよ。

「それで?」

 その枠だけ、家で描いておいて、中のものだけ、試験時間に描いて提出すれば、時間内にあらかた終わるなと、気付いたの。

「どうして、家で描いた図面の枠を、持ち込めるの?」

 パソコンは、自分のものを持ち込むことになってたからだよ。

「パソコンに、もとからあるデータを使うのは、反則なの?」

 それは、禁じられている。まっさらな図面に1から描くことになってた。

「2回目も、落ちたということは、反則できる方法を知ってるのに、使わなかったのね」

 完璧主義の麻友さんなら分かるように、私もそんなことで、自分の名を汚したくなかったんだ。

 それに、反則してその資格もらっても、使い道なかったからね。

「そうか、スピードがのろいのは、雇ってみれば明らかだから、すぐ辞めさせられちゃうのか」

 そういうことだよ。実力のある麻友さんなら、良くわかるでしょう。

「私が、カンペの話をふったから、ここまできちゃったけど、ウィスキーの話は、私に、お酒の飲み方を教えるつもりじゃ、なかったのでしょう」

 まあね。余興が過ぎた。

「何を、話したかったの?」

 紅茶にお砂糖を入れるときは、溶けるかなって気にするのに、ウィスキーの水割りを作るとき、水入れ過ぎかなって、あまり気にしなくて良いのは、どうしてだろうって、話したかったんだ。

「それは、お砂糖は固体で、アルコールは、液体だから、違うんじゃない?」

 うわー、特待生でも、こんな答え、するんだー。

「えっ、何か、まずいこといった?」

 いや、そういう見方をする人が、いるのかと、感心したんだ。

「太郎さんは、どういう見方をしてるのよ?」

 どういう見方も何もね、私、中学のときもらった資料集が面白くてね、いっつも眺めてたんだ。

 パスカルの法則とか、アルキメデスの法則とか、慣性の法則とか、すっごく面白かったよ。

「中学のときは、忙しかったのよ。それで、何を読んだの?」

 エタノールの水に対する溶解度 {\infty}

 水のエタノールに対する溶解度 {\infty}

 つまり、エタノールは、いくらでも水に溶けます。

って、書いてあったんだよ。

「あっ、そうなの。それで?」

 いくらでも溶けるって、面白くない?

「だって、液体なんだから」

 ああ、麻友さんは、資料集の表を見てないからなんだな。液体でも、沈殿しちゃうものいっぱいあるのに。

「沈殿(ちんでん)!」

「そういえば、沈殿って言葉、あったわね。そういえば、油って、液体なのに、水に溶けないわね??」

 そうなんだよ。水にいくらでも溶けるって、エタノールの持つ、目覚ましい性質なんだよ。

「分かった。それは、認めます。エタノール、つまりエチルアルコールが、いくらでも水に溶けるのは、面白いわ。でも、これとエントロピーは、どうつながるの?」

 ウィスキーを、水割りにするのは、簡単だよね。でも、水割りのウィスキーを、水とウィスキーに分離するのは、自然には、行かないよね。

「それは、そうよね。つまり、自然のものには、あっちからこっちへは行くけど、逆には行かないものが、あるのよね」

 つまり、エネルギーにしても、ああいうエネルギーの形だったのが、こういうエネルギーの形にはなるけど、逆には行かないものがある。

「その説明は、これまでにも、色々なところで、聞いた」

 いや、私のは、ひと味違う。

「何が違うの?」


 さっき麻友さんは、AKB48の中の神7を7つのエネルギーとして、48個の場所をしめる、有り得る状態数を、計算した。

 計算を、実行すると?

「やってみるわ。

{\displaystyle \frac{48 \times 47 \times 46 \times 45 \times 44 \times 43 \times 42}{7!}=\frac{371,090,522,880}{5,040}=73,629,072}

だから、7千3百62万9千72種類の状態がある」

 7千万くらいだったということを、覚えておいて。

「7千万くらい?ラッキーセブンと、1千万か」

 さて、AKB48には、麻友さんがいる。NMB48には、『365日の紙飛行機』を歌った、山本彩(やまもと さやか)さんがいる。HKT48には、指原莉乃(さしはら りの)さんがいる。NGT48には、以前に取り上げた北原里英(きたはら りえ)さんがいる。ところが、私のアンテナに、ちっとも反応がないのが、SKE48なんだ。

 『金の愛、銀の愛』という歌は知ってるけど、それくらいしか、知らない。

「えぇっ、太郎さん。本当に知らないの?」

 松井珠理奈(まつい じゅりな)さんの顔は分かるけど、SKE48について、何も知らない。

「それで、何を、しようというの?」

 SKE48と、遊ぼうと思って。

「どういうこと?」

 SKE48にも、SKE48の神7を、与えよう、というわけ。

「はっ、まさか、AKB48を、ウィスキーにして、SKE48を、水にして、混ぜようと・・・」

 素晴らしい、千里眼。特待生の面目躍如だ。

「そんなことすることに、何の意味があるの?」

 やってみれば、分かるんだよ。

「何をやるの?」

 SKE48も、48人だと仮定して、その中にも、別な、神7が、いるとしよう。

 そして、そのSKE48の、神7、つまり7つのエネルギーが、どれだけの取り得る可能性があるか?

「そんなの、計算しなくっても、分かってる。AKB48と人数同じなんだから、さっきの7千万ちょっとよ」

 その言葉を、待ってたんだよ。7千万だよね。

「うん」

 じゃあ、まだ、ウィスキーと水を混ぜる前、つまり、AKB48とSKE48を、合流させる前、14人の神7たちは、どれだけの種類の状態を取り得るだろう?

「組閣前?だと、単純に、一方の1つの状態ごとに、もう一方が7千万種類あるんだから、7千万かける7千万くらいなんじゃ、ないかしら?」

 もう麻友さんも分かっているように、1千万かける1千万は0が7個と0が7個のかけ算で、0が14個になる。つまり、0が12個のものが1兆だから、100兆を越える。実際どうなる?

「7千万かける7千万は、4千900兆くらいのはずよ。16桁の数よ」

 良く分かった。今、具体的な数は、必用ないんだけど、実感を持つために、きちんと、計算してみよう。

「きちんと、計算って?」

 {73629072 \times 73629072}を、きちんと計算するんだよ。

「できるかしら?Googleで、『73629072*73629072』ポンッ。あーダメだ!

『5.4212402e+15』

となって、下の方が、分からない」

 さっき冴えてた特待生が、何を言う。

 この下の方、知る方法、知らないの?

「うー、知ってる。多分こうやれば良いのよ。

私は、

{(ax+b)^2=a^2x^2+2abx+b^2}

という式の展開を知っている。これで、

{x=10000}

と、すれば良いのよ。きっと」

 そうだ。さすが、特待生だ。1度もやったことないけど、こうすれば、できるんだろうな、と目星は付けてあったんだ。

「これを、使うということは、

{a=7362}

{b=9072}

と、7千万を、2つに分割することよね」

 そう。

{73629072=73620000+9072=7362 \times 10000 +9072}

だからね。

「別々に計算するわけ?」

 じつは、カンニングできる。

「あっそうか。

{(ax+b)^2=a^2x^2+2abx+b^2}

で、下の方だけ、計算すれば良いのか。

{x=10000}

で、

{x^2=100,000,000}

となって、この1億の桁の数字は、下から数えて、9桁目だから、さっきの数が16桁だと分かってるから、上から数えて、8桁目。それは、Googleが、2だと計算してくれてる。それより上も、同じこと。

 だから、

{2abx+b^2}

だけ、計算する。

{2abx=2 \times 7362 \times 9072 \times 10000 =133,576,128 \times 10000 = 1,335,761,280,000}

{b^2=9072^2=82,301,184}

だから、たすと。

{2abx+b^2=1,335,761,280,000+82,301,184}

だけど、Googleで、『1335761280000+82301184』ポンッて、あーダメだ。桁あふれする」

 麻友さん。桁は大きいけど、ただの足し算だよ。

「ぎょっ、手で計算するの?」

 どってことないよ。ちょんちょんとやって、

1,335,843,581,184

となる。

 後は、麻友さんが、

『5.4212402e+15』

と求めたのを、カンニングして、

5,421,240,243,581,184

というのが、AKB48と、SKE48の、それぞれの、神7が、混じらずに、存在する場合の有り得る状態の種類の総数。

「うわー、大きいわね。存在する状態数って、こんなに、大きくなるんだ」

 その言葉、忘れないでよ!

「えっ、まさか、これより大きい数が?」

 その数、何桁だった?

「ああ、大体、542兆で、16桁よ」

 覚えやすいね。麻友さんたちにとっては。

「ああ、選抜メンバーの人数と、覚えれば、いいのか」

 それでは、私は、絶対嫌だけど、水割りを作るよ!

「AKB48とSKE48を、混ぜるのね。つまり、組閣をするということ」

 AKB48とSKE48という48席ずつの箱はそのままに、エネルギーの14人が、場所をしめる状態は、何種類になったでしょう。

「うーっ、さすがに、疲れた。太郎さん、私、こんなハードな計算、もうついて行けない」

 確かに、最後に、何をやるかは、見えた。

 計算は、許してあげよう。

「ゼーッ、ゼーッ。続きは、次回にして」

 次回の、見通しだけ、話しておこう。

 AKB48とSKE48を混ぜることを許すと、有り得る状態が、圧倒的に増える。

「どうして?」

 ちょっと、考えてごらんよ。前は、

{48 \times 47 \times 46 \times \ \cdots}

だったところが、

{96 \times 95 \times 94 \times \ \cdots}

に、なるんだよ。

 これを、14人目まで、続けたら、どれだけ大きくなるか。

「フラッ、」

 あっ、大丈夫?

「ふぁろうさむ、むしゃくしゃしゅるんひゃもん」

 特待生でも、さすがに、付いてくるのしんどかったか。

 この混ぜることによって、増える量。これを、エントロピーと呼ぶんだよね。

 つまり、あるエネルギーを与えたとき、そのエネルギーが取り得る状態の数を(実はその数の{\log}を取って)、エントロピーと呼ぶんだ。

 これは、物理学での正式なエントロピーの定義のひとつ。

 可愛い顔して、笑顔浮かべながら、無理してたんだね。

 この定義を思い付いた人が、本当に嬉しくて、この定義を書いた式を、自分の死んだ後、お墓に刻んでもらった。それが、どんな式か、次回、話してあげよう。

 ふらふらにしておいて、寝顔にキスしたりは、しないよ。

 おやすみ。

 現在2017年2月26日8時15分である。おしまい。

相対論への招待(その4)

 現在2017年2月20日19時56分である。

「前回、時間が遅れる理由が分かった瞬間は、『感情をなくした』心だけど、心躍ったわ」

 科学が、麻友さんの心を、取り戻したんだ。科学の勝利だね。

「でも、太郎さんが言ってたように、山脈が見えてきたわね」

 そう、それが、本当の科学だよ。

 だから、ドラえもんのブログの初回に、最初に種明かししても、必ず感動するって、いったでしょう。

「太郎さんは、こうやって、山脈が見えてきたとき、それに、引きつけられて、あの山にも登りたい、その山にも登りたい、となるんでしょうね」

 いくつかの山に登った、私に言わせるとね、最初の山と、あと人生でのぼる、特別な山いくつかをのぞくと、ほとんどの山は、登り方は、似たり寄ったりなんだよ。

「それが、悟るということ?」

 私自身が、悟ってるかどうか、分からないから、話半分で、聞いていていいけどね。

「確かに、一番難しいところが、超特急だったけど、太郎さんの説明で、私、相対性理論の肝心の時間が遅れるっての、納得したわ」

 オリジナル原稿、見せようか?

「オリジナルって?」

 京都で、早朝に新聞を配りながら、一所懸命考えてたとき、この説明法を、思い付いたって、言ったでしょう。

「あの、ゴールデンウィークの頃の発見が、モーターボートの説明法なの?」

 ある意味そう。

「ある意味というのは?」

 当時は、モーターボートで考えたりは、してなかったんだ。

「じゃあ、何で、考えてたの?」

 鉄の棒が、加速していくようなことを、考えてた。

「『ようなこと』、というのは?」

 実際は、加速していくものは、何かは、具体的に考えていなかったんだ。

「じゃあ、太郎さんの頭の中では、どうなってるの?」

 物理学を、ある程度学ぶと、具体的に何が、ということから離れて、ただ何かが動いている、という無色の考え方もする。

って、言ったけど、麻友さん、実は中学でも、結構理科で、こういうこと勉強してるんだよね。

「えぇっ?」

 私、遂に、手に入れたのです。

 これ。

「あっ、やった!私、この中で、聞きたいことが、いっぱいあるのよ」

 だろうね。

 説明、不十分なところ、いっぱいあるからね。

「たとえばね。たとえば、エネルギーって、保存するっていうでしょ、でも、太郎さんも、前、言ってたように、エネルギー問題ってあるのも確かよね。つまり、エネルギーって、なくなっていく・・・」

 ストップ。

 そう、結論を、急がない。

「エネルギーって、なくなっていかないの?」

 いつもは、麻友さんのために、曲げて説明する私だけど、思いっきり本物を、見せた方が、納得することもあるだろう。

 いつもの『ファインマン物理学』のⅠ巻の、第4章は、

『エネルギーの保存』

という章だ。この最後の方で、ファインマンがこういう。


 エネルギーの保存について論ずるときに、使えるエネルギーというものを問題とするならば、話は別だということを忘れてはならない。

-海水はある温度をもっているのだから、その原子は躍りまわっている。しかし他からエネルギーをとることなしにそれを集めてきまった運動をさせることは不可能なのである。我々は、エネルギーは保存するという事実を知ってはいるけれども、人間の利用にたえるエネルギーは、そうやすやすとは保存しないのである。どれだけのエネルギーが使えるかということを支配する法則は、熱力学の法則であって、それには非可逆熱力学過程のエントロピーという概念が入ってくる。


「そうなのよ。いつも、エントロピーってものが出てきて、うやむやになるのよ。ファインマンだって、Ⅰ巻が、力学で、Ⅱ巻が、光・熱・波動だから、Ⅱ巻へ行くまで、おあずけなのよ」

 一応、ファインマンのために弁解しておくとね、米語版では、Ⅰ巻とⅡ巻は、一緒で、それが、第Ⅰ巻なんだ。だから、詐欺ではない。

「詐欺とは、言ってないけど、エントロピーをどう説明するのよ」

 ひとつの説明の仕方として、こういうのがある。

「どんなの?」

 さっきのAKB48中学理科によると、麻友さんたちは、物質、つまり我々も含めて色んなものが、原子からできていて、その原子というものは、陽子と中性子からなる原子核の周りを、電子が回っているという様子をしていると、習ったようだ。

「まあ、今は、それは、認めましょう」

 一方、他の単元を見ると、・・・

「たんげんって、何?」

 ああ、この問題集では、『シーン』って言ってるね。そのことだよ。

「質問は、いつしてもいいのよね?」

 特待生の特権だな。

「それで、他の単元で、なんと言ってるって?」

 コイルに、電流を流すと、磁界ができると言ってる。

「おっと、ここを突かれると、痛いなあ、というところばかり、突いてくるわね」

 どうして、そんなこと言うの?

 物理学に関係のあるところを、読んでるんじゃない。

「じゃあ、聞くけど、ああ、どうしようかな。太郎さんが、みんなと同じこと言ったら。ウジウジ・・・」

 特待生らしくないぞ。

 聞いてみろ。

「磁石の周りに、鉄粉をまくと、線ができるでしょ、あれを・・・」

 磁力線っていわれてるヤツか?

「ああ、やっぱり、太郎さんも・・・」

 本当に、磁力線なんてものあるのか?って、聞きたいんだろ?

「うん、うん。そうなの。でも、あるって言うのよね?」

 ないよ。

「えっ、ウソ」

 ウソじゃないよ。本当だよ。

「じゃあ、磁石というものは、どうして、反発したり、引き合ったりするの?」

 以前、『IH(アイ・エイチ)調理器のこと』という記事で、磁石の登場しない説明って、やってみせたでしょ。

「そういえば、そういうことあった」

 あれは、私の再発見を自慢したかったんじゃなくて、将来、麻友さんが、相対性理論を知ったとき、ものすごい驚きを持って見るように、書いてあるんだ。

「そういえば、太郎さん、『古典論で磁石とは相対論的現象だ』と書いてた。えっ、『古典論で』というのは?」

 私が、常に、誠実であろうとすることの表れだよ。

「『古典論』の反対は?」

 『量子論』だよ。

「あっ、そうか。太郎さん、いつも、量子力学は研究中だから、分かってると言えないって言ってるから、ここでも、保留を残したのね」

 そうだよ。

 でも、『磁力線があると、信じろ』というのは、間違った教え方だと思う。

 私は、一度も信じたことない。

「わーっ、京都大学理学部、行った人が、磁力線なんか信じたことないって言ってくれた。感動!」

 誠実さを期すために言っておくとね、電磁気学という電気と磁気の学問で、電気と磁気の両方から抽出される、ベクトル・ポテンシャルという量があるんだ。

 そのベクトル・ポテンシャルという量は、量子力学と関連して、磁場のないところにも存在することなどが、物理学者の苦心の実験で、確かめられている。

 だから、磁石を置いても、まったく反応しないところにも、磁気の気(け)があるわけだ。

 つまり、磁力線なんて、19世紀の遺物であることに変わりはない。

「うれしー。こんなに、スカッと、したの、久しぶりよ。ただ、太郎さん、エントロピーの説明して、相対性理論のオリジナル原稿見せてってしてたら、寝不足になっちゃう。今日は、磁力線をぶっ壊したので、満足よ。寝ましょ。」

 そうだな。仕方ない。おやすみ。

「おやすみ♡」

 現在2017年2月21日1時38分である。おしまい。