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相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

ベートーヴェン交響曲第7番

 現在2017年4月4日20時36分である。

「あっ、デートね」

 本来なら、お誕生日にデートに誘ってあげるべきだったね。

「でも、プレゼントはくれた」

 そうだったね。

 『相対論への招待』が、もっとどんどん進むかと思ってたんだ。

「どうして思い通りに進まないの?」

 それは、何かテキストがあって、それに沿って進めているのではなく、まったく私のオリジナルで、説明しているからなんだよ。

「じゃあ、今日のは?」

 麻友さんが、今日(2017年4月4日)のSHOWROOMで、今年の選抜総選挙について、昨年ウソを言ってしまったことを謝ったらしいというのを知って、励ましてあげたくなったからなんだ。

「それで、『相対論への招待』を中断して、デートに誘ってくれたのね」

 あっ、やっぱり、麻友さんと私、固い絆で結ばれているんだ。

「えっ、何があったの?」

 今、交響曲第7番のYou-Tubeの音源探そうと思って、Googleで、『ベートーヴェン交響曲第7番』って、検索したんだ。

「そうしたら?」

 カルロス・クライバーの7番が、ヒットしたんだけどね、それを聴いてたら、右下に、『渡辺麻友『総選挙について』2017年4月4日』というのが、表示されたんだ。

「誰かが、アップしたのね」

 でも、さっきは私が、『渡辺麻友 SHOWROOM 20170404』と検索しても、見つからなかったんだよ。

「そんなに都合良く行くかしら?」

 いや、確かに、You-Tubeは、過去に見たものなどから、その人が見たがるものを推定して、表示するんだけどね、今、私が、

『麻友さんどんな言葉で謝ったんだろうなぁ』

と思いながら書いてるところに出てくるって、できすぎでしょう。

「太郎さんは、そういうできすぎなことが起こったとき、魔法だとか運命だとか思うの?」

 そうは思わない。ただ、この人とは、今回に限らず、人生の色んな場面で、奇跡のような良いことが起こるだろうから、やっぱりこの人と一緒にいようと思う。

「確かに、頭は良いし、科学的なのよね。これに、私は、上手く丸め込まれちゃったのよね」

 そう。その通り。

「で、SHOWROOMを見て、どう思ったの?」

 麻友さん。去年の選抜総選挙のとき、来年は出馬しないつもりと、一部のファンに言ってしまったのを謝るので、照れちゃってたのかな?

「どうして、そう思うの?」

 ものすごく、髪の毛、触ってたでしょう。

「あー、それは、あるかも。それと、去年の自分のスピーチを、あんな素晴らしいもの、みたいに言ったでしょう」

 そもそも、あんな急ごしらえのスクリーンで、2万人ものファンの前でしゃべるんだもの、誰だって恥ずかしいわな。

「見苦しかった?」

 あの、髪の毛触るのは、意識してやめた方が良い。女の人は毎日頭洗っているから綺麗だろうけど、男の人は自分の頭を触るとフケが落ちてくるから、女の人が髪を触ると、フケが落ちてくるんじゃないかと、すっごく嫌な気分になるんだ。

「えー、太郎さんからそんな指導を受けるとは思わなかったわ」


 お小言は、これくらいにして、デートを楽しもう。

「今日は、ベートーヴェン交響曲第7番。第7番って、どんな曲?」

 まあ、知らなくても、恥ずかしくはない。

 You-Tubeで、7番の決定盤の音源を見つけておいた。

 バックにかけておいて、ブログを読んで。


カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン交響曲第7番www.youtube.com


「太郎さんは、どうしてこの演奏を知ったの?また、以前の宇野功芳(うの こうほう)?」

 いや、これは、天が私に味方したんだ。

「また、オーバーな」

 私が、クラシックに目覚めた、中学2年のすぐ後、中学3年(1986年)の5月9日から19日に、カルロス・クライバーが来日して、7番を振ったんだ。

「コンサートに行ったの?」

 いや、あの頃は、そこまですごいクラシックファンではなかった。

「でも、演奏を知ってるんでしょう?」

 テレヴィで中継したので、私は初めて、オープンテープというものに、録音したんだ。

「オープンテープって、放送局なんかにある、大きいテープが、グルグル回ってるのでしょう?」

 麻友さんも、辛うじて20世紀生まれだな。

 今の放送局は、全部デジタルで、メモリにデータを保存するから、テープみたいな切れやすいものは、ほとんど使われなくなっているからね。

「それで、オープンテープに録音したクライバーの7番が良かったのね?」

 まあ、そうだけど、こぼれ話をひとつするとね、その録音では1カ所だけ、失敗をしたんだ。

「あら、どんな?」

 交響曲第7番は、全曲の演奏時間が43分くらいなんだ。

「それで?」

 オープンテープって、音質を上げるためには、テープのスピードを上げなければならないんだ。

「たくさんテープを使うほど、いい音になるわけね」

 そう。それで、いい音で録音したい私は、1秒間9.5cmのスピードで90分のテープを、19cm/sで使って、45分で使い切る設定にしたんだ。

「必要以上に、資源を贅沢に使うのは、昔から変わってないわね」

 アハハ、そうだね。

 とにかく、43分の曲を、ぶっつけ本番で45分のテープに録音するのだから、当然細心の注意を払わなければならない。

「どこで、失敗したの?」

 コンサートだから当然、楽章と楽章の間で、休憩が入る。

「分かった!その休憩の間、テープ止めてたんでしょ!」

 その通り。

「それで、止めてる間に、クライバーが、始めちゃった!」

 お見事。

 7番というのは、第3楽章から第4楽章に移るとき、CDでは、ちゃんとスペースが入ってるんだけど、コンサートではほとんどの指揮者が、第3楽章から一気に第4楽章に突入するんだ。

「太郎さん、第3楽章終わったところで、録音止めちゃったんだ」

 クライバーが、指揮始めたから、私もすぐ録音再開したので、ほんのちょっと音が歪んだだけで、母は、知らずに聴いてたけど、私は、

『悔しいー』

って、思って、母のお誕生日プレゼントにかこつけて、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのCDを買ったんだ。

「お母さま、7番好きなの?」

 母は、ベートーヴェンの曲は、かなり好き。

ベートーヴェンの曲で、一番好きなのはどれかしら?」

 うーん。はっきりとは、分からないけど、同じ7番だけど、

ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調作品97『大公』

なんじゃないかな。

「この間のルドルフ大公に献呈された『大公トリオ』ね。そんなに素晴らしい曲なの?」

 正直言って、この曲を語らずに、音楽を語るな、と言いたくなるほどの名曲。

「えぇっ、どうして、そんなことが、言えるの?」

 2014年だから、もう3年前だけど、私が、11月11日からみなと赤十字病院の精神科に入院していた話は何度もしている。

「私が、選抜総選挙で、1位になった年ね」

 そう。

 残念ながら、私は、麻友さんの1位の姿を見てない。

「私、太郎さんに、その姿を、見てもらいたいのよ」

 気持ちは、分かる。

 私が、麻友さんに、自分のことを、歴史上最高の数学者で物理学者、なんていうのも、根は同じところにあるんだ。

 好きな人に、自分の一番の姿を見てもらいたい。

 誰だってそうだよ。

「分かってくれるのね」

 もちろんだよ。

「私、幸せ者ね。太郎さんの良さは、分かり易いところね。あっ、単細胞って意味じゃないわよ」

 分かってるよ。

『その論文は自然な着想が流露していて読みやすい』

は、数学者からアーベルへの最大の賛辞だと言わなかったっけ?

「そうだったかしら。でも、どうして、入院の話を持ち出したの?」

 ああ、その入院中にね、私が、看護婦さんと主治医を説得して、テレヴィを見ている部屋のDVDプレーヤーで、CDをかける許可を取り付けたんだ。

「えっ、スピーカーどうするの?」

 そうなんだよね。普通の人ってDVDプレーヤーで、CDかけられることも知らないし、テレヴィのスピーカーから出して、画面には何曲目を演奏中か表示できるということも知らないんだ。

「そんなことができるのは、知らなかったわ」

 CDプレーヤー持ってない知り合いに、ブルーレイでもかけられますからって宣伝して、『願いごとの持ち腐れ』買ってもらえ。無線LANつなげば、曲名も出るぞ。

「ああ、そうやって、1人1票ずつ積み上げれば、大きいかも」

 そうだぞ。ちりも積もれば山となる。雨垂れ石を穿つだ。

「分かった。やってみる。それで、病院で、何を聴いたの?」

 母が、

『いずみ野は遠くて行けないから、家にあったの持ってきた』

って言って、


グスターヴ・ホルスト 組曲『惑星』

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ホルスト:組曲「惑星」

ホルスト:組曲「惑星」

と、

ルードウィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番『大公』/第5番『幽霊』

イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)/ウラジミール・アシュケナージ(ピアノ)/リン・ハレル(チェロ)

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」、第5番「幽霊」

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」、第5番「幽霊」

の2枚のCDを持ってきたんだ。

「それは、お母さまのCDなの?」

 『惑星』の方は、私が、お誕生日にプレゼントしたものだから、確かに母のCDだ。

「じゃあ、『大公トリオ』は?」

 母、私に内緒で買ってたんだよね。

「あっ、それで、一番好きなのは、『大公』じゃないかって」

 うん。母は、大好きな中島みゆき平原綾香美空ひばりも、いつも私に頼むんだ。

 まあ、私が、良く知ってるからというのもあるんだけど。

 だから、『大公トリオ』を買ってたのは、驚きだった。

「その話をしたかったの?『音楽を語るな』というのは?」

 違う違う。好きな母が、CD買うのは、当然なんだ。

「じゃあ、なあに?」

 一緒に入院していた女の人で、以前の記事で、娘さんをなくした女の人と言っている人が、全然クラシック聴いたことない人なのに、私が『大公』を何度もかけていたら、10日くらいして、退院が近付いて、

『このCD買いたいから、題名教えて下さい』

って、言ってきたの。

「その人が、クラシック聴いたことない人だというのは?」

 だって、

ベートーヴェンだけじゃなくて、ヴィヴァルディにも、良い曲がありますよ』

と言ったら、

『ヴィヴァルディは、持ってます』

って言って・・・、

「ほら、クラシック好きなのよ」

 そうじゃないんだ。

『ヴィヴァルディの何を持ってるんですか?』

と聴いたら、

『あの有名な合奏団の・・・』

というから、

『イ・ムジチですか?』

と聴いたら、

『はい』

と言っているので、

『イ・ムジチ演奏の何を持っているのですか?』

と聞いたら、

『一番有名な・・・』

『四季ですか?』

『はい』

という有り様なんだもの。

 ヴィヴァルディは、イ・ムジチしかないんだと思ってる。

「太郎さんは、そんなこと言うけど、太郎さんの音楽好きは、ちょっと異常なほどなんだから、他の人を太郎さんの物差しで測っちゃいけないわ」

 まあ、そうかも知れないけど、とにかくそのど素人の人でも、10日も聴いていたら、ゲトゲトのクラシックだけど、このCD持っていたいなと思うほどの、曲なんだよ。『大公トリオ』は。

「ふーん。私もちょっと気になったわ。そのうち、デートのメニューに加えてよ。そのゲトゲトのクラシック、聴かせて?」

 私、この調子で、第九まで行ったら、次は、モーツァルト交響曲を何曲かやって、その後、『大公トリオ』をやろうと思ってたんだ。

「あっ、ダメ。そうすると、モーツァルトが、軽い扱いになるでしょう。私、モーツァルトには一家言あるの。だから、第九の次に、『大公トリオ』やって」

 おー、私が初めて、女の子の心をつかめた。

「茶化さないで。真面目にやってよ」

 大丈夫。大名曲を粗末な扱いはできないから。

「なんだかんだ言って、太郎さんの話術にはめられてるわね」

 自然な着想が流露していて読みやすい?


「そうね。太郎さんは、アーベルを越えることを目指しているんですものね。交響曲第7番は、アーベル何歳の時の作品?」

 そうだ、きちんと、言っておかなければね。

 ベートーヴェンが、何年に生まれたか、知ってる?

「えっと、何年だっけ?」

 これはね、意外と覚えやすいんだ。

 1770年生まれなんだよ。1800から30引くんだ。もしくは、1800年に30歳と覚えても良い。

「あっ、そうなんだ。1770年か」

 実は、モーツァルトの方が、覚えにくい。

 私は、3段構えで、覚えている。

「えっ、どうやって?」

 まず、モーツァルトが、35歳で死んでいることを、覚える。

 次に、1800年の9年前、つまり、1791年に死んでいることを、覚える。

 最後に、1791から35引いて、1756年に生まれている、と導く。

「初めから、1756年に生まれた、と覚えた方が、いいんじゃないかしら?」

 もちろん、1756年に生まれた、というのは、あらかじめ覚えるんだよ。でも、不安になったときには、さっきのようにして、導くんだ。

「太郎さんって、本当に、無駄の上に成り立ってる人ね」

 芸術というもの自体が、人間にとって、或る意味、無駄の集まりだからね。

 それで、7番は、1813年12月8日、ベートーヴェン自身の指揮で、初演されている。

 アーベルは、1802年生まれだから、・・・

「アーベル11歳のときね。ベートーヴェンは、43歳のとき。成功したのかしら?」


 この演奏会はね、比較的、成功だったんだ。

 実は、7番の華やかな第3楽章や第4楽章でなく、地味な第2楽章が、アンコールされたんだ。

「えー、あの暗いの?」

 そう。私も、あの楽章の良さは分からないんだけど、『不滅のアレグレット』なんていわれてる。

「ときどき聴く旋律だけどね」

 うん。

 実は、麻友さんは女優だから、いつか演じることがあるかも知れないけど、

ヴァージニア・ウルフなんかこわくない

というお芝居があるんだ。

 これが、訳本。

 この中に、ベートーヴェン交響曲第7番の第2楽章が、出てくるんだよね。

「えっ、なぜ太郎さんが、そんなマイナーなお芝居のことまで知ってるの?」

 それは、私が、悪い学生だったから。

「?」

 それは、冗談だけどね、大学1回生の時の英語の授業で、これの台本を先生がテキストに指定したの。

「それで?」

 悪い学生というのはね、学期末になって、試験が近づいたとき、クラスの10人くらいで、図書館を検索して、訳本を見つけて、それをコピーして、みんなに配って、試験に備えたの。

「ああ、そういうこと。それで、単位は取れたの?」

 実は、私、コピーしているうちに、罪悪感に駆られてきて、勉強してないのに、単位だけ取るって嫌だな、と思って、試験受けなかったから、単位はもらってないんだ。

「もらってないって、それじゃ、進級できないじゃない」

 京都大学には、卒業できないも、ほとんどないけど、進級できないも、ないの。

「本当に、勉強したい人にとっても、遊びたい人にとっても、天国ね」

 卒業はできなかったけど、私は、本当に、京都大学に行って良かったと、今でも心から思っている。


「そろそろ、太郎さんのいつものユニークなのが、始まるわね」

 第1番のときは、調性だった。

 第4番のときは、作品番号だった。

 さて、今度は、何を覚えようか?

「別に、覚えなくても良いけど、いつもの太郎さんの『音楽の分かってない人の音楽講義』してよ」

 分かった。じゃあ、演奏時間にしよう。

「時間?」

 全曲が、何分かかるかだよ。9曲に競わせよう。

「ほんっと、くだらないけど、おかしなこと、考えるわね」

 まず、ベートーヴェン交響曲の中で、長さがベスト3なのは、どれだか分かる?

「『第九』が1番よね。で、『英雄』が2番。3番目は、何かしら?」

 私に、罠に落とされた、第5楽章まである曲があったじゃない。

「あっ、『田園』ね」

 そう。『第九』、『英雄』、『田園』が、ベスト3なんだ。

「なんか、すっごく安易な選択ね」

 そう。ベートーヴェンって、すっごく俗っぽいんだ。

「演奏時間は?」

 『第九』が、74分。『英雄』が、52分、『田園』が、45分くらい。

「良く覚えてるわね」

 これは、今のメモリーやハードディスクのウォークマンやiPodを使ってる子供たちには分からない苦労が昔はあったからなんだ。

「カセットテープのA面B面でしょ」

 そう、そうなんだ。

 本当は、私、曲の長さだけでなく、各楽章の長さまで暗記してた。

「じゃあ、例えば、『英雄』は?」

 第4楽章まで順に、14:45くらい、15:07くらい、5:55くらい、12:08くらい。

「秒まで、覚えてるの?」

 どこで、カセットテープデッキのヘッドを反転させるかって、ものすごく重要だったんだ。

 でも、最近は、ほとんど忘れた。

 いらないものまで覚えているのは、良いことじゃないよね。


「じゃあ、『第九』『英雄』『田園』の次は?」

 それが、今日の『7番』なんだ。さっきも言ったように43分くらいだ。

 そして、面白いことに、ベートーヴェン交響曲の中で、5番目に長いのが、『5番』なんだ。

「そんなことを面白がってるのって、きっと歴史上で、太郎さんだけよ」

 私のブログ、相対性理論のブログは、1日平均70人以上来客があるけど、ドラえもんのブログは、誰も見ない日の方が多い。つまり、私のブログをきちんと読んでいるのは、麻友さんと後2人くらいなんだ。

「だから?」

 くだらないこと面白がっている私を見て、面白がってるのは、麻友さんだけだということだよ。

「アハハ、脱線は良いから、6番目は?」

 6番目は『2番』、7番目は『1番』、8番目が『4番』、そしてビリが『8番』。

「タイムは?」

 全部並べるとね。

9番  74分

3番  52分

6番  45分

7番  43分

5番  35分

2番  34分

1番  32分

4番  31分

8番  28分

くらいなんだ。

「指揮者によって、違わないの?」

 もちろん、速い指揮者だと5分くらい短くなるし、ゆっくりな指揮者だと5分くらい長くなる。ひとつの目安だと考えた方が良い。

「『8番』って、『第九』の半分以下なのね」

 そう。次回のデートの『8番』は、とってもカワイイ、だけど大人な曲なんだ。

「どういう意味?」

 それは、次回のお楽しみ。


「ところで、太郎さんは、『AKB48中学社会』も、買ったんでしょ」

 表紙に大きく、麻友さんが出てるのね。買ったよ。

「あれは、活用してくれないの?」

 使おうと、努力してるんだ。

 だけど、私が、社会科苦手なのもあって、まだ使ってない。

「私、先日のオールナイトニッポンで、テストで90点台後半とか言ってたけど、一番得意だったのは、社会科だったのよ。だから、太郎さんから物理学や数学に関連して、歴史が出てくると、『おっ、面白そう』って、嬉しいの」

 麻友さん知ってる?5教科の中で、私が一番苦手なのは、社会科なんだ。日本史なんて、高校で赤点取ったこともある。

 実は、センター試験で、100点中、地理は47点だった。現役のときだよ。


「そんな・・・、あっ、ここで、太郎さんの思考法を使うのよね。これを、プラス思考でとらえる。社会の苦手な太郎さんと、私が、補い合えばいいんだと」

 すごい、麻友さん、私から、どんどん学び取ってる。

「太郎さんって、何でも糧にしちゃうんだもん。私も、負けられない」

 今日のデートも、実り多いものになりました。


「最後に、指揮者を紹介してよ」

 カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で、言うことなしなんだけどな。

「太郎さんは、今までにどんな指揮者の7番を聴いたことがあるの?」


ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン:交響曲第7番&第8番

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レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DVD)

交響曲 第3番 変ホ長調 英雄 / 第7番 イ長調 [DVD]

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ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DVD)

英雄*交響曲第3番変ホ長調 [DVD]

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ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DVD)

クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DVD)

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朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団(DVD)

ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレ

ベートーヴェン:交響曲第7&8

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サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

ベートーヴェン:交響曲第7番

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  • アーティスト: マリナー(サー・ネヴィル),ベートーヴェン,アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
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  • 発売日: 1999/11/01
  • メディア: CD
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小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ

ベートーヴェン:交響曲全集

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フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団

ベートーヴェン:交響曲第7番 [xrcd]

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サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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宇野功芳指揮新星日本交響楽団

シプリアン・カツァリス(ピアノ)

ベートーヴェン (リスト編曲) : 交響曲第7番

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エーリヒ・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン:交響曲第5番&第7番

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カルロス・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(DVD)

交響曲第7番・第4番 [DVD]

交響曲第7番・第4番 [DVD]

カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団

ベートーヴェン:交響曲第7番 (Beethoven: Symphony No.7)

ベートーヴェン:交響曲第7番 (Beethoven: Symphony No.7)

 これ以外にも、ライブをテレヴィで見たこともあるから、いくつかあるけど、発売されているもので、聴いたことがあるのは、これでほぼ全部。

カルロス・クライバーだけで、3種類もあるの?」

 7番は、カルロス・クライバーの十八番だったんだよ。

「それにしても、19種類も、よくパッと思い出せるわね。」

 このブログを、麻友さんに読んでもらおうと思って書いてるからなんだよ。

「今日のデートも、楽しかったわ」

 連れ回したかいがあった。

「太郎さんは、気付いてないわね」

 何をだい?

「私は、太郎さんに言ったのよ」

 このブログ書きながら、CDチェックしてたとき、フッと、気付いたよ。

「もう。鈍いんだから!」

 SHOWROOMで、

『ここで、東京タワーとかにお金使わないで、選挙資金に回して下さいね』

と言った後、

『ちゃんと、食べて下さいね。光熱費も、ちゃんと払って』

って、付け加えたの、私が、ふりかけだけだ、なんて言ってるからだよね。

「そうよ。アイドルにこんな心配させるの、太郎さんだけよ」

 でも、私、心配させただけのことしてるもん。

「まだ、何かしてくれてるの?」

 デートのお別れを飾るために、話してあげよう。

「えっ、何かにお金かけてるの?」

 お金を少しでも使わないようにしてるんだ。

「どういうこと?」

 麻友さんの宣伝してたワンダエクストラショット、自動販売機だと、絶対100円以上するでしょ。

「もしかして、問屋から買ってる?」

 そういうことになるね。

 アマゾンで、30缶のケースを2,040円で買ってる。だから、1缶68円。

「それは、確かに、安いわね」

『3年後まで、これがあったら、ケーキを買ってあげるから、二人でクリスマスを祝おう』

の約束まで、もう少しで、半分だよ。

「私達、本当に、危ない橋を渡ることもなく、しっかりと歩んでるのね」

 この記事、書きながら、色んな指揮者で、10回くらい7番、聴いちゃった。

「本当に、ちゃんと食べてよ~」

 じゃあ、次回はまたいつになるか分からないけど、楽しみにしていてね。

「ありがとう。おやすみ」

 おやすみ。

 現在2017年4月5日7時40分である。おしまい。

相対論への招待(その7)

 現在2017年3月26日22時38分である。

 麻友さん。23歳のお誕生日、おめでとう。

 卒業前の麻友さんへの最高のプレゼントは、私の写真。

 はい。

f:id:PASTORALE:20160928003318j:plain

「ありがとう」

 去年(2016年)の8月23日に、パスポートに貼るために、横浜SOGOの渡邉写真館で撮ってもらった、デジタル証明写真。

「半年以上前じゃない。ずっと大事に隠してたの?」

 そうだよ。

 これは、床屋へ行った直後に撮ってもらってるし、私の好きな水色のシャツを着てる。

「太郎さんなりに、一番おめかししたのね」

 ちっともハンサムじゃなくて、ただのおじさんなのは、どうしようもなかったけどね。

「太郎さんはやっぱり、その頭を使わなきゃ、魅力的にならないのよ」

 じゃあ、始めますか。

「まず、{\log}から」



 前回、対数は、16世紀の3次方程式の解かれた頃に見つかっていると話した。

「具体的には、誰が発見したの?」

 『代数学辞典 上』から、引用しよう。


 対数の概念はすでにスティッフェル({\mathrm{Stifel,\ 1487\ \sim \ 1567}})によって得られている.
 彼はエスリンゲンに生まれ,もと僧侶であったが,幼少の頃から数学に興味をもち,ルドルフの代数学の研究に没頭した.その後ユウクリッド原論やカルダノのアルス・マグナ等をよみ,その結果1544年に

{\mathrm{Arithmetica \ integra}}

をニュウルンベルグで出版した.この本は3巻からなっているが,その第1巻に

{x} と {y=2^x}

との関係を

{x} {-3} {-2}  {-1} {0}  {1}  {2}  {3}  {4}  {5} 

{y} {\displaystyle \frac{1}{8}}  {\displaystyle \frac{1}{4}}  {\displaystyle \frac{1}{2}}  {1}  {2}  {4}  {8} {16} {32}

と表示して


べき  {2}  {3}  {5}     {2+3=5}

数   {4}  {8} {32}     {4\times 8=32}



べき  {1}  {2}  {3}     {3-2=1}

数   {2}  {4} {8}     {8 \div 4=2}


なる法則のあることを見破り,これを次の形で述べている.


 {1^{\circ}.}累乗の指数が等差数列をなせば,数は等比数列をなす.

 {2^{\circ}.}指数の和は数の積に,指数の差は数の商に,指数の積は数の累乗に,指数の商は数の累乗根に対応する.


 なお負の指数をも考えたことは注目に値する.指数のことを

{\mathrm{exponent}}(エキスポネント)

というのはこの本からである。



(以上、笹部貞市郎『代数学辞典 上(第二版)』(聖文社)1056~1057ページより)


「『ルドルフの代数学』というのは?」

 ああ、これは、麻友さんに話したかったんだよ。

「えっ、何を?」

 先日(2017年3月23日)『AKB48中学数学』が届いたことを話した。

「また、あら探ししたの?」

 そういうわけではないけど、チェックした。

「ルートの記号{\sqrt{\mathstrut \ \ \ \ }}の起源が、ラテン語{\mathrm{radix}}(英語の{\mathrm{root}})の{\mathrm{r}}だというのは、知らなかった。と言ってたわね」

 うん。代数学辞典に書いてあったから、以前も読んだんだろうけど、知識として身についてなかった。

「『代数学辞典』には、どう書いてあるの?」

 これが、その部分の写真。納豆を拡大しすぎる麻友さんみたいに、私も、拡大しすぎかな?

f:id:PASTORALE:20170327044621j:plain

「今日は、太郎さん自身の写真を入れてくれたから、許すわ」

 これを見ると分かるように、{\sqrt{\mathstrut \ \ \ \ }}を最初に書物に書いたのは、ルドルフだ。名前も書くと、クリストフ・ルドルフ({\mathrm{Christoff \ Rudolff}})らしい。

ベートーヴェンパトロンに、ルドルフ大公という人が、いたわね」

 あれは、ルドルフ・ヨハネス・フォン・エスターライヒで、別な人。でも、『大公トリオ』も『皇帝協奏曲』も、素晴らしい曲だよね。

ベートーヴェンに、曲を献呈されるなんて、幸せね」

 確かに。

 ただ、ひとたびその曲が作られてしまえば、その後の人は、皆、その曲を楽しめる。

 楽譜で、音を書けるって、すごい発明だよね。

「数学は、昔から、数字を使ってるけどね」

 いや、それは、正しい理解では、ないんだ。

 確かに、{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9}というアラビア数字というものは、紀元5,6世紀頃からインドで使われていた。

 ところが、未知数を記号で書く、という発想がない。

「それじゃ、ほとんど、代わりの数を用いる、代数じゃないわね」

 そうなんだ。

 私は、小学校の算数から、中学校の数学になるのは、{x}(エックス)を使うことが始まることだ。と、教わった。

 16世紀までの数学は、数学ではなかったのかも知れないね。

「16世紀に、エックスを使い始めるの?」

 16世紀末に、フランスのヴィエトが、始めたらしい。

「じゃあ、フェローやフォンタナやカルダノは、どうやって3次方程式を、解いたの?」

 信じられないことなんだけどね、例えば、


{x^3+ax=b}

という方程式の根を、

 未知数の係数の{\displaystyle \frac{1}{3}}を立方し,それに定数項の{\displaystyle \frac{1}{2}}の平方を加える.そして,この和の平方根を作る.この数に,定数項の{\displaystyle \frac{1}{2}}を加えたものと,定数項の{\displaystyle \frac{1}{2}}を引いたものとを作る.前者の3乗根から,後者の3乗根を引いたものが、求める数である.

と、答えるんだ。


「わーっ、こんな答えられ方して、太郎さん、分かるの?」

 私でも、分からない。

「今の時代に生きてて、幸せだわ。数学で、こんなこと、感じたの、初めてよ!」

 それは、良かった。

 このように、数学だって、記号で書けるようになったのは、最近5世紀くらいのことなんだ。

 数式に、恐怖を覚える人もいるけど、数式こそ、音楽の音符と楽譜のように、伝えたいことを伝えるための、最新兵器なんだよね。

「太郎さん。私の誕生日、過ぎちゃったわよ」

 ごめん。寝落ちしちゃった。

「太郎さんは、イケメンではないけど、太郎さんの頭が働いている限り、面白いことを話してくれる。結婚って、肉体関係を持つためにするんじゃないのね」

 愛と結婚と肉体関係を、セットでしか考えられないような、融通の利かない人でなくて、良かった。

「とにかく、薬飲んで寝なさい」

 分かった。おやすみ。

「おやすみ」

 現在2017年3月27日7時03分である。おしまい。

相対論への招待(その6)

 現在2017年3月12日21時24分である。

 前回は、恐ろしい話になったね。

「太郎さん。私の子供が欲しい人には、卵子あげちゃえばいい、なんて言い出すんだもの」

 私ね、人類は、生き方変えるべきところに、来てると思うんだ。

「また、オーバーなことを」

 幸い、現在は、世界中のほとんどの地域が、平和だ。

「それは、ウソではないわね」

 そして、先進国では、少子高齢化が進み、先進国の人口は、減ってきている。

「それも、確かだわね」

 世界全体の人口は、現在(2017年)ほぼ73億人だそうだ。

 私が、小学校6年生の頃(1983年)には、ほぼ46億人だった。

 麻友さんが産まれた1994年には、56億人だった。

 麻友さんが、AKB48のオーディションに受かった2006年には、65億人だった。

 子供が、減ってきてるのに、どうしてこんなに人口が増えるんだろう。

「それは、発展途上国で、子供がどんどん、生まれてるからでしょう」

 そうなんだよね。

 産んだ子の3割とかが死んじゃう国で、見境もなく、子供を産んでるからなんだよね。

「『見境もなく』だなんて」

 いや、そうなんだよ。ああいう国の男の人は、避妊具なんて、見たことないし、そもそも、

『育てられない子供は産まない』

という当たり前なことが、頭の中にないんだ。

「それを、教育のないせいだと言いたいの?」

 ある意味、教育だけど、道徳と言っても良いかも知れない。

「太郎さんは、ああいう発展途上国の人に、道徳を授けようというの?」

 私は、現在の先進国の人の道徳からして、間違っていると思う。

「例えば、どういうふうに?」

 まず、簡単な例をあげると、今、アフリカとかインドとかで、子供を産むということについての道徳が欠如しているために、10年でほぼ10億人ずつ人口が増えるなんてことになってる。麻友さんが生まれた1994年からでも、17億人増えている。これは、重大な問題だ、と言っていながら、解決できるのに解決してないというのは、道徳的に見て、間違ってないか?

「解決できないから、解決してないんじゃない?」

 解決できるよ。

「根拠もなく」

 根拠あるよ。

 麻友さんと以前計算したように、私を育てるのに父母は、45年間で、5千万円かけた。

 つまり、大体1年に100万円だ。

「そうだったわね」

 私の姪が、中学受験した話はした。

 その学費を見ていると、寮に入ると年間200万円くらいかかるようだ。

「太郎さんと計算した、5千万円って、過剰な見積もりじゃないのね」

 うん。私も、調べてみて、びっくりした。

 予備校には通ったけど、小学校から大学まで、ずっと公立だからね。私は。

 お医者さんの息子とか、社長さんの娘でもなきゃ、のんきに私立で、ずっとなんて、無理なのかもね。

「それで、人口爆発を止められるという、根拠は?」

 1人の人間を義務教育1年受けさせるのに、100万円かかるというわけだ。

「分かった。1年間に増える1億人、全員に、少なくとも9年間の、義務教育を受けさせるには、いくらかかるかを、計算しようというのね」

 さっすが、特待生。

「100万円かける1億人。こんなのどうやって、計算するの?手書き?」


 前、ちょっと話した、ログというものを、教えてあげよう。

「あっ、{\log}ね。トライ式高等学院で、ちょっとだけ習った」

 素晴らしいね。ログって、どういうものだった?

「えっとね。すっごく親切な先生が、分かり易く教えてくれたから、覚えてるんだけど、{\log_{10}10^n=n}というのだけ、覚えていれば良いのよ」

 そうだね。

 じゃあ、例えば、

{\log_{10}10^6=}

は?

「こんなの簡単よ。

{\log_{10}10^6=6}

だから、6よ」

 じゃあ、それを応用して、100万円かける1億人、計算してよ。

「えっ、そういうことに使うの?」

 ログ、つまり対数というものは、かけ算や割り算を楽に行うために、発明されたようなものなんだよ。

「いつごろ?」

 いつもの『代数学辞典 上』を、見てみると、3次方程式のカルダノの解法と、同じ頃、発表されてる。

「本当は、『カルダノの解法』じゃなくて、『フォンタナの解法』なんでしょ?」

 私も、そう思ってた。

 ところが、次の本の『6.4節 代数方程式を解く』を読んでたら、

『S. del Ferro は,3次方程式の解法を1515年に発見したといわれている.』

と、書いてあった。

楕円関数論―楕円曲線の解析学

楕円関数論―楕円曲線の解析学

「えっ、じゃあ、『フェローの解法』か、『フォンタナの解法』か、『カルダノの解法』か、はっきりしないじゃない」

 この部分の歴史は、すごく面白いから、『代数学辞典 上』の該当箇所を、全部、写してあげるよ。

代数学辞典 上―問題解法

代数学辞典 上―問題解法

(1052ページから)

 3次方程式の代数的解法を初めて研究した人はイタリーのフェロー({\mathrm{Ferro,\ 1465 \ \sim \ 1526}})である.彼はボロニア大学の教授で

{x^3+bx=c}

の形の方程式を解いたといわれている。その解法は公表されていないのでわからないが,これを門人フロリドには教えたらしい.しかし当時秘伝の風が盛んでくわしいことは何も知られていない.

 これからこのフロリドとタルタリアとの間に3次方程式解法についての有名な論争が起こるのであるが,それについて語るには,まずタルタリアの生い立ちから述べなくてはならない.

 タルタリア({\mathrm{Tartaglia,\ 1506?\ \sim \ 1557}})は本名をニコロ・フォンタナといい,イタリーのブレッシアに生まれた.1512年彼がまだ幼なかった時,ブレッシアの町はフランス兵のために占領されて,父は殺され彼は口に負傷を受けた.幸いに母の看護によって傷口は直ったが,その後十分に発音することができなくなった.それでいつしか彼はタルタリア(イタリー語で吃り(どもり))とあだ名でよばれるようのなった.その後彼は貧困の中から辛うじて学校に通い,刻苦勉励の結果ベニスの学校の数学教授になった.

 1530年頃にブレッシアにコウという名の数学者がいてタルタリアに2つの3次方程式

{x^3+3x^2=5 \ \ ,\ x^3+6x^2+8x=1000}

を解くように命じた.はじめ彼はこれを解くことができなかったが,1535年には

{x^3+ax=b}

なる形の方程式は解けるようになった.タルタリアはそのことを秘密にしていたのであるが,これを知ったフロリドは彼に試合を申し込んだ.そして試合は1535年2月22日ときめられた.

 初めタルタリアは楽観していたが,間もなく相手が確かにフェロー教授から聞いてその解法を知っているとの情報を得たので,万一負けるようでは不覚であると,一大勇猛心を起こして3次方程式の完全解に没頭した.その結果,試合期日の10日前にようやく一般解法を発見したので,勇躍して試合に臨んだ.

 試合の当日は双方から30題ずつの問題が提出され,それを50日以内に1番多く解いたものが勝ちと定められた.タルタリアは提出された問題{\mbox{――}}その中には{x^2+ax=b}の形の問題があった{\mbox{――}}をわずか2時間で解いてしまったが、相手は1題も解けなかった.

 彼が勝ったとの報が伝わると,方ぼうからその解法を教えてくれと懇請してきた.しかし彼は,これからかこうとする代数学の本の中でこれを公にするとの理由の下にすべてを断わった.

 ところがミラノに住んでいたカルダノ({\mathrm{Cardano, \ 1501 \ \sim \ 1576}})は1539年に秘密を厳守することを誓い,初めは隠語で,後には説明つきでその解法を教わった.その解法というのは

{x^3+ax=b}

において

{\displaystyle u-v=b \ ,\ uv=\biggl(\frac{a}{3}\biggr)^3 \ \ \cdots}

とおけば

{a=3\sqrt[3]{uv}}

であるから,与えられた式は

{(\sqrt[3]{u}-\sqrt[3]{v})^3+a(\sqrt[3]{u}-\sqrt[3]{v})=u-v}

と変形できる.よって

{x=\sqrt[3]{u}-\sqrt[3]{v}}

これに①より得られる{u,v}を代入すれば1根が求まる.

 その後1545年カルダノはこの誓いを破って

{\mathrm{Artis\ magnae\ sive\ de\ regulis\ algeraicis}}

{\mathrm{liber\ unus}} 略称 アルス・マグナ

という本をかき,その中でタルタリアの解法を公刊した.もっともその書の中で彼はタルタリアから説明なしに伝えられたと言っている.

 これを知ったタルタリアは憤慨してカルダノに試合を申し込んだが,彼は出馬せず,要領が得られなかったので1546年に3次方程式解法の発見に関する歴史をかいて世の誤解を解こうと決心したが,ついに発刊を見ずに死んでしまった.


 以上、笹部貞市郎編 『代数学辞典 上 第二版』(聖文社)1052~1054ページより


「これ、実話なのよね」

 少なくとも、数学者の間では、この話をして、『それは、ウソだ』という人は、いない。

「試合を申し込むって、決闘よね」

 そうだよ。

「こんな、平和な決闘って、ないわね。あっ、でも、どっちかが問題の答えを出したとき、第三者が、それ、合ってるかどうか、判定できないじゃない」

 麻友さんでも、そんなこと言うの?

 『これが、エックスだ』

って、求めた場合、そのエックスを、方程式に代入すれば、いいんだよ。

 3次方程式なんだから、3乗より何度も、かけなければならないことは、ないでしょ。

「でも、式の展開が、こんがらがったら?」

 だから、代数的な解法という条件が、生きてくるんじゃない。

 代数的な解法では、

足し算、引き算、かけ算、割り算と、2乗根(つまりルート)や3乗根(3回かけてその数になるちいさい数)や、もっと次数の高い累乗根(4乗根、5乗根、6乗根、・・・)

だけしか、使っちゃいけないことになってる。

というか、当時は、これだけしか計算できなかった。

 だから、問題を出す側も、解く側も、これ以外考えなかった。

 それで、第三者でも、式の両辺のエックスに、答えらしきものを代入して、両辺が、一致すれば、

『答えだった』

と、分かる。

 ものすごく、フェアな、決闘だよね。

「数学そのものは、フェアなのに、人間ドラマが、ドロドロなのね」

 うん。

 これは、ほんの一例で、世紀の大天才が、先取権を奪い合って、見苦しい争いをしたことは、枚挙にいとまがないほどなんだ。

「アーベルも、例外ではない?」

 例外ではない。

 国からお金をもらって、『ガウスに会いに行ってこい』と言われたのに、ヨーロッパ中周りながら、とうとうゲッチンゲンへ行かなかった。

ガウスは、ゲッチンゲンにいたの?」

 そう。ゲッチンゲンの天文台長だったんだ。

「アーベルも、天才なら、天才のガウスに、会ってみたいと思わなかったのかしら?」


 麻友さんも、音楽やってる人なら、ボンからウィーンに出てきたベートーヴェンの話は、知ってるだろう。

モーツァルトに、会いに行ったのよね」

 そう。それで、モーツァルトが、

『一曲、弾いてみろ』

と言った。

「弾いたら、上手かったのよね」

 そう。それで、モーツァルトが、この曲だけ、練習してきたのかも、と思って、

『じゃあ、この動機で、変奏曲を即興でやれ』

とその場で、作った動機を弾いた。

「すると、ベートーヴェンが、夢中になって、どんどん変奏していったのよね」

 あまりにすごいので、モーツァルトが、隣の部屋の友人に、

『今年、すごい新人が現れるよ』

と、伝えた、という話があるくらいだよね。

「もっと、ふたりで、競い合えば良かったのにね」

 天才同士って、あまり近付きすぎない方が、いいんだよ。

「そういうものかしら」

 例えば、モーツァルトハイドンとか、ベートーヴェンハイドンなら、いいんだ。

 交響曲の父ハイドンが、天才でないとは、言わないけど、モーツァルトベートーヴェンとは、比較にならない。

 モーツァルトベートーヴェンのような、歴史上最高の天才同士は、ちょっと離れて、お互いのことをそれとなく気にしているくらいの方が良い。

 アーベルは、長生きしていれば、間違いなく、ガウスの業績をも上回る、多くの業績を、残しただろう。

 早死にさえしていなければ、ガウスと同じくらいの業績を、もっと分かり易い言葉で、論文にしてくれる数学者が、19世紀に現れていたのにね。

「アーベルは、19世紀。3次方程式解法は、何世紀だっけ?」

 これね、覚えやすい物差しがあるんだ。

 まず、麻友さんが生まれたのは、20世紀だろ。

「うん」

 現代数学と言われているものは、大体20世紀に入ってからの数学なんだ。

「ふーん。それで?」

 アーベルは、その1つ前の世紀の人なんだ。

「つまり19世紀ね」

 それから、ペストの大流行の話を、前にしたでしょ。

「ああ、ニュートンが、学校閉鎖になって、田舎に帰っていたとき、大発見したって」

 あれ、何年だった?

「せんろっぴゃくとか・・・」

 そう。1665年。

 実は、この年は、絵画の歴史でも、名高い年なんだ。

 レンブラントの『ユダヤの花嫁』という絵。最近は、『イサクとリベカ』と呼ぶのが大勢になっているようだが、この絵が描かれたのが、1665年らしい。

「どうして太郎さん、そんなに詳しいの?」

 麻友さんに会う前の年、2014年11月11日から2015年1月15日まで、私は、みなと赤十字病院に入院してたんだけど、12月6日に、土曜22時からの『美の巨人たち』が、この絵を取り上げた。

「22時だったら、消灯時間じゃないの?」

 そう、22時消灯なんだけど、あの日は、若きゴッホも、この絵を見たとき、あまりの感動に、魂を奪われ何時間も立ちつくし、そのあげく『もうあと1週間この絵を見続けることができるなら10年命が縮んでもいい。』と言ったほどだと宣伝してたのと、ものすごく油絵の具を厚く塗り重ねて、6mm以上になってるという触れ込みだったので、看護婦さんが、『もう駄目ですよ』と言いにくるまで、食堂のテレヴィで見てようと思ったんだ。

「入院患者なのに、大胆よねぇ。それで、どれくらい見れたの?」

 22時18分くらいまで、見られた。

「じゃあ、内容は、かなり分かったのね」

 うん。

 そして、1665年という年に、ピーンときたんだ。

「『美の巨人たち』見てて、『万有引力の法則』思い浮かべるなんて、物理学者だけね」

 ただ、今日発見があったんだ。

「えっ、発見って?」

 この絵、

ユダヤの花嫁({\mathrm{The\ Jewish\ Bride}})』

『イサクとリベカ({\mathrm{Isaac\ and\ Rebecca}})』

の後者が、最近は正しいと言われてるの。この英語表記、何か感じない?

「確か・・・アイザック・ニュートン。このスペルは?」

 待ってました。

{\mathrm{Isaac\ Newton}}

だよ。

「絵を実際に、見てみたいわ」

 これだよ。

f:id:PASTORALE:20170313092021j:plain

「これが、万有引力と関係のある絵なの」


 ほぼ同じ頃、もっと有名な、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』も、描かれている。

f:id:PASTORALE:20170313092421j:plain

「その英語表記は?」

真珠の耳飾りの少女{\mathrm{Girl\ with\ a\ Pearl\ Earring}})』

だけど、それよりも、こっちの方が、面白い。

ヨハネス・フェルメール{\mathrm{Johannes\ Vermeer}})』

「なんで?」

 ニュートンに、先んずること55年余り(1609年)、惑星の三法則の第一、第二を発見したのは、ヨハネス・ケプラー{\mathrm{Johannes\ Kepler}})なんだ。

ニュートンが、3番目を見つけたの?」

 この言い方だと、みんなそう思っちゃうね。

 そうじゃないんだ。惑星の第三法則を発見したのも、ケプラーなんだ。

「時期が、後なの?」

 そう。第一法則、第二法則から、10年経って、1619年に、発表している。

「10年後っていうの、多いわね」

 人間が、

『10年で、なんとかしよう』

と思うからというのもあるし、

『周りが、10周年とはやし立てるから』

というのもあるだろう。

「あらゆる数の中で、10が、特別になる理由があるの?」

 やっぱり両方の指で、普通に数えられる数だから、というのが、特別な理由だろうけど、つい最近、10ってすごい数なんだと、気付いた。

「えっ、どうすごいの?」

 麻友さん、{\sqrt{10}}って、どれくらいか知ってる?

「いきなり、そんなこと言われても」

 実は、中学3年のときの数学の先生が、絵を描いて、覚えさせてくれたんだ。

{\sqrt{10}}を覚えるのに、絵を描くの?」

 『人(ひと)まるは、三色(みいろ)に並ぶ』

って言って、同心円状に内側から赤、緑、青、のチョークで、円を描いて、赤と緑と青の服を着た人が、このように並んでいるところを思い浮かべてごらん。これが、『人まるは、三色に並ぶ』だ。

と、教えてくれたんだ。

「えっ、教えてないじゃん」

 これで、いいんだよ。

{\sqrt{10}=3.1622\cdots}

なんだ。

 最初のルートのなかの10を、『ひとまる』と読むところが、ミソなんだよ。

「2が、2つ並ぶ、というところも、ひっかけてるのね」

 そう。

 これ、語呂合わせでは、高級なものだと思うんだけどね、私、つい最近、計算してて、これが、パイにすごく近いことに気付いたんだ。

「パイは、{\pi = 3.14\cdots}だから、まあまあ、近いわね」

 まあまあどころじゃないんだよ。

{\sqrt{10}\approx \pi}

だから、両辺2乗して、

{10\approx \pi^2}

となる。

「当たり前のようなことを、やってるように、見えるけど」

 当たり前じゃないよ。

 もう少し研究した後、麻友さんも、次のようなものが、求められるようになる。

{\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{6}}

 これを、求めたとき、計算しなくても、ただちに、右辺が大体、

{\displaystyle \frac{10}{6}}

だと分かる。

「きっと、すごいことなんでしょうね。

{\sqrt{10}\approx \pi}

に気付いた時刻の刻印は?」

『2017.2.10 3:29:29』

「朝3時半まで、数学やってる。早く寝なきゃ」

 そうだね。


 今日の話を、まとめよう。

 20世紀は、麻友さんの生まれた世紀。

 そのひとつ前が、5次方程式が解けないことを、アーベルが証明した19世紀。

 一方、ニュートン万有引力の法則を発見したのが、1665年だから、それは、17世紀だ。

 ニュートンは、翌1666年に、微積分学を発見したと言われる。

 あの『数Ⅲ方式ガロアの理論』に次の会話がある。『第9章 方程式論の流れを変える』の冒頭だ。


広田 今まで見たように,3次方程式・4次方程式の解法は16世紀の中葉までに,本質的に,完成している.だが,その後の二世紀というものは,方程式論にとって,「不毛時帯」となっている.
佐々木 特別な理由でも,あるの.
広田 この時期には,方程式論にかぎらず,代数学一般が沈滞している.17世紀に,「新しい数学」が興ったのが,一因でもある.
小川 「新しい数学」というのは「微積分」ですね.微積分の研究に集中したのですね.
佐々木 女性と数学者は,流行に弱い!
 でも,微積分なんか,もう古い.


「太郎さんは、微積分なんかもう古い、なんて書いてある本で、数学を勉強してたの?」

 微積分を古いと言えるほど、人類の数学は、まだ進んでないけど、麻友さんの注意をこの本に向けさせるために、面白いから引用した。

「これによると、微分積分学が、発見された、17世紀と、次ぐ18世紀は、数学者は、微積分の研究をしていたようね」

 そうなんだ。

 これを、逆に辿るとね、現代数学の20世紀、アーベルの5次方程式の19世紀、微積分を研究してた18世紀、微積分を発見した17世紀、となって、3次方程式や4次方程式が解かれたのは、16世紀だろうと、察しが付く。

「その歴史的考察で、対数が発見されたのが、カルダノの解法の頃だから、16世紀だ、と言いたかったのね」

 お疲れ様でした。やっと、対数発見の時期に関しての物語の輪が閉じました。


「ちょっと、ひどいわよ。本当は、対数を使って、1億人ひとりひとりに、100万円、あげたらいくらになるか、計算してくれる約束だったのよ」

 ごめん。お話書いてたら、面白くなっちゃって、書き過ぎちゃった。

「まあ、私達は、急いでる身じゃないけどね」

 麻友さんに、少しでも、数学が面白いと思ってもらえるのが、一番大事だからね。

「太郎さんが、文系の学部でも、数学教えられるようになるよう、私も、色々、特待生らしく、質問してあげるわ」

 ありがとう。この話は、相対論にも必要な話だからね。

「分かったから、今日は、もう寝なさい」

 そうだね。

 おやすみ。

「おやすみ」

 現在2017年3月16日4時19分である。おしまい。