相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

相対論への招待(その9)

 現在2017年5月1日22時25分である。

「昨晩は、随分、酷評してくれたわね」

 他のどの批評家の言葉より、私の言葉が一番、胸に刺さるだろうと思ってね。

「いわれてみて、私も太郎さんの言いたいことが、少し分かったわ。でも、あれは、想定内なのよ」



 ここだけ読んで分からない人のために書いておくと、2017年5月1日0時40分からテレビ朝日で、『サヨナラ、えなりくん』というテレビドラマがあり、渡辺麻友さんが主演したのである。そのドラマのことを言っているのである。



 私も、今日、もう1回見直してみて、初回からフルスロットルでやっちゃったら、後が持たないな、と気付いた。

「でも、太郎さんから、いつものように、直言を聞けて、嬉しかったわ」

 私は、ファンではないからね。

「それで、ドラマの中身はどうだった?」

 設定は、面白かったよ。純愛を求める25歳の女性。

 25歳っていうのは、ちょっと早すぎる気もするけど。

 女の人が、慌て出すのって、30歳になってからかな、くらいに思ってたけど、25歳であんなに慌ててるんだ。

 麻友さん、2年後、そうなる気がする?

「私には、太郎さんがいるから、ああいうことにはならないけど、でも女の25歳って、結構、追いまくられるものだと思う」

 そうか。女の人って大変なんだね。

「純愛の描き方は、どうだった?」

 純愛、つまり純粋な愛という場合、体の関係がほとんどないものを、想像しがちだよね。

 社会の多くの人の考え方がそうなのだから、純愛を求める女の人を演じるのなら、体の関係を拒む女の人を演じるのが、分かり易いよね。

 でも、桐山さおりが、段々成長して、体の関係があっても、純愛だと思えるようになるところまで、演じられれば、それはそれで、成功だよね。

 あっ、今、名前、書いてて気付いた。昨日ドラマが始まってから、今、『さおり』って書くまで、クロイツェル・ソナタの女の人のことは、完全に忘れてた。麻友さんが、どれだけ素敵な女の人かってことだね。

「じゃあ、写真集、見れる?」

 そういう、意地悪は、しないの。

 気が狂ったなんていうのは、頭に致命的なダメージを与えているんだから、そっとしておけるものは、そっとしておいた方が良い。

「今でも好きなの?」

 思い出したくないの。

「太郎さんでも、アンニュイな気分になることがあるんだ」

 あっ、そのアンニュイ。『残念くんに効くレシピ』の中で、出てくるんだね。

「そうだったのよ。でも、ちゃんと見てくれたのね」

 私は、資金が許せば、麻友さんの情報は得るようにしてるんだ。

「本当に?」


由紀「私はね、自分の卒業コンサートはなんとなく想像がつくけど、麻友の卒業はどんな感じになるのか・・・」

麻友「でしょう? いいの、そんなに盛大にやらなくても」


「あっ、それ、FLASHの『まゆっとゆきりん3♡』じゃない」

 そうだよ。

 なんでも、付録の女の人の裸の写真が良くないとかで、ネットで300円で、手に入るけど、私は正価で(つまり460円で)購入したよ。

「まあ」

 こういうのって、1から10まで気持ちの問題だと思うんだよね。

FLASH  (フラッシュ) 2017年 5/16 号 [雑誌]

FLASH (フラッシュ) 2017年 5/16 号 [雑誌]

「太郎さんから見て、この言葉はどう映るの?」

 麻友さんらしいな、と思うね。

 結婚式も、身内だけで、卒業コンサートも、そっと。

 一貫してるよね。

「でも、太郎さんは、私が、某夢の国へ行ったとき、撮影大会になっちゃったのを、『面白かったですね』と言ったら、自分のお嫁さんになるために生まれてきたような人だと思った、と言ったのよ」

 そこも、一貫してるんだよ。麻友さんはもう、自分が有名人だというのを、完全に受け入れてるんだよ。

 だから、撮影大会になっちゃったら、止められない。みんなが喜ぶなら、いいじゃないの。でも、私の大切な日には、そっと過ごさせて。大切な人は、大事にさせて。

 麻友さんって、そういう人でしょう。

「そういうふうに、この深淵をのぞき込まないで」


 じゃあ、物理の話をしよう。

「その前に、1億人に義務教育を」

 そうだった。ひとり100万円だったね。

「あのときの計算は、

{\log_{10} 100万円 \times \log_{10} 1億人}

だったのよね」

 実は、結論は正しいんだけど、最初の式が間違えていた。

「えーっ、どういうこと?」

{\log_{10} (100万円 \times 1億人) = \log_{10} (10^6 \times 10^8)}

としなければ、ならなかったんだ。前のページは、そのままにしてあるから、私の間違いを眺めてね。

{\log_{10} (100万円 \times 1億人) = \log_{10} (10^6 \times 10^8)}

{= \log_{10} 10^6+\log_{10} 10^8 = 6+8 =14}

ということ?」

 そう。ここで、100万円を100万円/人にしなければならないと、前回気付いたのだったね。

「そうすると、100万円/人×1億人=100×万×億×円みたいになるけど・・・」

 計算の方針は合っているよ。ログ。特に、麻友さんが使っている、10を底にしたログは、10の何乗の数か、つまり何桁の数か、というものを表しているんだ。

「じゃあ、14というのは、14桁の数ってこと?」

 本当は、知ってたんでしょ。特待生なんだから。

「なんとか、分かってたけど、太郎さんの式変形って、ものすごく速いのよ。太郎さんには当たり前で、どんどん変形していくけど、こっちは、追いかけるの大変なのよ」

 私、これ以上簡単にできないっていうくらい、丁寧に変形してるんだけど、特待生でもそうなのか。

 とりあえず、

{\log_{10} 10^6+\log_{10} 10^8}

というところまで、いいかな?

「その『円』は、どこに対して付いてるの?」

 うん。それは、特待生らしい質問だ。普通の人は、漠然と分からなくて、なんと質問して良いか分からないものだ。

 これは、

{\log_{10} 10^6+\log_{10} 10^8})円

では、ないんだ。麻友さんは、そのことに気付いて、質問したんだね。

「うん

{\log_{10} (10^6円/人)+\log_{10}(10^8人)=\log_{10} (10^{14}円)=14}

ということなんでしょ」

 お見事。

「でも、聞きたいんだけど、この対数を取った14という数字の単位は何なの?」

 いいこと聞いてくるね。特待生は、そういうことどんどん聞いてきて、先生を困らせなくてはいけない。

「えっ、太郎さん困ってる?」

 実はね。対数というのは、何乗したものか、というものだから、それ自体には、単位はないんだ。

 ところがね、後で出てくるエントロピーというものは、この対数自体をエントロピーと定義するので、これ自体が単位を持っているように見えてしまう。

「えっ、エントロピー? そういえば、相対性理論の説明を始めたところで、エントロピーを説明しようとしたのよね。思い出した。神7をひとりひとり1位にしたりして、あれ、なんだったの?」

 普通の人にとって、エネルギーよりもっと分かりにくい、エントロピーというものを、麻友さんに説明しようとしてたんだよ。

「その説明に、{\log}が、必要なわけ?」

 そう。

 それで、義務教育にいくらかかるかの計算をしながら、ログに慣れようとしていたの。

「さっぱり、分かってなかった」

 私も、説明下手だなと、自分でも思ってた。

「目的は、分かったけど、発展途上国を救ってよ」

 うん。

 まず、14桁の数。{10^{14}}円、必要だ、というのは、いいよね。

「それを、{\log}で、計算した」

 ところで、麻友さん。日本の国防費ってどれくらいか知ってる?

「おっと、国防費に手を付ける」

 いつものスマートフォンで、ちょっと調べてよ。

「はーい。なんて、良いお返事をして、スースーポンポン

あれっ? 2016年が、461億ドルって、いくらくらい? グーグルで、5.15兆円。えっ、これって、何桁の数?

          10,000 1万

     100,000,000 1億

1000,000,000,000 1兆

よね。つまり、12桁の数じゃない。夢の14桁が夢じゃない」

 だからいったでしょう。根拠あるって。

「でも、2桁足りないって事は、100分の1しか用意できないってことよ」

 どうして、国防費で、計算させたんだと思う?

「あっ、太郎さん。国防費はGNPの100分の1だ、なんて言い出すんじゃない?」

 言って悪いかい。日本には、10の14乗もの額の、発展途上国の人全員を義務教育受けさせるのにかかるお金をなんとかできる財力があるんだよ。

「ちょっと待って、だまされないわよ。そもそもの仮定に、9年間の教育というのが、あったわ。この9倍かかるのよ。そんなに甘くはないわ」

 それなら、こちらにも手がある。

 そもそも、私達は、先進国の道徳がなってないという話から、この話になった。

 日本だけでなく、先進国(例えばG7の7カ国)が、全部アフリカやインドにお金を融通すれば、全人類にまともな義務教育を施すことができ、人口爆発なんて防げる。

「太郎さん、それを計算するために、今まで講義してきたの?」

 いや、違う。

「えっ、違う? じゃ、何のため?」

 麻友さんに、数学ができるだけで、こんなに世界を救えるようになるんだよって分かって欲しかったんだ。

「分かって欲しかったって、太郎さんは、指導者になったり、教祖になったりする気は、まったくないの?」

 ないよ。指導者になると、大変なんだ。麻友さんもAKB48のエースなんていわれて、大変でしょう。

「確かに、私も、身の振り方では、悩んでる。AKB48入ったばっかりの頃みたいに、すべてが楽しい、なんてことはなくなってるわね」

 私、あるとき気付いたんだ。

 この世界では、他の人のやりたがらないことをすると、お金がもらえるんだなって。

「他の人のやりたがらないこと?」

 極端な例を上げれば、麻友さんの写真が載ってるFLASHにも、裸の女の人の写真が載ってるよね。

「それはそうだけど」

 自分の裸を見られるって、あまり気持ちの良いものじゃないよね。相手が大好きな人でもなければ。

「それはそうね」

 その嫌な裸を見せるということをしたから、あの人は、お金をもらった、というわけ。

「ちょっと、待って。でも、『自分の仕事に誇りを持つ』って、大切なことじゃないかしら?」

 誇りを持てる人は、それでいいんだよ。

 ただね、お金は、他の人が嫌がるようなことをしなければもらえないのが、今の世界なんだよ。

 例えば、麻友さん。今、AKB48のエースの座にいて、公演していて、本当に純粋に、幸せだと言える?

「うっ、でも、仲間の卒業公演とか、本当に、幸せに感じるときも、あるわよ」

 そうだよね。麻友さんにとって、12歳の時から入っているAKB48だものね。

「太郎さんは、例えば、トランプ大統領なんかは、どう思うの? 大統領って、みんながなりたがる職よ」

 麻友さん、そこまで、AKB48の階段登りつめていながら、まだ気付いてないのかなあ。

 政治家って、どうしてあんなにお金がもらえると思う?

「名誉ある職だから」

 特待生は、優等生の向こうを見なきゃ。

「どういうことよ」

 他の人の嫌がるようなことをしなきゃ、お金はもらえないんだっていったでしょ。

「大統領って、忙しいかも知れないけど、やりがいのある仕事じゃないかしら」

 政治って、だましたり、賄賂を使ったりと、汚い世界なんだよ。だから、やりたがる人少ないんだ。それで、高いお給料払って、なってもらってるんだ。

 大統領なんて、その最たるものだよ。

「太郎さん。太郎さんの言ってることは、この世界のすべての人を、否定することよ。みんななにがしかの仕事をしてるのよ」

 私だって、否定するだけだったら、こんなことは、いわないよ。

「いつもの対案が、あるのね」

 期待されても、困るけど、前から言ってるように、お金というものを、ある意味なくした方がいいんだ。

「その案ね」

 お金というもので考えるから、アフリカやインドの子供(や大人?)を救うことすら思いつけない。

 正直言って、麻友さんは小さかったけど、ライブドア事件ってあったでしょう。

「小学校の頃ね。あれが、どうしたの?」

 どうして、堀江貴文は、逮捕されたのだろう?

「そりゃ、悪いことしたからでしょう」

 麻友さん、本当にそう思ってる?

「えっ、違うの?」

 ホリエモンが、ルール違反をして、たくさんお金を集めたからだよ。

「ルール違反したんだから、悪いじゃない」

 そのルールだけどさぁ、要するに、今たくさん株を持っている人達が、自分達の身を守るように、他の人が株で儲けにくくなるように作ったルールなんだよ。

「太郎さん、そんなの無茶苦茶よ。この社会全体、敵に回すことになるわ」


 今日は、11年前から、コツコツと歩んできた麻友さんと違い、22歳の時にエリートコースからドロップアウトし、働き口すら見つけるのに苦労しながら、23年間社会を歩んできた私なりの、お金を稼ぐということの見方を披露した。

「びっくりだわ」

 そんなに驚くことはないよ。私、大言壮語はするけど、見かけ以上に平凡な人間だから。

「太郎さんに、私の裸を見せて良いものかしら?」

 悩んでね。

 おやすみ。

「あっ、おやすみ」

 現在2017年5月2日6時28分である。おしまい。

相対論への招待(その8)

 現在2017年4月21日22時42分である。

 やっとドラマのタイトル決まったね。

「もうクランクインしているの」

 そうらしいね。そうツイートしてる人、見かけた。

「太郎さんが、『相対論への招待』の連載を中断させてから、今日まで進まなかったのは、どうして?」

 そんなに、深い理由はないんだ。

 ただ、書こうというモチベーションが下がっていたというだけ。

「じゃあ、私に対する気持ちが冷めたとか、そういうことではないのね」

 麻友さんに対する気持ちが冷めたら、毎日ツイートしたりしないし。

「あっ、そうか」

 それに、麻友さんを、喜ばせることがある。

FLASHスペシャルグラビアBEST 2017GW号 (FLASH増刊)

FLASHスペシャルグラビアBEST 2017GW号 (FLASH増刊)

 この雑誌。

「えっ、でも、私が、『みてね~』って言ったのは、これではないはず」

 分かってるよ。『TVBros.』の2017年4月22日号でしょう。

「記事を読んだのね」

 読んだ。ここに写真を出せないのは、アマゾンが取り扱ってないからだ。

「ただそれだけの理由か。それで、『FLASH』も読んだなら、感じるところがあったはずだけど」

 麻友さんが、10年後も結婚してないだろうと言ってる。

「どう思った?」

 最初、

『こんなめちゃくちゃ言っていいのかな?』

と思ったから、びっくりだった。

「どれくらい、びっくりしてた?」

 8時間半くらい。

「ずるーっ、何よそれ、どういう意味?」

 15時5分に雑誌を買ってきて、今見てて、気付いたんだ。

「何に?」

 麻友さんと柏木由紀さんの後ろに、風船が飛んでいる。

『4』と『1』

だ。つまり、4月1日のエイプリルフールだったんだね。

中島敦の『山月記』で、一日過ごせるって言ってたけど、本当ね。その雑誌の写真一枚で、8時間も楽しめるなんて!」

 ウフフ。

 これが、私の特技かも。


「でも、ということは、その雑誌、買ってくれたのね」

 昨日、コンビニで、見てきて、

『やっぱり、買おう』

と、今日、思ったんだ。

「そのきっかけは、なんだったの?」

 麻友さん、いつまでも、AKB48にいないよな、と思ったこと。

「私が、いつまでも、今のままではいないことをさとったのね」

 500円くらいの雑誌を、半年に一回くらい買ったって、バチは当たらないだろうなと思ったんだよ。

 毎月じゃないしね。


「太郎さん。私は、ドラマの題名を変えて、ついにスタートさせたわ。太郎さんも、『相対論』始動させてよ」

 ログの話で、道に迷ってたんだよね。

発展途上国の1億人全員に、1人1年間100万円で、9年間義務教育を与えられるかを、計算したかったのよ」

 すごい、記憶力だね。

「前の記事を、チラッと見たのよ」

 どこを見れば良いか、分かってるだけで、大したものだ。

「それで、{\log}を使うということは、

{\log_{10}100万円 \ \ \times \ \log_{10}1億人 \ =\log_{10}10^6 \ \times \ \log_{10}10^8 \ =6+8=14}

となる」

「これは、どういうことなの? 14というのは、何?」

 どんなに難しい計算でも、計算間違いしていなければ、丁寧にほぐしていくことで、解決できる。

 今の場合、100万円を、1億人に配るんだ。

 難しい説明をしようと思えばできるけど、そんなのは実際には役立たない。役に立つやり方を見せよう。

 100万円の単位と、1億人の単位を見ると、『万円』と、『億人』だ。

 でも、これをかけた結果は、いくら必要かが問題になっているように、『~円』となるはずだ。

 つまり、このかけ算をするとき、単位を書き間違えたんだ。

「ちょっと、ちょっと、いきなり『さっきのは間違い』なんて、どうしてそんなことが、言えるの?」

 私、計算するとき、単位なんて、すっごくいい加減にやってるんだ。だから、『あれっ?なんか変?』ということに、よく遭遇する。遭遇してから対処することにしてるんだ。

「やっぱり、太郎さんに、先生は、務まらないかも・・・」

『常に正しくあれ』

というより、

『間違いに気付き直せる人間であれ』

という方が、実際には、役立つ。

「それで、さっきの単位は?」

 『~円』となるはずだから、100万円は、これで、いいよね。

 問題は、1億人だ。

 1億人の単位を何かに変えて、万円とかけたとき、きちんと『~円』となればいいんだ。

「えっ、太郎さん。それは、無理よ。円に何かかけて、円にしようとおもったら、何もないものを単位にしなければならなくなる」

 さすが、特待生。

 私が、間違えてる。


 『~円』となるはずだから、100万円は、これで、いいよね。


と書いたところで、間違えた。100万円は、これでよくないんだ。

「どういうこと?」

 この100万円というのは、1人につき、100万円という意味だから、

100万円/人 (ひゃくまんえんぱーにん)

と書かなければ、ならなかったんだ。


「珍しいわね。太郎さんが、間違えたまま進んじゃうなんて」

 間違えることは、結構あるんだ。でも、今回のように、それを、残しておくことは、いつもは、しない。

「何か、言いたいことが、あったのね」

 時々紹介しているけど、この本、

矢ヶ部巌『数Ⅲ方式ガロアの理論』(現代数学社

数III方式 ガロアの理論

数III方式 ガロアの理論

 すっごく良い本なんだけどねぇ、今のように間違えたまま進んじゃって、後から、『あれは、間違いだった、やり直そう』なんてことが、何回も出てくるの。

 読んでる方は、何が正しいのか、さっぱり分からなくなるんだ。

「じゃあ、どういうところが、良いというわけ?」

 まず、歴史的に、数学が、こういうふうにできてきたのかと、分かるようになっている点。

「太郎さんが言ってたように、なぜ体というものを考えるの?というような疑問を持つ人には、良いかもね」

 それから、具体的な難しい計算をかなりやらせるので、計算力が付く。

「私は、やりたくないわね」

 あれー、麻友さん。素敵なことが待っているときの計算って、蜜の味だよ。

「他には、どんな良いところがあるの?」

 色んな文学や映画の一節を取り込んで、1章1章が、お芝居を観ているように楽しめる。

「例えば、どんな風に?」

 先日話した、『命短し,恋せよ乙女・・・』は、第23章だった。

 この章の題は、

『夢は方程式を駆けめぐる』

と、なっている。

 激しい方程式との戦いの末、アーベルは、今日アーベル方程式と呼ばれる方程式が、代数的に解けることを証明する。

「アーベル絶命!?」

 第23章の最後から、引用しよう。


広田 この性質を持つ方程式は,アーベルに因んで,アーベル方程式と呼ばれている.
 だが、一般な「代数的可解性の判定法」の発見は果たさず,労咳に倒れる.婚約者クリスチーヌに看取られながら,26年の生涯を閉じる.
佐々木 旅に病んで
      夢は方程式を
        駆けめぐる


「えっ、太郎さん。ネタバラしちゃったんじゃない?」

 大丈夫。ガロア理論勉強する人は、こういうことみんな知ってて、読んでるんだから。

「最後のは、松尾芭蕉の『おくのほそ道』?」

 ここは、私が間違ったこと書いちゃいけないんだ。松尾芭蕉は、『おくのほそ道』書いた後も生きてるんだ。そして、死の4日前に書いたのが、『旅に病んで夢は枯れ野をかけ廻る』なんだ。

「じゃあ、この句は、『おくのほそ道』には、入ってないの?」

 そういうこと。

 でも、麻友さんに書こうと思って調べたお陰で、このことを知った。『数Ⅲ方式ガロアの理論』の威力、今でもあったね。

「そうかー。太郎さんって、そういうとっかかりから、文学に入って行ってるのか。好きなことから入っていくから、身につくのよね」

 私、大学入って、2年くらいしてから気付いたんだけど、義務教育で教える事って、こういう、何かに入って行くときの、最初のとっかかりを与えるものなんじゃないかな、と思う。

「太郎さんは、なぜこの本の話を、しつこくしているの?」

 この本の解説が、きちんとできる人というのは、日本に数人だと思うんだ。

「太郎さんを含めて?」

 いや、私は、まだ完全には、解説できない。

「じゃあ、誰なら、できるの?」

 分からない。

「太郎さんは、どうしたいの?」

 この読みにくい本のきちんとしたガイドブックを作って、今の百倍くらい通読できる人を増やしたいんだ。

「なんのために?」

 いつも、言ってるように、日本の科学のため。いや、日本のため。もっというと人類のため。

「すぐオーバーになるのは、太郎さんに良くあることとして、どうすれば、いいかしらね」

 私は、またこの本が絶版になるのが、惜しいんだ。

「また、絶版になるの?」

 多分、10年たつまえに。

「でもね。話が古すぎるのよ。『命短し,恋せよ乙女・・・』なんていったって、いくら黒澤明が名監督でも、『生きる』なんて知らないわよ」

 それは、分かる。数学そのものは、1976年6月20日初版の頃とまったく変わってないのに、社会は移ろってしまった。

「『アラカン』にしても、今の人違うこと考えちゃって、嵐寛壽郎なんて、思い浮かべもしないわよ」

 でも、この本の読みにくさは、そこにあるんじゃないんだ。

 数学の本文が分かれば、そういうちょっとしたことは、

『古めかしい本だね』

で、通っちゃえるんだ。

 それなのに、数学の難しい概念がまわりくどく、それでいて不親切に書かれていて、理解できない。

「しょうがないじゃない。そういう本なんだもの。その本を読んで、太郎さんが立派な数学者になれば、周りの人のその本の見方も変わるわよ」

 そうか。まず私が、立派にならなきゃ誰もかえりみないか。

「そうよ。さあ、もう夜が明けちゃったじゃない。土曜なんだから、URLをツイートした後、早く寝れば、今晩があるわよ」

 じゃあ、ログの使い方からまた脱線しちゃったけど、題名はそのままに、投稿するよ。

「ばいばい」

 ばいばい

 現在2017年4月22日11時24分である。おしまい。

入院の思い出(その2)

 現在2017年4月14日21時19分である。

「太郎さん。今の私に新しいアイディアを説明してくれても、私には、分からないわ」

 確かに、30年以上、物理学をやってきた人間が、やっと思い付いたアイディアを、物理学を学んだこともない麻友さんが、分かるはずないのは当然だ。

「太郎さんが、喜んでいるのは、分かるけどね」


 4回目の入院に関しては、記事にしなければ、と思いながら、ズルズル引きずっちゃってることが、他にもあるんだ。

「どんなこと?」

 ひとつは、麻友さんに会う前の、『地震が起こっても火事になっても使えるエレヴェーター?』という投稿で書いたエレヴェーターのこと。

 麻友さんに会う前の3回目の入院の時には、確かに、

非常用エレベーター』

というプレートがはってあったのだが、私があんな投稿をしたためか、4回目に入院したときには、プレートがなくなっていた。

「太郎さん。過去に書いたことが正しいかどうか、随分丁寧にチェックしてるのね」

 そりゃー、科学者は、信用が生命だもの。

「次は?」

 2番目は、お風呂に入るときのことなんだ。

「4回目に入院したときは、お風呂に看護婦さんを呼んで、背中流してもらった?」

 そういうことじゃないよ。

 『この世界の本当の姿は?3』という投稿で、自分の予約した30分の下の欄に、『介助』と書いて、60分間の予約を取って、ゆっくりお湯につかるという方法を、看護婦さんから教わった、と書いた。

「そういえば、随分、優雅にやってるなあ、と思ったわ」

 あの方法なんだけどね、4回目に入院したときも、2回だけ、やったんだ。

 そうしたら、退院寸前の時に、

『松田さん、『介助』って、看護師が書くぶんにはいいですけど、松田さんが書いちゃダメです」

と、看護婦さんから、怒られちゃったんだ。

「本当は、いけなかったのね」

 それを、私は、こう取った。私は、もうこの病院に入院することは、ないのだと。

「太郎さんは、もう入院しないから、そういう入り方をする必要はない。一方、そういう入り方をすることを、他の人に吹聴しないでくれ、と言ったと取ったのね」

 そういうこと。

「そんなこと、信じられないけど、やっちゃいけないことを、堂々と書いちゃいけないわね」

 だから、修正の投稿をしなければならないと、思ってたんだよ。


「太郎さん。4回目の入院の時は、面白い収穫はなかったの?」

 麻友さんが面白いと思う収穫かどうかは、分からないけど、『SONY許せぬと書きたかったが』の一連の投稿で書いたことが、少し確かめられたというのはある。

「それこそ、面白い話じゃない、なぜ、今まで黙ってたの?」

 私に取って、麻友さんとの日常は、幸せなことが、いっぱいなんだよ。過去を、振り返ってはいられないんだ。

「あの一連の投稿の、何を確かめたの?」

 入院していた時、私より13歳くらい若い男の人と、仕事の話をしたんだ。

「太郎さんの仕事というと、物理学の話?」

 いや、コンピューターの話をしたんだ。

「ああ、その仕事」

 その人が、私に、

『パソコンで、プログラミングができますか?』

と、聞いたんだ。

 それで、

『C言語(しーげんご)で、インラインアセンブラなんていう機能があるなんて、去年まで知らなかった』

と、私は、答えた。

 するとその人は、

『この話は、もうやめましょう』

と言ったのだ。

「えっ、言っちゃいけないことだったの?」

 そうじゃないんだ。

 あの人は、私が、パソコンのことをどれくらい知ってるか、試したんだ。

 それに対し、私は、自分の知っている一番難しいことを話したので、あの人は、これで十分と思ったんだよ。

インラインアセンブラというのは、どの程度の物なの?」

 本当に使いこなせば、コンピューターウィルスを作って、北朝鮮の軍事基地にハッキングできるくらいの恐ろしいものなんだ。

「えぇっ、太郎さん、そんなことできるくらい、パソコンに詳しいの? じゃあ、私のパソコンも、ハッキングされてるの?」

 アハハ、安心して大丈夫。

 私は、インラインアセンブラという概念を知っているだけで、それでプログラムを組む訓練は、してないから。

 この間、麻友さんが、3次方程式の解法を見せてって言って、私が、カルダノの解法、見せたでしょう。

 そうしたら、麻友さんたら、『使えないじゃない』って言ったよね。

 あれと、同じ。

 北朝鮮にハッキングできるのは、あの時、3次方程式の解法を使えるところまで理解していた、私のようなひと。

 それに対して、3次方程式が解けるということは、私から聞いて知ったけど、その解法を見ても、実際使えないのが、麻友さんみたいなひと。

 そして、インラインアセンブラに関して、今の私は、3次方程式の前の麻友さんと同じ状態。

 ものすごい武器があるのは、分かって、どういうものを調べたら良いかは、分かったけど、それを実際、やり遂げるのは、ものすっごく手間がかかるというわけなんだ。

「でも、北朝鮮を、ハッキングして、北朝鮮の軍事施設に壊滅的な打撃を与えられたら、ものすごく良いことじゃないかしら?」

 うーん。人間って、こういうとき、コストと対価を考えるんだよね。

 私に取って、C言語を勉強するのは、すごい苦痛なわけ、それに対して、苦労して勉強しても、得られるのは、北朝鮮という小国を、失脚させるという程度のこと。

 これじゃ、釣り合わないよ。

「じゃあ、太郎さんにとって、どんな解決が、良い解決なの?」

 物理学をもっと進歩させて、生命を、制御できるようにして、北朝鮮の指導者に、自分から開国させるような、解決の方が良い。

「また、いつもの夢のようなことを」

 なぜ、このことにこだわるかというとね、インラインアセンブラは、技術者なら、誰でも扱えるんだよ。でも、物理学を生命に応用するのは、まだ誰にも、完全には、できてないんだ。

 夢のようなことかも知れないけど、本気で挑戦する人がいなかったら、科学は進歩しない。

「はいはい。それで、インラインアセンブラの話をしたら、もうその話はやめましょうといわれたことから、何が分かったの?」

 『情報処理2種』という資格があったの知ってる?

「あっ、名前は知ってる。確か、『第二種情報処理技術者試験』と言ってたのよね。今では『基本情報技術者試験』っていう名前になってる。でも、『二種』っていう言葉は、知ってる」

 さすが、パソコンオタクだな。

 ところで、その資格も、父が取った方が良いと言ったので、試験受けたんだ。

「ハーッ、東大学部3回、東大大学院1回、CAD利用技術者試験2回、そして、基本情報技術者試験も、受けてるの?ここに並べたの、全部落ちたものよね」

 そうだよ。英検3級は、受かってるから、ここには、含まれない。

「どうして、基本情報技術者試験に落ちたの?」

 その理由が、分かったんじゃない。

「どういうこと? 勉強不足ということでなくて?」

 まあ、煎じ詰めれば、勉強不足なんだけど、『情報技術者試験』が、受験者のどこを見てるかが、分かったわけなんだよ。

インラインアセンブラ?」

 そう。つまり、その受験者が、アセンブラという概念を持っているかどうかを見てたんだ。

「えっ、それ、機密情報じゃないの?」

 大丈夫だよ。私は、カルダノみたいに、すっぱ抜いてるんじゃなくて、自分で、見つけたんだもの。

「そうなのねぇ、それが、太郎さんの強みね」

 まあ、これが分かったから、もう一回、基本情報技術者試験、受けようという気にはならないけどね。

「看護婦さんに、背中を流してもらう方法を知ったら、満足する、太郎さんですものね」

 そういうことだよ。

「あっ、でも、私と、キスするのも、1回やったら、もういい、なんて言い出さない?」

 キスって、その程度のものなのかい?

「うーん。沢尻エリカさんとのキスから思うに、太郎さんだったら、2回目以降は、みんな同じ、と、言い出すかも」

 なに、バカなこと、言ってんだよ。

『キスにも色んなキスがある』

は、2015年9月18日21時56分7秒の真理じゃないか。

「太郎さん、私に、飽きない?」

 麻友さんが、その程度の薄っぺらい女の人なら、とっくに飽きてるよ。


「入院中のことは、心置きなく書けた?」

 私が、危険にさらされたときのことや、無茶苦茶なことを言っている人に『元の世界に戻りたくはないですかね』と言ったことや、女の人を好きになれない男の人の話など、まだ話してないことはあるけど、今日は、ここまでにしよう。

「太郎さんの話を聞いてると、精神科病棟って、新しい情報の入ってくるところだわね」

 間違った情報も多い。

 インターネットの『2ちゃんねる』みたいなものだよ。

「あっ、それ、今日のヒットだわ」

 ありがとう。おやすみ。

「おやすみ」

 現在2017年4月15日2時50分である。おしまい。