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宇宙の年齢を求める(その5)

 現在2015年11月1日18時20分である。

 この本を読みながら、宇宙の年齢を計算しようとしていたのだった。

相対論的宇宙論 ([新装復刊]パリティ物理学コース )

相対論的宇宙論 ([新装復刊]パリティ物理学コース )

  • 作者:小玉 英雄
  • 発売日: 2015/05/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


 3ヶ月半も経ってしまったから、麻友さんも、すっかり忘れてしまったかも知れない。ごめんなさい。

 ところで、渡辺麻友さんに対する呼びかけ方が、『まゆゆ』から、『麻友さん』に、変化したのに気付いた人もいるだろう。

 一般の人の多くに、

「AKB48の渡辺麻友さんって、知ってる?」

と聞くと、

「ああ、まゆゆでしょ。」

という答えが返ってくるので、広く浸透した呼びかけ方ではあるのだろう。

 私も、入院するまでずっと『まゆゆ』と、呼んでいた。

 だが、厳密に言うと、入院する直前の頃から、私の中で、渡辺麻友さんは、『麻友さん』になった。


 一番大きい原因は、夜眠る前に、神様にお祈りするとき、一番最初に、

「麻友さんと一緒に、人生を歩んで行かれるようにして下さい。お願いします。」

とお祈りするようになったことがあげられる。

 姪や甥のことをお祈りする前に、まず『麻友さん』と祈るようになったのである。

 麻友さんのコンサートへ、行かせてもらえないのではないか、と感じ取り、同時に、麻友さんが、私を、不快には思っていないと気付いた結果として、麻友さんをそれまでより身近に感じたのだ。

 そして、1ファンとして、『まゆゆ』と呼んでいたところから、『麻友さん』と親しみを込めて、呼ぶようになったのである。

と、睦言を書き並べて、麻友さんと私が、人前でベタベタするのは、模範的な恋愛とは言えないので、やめよう。


 宇宙の年齢のことを、思い出そう。


 第3回の投稿で、単位の使い方の間違いを指摘し、ハッブル定数から、

{\displaystyle \frac{1}{H_0}=\frac{1}{67.3}\frac{\mathrm{Mpc}}{\mathrm{km/s}}=\frac{1}{67.3}\frac{3.0857 \times 10^{19} \mathrm{km}}{1}\frac{1}{\mathrm{km}}\frac{1}{3.1557600 \times 10^7}年}

という計算に持ち込んだ。

 これを計算すると、

{\displaystyle \frac{1}{H_0}=0.001485884 \times 0.977793 \times 10^{13}年=1.4528963 \times 10^{10}年}

となり、宇宙の年齢は、145億歳であると、予想できた。

 これが、2回目の間違いだと書いたところで、第3回は、終わった。


 そして、第4回では、

・2回目の予想 145億歳

の根拠を、銀河の広がる速さとここからの距離に、ハッブルの法則をあてはめて導いたのだった。

 要するに、銀河までの距離を、遠ざかっている速さで割れば、最初にここにあったときからの時間になるから、最初にここから始まったのなら、そのときからの時間は、ハッブル定数の逆数になるということが、分かったのだった。ハッブル定数{H_0}は、{1\mathrm{Mpc}}にある銀河が、遠ざかっている速さを、{1\mathrm{Mpc}}という距離で割った単位を持つから、{1\mathrm{Mpc}}をその速さで割ることは、{1/H_0}になるんだね。


 それで、現在の保留事項は、


・無限小や無限大を扱っても矛盾は生じないの?

・宇宙の年齢は?

・麻友さんが、知っている、タンジェントとは別に、

{\displaystyle \tan{\theta}=\theta+\frac{\theta^3}{3}+\frac{2\theta^5}{15}+\frac{17\theta^7}{315}\cdots}

という整級数による新しい、{\tan{\theta}}の定義を認めても良いの?

ハッブルの法則から、導けるのに、なぜ145億歳じゃだめなの?


というものになった。


 入院していた時、色んな看護婦さんに聞いたんだけど、看護婦さんって、ほとんどが、文系の人なんだよね。それで、どのくらい数学の力があるか試したら、

「もう最近は使っていないので、素因数分解も怪しいです。」

とか、

「数列なんて、覚えてません。」

という有り様だった。


 きっと、私のブログを読み始めたとき、麻友さんも、同じようなことを感じていたのだろうと思う。

 今も、私の書く式は、模様のようにしか、見えていないのかも知れない。

 でも、この、宇宙の年齢を求める連載だけは、続けよう。

 どうしてかというと、数学でも物理学でも、どんなに難しい概念が出てきても、最終的に、答えを求めるときは、足し算やかけ算しかしない、という重要なことに気付いて欲しいから。

 今回の話でも、最後のところは、足し算とかけ算だけなんだよ。良く見ていてね。


 2回目の予想の145億歳というのが、なぜ間違いか、というところから、話そう。

 この予想をするとき、私達は、宇宙が、普通に広がると考えた。

 つまり、星や銀河の入った大きな入れ物を考えて、その入れ物の中で、銀河が広がっていく様子を思い浮かべたんだよね。

「そうよね。それ以外、考えようがないわね。」

 実は、この考え方自体に問題があって、本当は、入れ物自体が、大きくなって、それにつられて、宇宙の中の星々が広がる、というレヴェルの高い話をしなければならなくなる。

「入れ物自体が、大きくなるって、どういう意味?」

 例えば、我々の世界は、3次元だよね。

「そのはずね。」

 今、地球儀を思い浮かべて。

「大きくても、小さくても、いいの?」

 そう。そして、その地球儀の表面だけに住んでいる生き物を考える。

「要するに、2次元ね。アニメーションの世界。」

 そうしたときね、地球儀の直径が大きくなっていったとすると、2次元のままなんだけど、地球儀の表面に住んでいる生き物にとっての世界は、広くなるよね。

「それって、本当に大きくなっているのかしら。」

 自分のいられる可能性のある場所が、増えているでしょ。

「それは、そうね。」

 こういうふうにしてね、入れ物の中で、宇宙が広がっていっているのではなくて、宇宙自体の曲面みたいなものが、大きくなっていっているんだ。

「曲面なの?」

 本当は、曲がった空間だけど。もっと正確に言うと、入れ物というカチッとした3次元の世界ではなく、もっと自由に星々は広がって行ってて、それを地図に書こうとすると、3次元の直角な座標系の世界では、書けないような世界になっているんだ。だから曲がった空間って言うんだ。

 この考え方を取り入れて、きちんと計算すると、宇宙の年齢は、ハッブル定数の逆数に、次のように、積分のかかったものになるんだ。

{\displaystyle \frac{1}{H_0}\int_0^1\frac{ada}{\sqrt{\Omega_R +\Omega_M a+\Omega_K a^2+\Omega_{\Lambda} a^4 }}}

「いきなり難しくなったわね。」

 これは、見てすぐ分からないのは、当たり前。

 実は、これの説明をしようとして、自信がなくなったんだ。

 ほとんど、小学校卒業レヴェルの算数の知識しかない人に、どうやって積分の説明をするのか。

「そもそも、『曲がった空間』なんて、分からないわよ。」

 確かにねぇー。

まゆゆは、19世紀の物理学しか知らない人に、なっちゃている。

ネアンデルタール人、扱いね。」』

というやり取りがあったけど、まだ麻友さんを、21世紀の物理学に招待するのは、無理のようだ。

 よく、

『難しい数学は分からなくても、直観的には、こうすれば分かる。』

と言って、絵が描かれることが多いんだけど、難しい数学が存在するのには、存在理由があるんだよね。

 今回は、この式が出てくる理由を、完全に麻友さんに納得させるのは、諦めよう。

 足し算とかけ算に持ち込むのは、次回に見送り、この式が出てくる元になる、アインシュタイン方程式というものを、もう一度、紹介しておこう。

 アインシュタイン方程式というのは、

{\displaystyle R_{\mu\nu}-\frac{1}{2}Rg_{\mu\nu}+\Lambda g_{\mu\nu}=\frac{8 \pi G}{c^4}T_{\mu\nu}}

という方程式だ。

 これが、実は、こんな行列と呼ばれるものの式だということを、見せよう。

{\displaystyle \left(
\begin{array}{cc}
R_{00} & R_{01} & R_{02} & R_{03} \\
R_{10} & R_{11} & R_{12} & R_{13} \\
R_{20} & R_{21} & R_{22} & R_{23} \\
R_{30} & R_{31} & R_{32} & R_{33}
\end{array}
\right)
-
\frac{R}{2}
\left(
\begin{array}{cc}
g_{00} & g_{01} & g_{02} & g_{03} \\
g_{10} & g_{11} & g_{12} & g_{13} \\
g_{20} & g_{21} & g_{22} & g_{23} \\
g_{30} & g_{31} & g_{32} & g_{33}
\end{array}
\right)

}

{\displaystyle
+
\Lambda
\left(
\begin{array}{cc}
g_{00} & g_{01} & g_{02} & g_{03} \\
g_{10} & g_{11} & g_{12} & g_{13} \\
g_{20} & g_{21} & g_{22} & g_{23} \\
g_{30} & g_{31} & g_{32} & g_{33}
\end{array}
\right)


=\frac{8\pi G}{c^4}\left(
\begin{array}{cc}
T_{00} & T_{01} & T_{02} & T_{03} \\
T_{10} & T_{11} & T_{12} & T_{13} \\
T_{20} & T_{21} & T_{22} & T_{23} \\
T_{30} & T_{31} & T_{32} & T_{33}
\end{array}
\right)

}

「あっ、結局、本当のところは分からないけど、足し算とかけ算だけだっていう意味、ちょっと分かった。」

でしょ。だから、食わず嫌いせず、式を展開してみるって大切なんだよ。

「こういうのも展開って言うの? 因数分解の逆じゃないけど。」

 はい。式を広げることを、展開と言います。

 今後、テイラー展開ローラン展開フーリエ級数展開,等々、いっぱい出てきます。

 唐揚げばかりでなく、サラダも食べましょう。

「サラダは、嫌いなの。」

 麻友さんが、サラダが嫌いなのって、良いドレッシングに出会ってないからじゃない? 私は、『1000アイランドドレッシング』と『深煎りごまドレッシング』が、好きです。まだ、食べたことなかったら、挑戦あるのみ!

というわけで、お腹も空いたし、今日は、ここまで。

 アインシュタイン方程式は、今後も何度も登場します。

 ちょっとずつ、麻友さんにも、切り分けてあげるからね。

 また、挑戦しましょう。バイバイ。

 現在2015年12月23日1時52分である。おしまい。