現在2016年7月26日21時27分である。
麻友さん。最近、私のブログ読んでないみたいだね。
「分かるの?」
アクセス解析で、麻友さんからのアクセスが、皆無だからね。
「太郎さん。私、もう駄目なの。」
駄目って、何が?
「太郎さんとは、おつきあいできない。」
どうして?
「やっぱり、住む世界が、違うのよ。」
そういうことか。
「しょうがないの。」
でも、なんでこの時期に?
「私が、辛いのよ。」
どういうこと?
「お願い。分かって。」
そりゃー、私は、麻友さんより23歳も年上だから、言いたいことは分かる。
私を、本当に、好きになってしまって、私からのツイートがある度に、『ハッ』っとしてしまうほどになっている。
その自分を、抑えられず、私を、ミュートしようかと思案している。
でも、今、私の胸に飛び込めないのは、分かっている。
とにかく私との距離を取るために、ブログのURLをツイートされても、読まないことに決めた。
それほどまでに、わ・・・
「許して。」
「駄目なのよ。私達。」
麻友さん。今、気持ちが、高ぶっているのなら、刺激しないであげる。
でも、それと、つきあえない、というのは、別のことだ。
「太郎さんも、ストーカーになるの?」
お互い、見つめ合うのは、しばらく、よそう。
一緒に、他の方角に、目を向けよう。
「つき合うのではなく?」
もともと、麻友さんと私って、つき合ってないじゃん。
「それは、手をつないだこともないから。」
そうでしょ。言葉を交わしたこともない。
「私から、太郎さんへ、手紙を書いたこともない。」
つまり、つき合ってないんだよ。ペンパル以下だよ。
「そうか。なのにどうして私、こんなに取り乱してるんだろ。」
きっと、私の1億円の話を読んで、『こんな人とは、つき合えないんだ。』みたいに、慌てちゃったのだろうね。
「私、良く分からないのよ。3人の子供に、5千万円ずつかけられるようなお家の息子さんの太郎さんが、財布に残金が8円になってるなんて、どう考えてもウソよね。」
麻友さん。私は、麻友さんにウソは言わない、と言ったでしょう。
父が、息子2人と娘1人に、そんなにお金をかけられた、というのは、私が中学の頃には、父はもう、年収が1千万円を越す、高給取りのサラリーマンだったことを考えれば、ウソでないと証明できる。
一方で、私が、3日間を2千円で暮らしていて、財布に8円しか残らないことがあった、というのも、財産はまだ、父のものだし、いずれ父が死んで、母も死んで、兄弟3人で、財産を3等分すれば、お金も入ってくるが、それまでは、ぎりぎりの生活費で、やっていく、というのを考えれば、ある意味当然なんだ。
「もう少し、お金をもらえないの?」
意味ないんだよ。
人間って、例えば、
『麻友さんとデートするために、おしゃれしよう。』
というようなことがあれば、お金が沢山必要だけど、普通に生きている限り、3日で2千円あれば、生きて行かれるんだ。
「じゃあ、太郎さん。みすぼらしい格好してるの?」
私の動画、見たでしょう。
母が、私が乞食のような格好をするのは、許さないよ。節度は守る。
「だとすると、普通の人の目からすると、矛盾だらけに見える、このブログに書いてあることって、全部本当なの?」
そうだよ。本当なんだよ。
「じゃあ、太郎さんって、すっごく分かり易い人なのね。」
ある意味、そうだよ。
「なーんだ。悩んで損した気分。」
麻友さんの悩みなんだけれどもね。
『後輩を叱らなければいけないんだけど、叱れない。』
って、悩みをぶつけていたよね。
「そうなの。」
一応書いておくと、これは、2016年7月26日0時10分から、TBSで放送された、バラエティ番組、『Momm!!』に、渡辺麻友さんが出演されたことを受けてのものである。
「私、3期生で、ずっと後輩だったのもあって、叱れないのよ。」
うーん。
無理に叱る必要ないんじゃないかな。
「太郎さん、後輩持ったことあるの?」
あるよ。
父と一緒に勤めていた会社で、何人も後輩入ってきた。
「どう、接した?」
私が、後輩だった時、
『先輩がこうだったら嬉しかったな。』
という先輩を目指した。
「具体的に言ってよ。」
じゃあ、今、麻友さんは、私の後輩だよ。
そして、麻友さんは、もっと具体的に、先輩のあり方を示して欲しいと思っている。
だから、私は、具体例を出す。
例えば、後輩に別な先輩が、
『可視光の波長は、400ミリから700ミリなんです。』
と、説明していた。
私は、通りがかりにそれを聞いて、
『あっ、とんでもないこと、言ってるな。』
と、思った。
それで、家に帰って、以前も出てきた、ファインマン物理学を調べた。
「そんな、可視光が、どれくらいか、なんてことも、書いてあるの?あれ。」
じゃ、ちょっと拾おう。
これは、洋書では第1巻の
日本語訳では、第2巻の
第11章 見ることの機構
の、
第4節 昆虫の複眼
から、取った1文だ。
「ファインマン物理学って、5冊もあるんでしょう。太郎さん、よく、あそこに書いてあったって、覚えてるわね。」
これは、ファインマンが極めて優秀な物理学者だからなんだよ。
「優秀だとどうなるの?」
順番が、ものすごく考えられてるから、あれは、あの辺で書くだろうなって分かるんだよ。
「そういうものなの。」
「で、上の1文を訳してよ。」
正直言って、麻友さん。意味分かるはずだよ。もう、オングストロームを知ってるし。
「あっ、あのオングストロームか。」
「だとすると、『私達の目は、7000オングストロームから4000オングストロームで、働く。赤からバイオレットである。しかし、ミツバチの目は、3000オングストロームという下の方まで、見ることができる。なんとウルトラバイオレットまでである!』というのはどうかしら?」
うん。いい訳になってる。
ただ、ウルトラバイオレットって、なんだか知ってた?
「へへー。横のものを横にしただけ。」
これは、紫外線だよね。麻友さんも美容で気にしてるでしょ。
「あっなんだ、そうか。」
ところで、麻友さんが、思い出せるかどうか、ちょっとクイズ。
「わっ!」
4000オングストロームって、何メートル?
「太郎さん。甘いわよ。4かける10のマイナス7乗メートルよ。」
げっ、なんで、覚えてるの。すっごい優秀じゃん。優等生どころじゃない。特待生だ。
「種明かしするわ。グーグルに、
『4000オングストロームって何メートル?』
って入れて、リターンを押すだけで、出てくるの。ただし、
『4e-7』
って書いてあるのを、eがエキスポネンシャル(指数)だと分からないと、意味不明だけどね。この場合、
ってことでしょう。」
うっわ。すごい、ハイテクニック。私も、数表見ないで、これからは、グーグル利用しよう。
「それで、後輩を叱る話は、どうなったの?」
今ので、麻友さん、可視光が、400ミリから700ミリって言うのを、根拠付けてよ。
「えっ、根拠付けるって?」
つまり、あの先輩は、400ミリメートルから700ミリメートルっていう意味で、言ってるんじゃないんだよ。
「どうして?」
だって、今、麻友さんが導き出したように、4かける10のマイナス7乗メートルなんだから。
「あっ、そうか。400ミリの後が、単にメートルじゃなくて、何かなのね。ミリミリメートルってことは、ないかしら?そうすると、4かける10のマイナス4乗。だめか。マイナス7乗なんだから、後3つ小数点を動かさなければならない。ミリミリミリメートルかな?ケタはあってるけど・・・」
ミリミリメートルのまたの名は?
「あっ、ミクロン!」
「分かった。400ミリミクロンメートルから、700ミリミクロンメートルが、可視光なのよ。」
正解。
それを調べた翌日、会社へ行って、その後輩に、
『昨日、可視光の波長について、講義を受けていたね。』
というと、案の定、
『400ミリから、700ミリです。』
というので、
『単位は?』
と、聞くと、
『ミリです。』
という。
『目に見える光の波長が、400ミリメートルだとしたら、大変なことになるんだよ。400ミリって言ったら、40cmでしょう。紫色の光が波打っているのなんて、見たことないでしょう。ミリメートルじゃないんだ。』
と言った。
「私も、なぜ太郎さんが、とんでもない話をしていると思ったのか、今ようやく分かったわ。光が波打ってるところなんて、見たことないものね。もっと波は細かくなきゃいけないのね。」
そう。そうなんだ。
後輩は、答えられなかったので、単位が、ミリミクロンであることを教え、技術的な仕事が主なこの会社では、単位をおろそかにしてはいけないよ、と言った。
「でも、それは、叱ったというほどじゃないわね。」
そう。
だから、麻友さんに伝えたいのは、叱りつけるだけが、能ではないということ。
麻友さんにしか教えられないことを、麻友さんなりのやり方で、伝えればいい。
それから、もっと重要なことは、何もしなくても、伸びる人は伸びるということ。
「ええっ、それじゃ、先輩は何もしなくてもいいわけ?」
これも、本当の話なんだけどね。
入ってきた後輩が、技術的なことが必要だ、というので、本を読んでたんだよね。
そして、
『この本、いくら読んでも、デシベルのことが、分からないわ。』
と言ったんだよね。
私は、ヒントをあげようと思って、
『ログだから?』
と、聞いてみた。
そうしたら、その女の子、私がその人に言ったのではないと思っちゃったんだよね。
要するに、私のログを、ブログなんて言う時の、データログだと思っちゃったんだ。
「でもそれ、笑えないわよ。私は、太郎さんに出会って、1年4ヶ月になるわね。その間に、高校で理系なら習ったかも知れない数学を、滝のように注ぎ込まれたから、辛うじて、『ログ=対数』という微かな模様を見たことあるけど、普通の人みんな、その女の子と同じよ。」
そうなんだよ。だから、上に上げた、2人の後輩、どっちも同じだったんだよ。
ところが、1年後、ミリミクロンを教えた方の後輩は、会社を辞め、ログの後輩は、できて以来ずっと赤字だった特品営業部を、黒字に変えたんだ。
「その人1人の努力ではないでしょ。」
いや、その女の子のお陰だと、はっきりしてるんだ。
社員全員が、認めてる。
「そこまで、すごいひとがいるの?」
指原さん見てれば、麻友さんにもイメージ湧くでしょ。
「うぐっ、確かに、さっしー持ち出されたら、頷かずにはいられないわね。」
そういう人だったんだよ。
「結局、太郎さん。後輩を叱ってないじゃない。」
伸ばすためではないけど、後輩を叱って、辞めさせたことはある。
「太郎さんが?」
ひとり、入ってきた後輩で、やはり、技術的なことが駄目な人がいたんだ。
「でも、辞めさせることは、ないじゃない。」
いや、その人は、もう40歳くらいで、高校生の息子のいる、いい歳をしたおじさんだったんだ。
だから、今さら、新しいことを始められる歳ではなかった。
とにかく、その人が、頑張ろうとしても、センスがないのは、明らかだった。
だけど、会社って、1度1人の人間を正社員として、雇ってしまうと、なかなか辞めさせられないんだよね。
私の父なんて、自分の息子も、大して働いていないのに、その社員が、出来が悪いからってかなりいじめてたんだよね。
「いじめるって?」
最初に言ったように、父は、年収1千万円を超えるような、エリート企業の社員だったから、できない社員というのが、信じられないみたいなのね。
「太郎さん。良く言うわよ。太郎さんこそ、こんな簡単なことも、分からないのか、というから見てみると、もんのすごい難しい問題のことばっかりよ。」
アハハ。
麻友さんに対しても、手加減しないこと結構あるものね。
「でも、そこに魅力を感じてたりもするわね。」
私も、無茶はしないよ。
「それで、どうやって、その人を辞めさせたの?」
私の特技に、
『他の人の良いところを見つける。』
というのがあるんだ。
「例えば、私の良いところは?」
今は、茶化すな。
「ゴメン。」
会社に、シンガポールから、電話がかかってきたことがあったんだ。
「シンガポールって、前、出てきた。」
父が、単身赴任していたとき、拠点を作った会社があって、そこからだったんだ。
「じゃあ、お父さまが出られたの?」
父は、不在だった。
みんな困り果てた。
「太郎さんが、出ればいいのに。」
いや、私は、いつ再発するか分からないので、電話には出ていけないことになっていた。
「わかった。その人が、応対したのね。」
そう。ちゃんと、英語を聞き取って、英語をしゃべって、事なきを得た。
「すごい。その人もやるじゃない。なぜ、辞めさせたの。」
私は、その人のためを思ったんだ。
まだ、高校生の息子がいるということは、後5年か6年は、絶対働かなければ、いけない。
この会社にいても、英語を使うことなんて、滅多にない。
「どうやって言ったの?」
私が、家に帰ろうとしていたら、その人が、
『松田さん、一緒に帰りましょう。』
と言ってきた。
家までは、歩いて8分。
躊躇している間はない。
『この間、電話で話しているのを、聞きましたが、かなり英会話を熱心に勉強されたことがあるんですね。』
と切り出す。
『学生時代に、北欧とかを無賃旅行したこともあって・・・』
ああ、そう言ってたっけ、と思い出しながら、
『もっと、その英語の力を伸ばせる職を、探さなかったのですか?』
と、本題を話す。
『外資系の企業にいたことも、あったんですけど。』
と答えてくるが、私はさらに、
『あなたの持っているもので、大いに生かせるのは、英会話だと思います。英会話の力は、まともに英語で会話できるくらいあります。今のあの会社では、その才能を生かせません。なんで、もっとご自分の才能を生かせる仕事を探さないんですか?』
私の家は、本当に歩いて8分のところにあったので、これだけ話したら、もうお別れだった。
その4週間後、その人は辞めていった。
「うわー!太郎さんって、怖いんだー!」
「私も、用済みの女と思われたら、バッサリ切り落とされるわね。」
麻友さんが、後輩を叱れないのは、叱れないんじゃなくて、まだ叱る必要のある場面に遭遇してないだけだよ。
本当に、
『これは、私が、言わなきゃ!』
って思ったら、麻友さんなら、言えると思う。
そういう風にして、滅多に怒らない麻友さんが怒ったら、後輩たちなんでも言うこと聞くと思うな。
「というように、今日も、太郎さんの投稿読んじゃった。」
これからも、仲良く、しかし見つめ合わず、同じ方向を向いていこう。
「おやすみ。」
おやすみ。
現在2016年7月27日1時16分である。おしまい。