相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

吉野弘さん亡くなってたのか(その3)

 現在2018年8月22日18時09分である。

「ついに、お金のトリセツ、始めたわね」

 これを話しておかないと、麻友さんも、親御さんに、私を、紹介しにくいでしょう。

「そんなに、深刻には受け止めてないけど、倹約家の私としては、やっぱり気になるわね」

 前回、母が、ピカピカの100円玉を、くずしてあげるから、弁償してきなさい、といった話を書きながら、一つ、思い出したんだ。

「どういうこと?」

 母は、

『100円を取り上げるけど、もし、今回ちゃんと、お金を弁償してきたら、これからは、ちゃんとお金が扱えると認めてあげて、来月から、毎月100円ずつ、お小遣いをあげます」

と、交換条件を出したんだ。

「それは、随分話が違うじゃない。前回の話では、鬼のように怖いお母様、というイメージだったけど、鬼じゃないじゃない」

 母は、決して、鬼ではない。

 今回の、『いつかこの雨がやむ日まで』も、私が、

『やっと、きゃぴきゃぴのギャルを抜け出した、役をやるんだよ』

と、朝日新聞のbeの予告を見せたら、しげしげと、眺めていた。

 ドラマ、観てるかも知れない。

「なによ、きゃぴきゃぴのギャルって~」

 今までのドラマとかって、若い人にはいいけど、70歳過ぎたおばあさん、おじいさんが、喜ぶようなものじゃなかったんだよ。

「まあ、それは、分かるけど。それで、お小遣いもらって、どうだったの?」

 私ってね、よくいる子供のように、お小遣いで、めんこを買ったり、コマを買ったり、ガチャガチャをしたり、というようなことを、あまりしなかったんだ。

「じゃあ、何に、お小遣い使ったの?」

 お小遣いためて、何か買った、という記憶が、ほとんどないんだ。

 めんこ、くらいは、500枚くらい持ってたから、少しは、お小遣い使ったはずなんだけど、コマは、別にお金をもらって買ったような気がするし、ガチャガチャは、1回もやったことなかったんだ。

「えっ、太郎さん、ガチャガチャ、やったことないの?」

 実は、大人になってから、確か、38歳くらいになってから、ベイブレードというものが、流行ってるけど、どんなものなのかな? と思って、そのとき、200円しか持ってなかったんだけど、200円全部入れて、ガチャガチャやった。まあ、ちょっと、嬉しかったよ。

「私も、中学から、AKB48に入ってしまったから、子供の遊びをよく知らないけど、太郎さんも、かなりに、かたわね」

 私の障害の原因の一つは、この偏った生き方でもあるんだ。

「お小遣い使わなかったら、貯まったんじゃない?」

 ところが、私の家って、毎月100円とか言いながら、月初めに、『はい』って、100円玉渡してくれる、という習慣にもなってなくて、必要なとき、

『何百円ちょうだい』

みたいに言って、もらってたりした。

 鶴見に引っ越した後なんだけど、近くに駄菓子屋が何軒かあった。

 小学校の友達と遊んでいると、当然そう言うところへも行く。

 でも、私は、普段、お金をもらってなかったから、お菓子を買ったり、ゲームをしたりできなかった。

 私が、小学校2年生の冬が近付いた頃、母が肺炎になり、病院に入院した。

 このとき、家の小銭が入っている財布を持ち出して、500円くらい入ってたのかな? それで、お菓子を買ったり、ゲームをしたりした。

「そんな小さいときから?」

 ゲームだって1回、10円だから、500円もあったら、ものすごく楽しめたんだ。

 それで、1日、遊びまくって、お金使い果たして、満足したんだよね。

 母が、退院してきてからは、駄菓子屋にめんこを買いに行ったことはあるけど、ゲームは、もうしなかった。

 十分満足したんだよ。

「お母様に、怒られなかったの?」

 そのときのことで、怒られたことはなかった。

「入院しているお母様を、お見舞いには行かなかったの?」

 行ったよ。

 そのときの話で、小林りんさんには、話した、面白い話があるんだ。

「どんな話?」

 当時、私は、今ではそんなゲームないけど、インベーダーみたいにして、UFOを打ち落とすという、ミサイルが飛んでいくだけの、馬鹿みたいに簡単なゲームを買ってもらってたんだ。

 それが、ミサイルを発射すると、『ピシュン』とか言って、飛んでいる間、『ガー』って言ってて、UFOに命中すると、『ドガン』って、音がするんだ。

 パソコンゲームじゃないんだよ。ただそれしかできない、ゲーム機。

 あの頃の子供は、そんなのでも、楽しんでたんだ。

「それで?」

 私、母に、このゲームの面白さを伝えようと思って、自分がゲームをやってるところを、カセットテープに録音したんだ。

「お母様に聞かせるために?」

 そう。

 ただね、私は、ゲームの音だけを聞かせたかったの。だから、録音している最中に、ピンポーンなんて、人が来ると、その部分は、カセットを巻き戻して、上書きして、60分のテープに、ゲームの音だけ入れたの。

「つまり、『ピシュン、ガー、ドガン、ピシュン、ガー、ドガン』だけ?」

 そうなんだ。

 そして、そのテープを母のところへ持っていって、

『全部聞いてね』

と言って、渡した。

「お母様、どうしたかしら?」

 その次、行ったとき、母が、

『全部聞いたけど、ゲームの音しか入ってなかったわよ』

と、言ったんだ。

 どこかに、息子の声が、チラッとでも入ってないかと、テープを全部聞いた母親と、私がそばでゲームをしているように思ってもらおうと、余計な音声を、全部編集してカットしてしまった息子の、心温まる物語が、生まれたんだよ。

「太郎さんは、マンガなんかは、あまり読まなかったの?」

 私ね、ドラえもんは、すっごく読んだ覚えがある。

 でも、『コロコロコミック』は、一度も買ってもらったことはないんだ。

「『コロコロコミック』は、読まなかったの?」

 いや、本屋さんで立ち読みしたり、友達の家で、読ませてもらったりした。

 『ドラえもんのび太の宇宙開拓史』は、豊岡通りに当時あった、井上書店で、立ち読みしたのをハッキリ覚えている。

 『ゲームセンターあらし』なんていうのも、読んだ。

 だが、私に非常に大きな影響を与えたのは、

『まんがカブトムシクワガタのひみつ』

などの、『ひみつシリーズ』のマンガだった。

 『ひみつシリーズ』は、4冊くらい買ってもらって、隅から隅まで読んだし、友達や図書館からも借りて読んだ。

 私の数学の話に、女の子が登場するのを、快く思っていない父は、こういうマンガの良さを知らないからでも、あるんだね。

 まあ、父の時代、マンガは、手塚治虫が現れた頃で、市民権を得ていなかったという背景があるから仕方ないんだけど。

「お父様、マンガを読まないの?」

 父が、読んだマンガって、私が知ってるのは、友達の家から借りていた、『アタックNo.1』の後半と、つい最近、戦争の研究をしているから、小林よしのりの『戦争論』を貸してあげたのくらい。

「『戦争論』って、私に出会う寸前に書いた、『スカート、ひらり』という投稿で、触れてるわよね」

 そう。この本は、マンガだけど、ばかにできない。

 いや、この本に書いてあることを、マンガ以外で吸収しようと思ったら、蔵書何万冊という人のような読書をしないとならないだろう。

「太郎さんは、いつも、『戦争をなくさなくとも、人類を戦争の惨禍から救える』なんて言ってるけど、太郎さん自身は、戦争に反対なの、賛成なの?」

 本当は、反対だよ。でも、戦争って、なくせないと思う。それに、戦争が役に立った事っていっぱいあるんだ。例えば、今、GPSが、3cm動かしただけで分かるくらい、高精度になってるじゃない。

「そうらしいわね」

 あのGPSって、麻友さんが生まれる前、1983年9月1日に、大韓航空ボーイング747が、当時冷戦のさなかだった、ソ連カムチャッカ半島及びサハリン上空を、間違って飛んじゃって、ソ連機のSu-15TM(スホーイ15TM)迎撃戦闘機によって撃ち落とされてしまって、乗員乗客全269人が死んだ、という事件があったから生まれたんだ。あの事件の教訓から、今いる地点を正確に知れなければと、科学者達が頑張り、GPS(全地球測位システム)って、できたんだ。

 つまり、冷戦(しかも、犠牲者が出てる)がなければ、GPSの誕生は、こんなに早くなかった。

 ギャンブルで忙しいからと、サンドイッチを発明したり、ギャンブルで勝つために、確率論が発達したり、人間って、ない方が良さそうなものの恩恵を、すごく受けてる。だから、なくならないんだけど。

 戦争も、そういうものの一つだと思うな。

「『人類を戦争の惨禍から救える』という確信がなければ、こんなこと堂々と書けないわね」

 『戦争論』は、是非、読んでみることを、勧めるよ。

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

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「ありがとう。それで、太郎さんの家には、お小遣いという概念が、なかったの?」

 今、私のお小遣いが、これだけだ、というお金が、なかった。

「じゃ、何があったの?」

 実際のお金を伴わない、出納帳だけ。

「えっ、出納帳は、あったの?」

 うん。

 あのルーズリーフは、京都から戻ってきて、色んなものを捨てたとき、捨てちゃったけど、毎月何千円かずつ、収入を書いた、出納帳はあった。

「その何千円かは、実際には、もらってなかったの?」

 うん。


 私、大学入ってある瞬間までは、かなりケチだったんだ。

 例えば、前も話したけど、高校時代、旺文社の『新英和中辞典』を買ったときも、並装のものと、革装のものがあったとき、千円も違わないのだけど、ケチして、並装のものを、選んでいた。

 数学は、自分ができたから、というのもあるけど、『代数学辞典 上・下』の他には、数学の参考書は、全く買わなかった。まあ、『代数学辞典 上』だけで、9,000円もしたのだから、当然だけど。

「大学では、どうだったの?」

 浪人して2年目、京都大学に受かって、しかも、後期だから、3月終わりのぎりぎりに受かって、私も、ほっとしたけど、父も母も、ほっとしたんだよね。

 ところが、クロイツェルソナタの女の人の事件が起き、4月早々に、京都大学病院の精神科に、私を連れて行ったりして、父も母も疲れ切った。

 私には、富士銀行のキャッシュカードが、渡され、毎月6万円、広島から仕送りする、と言われた。

 この段階では、お金の使い方は、正常だった。

 だが、私の脳は、次第に病魔にむしばまれていく。

 入学早々、父は、

『大学の先生というのは、自分の書いた教科書を買わせるから、教科書を買うなよ』

と言った。

 だが、語学の教科書もあるし、ドイツ語の辞書もいる。

 当時は正常だったので、クラスで安く共同購入したドイツ語の辞書を、その後古本屋で見つけ、もっと安かったので、悔しい思いをしたなんてこともあった。

 そう、この頃の状態が、ずっと続いていれば、おかしなことにはならなかったのだ。

「どこで、おかしくなるの?」

 6月頃だね。

 私が、クロイツェルソナタの女の人から、手紙の返事が来ないのは、私が数学に夢中になっているから、しばらく女の子の方から手紙を出さないで欲しいと、私の父母から、クロイツェルソナタの女の人の親御さんに指令が行ったのではないか、と、いきなり思ってしまったのだ。

 そういう風に、親たちが、男女の仲を取り持つことを、『赤い糸』というのではないか、と、勝手に合点してしまったのだ。

「今でも、そういう風に、思っているの?」

 京都から戻ってきて、すべてを疑って、ゼロから築き直したと、言ったでしょう。

 その過程で、これについても検証され、もし、ガールフレンドができるたびに、親が面倒をみていたら、はっきり言って親は時間が足りないな、と分かり、あのときの『赤い糸』の解釈は、間違いだったと、修正された。

 今では、もう信じてないよ。

「それで、6月に、そう思って、どうなったの?」

 父と母に、おびただしい数の、余計なことをしないで欲しいと言うような手紙を送ったんだ。

「おびただしいというのは、どれくらい?」

 夏休みまでに、8,9通は、送ったね。

 メールじゃなくて、手書きの手紙だから、8,9通と言ったって、ものすごく時間も取られている。

「それで、返事は、なんて?」

 私が、勘違いしているからさぁ、私からみると、ものすごくはぐらかしているように見える返事しか、来ないんだよね。

「あっ、そうか」

 そして、あるとき、母と電話で話しているとき、

『お父さんが、無駄遣いするなって、言ってたわよ』

と、母が言ったのだ。

 それに対し、私は、

『太郎、無駄遣いしてない』

と、答えた。

 母は、

『まあ、そうだけどね』

と言った。

 要するに、父は、教科書を買うなと言ったのに、買っているから、無駄遣いしていると思い、言ったのであり、一方私は、少しでも安く教科書を買おうとしているのだから、無駄遣いしていない、という考えがあって、この行き違いは起こった。だが、正常に動作していなかった私の頭は、とんでもない方向の答えを出した。

「とんでもない方向?」

 私が、無駄遣いしていないのに、無駄遣いするな、と言われたのは、もしかしたら、少し無駄遣いでもして、青春を謳歌せよという意味ではないかと。

「えっ、そう取っちゃったの?」

 この瞬間からなんだ、私が、どんどんCDを買い始めたのは。

「そこまで、分析できてるの?」

 あのときのこと、覚えてるからね。

「じゃあ、最初にどのCDを、買った?」

イ・ムジチのフェデリコ・アゴスティーニのヴィヴァルディの『和声と創意への試み』

ヴィヴァルディ:協奏曲集「和声と創意への試み」作品8(全12曲)

ヴィヴァルディ:協奏曲集「和声と創意への試み」作品8(全12曲)

 2枚組のCDを買ったのなんて、このときが、初めてだった。

「数学の本も、買うようになるんでしょう」

 そう。数学の本も物理学の本も、買うようになる。

 でも、本来、6万円の仕送りで、そんなに無駄遣いできるはずが、なかった。

「そうよね」

 入学できて、父も母も、ほっとした、と上で書いた。

 それは、私に渡した富士銀行の口座にも表れていた。

「どういう風に?」

 母は、残高がマイナスになっても、下ろせる口座を、渡してくれたのだ。

「ああ、つまり、自動的に、借金できる口座ね」

 そう。麻友さんは、知っているだろう。

「でも、借金したら、利子を取られるわよ」

 というか、そこまで行く前に、母が、気付いた。

「太郎さん。どんどん、下ろして、本買ってたの?」

 11月頃だったかなあ、母が、その月の6万円を入れたら、残高が500円か600円で、これは、おかしいというので、調べて、私が、大量に下ろしているので、それ以上、下ろさせないために、口座を解約したんだ。

 このときから、私に、たくさんのお金を渡すのは、危ない、という烙印を押されてしまった。

「烙印も何も、太郎さんって、本当に、どんどんお金を使っちゃうんじゃない」

 麻友さんと家計を共にすることにもなるかも知れないから、きちんと言っておくけど、私は、数学ができるから、返せない借金はしないんだよ。

「そんなの、信じられないわ」

 じゃあ、実際に見せよう。


 今年、麻友さんのファンクラブに入ってから、クレジットカードを、使い始めた話は、したね。

「それは、覚えている」

 4月13日に、『アメリ』のチケットを、クレジットカードで、8,608円払って、買っている。初日のチケットだ。

 それから、4月30日、『アメリ』の千秋楽のチケットを、9,040円で、買っている。

 5月に入り、5月24日の『スピン制覇』という投稿で書いた、『細胞の分子生物学』という本を、読みたくなる。

 麻友さんのチケットに、2万円近くつぎ込んでいるのに、分子生物学の文献が買えません、では、許されないだろうと思い始める。

 きっかけは、『数Ⅲ方式ガロアの理論と現代論理学』のために、『数Ⅲ方式ガロアの理論』の新装版を、クレジットカードで、購入したことだった。

「クレジットカードで、買ったの?」

 アマゾンギフト券を買ってくるのが、面倒だったからなんだけど、これを買ったのなら、『細胞の分子生物学』も、思い切って買おうと思った。

「えっ、でも、あの本、2万円くらい・・・」

 そう。だから、相当リストを入れて、稼がなければ、いけないな、と分かっていた。

「他には?」

 もう一冊、私が、どうしても欲しい本があった。

 麻友さんに説明できるレヴェルじゃないから、本を見せるだけにするけど、マンフォールドの『アーベル多様体』という本だった。

Abelian Varieties (Tata Institute of Fundamental Research)

Abelian Varieties (Tata Institute of Fundamental Research)

「えっ、この本、1冊で、6万円する」

 そうなんだ。

 普段は、7万円とか、6万円なんて額がついてる。11万円だったこともある。

「どういう本なの?」

 こんなの常識がある人が買う本じゃないんだ。

「それで、どうしたの?」

 私、半年以上前から、ずっと値段を見ていたんだ。

 そうすると、2カ月に1回くらい、5千円くらいに、値段が下がるんだ。

 私がみるに、古本屋(国際的な組織だけど)の側と、研究者の側が、連絡取り合ってて、今から買いたいので、安くしてください、みたいな情報を送って、一時的に、安い本を市場に、投入してもらっているみたいなんだ。

 だから、6月24日に、4,570円に、なったんだ。5千円切ったのは初めてだったので、そのタイミングで、購入した。

「その本、本当に、太郎さんのところへ、来た?」

 うん。ちゃんと、来たよ。

 ちょっとは、だれかが持ってたのかも知れないけど、開きすぎのページが一カ所ある以外、新品みたいに綺麗だった。

「その本で、何が、分かるの?」

 一つ例を挙げるなら、2011年の学士院賞の授賞式で、あの私達の学年で一番数学ができた望月拓郎君が、当時39歳で、天皇陛下から、

『これはコンピューターによって答が得られるのですか?』

と、聞かれた。

 望月君は、何事もないように、

『私はコンピューターにできないことを研究しています』

と、答えた。

 『アーベル多様体』の本って、そういうレヴェルの本なんだ。

「数学って、本当に、いくらでも、冒険できる秘境を、秘めてるのね」

 さて、『数Ⅲ方式ガロアの理論』と『細胞の分子生物学』と『アーベル多様体』の3冊で、32,721円になった。

 私が、普通の人だったら、どんどん気が大きくなって、クレジットカードで、どんどん買い続けるだろう。

 だが、これ以上買ったら、支払えないのが、私には分かる。

「でも、その後、『シティ・オブ・エンジェルズ』や、ファンクラブイベントのお金も、太郎さんは、出してくれた」

 そう。分子生物学の文献を2万円で買ったのに、麻友さんに会いに行かれません、では麻友さんに愛想を尽かされる。

 このお金を捻出するのは、かなり大変だった。

「今までの太郎さんからいって、とても払えない額じゃない?」

 しかし、私は、こういうとき、どうすれば良いか、知ってたんだ。

 私が、調べたら、私のクレジットカード払いは、一括になっていたが、一月2,000円のリボルビング払いも選べた。

 しかし、利息を調べたら、一月2,000円だと、毎月利息だけで、1,333円も、余分に払わなければならない。

 これが、リボ払い地獄と呼ばれるものだ。

 こんなことにしたら、とんでもないことになる。

「そうよ。そんなことしたら、大変よ」

 私は、一月11,000円ずつの、支払いへ、変更して欲しい、と申し出たんだ。

「申し出て、認められるものなの?」

 私に、支払い能力があると認められて、2日後、審査にとおった。

「それで?」

 さらに、リボルビング払いに換えてもらうのにも、審査があって、ちゃんと、ひとつき11,000円ずつのコースにしてもらえた。

 これで、3カ月かけて払える見通しがたった。

「確かに、11,000円なら、太郎さん、払えるわね」

 ほらね、こうやって、私って、返せない借金はしないんだ。

「うーん。これで、認めて、いいのかしら?」


 大学にいたときも、私は、後で、返せる、という範囲で、借金してたんだ。

 ただ、母が、口座を解約してしまったので、どうしようもなくなってしまった。

「太郎さんが、お金遣いが荒いのは、分かるけど、数学ができるから、利息がどうなるかとか、全部計算できるのは、確かね。後は、無駄遣いしようみたいな、変な考えを直して欲しいわね」

 私は、そんなに、なんでもかんでも、無駄遣いするわけじゃないんだ。


「それで、『吉野弘さん亡くなってたのか』での、謎は?」

 そうだったね。

 あの投稿で最初に分からないのは、『今晩、実家へ夕食に行ったとき、私も忘れていたし、父母もうっかり忘れてて、薬を飲まずに帰ってきちゃったんだ。』と、私が言ったのに対し、「そうは言っても、寝てなかったら、今日お父さまやお母さまのところへ行けないじゃない」と、麻友さんが聞いている部分だ。

「あれは、結局、2017年10月7日の1時58分に書き始めているのに、太郎さん自身が、まだ10月6日であるように思っていて、『今晩』と、言い始めたけど、時刻をみたら10月7日になってたので、私の言葉を書くとき、『明日お父さまやお母さまのところへ行けないじゃない』と書くはずが、『今日』になってしまった、ということでしょ」

 良く分かるね。

「太郎さんの、めちゃくちゃなブログに、いつも付き合わされてるから、これくらい分かるわよ。ところで、太郎さんの話が、一気に脱線したのは、『私の母は、前から不思議なことを言ってるんだよ』と言い出したところね」

 ああ、

『太郎の好きな子って、色んな顔をするから、どうも覚えられないわ』

という母の言葉を持ち出した。

 あのときの解釈の他に、次のようなものがあることに気付いた。

「どんなもの?」

 母の言ってるのは、私が、きっとあの先生、幼稚園の先生、さっちゃん、社宅の女の子、小学校の隣の席の女の子ふたり、転校先のクラスメイト、2年生の担任、3年生のクラスメイト、中学の文学少女、中学2年の時クラスで綺麗だった女の子、生徒会長、英語の発音がものすごく綺麗だったクラスメイト、クロイツェルソナタの女の人、分子生物学の女の人、ケースワーカーの女の人、立てば芍薬の女の人、マレーシアへ行ってしまった女の人、そして、麻友さんと、どんどん色んな女の人を好きになるので、付き合いきれない、と言うことかも知れないとね。

「太郎さん。光源氏でもないのに、許せないわね。私、こんな人、好きになっちゃったの?」

 こんなことを、堂々と書くということは、私が、いかに麻友さんを、信頼しているか。

「何が、ウェディング・ロードよ」

 それも、言っておこうと思ったんだ。

「ああ、ウェディング・ロードなんて言葉は、ないのよね。本来なら、バージン・ロードなのよね。分かってて、間違えたの?」

 辞書で引いて、そんな言葉ないの分かってたけど、結婚式場にいるわけじゃないから、勝手に言葉作ったんだ。

「結婚へ向けての道?」

 結婚という言葉を使うかどうか分からないけど、麻友さんと私は、きっと特別な仲になる。いや、もうなってるね。

「太郎さん。ファンクラブも作ったのだし、もうちょっと、ファンの人達に、サービスしてあげたいの。太郎さんを、大事にしてないのでは、ないのよ」

 分かっているよ。だから、こんな話をしてるんじゃないか。



 私は、父と同じ会社で働いていたと言ったね。

「そうだったわね」

 私としては、不本意だったのだが、お金は、母が、管理していた。



という話が始まる。

 ここで、なぜ母がお金を管理していたかが、やっと麻友さんに分かるんだ。

「あっ、つまり、大学時代に、お金の管理ができないと、烙印を押されてたからなのね」

 それと、私が、バス代だとかなんだとかウソを言って、お金を受け取って、『ガラスの仮面』などのマンガを買ったりしていたのもある。

「そんなこともしてたの。だから、太郎さん、私には、ウソをつかないって、いつも強調してるのね」

 麻友さんに、絶対ウソをつかないというのは、私の人生にとって、重要な意味を持つんだよ。

 今まで好きになった女の人で、こんな段階まで、恋愛が進んだのは、麻友さんが初めて。

 多分、私の人生で、麻友さんを失ったら、二度とこんなことは、できない。

「太郎さん。あの話の時、アンプやスピーカーのために借金はしてないって言ってたけど、リボルビング払いにしてたとかないの?」

 ウソはないんだ。アンプもスピーカーもブルバキも、現金で買ってる。16万円は、秋葉原の万世で、3千円のステーキと、ウィスキーのロックを飲んだりしたのに、消えたんだよ。これは、本当なんだ。

「えー、16万円消えたって、本当なの。なんか、哀しい」

 あの頃、DVDとか、結構買ってたんだけど、父が、まだ返してないお金があるんじゃないかと疑って、しばらくお金を渡してくれなかったんだ。それで、生活のために、DVDをかなり大量に、お茶の水の中古レコード屋石丸電気で売ったんだ。だから、ほとんど残ってない。

「『好きな曲を頭に流したいときいつでも流せるようにCDを買うんだ。』と言った後、『選挙のために買ったなんて、あれは、どうかしてる』という一文は、普通の人には、意味不明よ」

 そうだね。AKB48で、麻友さんに投票するために、CDを何枚も買ったという話は、事情を知らない人には、分からないものね。

「ところで、この後、太郎さんが、マンションの話を始めて、『惨事』と言うんだけど、その説明が、ないのよね」

 うん。大切な話なんだけど、じゃあ、(その4)は、その話から始めよう。

 もう、今日は、遅くなった。寝ることにするよ。

「分かったわ。ドラマを録画して、眠ってね。おやすみ」

 おやすみ。

 現在2018年8月25日22時21分である。おしまい。