現在2018年12月16日20時08分である。
「前回の『微分・積分入門(その2)』のときの、石橋和歩被告、懲役18年になったわね」
北風と太陽のうち、北風を使うんだね。
「太陽では、人を更生できないということかしら?」
三つ子の魂百まで。という言葉がある。兄弟3人の三つ子という意味ではなく、3歳の子供のときの心は、死ぬまで、変えられない、という意味だ。
「太郎さん、その通りだと思う?」
駆け引きばかりしている人に、優しい心の存在は、最後まで分からないのかなあ、と思わせられることもある。
「どんな人?」
前にも話した、父方の祖母。
「あの、いずみ野の家に住んでらしたおばあさまね」
私が、小学校のとき、体が弱くて、結構学校を、休んでいた。
母が、看病してくれることもあったが、母方の祖母も、看病してくれることもあった。
姑としては、向こうのおばあちゃんばかり、点数稼いでいて、面白くない。
だから、母に、今度、風邪引いたら、私に太郎の看病を、させろ、と言った。
「それで?」
さて、私が、風邪を引いた。
父方の祖母は、得々として、やってきた。
熱が、出ていた間は、結構優しくしてくれてたんだ。
ところが、夕方になって、熱が下がって、起きられるくらいになった途端、
『今日、午前中、おばあちゃんは、太郎のために、看病してあげました。熱が下がったんだから、今度は、太郎が、おばあちゃんのために、働いてくれる番です。洗濯物をたたむのを、手伝ってください』
と言った。
その話を、私は、母にしなかったが、母は、
『どうせ、そんなことになるだろう』
と、分かっていただろうと思う。
「そうかー。おばあちゃんって、無償の愛を、くれるものだものねぇ。で、そのおばあちゃんが、95歳で、死んだのよね」
老人ホームに、入ってたんだけどね。母と父が、時々、お見舞いに行ってたんだ。
「お見舞いに行くと、どうなるの?」
『今日は、なんで、来たの?』
って、言われるんだって。
「『おばあちゃんに』、っていうか、『お母さんに、会いに来た』じゃ、駄目なの?」
『理由もなく、私に、会いに来る人なんて、いない』
と思ってるんだよねぇ。
それで、仕方なく、母と父は、
『なんでもいいから、なんか理由を考えておいてから、会いに行こう』
なんて言って、他の用事と抱き合わせで、ホームへ行くように、なってしまった。
「あっ、でも、こんなひどい話して、『三つ子の魂百まで、だよ、そのおばあちゃん、死ぬまで、そのまんまだった』で、終わらせる太郎さんじゃ、ないわよね」
私が、いずみ野の家の留守番をしていた頃、祖母の持ち物を、母と父が、ずっと整理していた。
高価な服や靴もあった。
その中で、それほど高級なものではないけど、ピエールバルマンの水色のハンカチを、母が、
『これなら、男でも使えるよ』
と、渡してきた。
私は、ハンカチにお金をかけたりしないから、そんなにたくさんは、持っていない。
その後、祖母は、95歳で、2014年に死んだ。
麻友さんと私が出会ったのは、その後だ。
さて、2015年4月4日に、麻友さんを知ってから、恋は進み、麻友さんは2017年12月31日に、AKB48を、卒業した。
卒業した後、ファンクラブなんて作れるメンバーなんて、数えるほどなのだろう。
でも、麻友さんのファンクラブは、作ってもらえた。
そして、2018年10月6日、ファーストファンクラブイベントである、『ファーストコンタクト』が、開かれた。
イヴェントに向かう朝、身繕いなど滅多にしない私が、ポケットティッシュに至るまで、心を込めた。
そのとき、気付いたのだ。
『いずみ野の祖母が死んで、もう4年が経とうとしている。ハンカチ1枚くらい、持っていってあげるか』
と。
母方の祖母のものなんて、改めて持つ必要は、ないのだ。
おばあちゃんは、いつでも、そばにいるのだから。
「えっ、じゃあ、TOKYO DOME CITY HALLへ、来たとき、そのハンカチ、持ってたの?」
うん。
「いい話ねぇ」
「ちょっと、聞きたいんだけど、太郎さん、HALLで、何かなくさなかった?」
これ書くと、責められちゃう人がいるかな? と思って、黙ってたんだけど、あの日、なけなしの500円を、コインに換えてもらって、買った、アクエリアスの500mLのペットボトル。開演前に足下に置いてたのを、誰か、間違って、持って行っちゃったみたいなんだ。
「やっぱり。開けてなかったでしょ。忘れ物として、届いてた」
届くっていうので、思い出したけど、麻友さんから、年賀状が来るなら、私からも、送ってあげようかな? と思ったけど、ファンクラブの公式な住所って、ないんだね。
また、ミュージカルのときとかに、ファンレターのカゴに入れるのが、無難だね。
「これだけ、有名になると、形あるものをもらうのは、辛いのよ」
ある程度、分かる。
「本文は?」
始めよう。
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5.初心者にわかりやすくするために,たくさんの図を入れて,直観に頼れるようにした.しかしまた重要なところはなるべく厳密さを失わないよう心がけた.
6.新制度による高校2年の「数ⅡB」の内容をそのまま本書の内容としたが,場合によっていくぶん進んだことにも触れた.
7.『数Ⅲ」へのつながりに配慮した.たとえば,微分方程式へ自然にはいってゆけるように.
8.入門書であるから,内容はきわめてやさしくしたが,大学を受験する者にも参考となるよう考慮した.
要するに本書は,長い著者の教授体験をもとにし,苦心を重ねて,何よりも一読したあとで「これはよくわかる本だ!入手して本当に良かった!」と喜んでいただけるように,細心の注意をはらったつもりであるが,いろいろ欠点もあろうと思う.ひとえに,読者のみなさまのご叱正を仰ぎたい.
1964年6月
著者しるす
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「これで、やっとまえがきが、終わったわね。今日は、獲物がなかった」
そんなに、どんどん獲物はないよ。18版なんだもの。
「ああ、十分誤植は直されてるのね」
今日は、書きたいことが多くて、前置きが長くて、ごめん。
「でも、太郎さんという人が、また少し分かったわ」
麻友さんのスペシャルクリスマスプレゼントは、ファンの人に1人でも行き渡るように、私は抽選に応募しないよ。
「太郎さんには、ペンケースですものね」
頼むよ。
「ウフフ」
じゃ、おやすみ。
「おやすみ」
現在2018年12月16日22時12分である。おしまい。