相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

細胞の分子生物学(その6)

 現在2018年12月25日6時33分である。

「随分、早いじゃない」

 確かに早い。

 でも、昨晩、22時15分頃寝て、今朝5時35分に起きているから、7時間くらいは寝ている。

 決して、睡眠不足ではない。

「それで、今日も、『細胞の分子生物学』?」

 私、あの医学機器を開発するっていうの、麻友さんの心を引きつけようと、でたらめ言ってるんじゃないんだ。

 本当に、開発しようと思っている。

 だから、これからは、起きたとき、余計な邪魔が入らない限り、この本を、1ページ進めようと思う。

「1ページって、どれくらい?」

 読むだけなら、1日1ページは、なんとかなるけど、書き写すのは、かなり大変だと思う。

「とにかく、やってみてよ」

 うん。


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 この版の改訂を開始する前に,本書の前の版を使って細胞生物学の学生を教えた科学者らに会って改良点を聞きだした。彼らは有用なフィードバックをくれ,それらは新しい版に生かされている。ほとんどの章を読み校正にあたった学生たちからも有用な情報を提供してくれた。


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「ちょっと待って、最後の一文、

◯校正にあたった学生たちも有用な情報を提供してくれた。

◯校正にあたった学生たちからも有用な情報を提供してもらった。

✕校正にあたった学生たちからも有用な情報を提供してくれた。

上の2つのどちらかにしないと、日本語じゃないわ」

 そうだね。誤植だ。

 この本の誤植第2号。

 続けるよ。


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 長文の原稿とラフレイアウトの大きな束を完成した教科書へと変えるには多くの人と彼らの努力が必要だった。この変換を管理した Garland Science 社のチームは素晴らしかった。プロジェクト運営を指揮した Denice Schanck は一貫して忍耐力,洞察力,機転,情熱を発揮した。彼女は Allie Bochicchio と Janette Scobie の手助けのもと,われわれを巧みに導いた。Nigel Orme は改訂された図を監督し,すべての図版を仕上げ,本書の裏表紙を再びグラフィックの技能でセンス良いものにした。Tiago Barros はタンパク質の構造の表示を刷新する手助けをした。Matthew McClements は本文と表紙をデザインした。Emma Jeffcock は再びページのレイアウトを担当し,驚くべき技量と忍耐力で限りない数の校正と時間ぎりぎりの変更を管理し,Georgina Lucas はそれを手助けした。Michael Morales は本書の付録であるオンラインの資料の中心となるビデオ,アニメーション,およびそのほかの材料からなる複雑なウェブを作成し組み上げ,Leah Christians はそれを手助けした。Adam Sendroff は改訂を知らされた世界中の本書の読者からの価値あるフィードバックを提供した。Elizabeth Zayats と Sherry Granum Lewis は開発部分の編集者として,Jo Clayton は原稿整理編集者として,Sally Huish は校正者として原稿をプロの目で見た。Bill Johncocks は索引をまとめた。ロンドンでは Emily Preece がわれわれを支える一方で,Garland 社のチームのプロとしての手助け,技能,エネルギーと友情は,改訂の期間を通じてさまざまなやり方でわれわれを支え,すべての過程を喜びへと変えた。筆者らはこんなにも惜しみない支援を受けられて非常に幸運である。


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 ちょっと長い段落だったな。

「本当に、まえがきを、写す必要が、あったの? 協力してくれた人への、感謝ばっかりじゃない」

 私も、大学に入る頃まで、本を買ってきて読むにせよ、図書館で借りてきて読むにせよ、まえがきなんて、ほとんど読まずに、一気に読みたいところから、読み始めたものだった。

 そういう読書は、本当に、楽しい。

 私は、中学の頃から、

『これは、自分で正しいことを確かめた』

と思えることを、ためていってて、それで、もう正しいと確かめてあることは、どんどん飛ばして、数学の本なども、読んで行ってた。

「そういうことを、やめたの?」

 大学1年の終わりに、数学の危機に出会い、自分の数学に、自信が持てなくなった。

 その、解決法は、大学2年の初めに見つけたけど、私の数学を、完全に築き直す作業は、現在も進行中だ。

「えっ、でも、4回生の夏に、退学してきて、頭をリセットされて、その後、ゼロから築き直したんじゃなかったの?」

 この前、

『高校1年の数Ⅰの易しい問題も、解けなくなっちゃっている』

と、嘆いた話をしたね。

 私は、どんなにリセットされたといっても、中学までに習ったことは、ほぼ残っている自信があった。

 だが、方程式も、ベクトルも、微積分も、なんとなく使っていい武器じゃないように思えて、心配になった。

「心配になるって?」

 正しいことは、十分分かっているんだけど、もし誰かに、

『これ、本当なんですか?』

と、聞かれたとき、

『はい、大丈夫です』

と、自信を持って言えないということかな。

「そんなの、誰だって同じよ」

 私に取って、同じじゃないんだよ。

 例えば、今回入院したとき、京野先生に、

『顕微鏡で、私の精子を、見せてくれませんか?』

と、聞いた。

 先生は、

『それは、退院してから、ご自分で、顕微鏡を買って、見られたらどうですか?』

と、応えてきた。

 私は、

『市販の顕微鏡って、2000倍くらいが、最高ですよね。精子を拡大するのに、2000倍で、足りますかね。ものすごく拡大したいんです。電子顕微鏡とか使って』

と言ったのだが、

『電顕(でんけん)は、ないなー。大学病院でも、行かないと』

と、言われてしまった。

 結局退院した後、先生が、

『入院中は、無精子症かどうか、気にしていたみたいですけど』

と、言ったので、やっと分かったのだが、先生は、私が、自分の精子が正常かどうか調べようとしているのか、と思っていたようなのだ。

「えっ、太郎さんのようなこと言ったら、みんなそう思うわよ。本当は、どう思ってたの?」

 私が、2007年に、チラシ配りの仕事をしていた話はしてあったね。

「ああ、チラッと聞いたわ」

 その職場でも、クリスマス会というのを、開いたんだ。

「みんな貧しいのに、大変でしょうね」

 あまり、豪華なことはできないんだけど、夜集まって、一緒に、お酒を飲みに行ったんだ。

「それで?」

 チラシ配りの地図を印刷してくれたり、会計をやったりと、雑務を担当している、30代後半の結婚している女の人がいたのね。

「ふーん」

 その人が、

『私の息子が、おたまじゃくしを、いっぱい捕まえてきたとき、『このおたまじゃくしみたいなものが、そのうちたくさん、おちんちんから、出てくるのよ』って、言ったら、『そんなの、僕嫌だよ』って言って、ものすっごく悩んじゃって、その顔つきが、3日くらい治らなかったのよね。ああいうとき、どうすればいいのかしら?』

と言ったんだ。

「それはまた、すごいことを」

 私は、それを聞いていて、この親、あんまり賢くないな。こんな仕事してるってことは、賢くなくても、当たり前か。でも、私なら、文献にあたるけど、この女の人には、なんて言ってあげればいいかな? と、思ってたんだ。

 そうしたら、一緒にチラシ配りしている人の一人が、

『それは、顕微鏡買ってあげればいいんだよ。俺だって、中学のとき、自分の精子、見たもん』

と言ったのだ。

 これは、私にはない、発想だった。

 私には、まず自分で作り、次に買ってもらった、天体望遠鏡はあった。

『科学というものは、信じられないんじゃないか?』

という人があったとき、ニュートン万有引力の説明をし、それから、太陽との距離など、色々あるけど、まずは、この望遠鏡で、土星を見てみろ、これが、望遠鏡の覗き口に、スマートフォンの画面のように、映像を映しているだけに見えるか? この土星が、本当に、地球の何倍もの大きさで、そして、輪を持っているという習ったとおりの形をしているというのを、見て、まだ科学というものが、信じられないか? 実は、この土星は、水に浮くということまで、科学では分かっているんだぞ。

と言えるほど、私は、あの土星に感動した一人なのだった。

「水に浮くというのは?」

 土星の密度は、0.69くらい。つまり水の1より小さいから、水に入れたら、浮かんじゃうんだ。そんな大きな海は、なかなかないけどね。

「確かに、天文には、詳しい。でも、顕微鏡は、覗いたことなかったのね」

 高校のとき、生物部にいたんだから、顕微鏡は、使いたければ、使えた。

 でも、自分の精子を見てみようとは、思わなかった。

 教わったことを、そのまま、丸呑みしてたんだ。

「でも、性教育には、反発してたのに」

 心の問題と、実際の物質との間に、完全に乖離があったんだ。

「太郎さんの心だって、体が感じているものでもあるのよ」

 そうねえ。

 とにかく、

『顕微鏡買ってあげたらいい』

という発想は、それはそれで、一理あるなと思ったんだ。

「実験って、太郎さん、いよいよとなると、するものね」

 京野先生に、

精子を見せて欲しい』

と言ったのは、生物学で教えていることが、本当に信じられるか、というのを、まず生命の根源に遡って、自分の精子で、確かめようと思ったからなんだ。

「太郎さんって、本当に、周りの人が考えてるのと、違うこと考えてるのね」

 そうなんだよ。

 だから、女の人に、私以外の男の人とつき合って良い、と言ったのを、

『本当は、自分が、その女の人以外の女の人とも、付き合いたいということなんでしょう』

と言われて、呆れてしまったことも、あるくらいなんだ。

「ああ、太郎さんは、私以外の女の人を温存するために、私に、ファンと付き合っていいと言ってるのでは、ないのよね。私が、ファンを振るのが、辛いだろう。ファン達の気持ちも分かる。ということなのよね。でも、そういう犠牲を払ってもひとりの男の人を選ぶというのが、結婚というものなのよ」

 麻友さん。麻友さんは、ただの優等生ではない。特待生だ。

 模範解答が、それでいいか、もう少し、考えてみて欲しい。

 あるいは、一緒に考えよう。

「じゃあ、『細胞の分子生物学』のまえがき、終わらせて」

 よし。


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 この本の執筆を可能にしてくれた,われわれのパートナー,家族,友人,同僚の継続的な支援に感謝する。

 この版の完了間際に,われわれの共著者,友人,そして同僚である Julian Lewis が10年間果敢に闘病してきた癌により命を絶たれた。1979年の開始以来,Julian は6つの版すべてで主要な貢献をしており,最も洗練された書き手として手がけた多くの章の文章表現と論調をよりよいものにした。注意深い学者的なアプローチにみられるように,明確さと簡潔さが彼の著作の核となっていた。Julian はかけがえのない人であり,われわれはみな彼との友情と共同作業が失われてしまったことを遺憾に思う。この第6版を彼の想い出にささげる。


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 これで、まえがきは、終わりだ。

「それで、まえがきも読んでみる価値があるというのは、そのルイスさんのことが、書いてあるからなのね」

 それだけでなく、読んで行く上での、注意なども書いてある。

 まあ、若いときは、勢いで読むということも、大いに奨励するけどね。

「じゃあ、次回から、本文ね。太郎さんの目算では、医学機器は、何年くらいかかるの?」

 初めは、最初から、山中伸弥さんなんかにも協力してもらって、東京オリンピックくらいまでには、完成させようと思ってたけど、分子生物学者も、医学者も、真面目に取り合ってくれそうにないから、私一人でもっと分子生物学を研究して、こういうことが、本当にできる、ということを、認めさせなければならない。理論ができあがるまでに、最低でも3年か4年はかかりそう。それから、世界中の研究者に呼びかけて、実験をして、医学機器を作る。7年とかかかるかも知れない。

「私、他の人と結婚しちゃうかも知れないわよ」

 麻友さんは、私の相対性理論の話に興味を持った人だ。このプロジェクトにも興味をそそられている。

 きっと、私と共に人生を歩く道を選ぶのではないかと、期待している。

 麻友さん。私と、世界を変えようよ。

「数学と物理学と化学と分子生物学と音楽、5つの信仰を、持とうとしているのね。医学は、加えないの?」

 実際にメスを持って執刀することは、臆病な私には、できそうにない。医学者には、なれないよ。それに、やっぱり化学や分子生物学は、どんなに勉強しても、信仰と言うほど、命は賭けられないな。

 好きさ加減が、違いすぎる。

「私には、命を賭けられる?」

 数学が、私が命を賭けられるものだとしたら、麻友さんは、私が命を賭けられる人だ。

「ありがとう。7年ね」

 新しい治療法とか薬というものは、十何年とか何十年とかかけて、開発されてる。7年なんていう約束は、取り敢えずのものだ。でも、そんなものができたらいいな、という夢があるだけでも、2人の心に温かい灯が灯るね。

 1度、この私の研究している現場を、見てもらいたいな。

「私、やっぱり将来太郎さんと結婚する。事実婚とか法律婚とか、ややこしいのは、無視して、太郎さんと人生を歩みたいわ」

 その言葉が、聞けて嬉しいよ。

 じゃあ、今日は、お開きにしよう。

「おやすみ」

 おやすみ。

 現在2018年12月25日22時14分である。おしまい。