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結婚をシミュレート(その3)

 現在2019年1月5日19時22分である。

「わぁー、結婚をシミュレート、本当にやってくれるのね」

 麻友さんが、やって、って、言ったから、3回目が、実現した。

「今回は、どういう場面?」

 第一回は、麻友さんのお父さまに、私を認知させる場面。第二回は、私の父に、麻友さんを、認知させる場面だった。

「ある程度、難しい場面でないと、シミュレートする意味がないわよね」

 そこで、今回は、麻友さんを、私の実家に、初めて連れて行くところとしよう。

「あちゃー、また、よりによって、とんでもなく、難しいところを・・・」

 じゃあ、あらかじめ、父や母の、触れてはいけない話題などを、教えている場面から。



「太郎さん。お父さまは、アイドルとか、大っ嫌いな人なのよね」

 それね、本当のところは、良く分からないんだ。

 例えば、雑誌『文芸春秋』なんかを読んでいる、文化人として、アイドルなどを、どうでもよいもの、と思っているのは、確かなんだ。

 そうは、言うものの、音楽とか美術というものに、不思議な憧れを持ってるんだ。

 今は、壊れちゃったからないけど、電子オルガンのキーボードを、買うとき、父は、次はこの鍵を押せばいい、というところに発光ダイオードが点いて、曲が弾ける、という機能が付いた機種を買い、『別れても好きな人』や『コモエスタ赤坂』の入ったカートリッジを手に入れて、練習したりしていた。

「カラオケのレパートリーなの?」

 あっ、絶対に、父に、歌わせたりしちゃ、駄目だよ。一生、恨まれるから。

「お父さま。音楽は、クラシックは、聴かないって、言ってたけど」

 我が家にある、クーベリック指揮の『ハフナー』と『リンツ』のCDと、グレン・グールドモーツァルトトルコ行進曲付きのCDは、父が買ったものなんだけど、どちらも、父は中身がどんなものか、余り分かってなくて買った。

 今、父は、富士通のパソコンに、パブロ・カザルスのバッハの無伴奏チェロ組曲や、イ・ムジチのヴィヴァルディの『四季』や、ポール・モーリアなどを、取り込んで、適当にかけて聴いているが、こだわりがあるとは、思えない。

「お父さまの音楽は、置いといて、他は?」

 結構、新しい技術が使われているものを、欲しがった。

「もうちょっと、若ければ、インターネットで、色んな事を、楽しんだでしょうね」

 今だったら、ウィンドウズになってるから、Wordの画面を2つ立ち上げて、一方に、下書きを表示させて、もう一方で、清書するなんて、朝飯前でしょ。

「うん」

 でも、父は、ウィンドウズもなかった、1987年頃、ジャストシステムの『一太郎』(いちたろう)で、画面の上半分に、下書きを表示させ、下半分で、清書するということを、やっていた。

「アイディアは、素晴らしいのね」

 ヴィデオテープレコーダーだって、1983年頃から、我が家にはあった。


「そういえば、真空管のアンプを、褒めてあげたら?」

 上手く、褒められれば、喜ぶだろうけど、今、実家で稼働してるのは、私のYAMAHAのアンプだからなぁ。

真空管のアンプって、何がいいの?」

 結局、反応がのろいのが、良さなんだよ。

「のろいのが、良さ?」

 つまり、例えば、『英雄』で、説明すると、出だしに、『ダン、ダン』とあるじゃない。

「うん」

 あれがね、トランジスターのアンプだと、そのまま、『ダン、ダン』と、鳴るわけ。

「それで?」

 それが、真空管のアンプだと、一気に『ダン』と、立ち上がらず、『ふわーぁダン、ふわーぁダン』

みたいに、音が柔らかくなるんだ。

 そこが、デジタルに慣れている耳には、良いものに聴こえるんだそうだ。

「難しいわね」

「じゃあ、文学の話とかは?」

 麻友さん。自分が無知だと言うことを、さらけ出すことになるよ。

「お父さま、読書家なのね」

 何でも、大学時代、

『文学部の人間と同じくらい、文学を読もう』

と思っていたらしい。

 家族で、広島時代に、隠岐の島(おきのしま)へ行った帰り、島根県の津和野(つわの)へ行ったとき、私は、森鷗外しか知らなかったけど、父は、西周(にし あまね)という哲学者を、知っていた。

「ものすごい、勉強家であるのは、確かね。専門とするのは、どういうことなのかしら?」

 それは、聞いてあげれば、喜んで、話してくれるかも知れないけど、麻友さん、応用化学科なんていうところが、どんなことやってるか、想像も、できないだろ。

「じゃあ、話題がなくなったときの用意に、残しておきましょう」

 それより、麻友さんが、ミュージカルというものが、どう面白いか、という話をしたら、父も母も、喜ぶと思うな。

「思いっきり、ミュージカル?」

 だって、渋谷にいたときだから、1976年頃かなあ、家族に映画館で、『サウンド・オブ・ミュージック』を観せてくれた。

「でも、それは、お母様の影響もあったかも」


「今度は、お母様のことも、教えて」

 まず、麻友さんのことを、知ったときの反応。

 京野先生の前で、

『女の人を好きになりました』

と言い、

『AKB48の渡辺麻友さんです』

と言ったことは、『まゆゆ、との恋を成就するために』という投稿で書いた。

 あのとき、その場では、母は、

『アイドルで、良かったわ』

と言ったが、その後、

『なぜ、AKBなの?』

と、聞いてきたりもした。

 私は、母に、ちょっとずつ、麻友さんを近付けた。

 指原莉乃さんが、『ガッテン』に、準レギュラー出演し出したのは、好材料だった。

「えっ、さっしーも、利用したの?」

 『ガッテン』で、指原さんが、良いことを言うたびに、褒める。

 これは、AKBグループを褒めることになり、ひいては、麻友さんを、褒めることになるのだ。

『この頭の回転の速い、指原さんと、渡辺麻友さんは、まともに渡り合っている』

という印象は、母の中の、麻友さんのイメージをどんどん良くしていく。

「お母様の、お気に入りの女優さんというのは、どんな人?」

 NHKの『坂の上の雲』の菅野美穂が良かった、という言葉は聞いたことがある。ただ、これは、隣の奥様の言葉だったかも、知れない。

 いずれにせよ、菅野美穂は、好きなようだ。

 私に、大学入学から半年くらい経ったとき、

沢口靖子という目の大きな女優さんが、出てるわよ』

と、あるドラマを紹介してくれた。

 『沢口靖子が、目が大きい』という形容をするのは、母からの影響だ。

「あら、それでだったの」

 母は、変に美人を嫌ったりはしないので、綺麗な人は、普通に好きになる。

 ただ、いしだあゆみは、好きでないと言ってた気がする。

「ふーん」

 でも、好みって、観た映画や、ドラマで、変化するから、絶対と思わない方が良いよ。

「じゃあ、松田家で、受けた映画は?」

 古い映画が多いけど、

禁じられた遊び

カサブランカ

『真昼の決闘』

『シェーン』

荒野の決闘

『恐怖の報酬』

『汚名』

『めまい』

北北西に進路を取れ

『眼下の敵』

『戦場にかける橋』

『ロッキー』

ターミネーター

『E.T.』

サウンド・オブ・ミュージック

マイ・フェア・レディ

イヴの総て

Uボート

炎のランナー

『深く静かに潜航せよ』

 ・
 ・
 ・

 他にもあるけど、私でさえ思い出せないから、父や母が、どこまで覚えているか、分からない。

 ただ、我が家で、誰もが名作だと認める映画に、ポール・ニューマンロバート・レッドフォード共演の、

明日に向かって撃て

がある。

 どんな、絶体絶命のピンチに陥っていても、明日のことを考えている二人の生き方は、人間こうでなければと、思わせられる。

 あと、『Uボート』は、父が、かなりお気に入りの映画だ。

 もう一つ、父の好きな映画に、

十二人の怒れる男

という映画がある。


「お父さまが、映画好きなのは、分かったわ。でも、おふざけは、興味ないのね」

 マンガを、ほとんど読まないし、アニメを、ほとんど観ないから、そういう文化を、ほとんど、知らない。

 一方で、自分では、余り絵を描かないけど、美術には、結構、目がある。

 我が家には、昔、鶴見にいたときから、ベルナール・ビュッフェの『赤い花』という大きな絵が、飾られていた。

 これだ。

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 この絵を、選んだのは、父のセンスだ。

 私が、小学校の頃、父が、クレヨンを使って、紅葉の頃、総持寺の鐘撞き堂への階段を、描いた絵は、そんなに悪くなかった。

 そして、シンガポールへ、単身赴任していたとき、もう一枚、絵を買った。

 これだ。

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「あらっ、誰の絵かしら?」

 よく、私の家に来た人が、

『奥様のお描きになった、絵ですか?』

というのだが、これは、ゴッホの『アイリス』という絵なんだ。

『『ゴッホです』、なんて、言いにくいわよねえ』

なんて、言いながら、母は、この絵を大切にしている。

 母の好みという点では、改めてCDを買ったりしないので、分かりにくいのだが、朝ドラで、『ごちそうさん』というのがあったでしょう。

「ああ、杏さんと、東出昌大さんの出ていた」

 あのときの、オープニングの曲が、好きだった、と言ってた。

「確か、ゆずの『雨のち晴レルヤ』だったと思うわね」

 良く、覚えてたね。そうだよ。

「太郎さんの妹さんのときは、妹さんのお婿さんになる人は、太郎さんや弟さんのいるところへ、来たの?」

 まあ、あの場合は、そうだったけど、麻友さんが、私の家に来る場合、どうなるかな?

 妹は、結婚前に、麻友さんと会っておこうと、思うかも知れないけど、上海に、行ってるし、娘や息子のことで、忙しいから、私の父母 VS 麻友さんと私、という構図になるかな。

「じゃあ、シミュレートしてみて」



 2020年春の、ある日。

「やっぱり、結婚するとなったら、お父さまとお母さまに、ご挨拶しなければね」

 一応、父母には、今日のお昼ご飯のとき、麻友さんを連れて行くと、言ってある。

「どんな、感じになるんだろう」

 女優なんでしょ、慣れてるんじゃない?

「そういうものじゃないわよ」

 さあ、行ってみよう。

「このマンションね」

 窓からは、富士山も、見えるんだよ。


 ピンポーン。

「はい」

 太郎と麻友さん

母「どうぞ」

「お邪魔します」

母「お父さん。麻友さん、見えたわよ」

父「いらっしゃい」

「初めまして。女優の渡辺麻友です」

母「やっと、お会いできたわね」

父「まあ、立ち話じゃなんだから、座って」

「あっ、これが、ゴッホの『アイリス』。こんなに、大きな絵で、飾ってあるんですね」

 こんなに大きなって、そうか、カレンダーくらいだと、思ってたんだね。

母「さあ座って。太郎から聞いて、麻友さんは、唐揚げが好きだそうだから、ちょっと作ってみたのよ」

 お父さんは、どうするの?

「お父さんは、どうするのって?」

 父は、鶏肉嫌いなんだ。

 だから、我が家では、鶏肉の料理をするときは、父だけ、別メニューなんだ。

「そんなことも、できるんですか?」

父「おまえさあ、このDVDプレーヤーって、ただのCDじゃないCDも、かけられるんだろ」

 ああ、スーパーオーディオシーディーも、かけられるよ。

父「このスピーカーでも、鳴るのか?」

 うん、鳴るよ。

 どれか、かけようか?

父「余り長いのは、かけるなよ」

 分かった。

「これが、太郎さんが16万8千円で買ったという、アンプですね」

父「本当に、太郎のものなんだっけ?」

母「知りません。本当は、ホーキングの本を訳すまでの、願掛けだったんじゃなかったですか?」

「えっ、じゃあ、訳せなかったら、お父さんのものになる予定だったんですか?」

 いずれにせよ、あの狭いアパートじゃ、このアンプでかける意味ないんだよ。

 一時的に、預けてるんだ。

 じゃあ、前橋さんの『アンダルシアのロマンス』をかけるよ。

♪~

「本当に、音いいわねぇ。このスピーカー、太郎さんの妹さんが、選んだんですよね」

父「よく知ってるな」

「太郎さんが、色んな事、話してくれるんです」

母「でも、5年くらい前に息子が、のめり込んで、ブログとツイッターとかで、連絡取っていたときは、一方的なものだったのでしょう?」

「そうでもないんです。私、太郎さんのこと、かなり初期から、注目していて、ブログ、結構読んでたんです」

母「でも、数学なんて」

父「数学のこと、書いてたのか?」

「数学のこと、宇宙のこと、音楽のこと、分子生物学のこと、など、色々です」

「お父さまの好みは、良く分からなかったのですけど、お母さまが、『ゆず』の『雨のち晴レルヤ』が、お好きだと聞いて、これを、持ってきたのですけど」

母「ゆず?」

 『ごちそうさん』のときの音楽が、好きだったと、言ってたでしょう。

母「あれ。嬉しいわ」

父「芸能界というものが、本当はどうなっているのか、完全には分かっていないのだが、こんな障害者と結婚して、やって行かれるのかい?」

「私は、太郎さんなしでも、これまでも、やってきました。だから、太郎さんと結婚しなくても、これからも、やって行かれます。でも、太郎さんって、本当に、そばにいて楽しい人なんです。私は、大学も行っていません。でも、太郎さんの学問の話を聞くのは、とても、刺激的で、世の中って広いなあと、視野が開けるんです」

母「まあ、この子は、小さいときから、ちょっと片輪のような子供だったけど、京都から病気になって帰ってきたときは、もう結婚なんて出来ないだろうと、諦めていたのに、こんなに言ってくれる女の人が現れるなんてねえ」

父「そちらのご両親は、この子の病気のことは、ご存じなんですか?」

「太郎さんが、全部話していいと言ってくれたので、統合失調症で、ほとんど働けないという話も、してあります」

母「反対されなかった?」

「最初は、そんなことは、やめた方がいいと、言われましたが、私が、絶対幸せになると言ったので、次第に、認めてくれるようになりました。一番大きかったのは、太郎さんが、『すっごく恵まれた家庭に育ったから、私と結婚したら、ドメスティックバイオレンスとか、離婚などということとは、縁のない家庭を築けるよ』と、言ってくれたことを、話したことだったと思います」

父「この子は、学歴を鼻にかけているところがあるんだが、そういうのは、嫌にならないか」

「半分、諦めてるんです。京都大学の理学部なんて、普通の人の考えの及ぶ所じゃありませんから、私に取って、太郎さんは、辞書みたいなものだなって」


母「さあ、ちょっと、唐揚げ食べてみて」

「はい」

「わー、美味しい」

 麻友さんは、優等生だから、グルメの番組でも、全部に合格点を与えるんだよ。

「太郎さんのイジワル。でも、本当に美味しいわよ」

母「これなら、私が死んでも、太郎に美味しい唐揚げを作ってくれられるわね」

 これは、麻友さんのお母様の唐揚げの味と、近いということなのかな?

「いや、母とは、違います。でも、美味しいのは確かなんです」

 結婚したら、母から、母流のお好み焼きと、ガラムマサラという香辛料の入ったカレーと、伯爵夫人の太鼓というポテトと挽肉の料理を、習っておいて欲しいな。

「それだけで、いいの?」

 本当は、ゴボウを豚肉で巻いて煮たのや、ぶりの照り焼きや、餃子とか、ハンバーグとか、ババロアとか、好きなものはあるけど、麻友さんに特にマスターしておいて欲しいのは、上の3つだな。

母「弟は、味にうるさいんだけど、この子は、何でも、食べるのよ」

「助かりました」

父「このスーパーオーディオシーディー、確かに音いいなあ」

 普通のCDの、4倍の情報が入っているからね。

父「さっきもらった、CD、かけてみないか?」

母「そうねぇ」

 よしかけよう。

♪~

母「ああ、これねぇ。思い出すわね」


父「AKB48というのは、秋葉原で、AKBなんだよね」

「はい。初期の歌には、AKB48と書いて、『あきはばらフォーティーエイト』と読ませた歌もありました」

父「本当に、48人いたの?」

「いや、最初は、もっと少なかったですし、今は、AKBグループ全体で、400人くらいいます。48にはそんなに意味はないんです」

父「あっ、そうなのか」

母「女優って言っても、主にミュージカルの女優さんなんでしょ」

「『レ・ミゼラブル』とか『モーツァルト』というミュージカルにはまって、宝塚にも、随分通いました」

母「中学1年生で、AKB48のオーディションに、受かっているのでしょう。学校には、通っていたの?」

「正直言って、ぎりぎりでした。宿題は学校で済ませ、下校と同時に、秋葉原へ。22時近くまで練習して、家に帰るとそのまま倒れるように眠ることも、ありました」

母「でしょうねえ。私の孫が、中学受験するとき、2年間、受験勉強を一日15時間くらいやってたから、分かるわ」

父「女優をやっていく上で、これを、大切にしていこうと、心に決めていることを、3つ挙げるとすると、どういうことだろう」


 これについては、本当の麻友さんに、3つ挙げてもらうことにしよう。


父「その3つに、息子との結婚は、プラスに働くのだね」

「はい。もちろんです」

父「この子は、19歳のときと、21歳のときの2回失恋し、気が狂っている。あなたに、振られると、また気が狂う可能性もある。息子のことは、私にも良く分からないところがあるんだが、幼稚園に入る前に好きになった、『きっとあの先生』という人以来、あなたほど、本気で好きになった女の人は、いないようだ。お互い仲良くやってくれ」

母「太郎が、5年間も、ずっと好きでい続けた女の人は、麻友さんが、初めてね。障害者が結婚するというのは、問題あるけど、障害者は結婚してはいけない、とするのも、問題あるものね。頑張ってみなさい」

「ありがとうございます」




と、このように、シミュレートしてみたけど、どうかな?

「こんな、上っ面だけの紹介で、許されるのかしら?」

 麻友さんが、リアルに、相談に乗ってくれないと、これ以上は、無理だよ。

「太郎さんに、心を明かすのは、もう少し待って」

 とりあえず、今日は、ここまで。

 おやすみ。

「おやすみ」

 現在2019年1月6日23時30分である。