相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

お風呂の水を抜いた時のうずは右回り?

 現在2009年2月27日15時58分である。

 さて今日は、ねくすとで面白いことがあったので、それを書こうと思う。

 ねくすとでは、パソコンの授業がある。その時、パソコンの先生が、皆の一所懸命なキーボード入力中に、緊張をほぐすために、雑学を色々話してくれるのだ。

 これが毎回面白いので、私は楽しみにしている。

 さて、今日は先生が、

「今日の雑学は、最近知った不思議なことを、たろちゃんに答えてもらおうと思って、用意してきたのよ。」

と言った。

「なんだろう。」

と思っていると、

「お風呂の栓を抜いたとき、水が渦を巻いて吸い込まれていくのが、北半球では右回り、南半球では左回り、赤道ではまっすぐなんだって?」

と聞いてきたのである。

 私は、

「まっすぐというのが正しいかどうか分かりませんが、一応、そういう風に多くの人には、信じられています。」

と言い、さらに続けた。

「ただ、私が小学校の頃、推理小説の秘密がいっぱい書いてある本を読んだとき知ったことなんですが、ある推理小説で、南半球の子供が誘拐されて、北半球に連れてこられた、という話があるそうなんです。そのことを、子供が、お風呂の流れる水を見ていて、『ああ、自分は北半球まで連れてこられているんだな。』と気付く、という筋になっているらしいんです。ところが、その推理小説の秘密が書いてある本には、 『実は、渦の方向は、大概は、その通りになるが、浴槽の形によっては逆に回ってしまうこともある。だから、このことだけで、北半球に来たと絶対言いきることは出来ないんだ。この推理小説作家は、そこまで知っていただろうか?』と、書いてあったんですね。私はそれを読んだこたがあるので、先生の問いに、 『その通りですよ。』とは、言い切れません。でも、考え方は合っています。」

と、長い説明をした。

「ああ、じゃあ、お風呂の形にもよるのね。」

と、先生は言った。私は気になったので、

「最近知ったって言ってましたけど、どうして、北半球では右回りになって、南半球では左回りになるかまで、納得したんですか?」

と、質問した。

「それを、たろちゃんに開きたかったんじゃない。」

と、先生が言うので、私は答えることになった。

「まず、これは『慣性の法則』の結果なんです。慣性って言っても分からないだろうから、ものは、まっすぐ進みたがる、という性質を持っているのだ、ということを認めてください。」

さらに続けて

「地球は東に向けて、回っていますよね。それで、北半球のある地点から、北へ向けて、まっすぐ進もうとすると、段々、直径が小さくなって、回転している速さが遅くなるので、進んでいたものは、少しずつ、東の回転している方向に、行きすぎるようになるんです。それで、右に曲がるんです。」


 この説明を聞いて、先生は、ちょっと頭を働かせて、2秒後には、

「ああ、分かったわ。」

と言った。


 そこまででも、かなり頭を使わせていたのだが、私は、重要な指摘をしようと思った。

「私が、浪人していたとき、地理の先生が、私に、『北半球では、台風は、右回りの渦になりますか、それとも、左回りですか?』と、聞いたんですね。それで、私は10秒くらい慣性の法則のあの説明を用いて考えてから、確信を持って、『右回りです。』と、答えたんです。そうしたら、その地理の先生が、『難しく考えることないんです。北半球では右回り、南半球では左回り、と覚えておけば良いんです。10秒も考えてたら、試験の時間が無駄ですよ。』と言ったんですね。」


ここで一息入れてから、


「でも、この地理の先生は間違っているんです。全部のことを覚えようとするんじゃ、人間の脳がいくらあっても足りません。基本法則から、自分で導けるようになっていなかったら、忘れてしまったときに、思い出せなかった場合、おしまいじゃないですか。」


と、一番言いたいことを言った。


 パソコンの先生は、

「地理の先生だったから、しょうがないんじやない。」

と、フォローを入れた。

 このやりとりをしていたら、メンバーの一人の女の人が、インターネットで調べて、

「あっ! 太郎さんの言ったことが、絵入りで説明してある。」

と言って、あるホームページを見つけた。

「『コリオリのカ』とか書いてあります。」

とその女の人がいったので、私は、

「覚えることを減らすために、私は、『コリオリの力』という言葉を使わなかったんです。コリオリのカ、というのは、慣性の法則で説明できるんです。だから、覚えるのは、慣性だけで良いんです。」

と、説明した。

 その慣性の法則が、ニュートンの運動の第一法則であるとか、もっと物理学を学ぶと、慣性の法則など物理法則のほとんどは、最小作用の原理とか、もっと言うと変分原理から導ける、ということも、本当は言いたかった。だが、さすがにそれを言うと、文系の人は、頭から煙が出る、ということが分かっていたので、何も言わなかった。

 地球が回転しているということ。「絶対回転」。その概念は、本当は、アインシュタインがマッハの原理を熟考した上で、一般相対性理論を築くとき、しっかりと定式化したものであり一般相対性理論を学ぶと、地球が回っている、というのも、


「何に対して?」


ということをきちんと言わないと意味のないことである。こういうようなことを知っている私だからこそ、あそこで、

「難しくしようと思うと、いくらでも難しくなる。」

と思って、みんなのついてこられるところで、止めたのだった。

 しかしそれでも、私の今日の説明が分かったのは、先生とメンバーの数人だけだったのではないだろうか。本当に、物理学の本質が分かっている人、というのは少ない。

 そして、

「物理」

というだけで、

「ああ、難しいものね。」

と言って、考えようともしない人がほとんどだ。

 私は、つい最近、ないお金をはたいて加藤諦三著「『大人になりきれない人』の心理」という本を買った。

 

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)

 

 

 これを読み始めたら、最初の方で、

「すぐに専門家に頼ることで失われるのが対処能力である。同じようなことは、ハーヴァード大学の心理学のエレン・ランガー教授も言っている。対処能力を取り戻すためには、自分で考え、自分で行動する。すぐに専門家に頼らない。専門家に頼れば、その問題自体はすぐに解決するが、自分の物事ヘの対処能力はつかない。」

と書いてあって、まさにその通りだと思ったばかりであった。

 自分で考えて、問題を解く。この訓練を小さいときから、しなければならないと思う。1歳でも、もう既に、人間は考え始めているはずだ。


 私は、自分の自慢をしているようだが、本当は、これを読んだ若い人が、自分の子供を育てるとき、どうすれば子供を本当に一人前に出来るか、ということのヒントになれば、と思って書いているのである。

 私は、自慢することは、今までに飽きるほどやって来た。だから、今さら自分を

「すごいですねぇ。」

などと言ってもらいたいとは、ほとんど思っていない。

 そりゃあ、けなされるよりは、褒められる方が嬉しいから、時々は、親しい人に自慢することもあるが・・・

 以前、一番上の「ようこそ諸君」からリンクのある「理論物理学者として」という投稿をしたとき、映画監督、羽仁進の「恋愛論」という本の中に出てくる、誰とでもセックスするという女の人が、年とってから、親しい人にだけ、


「私には、すこしは自信のあるのは、セックスしかないわ。」


と、語ったそうであると記してあったと書いた。私も、自分の自負することに関しては、そういう心境である。

 見ず知らずの人にまで、自慢したいとは思わない。

 これが、結局、


「こんなカスみたいなブログたたんじゃえば。」


と言われながらも、私が、このブログを統けていられる理由である。

 ちょっと、重たい話になってしまったので、尻切れトンボだが、今日はここまで。

 現在2009年2月27日17時54分である。おしまい。


 注記:

 2011年12月3日19時18分復活させた。

 2011年12月8日3時56分、一カ所修正した。


 ここで書いた、北半球の台風の回転する向きは、逆なので、2011年12月19日に改めて投稿した記事を見て欲しい。そちらでは、絵を描いて、正しい解釈を説明しているので、参考になると思う。

北半球の台風の風の回り方


 以上、2012年12月5日3時09分、書き加えた。

 現在2012年12月9日4時50分である。一カ所二重カギ括弧が抜けていたので、書き加えた。

 

 現在2016年9月1日0時35分である。リンクを補充した。