現在2008年5月7日20時33分である。
今日の数式は
3√6064321219
= 1823.590828 = 1823年7月2日
である。
これだけでは分からないと思うので、少し説明すると、先日、高木貞治の「近世数学史談」を拾い読みしていった、と書いた。ただし、私が読んだのは、杉浦光夫が解説をつけた岩波文庫の方であり、こちらは、現在絶版かも知れない。
近世数学史談 (岩波文庫)
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近世数学史談・数学雑談
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さて、そのなかに、アーべルが、祖国の恩師ホルンボーに宛てた手紙の話があるのだ。
そして、 「近世数学史談」を引用すると
日附は 6064321219 の3乗根 年(小数部分をも取って)とある。
ホルンボーがそれを 1823.567 = 1823年6月24日と計算したが、、既に書中に七月一日に係る事件が記されてあるから明らかに誤算がある、実は1823.5908 = 1823年8月4日であるという。
「近世数学史談」16章より引用
と、書かれているのだ。
この計算間違いの話は、私は高校時代にアーべルの伝記
アーベルの生涯―数学に燃える青春の彷徨
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を読んでいて知っていたので、前回「近世数学史談」を読んだときも、素通りしてしまった。
だが、今回読んでいたとき、ちょっと面倒だったが、計算機で計算してみた。
高木貞治の小数の方は合っているのだが、日付の方に疑念が生じたのだ。確かに、1年=365日に 0.5908をかければ、8月4日になるのだが、私は、アーベルが本当は7月2日と言いたかったのではないか、と気付いたのだ。
どうやったら、7月2日になるのか、それはこういうことである。
まず、1年は12ヶ月だから、
12×0.5908 = 7.0896
そして、7月は31日までだから
31×0.0896 = 2.7776
となり、四捨五入すれば7月3日、切り捨てれば、7月2日となるのだ。高木貞治が、7月1日に係わることが書いてあると言っているところを見ると、その翌日に嬉しい気持ちいっぱいで、アーべルが手紙を書いた可能性は高い。
これは、数学史研究における、私の初のオリジナルな結果となった。
だから今日の数式として、これを選ぶことにした。
今日は、
3√6064321219
= 1823.590828 = 1823年7月2日
であった。
現在2008年5月7日21時13分である。おしまい。
注記:2012年2月23日10時27分復活させた。