現在2006年6月8日21時23分である。
一つ前の投稿で書いたように、今日からランダウを始めた。まだ、第1ページの12行目までである。
しかし、この本を久しぶりに開いてみて、やっぱり他の力学の本とはレヴェルが違うことを痛感した。
なぜなら、力学の本なら普通、力とはどういうものか、というような話から始めるとか、数学の準備を始めるとか、ファインマンの場合、物理学とはどんなことを学ぶのか説明する、というような前置きがあるのに、ランダウは、
§1.一般座標
質点の概念は力学の基礎概念の一つである。ある物体の運動を記述する場合、その大きさが無視できるようなとき、その物体を質点という言葉でよぶことにする。
という一文だけで、もう質点についての説明は終わりなのだ。その後に少し補足があるが、いきなり出だしから、ここまでストレート勝負をされると、気持ちが良い。その反面、初心者が読める本ではないとは思う。
その後も凄い。
空間における質点の位置を位置ベクトルrで表わす。位置ベクトルとは、その成分が質点の位置のデカルト座標x,y,zに一致するベクトルである。
ベクトルについての説明もこれでおしまい。何と気持ちの良いことか。
数学書や物理学書を読むとき、大抵その第1章にある、予備知識とか数学的準備とかいう煩わしいものがないのである。ああいうものは、分かっている人間にすると、読まないで先に進むと、分からなくなりそうだが、読むのは疲れるだけで、何も新しいものをもたらしてくれない厄介者だ。ランダウはそのことが良く分かっていたのだろう。
私は読んだことがないが、数学者のデイヴィッド・マンフォールドの通称「赤い本」というのは、きわめて鋭く深くまで進むと称されていたが、代数幾何において、この本のように、予備知識を説明したりせず、一気に核心に迫っていったのであろうか。
今日は、
・
たとえばv=r。
までである。誤植はまだない。
現在2006年6月8日21時49分である。おしまい。