現在2006年1月16日2時59分である。
前から何度も触れていた、数Ⅲ方式ガロアの理論のことを書こう。もしこの本が欲しいと思った人がいたら、東京駅の八重洲ブックセンターには1冊ある。
そこまで行けないという人のために、金曜日に、池袋のジュンク堂書店で、最後の1冊を買ってきた。そのうちAmazon.co.jpで、買ってくるためにかかった費用だけを上乗せして、出品するつもりである。
さて、何で私がこの本を読み始めたのか。
それは高校1年生の時のことから始まる。横浜翠嵐高校に入学した私は、そこの図書館で、「代数学辞典」というものを見つけた。以前にも書いたが、この本の最後の部分に、代数学小史というものが載っていて、そこで、5次方程式には代数的一般解がないということを、アーベルという人が、19世紀に証明した、と書かれていた。
そして、どういうときに解けるのかというのを決定したのがガロアという人で、それには群というものが関係していると書かれていた。
それを読んだ当時、何も知らなかった私は、こんなことはないだろう。私が将来、5次方程式の一般解というものを見つけてやろう。と思った。
そして、群論などというものを考えたりするから、解けない方程式などというものが生み出されるのだ。群論などというもののない数学を作ってやろう。と思ったのだ。
しかし、敵を倒すには、まず敵を知らねばならない。私は、高校1年の間中かかって、3次方程式と4次方程式の解法を学び、それから5次方程式に取りかかった。だが、ガロア理論を学ぼうと思っても、アルティンの「ガロア理論入門」などを開くと、第1ページに「体の概念は既知とする」なんて書いてあって、読む気がしない。
そんなとき、「数Ⅲ方式ガロアの理論」に出会ったのだ。まだ横浜SOGOの本屋さんが大きかったときにあそこで買ったのを覚えている。そして、高校2年の時は、ずっとこれを読んでいた。もちろん他の本も読んだが、ほとんどいつもこの本を持ち歩いていたように思う。
そして、5次方程式は解けないということを理解し、群論も必要なものだということが納得できた。
だったらもう良いじゃないか。と言うかも知れないが、この本はそれで終わりではないのである。肝心のガロア理論を理解するということに関して、私は、まだ完全には、納得できていないのだ。読んでみれば分かるが、この本は、そう簡単に読破できる本ではない。
そんなわけで、この本を取り上げることにした。今日は第1回目である。
この本は私の愛読書ナンバー3である。抽象的な数学の前で悩んでいた私に、抽象代数学というものが必要なんだ、ということを悟らせてくれた本だからである。
愛読書ナンバー2は、大芝猛著「数学基礎概説」であり、愛読書ナンバー1は、HAWKING & ELLIS 著 The large scale structure of space-time である。
数Ⅲ方式ガロアの理論の第1章は、そんなに気をつかわなくても読める。誤植を指摘しておくと、2ページの下から3行目に
× ヴイクトル・ユーゴー
という「イ」が大きいというだけの小さなものがあるだけである。次回からは2章以下を読んでいくことにする。
今日はここまでにする。現在2006年1月16日3時51分である。おしまい。