相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

まずは第1問から

 現在2006年1月12日0時30分である。

 今日は、物理学辞典を2ページ読んだ後、放送大学の添削答案が戻ってきていたので、それをチェックした。数学とコンピュータという科目だけ、60点だったので、ぎりぎりセーフだったが、後の科目は余裕で合格点だった。

 物理学辞典では、初めてアインシュタインポドルスキー・ローゼンのパラドックスというものをきちんと知った。今まで噂は聞いていたが、ちゃんと読んだことはなかった。

 さて解析入門Ⅰを今日もちゃんと2時間やった。問1を全部解いたのが今日の成果。

 とりあえずブログの方では、(鄯),(鄱),(鄴)だけ解説しよう。

 まず集合Kというものに演算というものを考える。ここで集合というのは、数の集まりと思っていて良い。もう少し範囲を広げて、数の集まりを一つのものと見なし、それらの集まりも考えても良いのだが、今は余りこだわらなくて良い。

 演算とは何かというと、今の場合、足し算とか、かけ算を思い浮かべて良い。丁寧に書くと、Kの任意の2つの元a,bに対し、a+bというKの元を定める約束事が定まったということである。

 厳密に書くと、a,b∈Kに対し(a,b)という形のもの全部の集まりをK×Kと書き、Kの直積という。そして、K×KからKへの関数を、Kの演算という。ここでは足し算を考えるので、関数の記号を使って書くと、

+:K×K→K

(a,b)→a+b

というものが定義されたということである。本当は、下の矢印の根本には、短い縦棒をつけなければいけないのだが、フォントがない。

 さて、この+という演算について、私達が実数として知っているものの持つ性質を満たしていることを要求する。

 そこでまず次の3つの条件を考えよう。

(K2)任意のa,b,c∈Kに対し

(a+b)+c=a+(b+c)

(K3)Kの元eで任意のa∈Kについて

a+e=a

となるものが、少なくとも一つ存在する。

 

 補助定義 1

 このようなeの一つを0と表し、また0以外にもこの様な性質を持つものがあるとしてその一つを0’と表すことにする。

 すなわち

a+0=a

a+0’=a

 

 

(K4)

  (K3)で存在が保証されている、e達すべてについて、任意のa∈Kに対し、

a+k=e

となるkが少なくとも一つ存在する。それぞれのeについてkは異なって良い。また、aによってもkは異なる。

 

 補助定義 2

 eのひとつで補助定義1で定めた0に対し、

a+k=0

となるkの一つをxと表す。

 すなわち

a+x=0

 

 

 さて、これは、解析入門Ⅰの(R2)から(R4)という条件を丁寧に書き直したものである。(R1)に相当する(K1)も考えられるのだが、最初の3問を解くとき、この(R1)を使わずに解こうと思う。これは、結合法則と右単位元と右逆元が存在するという仮定だけで、群の定義になるということを示すというのが、達観した立場からの説明である。

 

 さて問1の(鄯)を読もう。

(鄯)(R3)をみたす0は唯一つ。

 解答では1行で片付けられている。(R1)を仮定すればあっという間に導けるのだ。だが遠回りをしよう。

 証明

 補助定義2により、

a+x=0

が成り立っている。ここで、(K4)により、x∈Kについて、

x+y=0

となるy∈Kが少なくとも一つ存在する。

 今、

a+x=0

ならば

x+a=0

であることを示そうと思う。

 

 補題

 a+x=0 ならば x+a=0

 証明

x+a=(x+a)+0=(x+a)+(x+y)

={(x+a)+x}+y={x+(a+x)}+y

=(x+0)+y=x+y=0

となり、計算により確かめられた。

 以上により、任意のa∈Kについて、

a+x=0 ならば x+a=0

が示された。

             補題証明終

 

 aとして0をとると、

0+x=0=x+0

が示されたことになる。

 

 さて、0’というものが存在するとして、それのことを考えよう。

 0’は定義により任意のaについて、

a+0’=a

となるのだった。

 

 aとして0をとると

0+0’=0

である。

 補題1により

a+x=0 ならば x+a=0

であることを示してあるので、a=0,x=0’と考えることにより、

0’+0=0

が分かる。一方、0の定義により、任意のa∈Kについて

a+0=a

であるから、a=0’として

0’+0=0’

である。これらより、

0=0’+0=0’

が計算により確かめられた。従って、

0=0’

すなわち、(K3)のeは唯一つに定まる。

 従って(R3)の0も唯一つであることが分かった。

              証明終

 

 

 (K3)のeは唯一つであるから、今後これを0と書くことに統一しても混乱しない。

 

 こういう証明を見ていて、なんだか=の記号をたくさん並べて、つないでいって、つなげたから、0は唯一つです。というのでは本当に一つなのかどうか分かった気がしない、という人もいるだろう。

 私も初めはそうだった。=で結べたら同じものなのか? という疑問はもっともである。

 だが、=で結べるのなら、その二つは、どの場面でも、どちらを代入してもいい。つまり同じ役割をしてくれる。ということに気付いたとき、疑問は晴れた。つまり、見かけは違うかも知れないが、実数として同じ振る舞いをしてくれる数だから、同じ数だと思ってしまってもその後全然困らないのである。

 上の証明でそんな疑問を持った人に応えられたとしたら幸いである。

 

 さて、ついでに次の補題を証明してしまおう。

 

 補題

 任意のa∈Kについて

0+a=a

 

 証明

 補助定義2により

a+x=0

この時、

x+a=0

であることは既に示した。よって、

0+a=(a+x)+a=a+(x+a)

=a+0=a

よって

0+a=a

が示された。

             証明終

 

 さて問1の(鄱)を読もう。

(鄱)(R4)をみたす-aは各aに対し唯一つ。

 これは、補助定義2により

a+x=0

と表されているとき、同時にx’∈Kにより

a+x’=0

となったとき、x=x’を示せばよいことが分かる。それを示そう。

 

 定理

 a+x=0,a+x’=0

ならばx=x’。

 

 証明

 x=x+0=x+(a+x’)

=(x+a)+x’=0+x’=x’

 ここで、補題1と補題2を用いた。

 よってx=x’が得られた。

             証明終

 

 以上により(鄱)が解けた。従って、(K4)によって存在が保証されている

a+k=0

となるkは、各aに対し唯一つ定まる。この唯一つのkを-aで表すことに統一しても混乱は起きない。

 

 さて、この-aについて、

(-a)+a=0

は、成り立たないものだろうか。

 これは、解析入門Ⅰの問1の(鄴)を示すことである。(鄴)を読んでみよう。

(鄴)-(-a)=a

 これが成り立てば上の式は成り立つ。

 

 証明

 補題2により

-(-a)=0+(-(-a))

=(a+(-a))+(-(-a))

=a+{(-a)+(-(-a))}

=a+0=a

よって

 

-(-a)=a

 

(-a)+a=0

 

が言えた。

         証明終

 

 ここでも、マイナスの上にさらにマイナスをつけるというのが、イメージできないという人がいるだろう。

 こう考えたらどうだろう。

 マイナスをつけるというのは、KからKへの関数だと思うのである。

-:K → K

  a → -a

そして、その関数の合成関数が、-(-a)だと思うのである。そして、(鄴)が主張しているのは、その2回の合成関数が、恒等関数であるといっているのである。

 

 マイナスの数のマイナスはプラスになる。ということの根拠はここにある。中学で習ったことが、今初めて、実数の性質である結合法則と、0があるという法則と、すべての数にそれとたして0になる数があるという法則から、証明されたのである。これはすごいことである。私達は初めて、何もなかったところから、新しい法則を発見したのである。

 

 性質(K2)~(K4)をもつ演算の定義された集合を群という。群などというものをなぜ考える必要があるのか、というのは、群というものが考え出された歴史を見てみると分かる。それは代数方程式というものを解こうという努力から生まれたものである。それについては、昨日も書いたが、数Ⅲ方式ガロアの理論のカテゴリーで述べることにする。

 

 今日はここまでにする。明日は私は実家へ帰るので携帯からしか投稿できない。従って、問題の残りを解くのは、戻ってきてからにする。

 

 解析入門Ⅰの易しい部分でも、これだけ話すことがある。1冊終わるまでには、どれだけドラマが生まれるであろうか。

 現在2006年1月12日3時19分。おしまい。