相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

私とエロイカ

 現在2005年10月12日23時03分です。

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 今日は、今まで、私の一番好きな曲は、ベートーヴェンのEROICAだと書きながら、正面からエロイカのことを書いてこなかったので、私にとって、なぜこの曲が特別なのか、ということを書こうと思います。

 やっと真打ち登場というわけです。

 上の写真は、私のエロイカのCD、DVD、LDのコレクションです。並べてみたら、なんと40枚もありました。右上の2枚の大きいのが、LD(レーザーディスク)です。

 ところで、その話を始める前に、私は今日大仕事をしました。

 というのは、以前から気になっていた、このブログの読みにくい部分や、間違っている部分を、ほとんどすべて修正したのです。

 重要な修正だけ書いておくと、私は、以前9月29日に中島みゆきの話を書いたときに、あだちゆみさんの名前を安達裕実と書いたのですが、安達祐実の間違いでした。安達さんごめんなさい。

 それから、かなり前になりますが、6月7日に私の夢を語ったときに、ホーキング効果を1973年の結果と書きましたが、あの有名な論文が発表されたのは、1975年だったことに気付いたので、直しておきました。私が持っている、

HAWKING ON THE BIG BANG AND BLACK HOLES

という論文集の目次には、1973年に発表されたように書いてあるのに、実際に、そのページを開いてみると、

Particle Creation by Black Holes

というタイトルの下に

Received April 12,1975

となっていますし、参考文献の中に、1974年のものが含まれているのです。だからやっぱり、1975年だったのだろうと思います。

 他に、前後関係からなおしませんでしたが、私が持っているハイブリッドでない、SACDは、五嶋みどりのものの他にもう1枚、前橋汀子の、アンダルシアのロマンスもあることに気付きました。

 以前のテキスト形式で書いてあった部分も、字が小さくて読みにくいので、全部大きくしておきました。2時間くらいかかりました。こうしてみると、随分たくさん書いてきたなあと、我ながらびっくりしました。

 Yahoo Japan で、

一般相対性理論 ブログ

と並べて入れると、21番目に私のブログが出てくることを知ったので、何も知らない人も、私のブログを見る機会があるかも知れないので、少し責任を持って、書かなければならないな、と思っています。

 

 それでは、エロイカの話をしましょう。なぜ私にエロイカを聴く機会が訪れたのか。それは、私が中学2年の頃、母方の祖父が脳梗塞で倒れたのが、始まりでした。

 おじいちゃんといえば、ジャ、ジャ、ジャ、ジャーン というイメージを皆が持っていたほど、祖父は、ベートーヴェンの第5交響曲が好きでした。大きなオープンテープに、第5を入れていて、いつもかけていたのを、昨日のことのように思い出します。

 その祖父が倒れたので、オープンテープが、私の家に預けられたのです。私は、第5は嫌いではなかったので、時々、おじいちゃんの真似をして、それをかけていました。

 これが第1幕。

 さて、その頃、モンキー・パンチのルパン3世というアニメが放送されていました。あの話を作った人は、かなりクラシックが好きだったようで、ちょくちょくクラシックの名曲が顔を出しました。

 そんなある日、「ドロボウ交響曲を鳴らせ」という話がありました。今ではDVDで手に入るのですが、2nd TVシリーズの第89話です。

 のっけから、ジャン、ジャン というエロイカの冒頭の和音で始まるその日の話は、音を立てると、原子炉が爆発するという、絶対破れないはずの金庫の話でした。音を消す装置を作ったりして、何度も挑むルパンでしたが、どうしても駄目でした。万事休すとなったとき、ラジオから、エロイカが流れてきました。そうしたら、音を立てては駄目なはずの金庫が、眠ったように、爆発しないのです。その時のルパンのセリフ、

「『英雄』は最高の芸術作品だ。ってことは、このガードメカも芸術品ってことかな?」

を私はそのまま信じ込みました。英雄は最高の芸術作品なのだと。そしてその日、アニメが終わった後、父のオープンテープのコレクションの中から、英雄のテープを見つけだしました。

 忘れもしない、ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏による、英雄でした。

 その冒頭の、キレの良い、緊迫感のある、二つの和音。続くチェロの第1主題が非常に小さな音で始まるのが印象的でした。

 何となく気に入った私は、それからしばしばそのテープをかけるようになりました。

 ここまでが第2幕。

 さてそうやって、半年ほど、エロイカのテープを聴いていたある日、N響アワーで英雄が取り上げられました。その頃までに、数十回聴いて気に入っていた私は、演奏しているところを見るのを楽しみにして、その番組を見ました。まだ芥川也寸志さんが司会をしていた頃です。

 そして始まりました。とっところが! ジャン ジャン という和音のはずが、ズワン ズワン という何とも緊迫感のない音。その時初めて、私は、指揮者により、演奏の違いにより、曲は変わるものだということを知ったのです。

 ここまでが第3幕。

 さて、中学3年になると、高校受験です。みんな内申書の成績をUPさせるために、苦手科目も、がんばります。私は当時、10段階評価で、6だった、音楽を、良くするために、夏休みに、自主研究で、レポートを書くことにしました。

 題して、

ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」

 ~6人の指揮者による演奏の違いに対する考察~

6人とは、イッセルシュテットフルトヴェングラーカラヤンバーンスタイン若杉弘ジョージ・セルでした。

 このレポートは、音楽的には、全然価値のないものでしたが、私が自分の言葉で、自分の思っていることをしっかりと文章にできたという点で、非常に意味のあるものでした。その後も、数学や理科で、いろんなレポートを書きましたが、自分でも納得している、自慢のレポートは、4つくらいしかありません。そしてその一つが、これなのです。

 以上が私がエロイカを特別なものと感じるようになった、基本的な部分です。

 この曲のどこが良いのかって?

 それは、若きベートーヴェンが、崇拝するナポレオンに献呈しようとかいた、生き生きとした心のほとばしりだからなのです。

 この曲に一番感じるのは、若さです。若いというのは本当によいことだ。人生に対して前向きだ。この曲の第1楽章は、まさにそれが形になっている。

 第2楽章は、分かりにくい。広々と退屈に広がる。私にはまだこの楽章の本当の良さは分かっていない。

 第3楽章は、葬送行進曲からの、目覚めだ。

 そして第4楽章。開始から、3分ほどたったところの、旋律の呼び掛け合うような部分の、美しさ。この部分を聴くと、私はいつも、この曲はもっとも美しい曲でもあったのだと、再認識させられる。

 40種類ものエロイカを聴いてもなお、私は、これが決定盤だ、というものには出会っていない。もうこの曲だけで、千回は聴いたことがあるだろう。そして、そのうちの500回くらいは、イッセルシュテットエロイカだ。だが、私はこれが決定盤だとは思っていない。

 第5なら、カルロス・クライバーと、フルトヴェングラーの二人のものを持っていれば満足だし、田園はブルーノ・ワルター、7番はクライバー、8番はイッセルシュテット、9番はフルトヴェングラーバイロイトのライヴで満足。しかし、エロイカは、バーンスタインも、カラヤンも、ショルティも、朝比奈も、ワルターも、みんな完全には、満足させてくれないのだ。

 かなり以前のブログで、病気になって落ち込んでいたとき、カラヤンの演奏を聴いて、生きてて良かったと思ったことがあったと書いたが、あの演奏は、DVDでも7番と組んで、発売されて、私も持っているが、確かに素晴らしい演奏なのだが、ベストではない。あのときの感動は、あの1回きりである。最高の曲の最高の演奏なんて、幻想でしかないのかも知れない。

 

 以上が、私のエロイカに対する、想いの丈だ。私はこの曲を最高の音楽作品だと思っている。それ故のこだわりを少しは分かってもらえただろうか。

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  最後に、先日実家に帰ったときに、真空管パワーアンプのケースを開けて、真空管が並んでいるところの写真を撮ってきたので、載せておこう。これが、父が、私にはんだごての使い方などを教えてくれたりしながら、二人で作ったアンプである。

 音が柔らかい。といっても、本当に、微妙な違いで、普段は分からない。うんと静かなときに、聴き慣れたイッセルシュテットエロイカの冒頭をかけ始めたとき、あの和音が、いぶし銀のような光を放ち、

「あっ、いつもの演奏ではない!」

と、気付くことがたまにあるという程度だ。だから私は、近いうちに、また、ICの、今度は、7.1チャンネルのAVアンプを買おうなどと考えている。ただそのアンプを買っても、この真空管のアンプを、フロントスピーカーのパワーアンプにすることは可能だ。父が生きていてくれれば、これからもメンテナンスをしてくれられるのだが。

 エロイカの話も一段落したので、数学を進めておこうか。

 

 55ページからだった。

 

微分は、一般のnではなく、実際に、2乗とか3乗とかの具体例を練習しなければ、身に付かない。慣れてしまえば何でもないことだ。これができなくて、微分積分が分からない。という文系の人が多いのは、どうにも理解に苦しむ。よほど教え方がまずかったのではないだろうか。

 指数関数の微分は、問題の結果を利用して証明されているが、指数関数というものを、微分して変わらない関数として定義することもできる。こうしておいて、後で出てくる、テイラー展開というものを用いて、その具体的な形を求める、ということも可能である。

 指数乗するという演算をまず定め、次にこれが、微分しても変わらない関数に拡張できることを示し、さらにこれを、テイラー展開を用いて、複素平面全体に解析接続して、複素数を指数に持つ場合を自然に導入し、そこからオイラーの公式を導くというのが、もっとも発見的で、感動に満ちていると、私は思うのだが、皆さんはどうだろうか。

 三角関数微分も、これから嫌というほどやることになるが、ここの式変形が分からない人がいてもおかしくはない。

 三角関数の加法定理というのがあり、

sin(x+y)=sinxcosy+cosxsiny

cos(x+y)=cosxcosy-sinxsiny

の二つは、暗記するほど使うべきだろう。私は三角関数のたくさんの公式を覚えるのが嫌なので、試験の時でも、この二つの式から色々な公式を計算で導いていたので、この二つだけは、暗記してしまっている。

 この式の証明は、オイラーの公式を用いて行うことができる。

  x+y    x     y

e    =e * e

というかけ算の性質を用いて、計算すればよい。

 この加法公式から、yを-yで置き換えたりして、いくつもの式を作り、足したり引いたりすると、

              A+B   A-B

sinA+sinB=2sin───cos───

               2     2

という式が得られる。(3.9)はこの式を用いている。人から聞いた話では、これも公式として、咲いた咲いた咲いたコスモスと覚えるのだそうだ。だが私は暗記していない。いつも式を並べて導くという原始的な方法を用いている。

 56ページに進んで、logの微分があるが、これは覚えておいた方がよい。その後、いくつか公式が出てくるが、これは私でも覚えている公式なので、皆さんも、何度も使って覚えてしまって欲しい。

 57ページに進んで、

            

 tanxの微分はsec x

            

と覚えるより、1+tan x

とした方が、自然に覚えられる。

 合成関数の微分の公式は、形を覚えようとするより、その使い方を具体例から身につけた方がよい。82ページの第2問をどんどん解こう。

 58ページの例11はちょっと式変形が速すぎるかも知れない。

          

xloga=loga

という私が以前証明して見せた式を使うというのがヒントとなるだろう。

 逆関数微分のところで、16行目ぐらいの、

      -1

g(y)=f (x)

というのは、g(y)=xの誤植である。

 例12で三角関数逆関数微分すると、無理関数となるのは、積分の時、2次の無理関数の積分は、有理関数の積分に帰するという定理として、結実する。

 59ページは名前はすごいが、やっていることは難しくない。

 60ページのライプニッツの公式というのは、覚えなくてもいつでも計算で出せる。微分作用素とか、微分演算子というのは、今は覚えなくても良い。多様体の勉強をするとき、また出てくる。第10巻だから、最後だ。

 61ページの連続微分可能という言葉は、連続であって微分可能である、という意味だと誤解しやすいので、気をつけよう。この言葉を用いる本は多いので、初めにしっかりと、微分可能であって、微分した関数が連続なもの。と、覚えておこう。

 62ページから、平均値の定理の説明にはいるが、ここは具体例で理解した方がよい。64ページの図のようなものを思い浮かべながら読もう。そうしないと、64ページのF(x)のようなものをどうして思いつけるのか分からなくなる。

 65ページに進んで、関数の増減の話になる。65ページの一番下の表は、高校では、嫌というほど書かされるが、大学へ行くと、もうそんなドリルを解くようなことからは解放される。しかし、未知の関数を解析するときは、この方法をとるのが基本であることは、覚えておかなくてはならない。例4には誤植がある。f’(x)をちゃんと因数分解すれば、x+1ではなくx-1であることに気付く。きちんと式をフォローしよう。

 66ページから67ページの凹凸の話も、一度は、具体例に触れておこう。

 67ページの下から、68ページにかけてある、ロピタルの公式というのは、証明を厳密にするのは難しいので、大学受験では使っては駄目ですよ、と高校で教わるが、大学へ行けば、たくさん証明する公式の中に埋もれてしまう、難しくもなんともない平凡な公式の一つである。

 68ページから70ページにかけて説明してある、ニュートンの方法というのは、電子計算機を用いて方程式を解くときの、最も標準的な方法なので、例7を実際に少し計算してみるくらいのことはしよう。

 今日は71ページのテイラー展開の前まで進んだことにする。次回のテイラー展開は、微分を学んだら、是非ともここまでは知っておいて欲しい、食後のデザートのような、楽しい話である。

 以前問題として出しておいた、

    

  Σ k

  k=1

の公式にも触れられたら面白いことになるだろう。

 

 いよいよ今日は、微分の具体的な話に突入した。微分積分法が発見されたのは、1665年頃。ニュートンライプニッツの二人によって、独立になされた。ベートーヴェンが生まれる、100年ほど前のことである。アントニオ・ストラディバリ(1644~1737)が、ストラディバリウスを作っていた時代だ。その頃もちろんまだ、エロイカはなかった。

 2005年10月13日3時36分です。終わりにします。

 2011年3月23日18時19分写真を復活させました。

 2012年04月06日02時35分一部誤記を修正しました。