相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

本当に1億円?

 現在2016年7月3日20時50分である。

「太郎さん。『速報1位を受けて』の時、一人の立派な大人を作るのに、1億円かかるって、計算したじゃない。」

 そうだったね。かなり粗っぽい計算で、主に習い事や学費ばかり計算してたね。

「そう。だから、あれでは、到底1億円にならない。」

 もちろん、食費や公共料金なども、加える必要がある。

「そうよね。」

 それから、忘れがちなのが、交通費。我が家には長いこと自家用車がなかったから、車にお金をかけなかった分、鉄道に、かなり使っている。

「それから、多分太郎さんは、家屋を購入した金額も、人数で割るつもりでしょう?」

 そう。我が家は、社宅から小学校1年生の時、マンションに引っ越し、このマンションはローンを組んで、父が買ったものだった。

「お父さまが、かけてくださった、金額って、これで、限界の気がするの。」

 それで、いくらになった?

「3千万ちょっと、くらいなのよ。絶対、1億円なんて、ならない。」

 ああ、麻友さんは、私が、二十歳で、まともになったと思って、計算したな?

「えっ、あっ、太郎さん。障害者になってるのか。」

 そうなんだよ。

 これが、予想外の出費を生むことになった。

 とにかく、1年浪人して京都大学に入って、4年目、23歳になる直前に、私は、発狂している。

 それ以来の医療費は、半端ではないんだ。

「うわー、確かにあの時、太郎さん、『私は、1億円かけてもらって、今がある。』って言ってたわね。」

 そうなんだよ。

「でも、でもよ。それを加えても、4千万やっと超えるくらいよ。」

 うん。麻友さん。合格だよ。

 それだけ、大雑把なものを、きちんと計算出来るなら、私の今後の講義にもついてこれるし、結婚生活も、円滑に行く。

「私、友達と、レストランで食べる時でも、必ず割り勘にするようにしてるの。必ずきちんと分けるわ。」

 じゃあ、その計算が、正しいことを証明してあげよう。

「証明?」

 今から16年くらい前、妹がまだ結婚する前なんだけど、家族で、ポルシェっていうスポーツカーが、いくらかって話になったの。

「ポルシェって、あのまるい目玉の、きれいな車よね。」

 そう。

 ポルシェって、すっごくきれいじゃない?

「そうよね。塗装が、普通の車と違うんじゃないかしら?」

 その通りなんだよ。ポルシェ社は、自分の販売した車に関し、12年の部品の無料保証をしているんだ。

「12年!それって、AKB48の歴史より長いわよ。よく、そんなことができるわね。」

 だから、値段が問題になったんじゃない。

「それで?」

 一番カッコいいので、4,500万円くらいすることが分かったんだ。

「エーッ!」

 それを聞いた私の父がね、

『ウチには、ポルシェが3台あるからなぁ。』

って、笑ったんだよね。

「えっ、でも、それは、冗談でしょ。」

 私も、麻友さんと同じように、計算してみた。そして、やっぱりあの時すでに、4千万を超えようとしていた。

「冗談だったんじゃないの?」

「でも、やっぱり、1億円ではなかったわね。」

 とーんでもない。私は、麻友さんにウソついたりしないって言ったでしょ。

 確かに、父が私にかけてくれた金額は、4千万から5千万くらいだ。

「そうでしょ。」

 だけど、麻友さんに、あの時、話したように、社会の人からかけてもらったお金がある。

「どういうところで?」

 私ね、京都大学中退して戻ってきた後、ビックリしたことがあったんだ。

「どんなこと?」

 妹にね、

『330人の中に入って、3年半やって来たのに・・・』

と言ったら、妹が驚いて、

『たろちゃんたち京大理学部って、恵まれてるんだね。青学の理工学部だって、定員700人だよ。ものすっごく丁寧に指導してくれるんだね。』

と言ったんだ。

 私、それまで気付かなかったけど、京都大学理学部って、ものすごく学生のこと、考えているんだよね。

「なるほど、そういうことか。」

 麻友さんだって、AKB48のトップになるまで、そして、なってからも、ものすごくお金をかけてもらっているんでしょう。

「それを、否定する言葉は、ないわね。」

「でも、プレッシャーも、大きいのよ。」

 それは、分かるよ。

 理学部で一番人気のある物理学科で、最難関の天体核物理学ゼミの6人に選ばれた私だもの。

「一番聞きたいんだけど、その6人に入っているというプレッシャーに押しつぶされて、発狂したの?」

 これね。ウソを言わないためにきちんと書くけどね。

 トップ6人にいるという緊張より、日本の今後の物理学と数学を、きちんと引っ張って行かなきゃ、というプレッシャーの方が大きかった。

「じゃあ、今後の日本を背負わなきゃ、という緊張で、発狂したわけ。」

 それは、ズバリ、そう。

「そうなのか。太郎さんには、そういう危うい部分があるのか。」

 いまよりもっと、世間知らずだったしね。

「今でも、十分世間知らずだけどもね。」

 アハハ。

 それで、1億円の謎は解けた?

「国から、お金かけてもらってるんじゃ、計算あわないわけよ。」

 いや、麻友さんの計算力、見上げたものだよ。

「ありがとう。」

 おやすみ。

「おやすみ。」

 現在2016年7月3日21時59分である。おしまい。