相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

相対論への招待(その9)

 現在2017年5月1日22時25分である。

「昨晩は、随分、酷評してくれたわね」

 他のどの批評家の言葉より、私の言葉が一番、胸に刺さるだろうと思ってね。

「いわれてみて、私も太郎さんの言いたいことが、少し分かったわ。でも、あれは、想定内なのよ」



 ここだけ読んで分からない人のために書いておくと、2017年5月1日0時40分からテレビ朝日で、『サヨナラ、えなりくん』というテレビドラマがあり、渡辺麻友さんが主演したのである。そのドラマのことを言っているのである。



 私も、今日、もう1回見直してみて、初回からフルスロットルでやっちゃったら、後が持たないな、と気付いた。

「でも、太郎さんから、いつものように、直言を聞けて、嬉しかったわ」

 私は、ファンではないからね。

「それで、ドラマの中身はどうだった?」

 設定は、面白かったよ。純愛を求める25歳の女性。

 25歳っていうのは、ちょっと早すぎる気もするけど。

 女の人が、慌て出すのって、30歳になってからかな、くらいに思ってたけど、25歳であんなに慌ててるんだ。

 麻友さん、2年後、そうなる気がする?

「私には、太郎さんがいるから、ああいうことにはならないけど、でも女の25歳って、結構、追いまくられるものだと思う」

 そうか。女の人って大変なんだね。

「純愛の描き方は、どうだった?」

 純愛、つまり純粋な愛という場合、体の関係がほとんどないものを、想像しがちだよね。

 社会の多くの人の考え方がそうなのだから、純愛を求める女の人を演じるのなら、体の関係を拒む女の人を演じるのが、分かり易いよね。

 でも、桐山さおりが、段々成長して、体の関係があっても、純愛だと思えるようになるところまで、演じられれば、それはそれで、成功だよね。

 あっ、今、名前、書いてて気付いた。昨日ドラマが始まってから、今、『さおり』って書くまで、クロイツェル・ソナタの女の人のことは、完全に忘れてた。麻友さんが、どれだけ素敵な女の人かってことだね。

「じゃあ、写真集、見れる?」

 そういう、意地悪は、しないの。

 気が狂ったなんていうのは、頭に致命的なダメージを与えているんだから、そっとしておけるものは、そっとしておいた方が良い。

「今でも好きなの?」

 思い出したくないの。

「太郎さんでも、アンニュイな気分になることがあるんだ」

 あっ、そのアンニュイ。『残念くんに効くレシピ』の中で、出てくるんだね。

「そうだったのよ。でも、ちゃんと見てくれたのね」

 私は、資金が許せば、麻友さんの情報は得るようにしてるんだ。

「本当に?」


由紀「私はね、自分の卒業コンサートはなんとなく想像がつくけど、麻友の卒業はどんな感じになるのか・・・」

麻友「でしょう? いいの、そんなに盛大にやらなくても」


「あっ、それ、FLASHの『まゆっとゆきりん3♡』じゃない」

 そうだよ。

 なんでも、付録の女の人の裸の写真が良くないとかで、ネットで300円で、手に入るけど、私は正価で(つまり460円で)購入したよ。

「まあ」

 こういうのって、1から10まで気持ちの問題だと思うんだよね。

FLASH  (フラッシュ) 2017年 5/16 号 [雑誌]

FLASH (フラッシュ) 2017年 5/16 号 [雑誌]

「太郎さんから見て、この言葉はどう映るの?」

 麻友さんらしいな、と思うね。

 結婚式も、身内だけで、卒業コンサートも、そっと。

 一貫してるよね。

「でも、太郎さんは、私が、某夢の国へ行ったとき、撮影大会になっちゃったのを、『面白かったですね』と言ったら、自分のお嫁さんになるために生まれてきたような人だと思った、と言ったのよ」

 そこも、一貫してるんだよ。麻友さんはもう、自分が有名人だというのを、完全に受け入れてるんだよ。

 だから、撮影大会になっちゃったら、止められない。みんなが喜ぶなら、いいじゃないの。でも、私の大切な日には、そっと過ごさせて。大切な人は、大事にさせて。

 麻友さんって、そういう人でしょう。

「そういうふうに、この深淵をのぞき込まないで」


 じゃあ、物理の話をしよう。

「その前に、1億人に義務教育を」

 そうだった。ひとり100万円だったね。

「あのときの計算は、

{\log_{10} 100万円 \times \log_{10} 1億人}

だったのよね」

 実は、結論は正しいんだけど、最初の式が間違えていた。

「えーっ、どういうこと?」

{\log_{10} (100万円 \times 1億人) = \log_{10} (10^6 \times 10^8)}

としなければ、ならなかったんだ。前のページは、そのままにしてあるから、私の間違いを眺めてね。

{\log_{10} (100万円 \times 1億人) = \log_{10} (10^6 \times 10^8)}

{= \log_{10} 10^6+\log_{10} 10^8 = 6+8 =14}

ということ?」

 そう。ここで、100万円を100万円/人にしなければならないと、前回気付いたのだったね。

「そうすると、100万円/人×1億人=100×万×億×円みたいになるけど・・・」

 計算の方針は合っているよ。ログ。特に、麻友さんが使っている、10を底にしたログは、10の何乗の数か、つまり何桁の数か、というものを表しているんだ。

「じゃあ、14というのは、14桁の数ってこと?」

 本当は、知ってたんでしょ。特待生なんだから。

「なんとか、分かってたけど、太郎さんの式変形って、ものすごく速いのよ。太郎さんには当たり前で、どんどん変形していくけど、こっちは、追いかけるの大変なのよ」

 私、これ以上簡単にできないっていうくらい、丁寧に変形してるんだけど、特待生でもそうなのか。

 とりあえず、

{\log_{10} 10^6+\log_{10} 10^8}

というところまで、いいかな?

「その『円』は、どこに対して付いてるの?」

 うん。それは、特待生らしい質問だ。普通の人は、漠然と分からなくて、なんと質問して良いか分からないものだ。

 これは、

{\log_{10} 10^6+\log_{10} 10^8})円

では、ないんだ。麻友さんは、そのことに気付いて、質問したんだね。

「うん

{\log_{10} (10^6円/人)+\log_{10}(10^8人)=\log_{10} (10^{14}円)=14}

ということなんでしょ」

 お見事。

「でも、聞きたいんだけど、この対数を取った14という数字の単位は何なの?」

 いいこと聞いてくるね。特待生は、そういうことどんどん聞いてきて、先生を困らせなくてはいけない。

「えっ、太郎さん困ってる?」

 実はね。対数というのは、何乗したものか、というものだから、それ自体には、単位はないんだ。

 ところがね、後で出てくるエントロピーというものは、この対数自体をエントロピーと定義するので、これ自体が単位を持っているように見えてしまう。

「えっ、エントロピー? そういえば、相対性理論の説明を始めたところで、エントロピーを説明しようとしたのよね。思い出した。神7をひとりひとり1位にしたりして、あれ、なんだったの?」

 普通の人にとって、エネルギーよりもっと分かりにくい、エントロピーというものを、麻友さんに説明しようとしてたんだよ。

「その説明に、{\log}が、必要なわけ?」

 そう。

 それで、義務教育にいくらかかるかの計算をしながら、ログに慣れようとしていたの。

「さっぱり、分かってなかった」

 私も、説明下手だなと、自分でも思ってた。

「目的は、分かったけど、発展途上国を救ってよ」

 うん。

 まず、14桁の数。{10^{14}}円、必要だ、というのは、いいよね。

「それを、{\log}で、計算した」

 ところで、麻友さん。日本の国防費ってどれくらいか知ってる?

「おっと、国防費に手を付ける」

 いつものスマートフォンで、ちょっと調べてよ。

「はーい。なんて、良いお返事をして、スースーポンポン

あれっ? 2016年が、461億ドルって、いくらくらい? グーグルで、5.15兆円。えっ、これって、何桁の数?

          10,000 1万

     100,000,000 1億

1000,000,000,000 1兆

よね。つまり、12桁の数じゃない。夢の14桁が夢じゃない」

 だからいったでしょう。根拠あるって。

「でも、2桁足りないって事は、100分の1しか用意できないってことよ」

 どうして、国防費で、計算させたんだと思う?

「あっ、太郎さん。国防費はGNPの100分の1だ、なんて言い出すんじゃない?」

 言って悪いかい。日本には、10の14乗もの額の、発展途上国の人全員を義務教育受けさせるのにかかるお金をなんとかできる財力があるんだよ。

「ちょっと待って、だまされないわよ。そもそもの仮定に、9年間の教育というのが、あったわ。この9倍かかるのよ。そんなに甘くはないわ」

 それなら、こちらにも手がある。

 そもそも、私達は、先進国の道徳がなってないという話から、この話になった。

 日本だけでなく、先進国(例えばG7の7カ国)が、全部アフリカやインドにお金を融通すれば、全人類にまともな義務教育を施すことができ、人口爆発なんて防げる。

「太郎さん、それを計算するために、今まで講義してきたの?」

 いや、違う。

「えっ、違う? じゃ、何のため?」

 麻友さんに、数学ができるだけで、こんなに世界を救えるようになるんだよって分かって欲しかったんだ。

「分かって欲しかったって、太郎さんは、指導者になったり、教祖になったりする気は、まったくないの?」

 ないよ。指導者になると、大変なんだ。麻友さんもAKB48のエースなんていわれて、大変でしょう。

「確かに、私も、身の振り方では、悩んでる。AKB48入ったばっかりの頃みたいに、すべてが楽しい、なんてことはなくなってるわね」

 私、あるとき気付いたんだ。

 この世界では、他の人のやりたがらないことをすると、お金がもらえるんだなって。

「他の人のやりたがらないこと?」

 極端な例を上げれば、麻友さんの写真が載ってるFLASHにも、裸の女の人の写真が載ってるよね。

「それはそうだけど」

 自分の裸を見られるって、あまり気持ちの良いものじゃないよね。相手が大好きな人でもなければ。

「それはそうね」

 その嫌な裸を見せるということをしたから、あの人は、お金をもらった、というわけ。

「ちょっと、待って。でも、『自分の仕事に誇りを持つ』って、大切なことじゃないかしら?」

 誇りを持てる人は、それでいいんだよ。

 ただね、お金は、他の人が嫌がるようなことをしなければもらえないのが、今の世界なんだよ。

 例えば、麻友さん。今、AKB48のエースの座にいて、公演していて、本当に純粋に、幸せだと言える?

「うっ、でも、仲間の卒業公演とか、本当に、幸せに感じるときも、あるわよ」

 そうだよね。麻友さんにとって、12歳の時から入っているAKB48だものね。

「太郎さんは、例えば、トランプ大統領なんかは、どう思うの? 大統領って、みんながなりたがる職よ」

 麻友さん、そこまで、AKB48の階段登りつめていながら、まだ気付いてないのかなあ。

 政治家って、どうしてあんなにお金がもらえると思う?

「名誉ある職だから」

 特待生は、優等生の向こうを見なきゃ。

「どういうことよ」

 他の人の嫌がるようなことをしなきゃ、お金はもらえないんだっていったでしょ。

「大統領って、忙しいかも知れないけど、やりがいのある仕事じゃないかしら」

 政治って、だましたり、賄賂を使ったりと、汚い世界なんだよ。だから、やりたがる人少ないんだ。それで、高いお給料払って、なってもらってるんだ。

 大統領なんて、その最たるものだよ。

「太郎さん。太郎さんの言ってることは、この世界のすべての人を、否定することよ。みんななにがしかの仕事をしてるのよ」

 私だって、否定するだけだったら、こんなことは、いわないよ。

「いつもの対案が、あるのね」

 期待されても、困るけど、前から言ってるように、お金というものを、ある意味なくした方がいいんだ。

「その案ね」

 お金というもので考えるから、アフリカやインドの子供(や大人?)を救うことすら思いつけない。

 正直言って、麻友さんは小さかったけど、ライブドア事件ってあったでしょう。

「小学校の頃ね。あれが、どうしたの?」

 どうして、堀江貴文は、逮捕されたのだろう?

「そりゃ、悪いことしたからでしょう」

 麻友さん、本当にそう思ってる?

「えっ、違うの?」

 ホリエモンが、ルール違反をして、たくさんお金を集めたからだよ。

「ルール違反したんだから、悪いじゃない」

 そのルールだけどさぁ、要するに、今たくさん株を持っている人達が、自分達の身を守るように、他の人が株で儲けにくくなるように作ったルールなんだよ。

「太郎さん、そんなの無茶苦茶よ。この社会全体、敵に回すことになるわ」


 今日は、11年前から、コツコツと歩んできた麻友さんと違い、22歳の時にエリートコースからドロップアウトし、働き口すら見つけるのに苦労しながら、23年間社会を歩んできた私なりの、お金を稼ぐということの見方を披露した。

「びっくりだわ」

 そんなに驚くことはないよ。私、大言壮語はするけど、見かけ以上に平凡な人間だから。

「太郎さんに、私の裸を見せて良いものかしら?」

 悩んでね。

 おやすみ。

「あっ、おやすみ」

 現在2017年5月2日6時28分である。おしまい。