現在2017年5月2日13時32分である。
「太郎さん。こんな時間にどうしたの?」
麻友さん、覚えてるかなあ、2011年の9月24日頃、光よりも速いものがあるかも知れない、というニュースが世界を駆け廻ったの。
「そんなの、覚えてないわよ」
まあ、覚えてなくてもいいんだけどね。
あのニュースから数ヶ月して、実は、光ファイバーの差し込みがゆるかったための、実験ミスでした。という発表があったんだ。
「じゃあ、結局、光より速いものは、ないわけ」
そう。
「で、何が重要なの?」
あれが、実験ミスだって気付いたとき、その実験してた人、残念だっただろうなあ、と思って。
「まあ、ミスだったんなら、残念じゃない」
でも、ちゃんと発表したのは、重要な意義のあることだった。
「どのくらい、重要な、実験だったの?」
タイムマシンは、無理だろうけど、宇宙の考え方を、かなり変えねばならなくなる、実験だった。
まあ、過ぎたことは、いい。
私が、今日、麻友さんに伝えなければならないのは、以前、『この素晴らしき宇宙』という投稿で、『『量子テレポーテーション』って、本当に実験が成功しているんだ。』と、書いたことについてなんだ。
「覚えてないわよ。そういえば、テレポーテーションなんて、SFみたいなこと言ってるなぁ、と思ったような気もするけど」
その曖昧なところが重要なんだよ。命がかかっているような決断を将来しなければならなくなったとき、麻友さんが、『科学の言うことを頼ろう』と思うような人になるように、私は努力してるんだ。
だから、SF(science fiction 空想科学)なのか、科学(science)なのか、には、敏感になっていて欲しいんだ。
そして、敏感になるためにも、私から麻友さんに行く科学情報には、正確さを期さなくてはならないんだ。
「そんなに、太郎さんって、いつも、自分が正しいかどうかって、チェックしてるの?」
そりゃーね、麻友さんに、前、この本、
杉山忠一『英文法詳解』(学研)
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を、毎日1ページずつ読んでるんだよ。と言って、読んでるのは、本当で、291ページまで来たんだけどね、これに書いてある例文の単語1個1個まで、文法的に説明できるかっていったら、とてもできないよ。
「あっ、その本、私も読もうかと思ったけど、本当に難しい本ね。高校卒業レヴェルの文法の知識があって、やっと読めるくらいじゃない?」
そう。この本は、難しいから、大変だ。でも、今日だって、ブログ書き上げて、ゴミを捨てるために、外へ出たとき、すっごく良いお天気だったのね。それで、太陽見上げて、
『5月だろ。小学校でやったように、南中高度は、あれくらいとして、今10時なら、あんなに高くて良いのか?』
と、考えて、
『あっ、そうか。高いところで、2時間動いても、高度的には、余り変わらないのか。縦に動いてるんじゃないものな』
と、少しして納得した。
こういうことは、いつもやってるよ。
「縦に動いてるんじゃないものなって?」
夕陽だったら、縦に動くから、どんどん沈んでいくでしょ。でも、70度とかの角度からちょっと動いても、水平線に沈むような上下方向の動きはしないだろうということ。
「太郎さんの頭の中って、数式で、いっぱいなんだ」
前に、私って、数学の世界全部が、無限の宝石箱になったみたいな人間なんだって話したでしょう。本当なんだよ。
「太郎さんが、『今までの自分のあの判断が、間違いだった』と気付くと、どこを修正すべきかのリストが、ダーッと、打ち出されるのは分かったわ。それで、今日は、何を、話したかったの?」
そうだよね。麻友さんも、話したいモードだ。
一番話したかったのは、小林りんさんから、ヒントをもらったことなんだ。
「えっ、テレポーテーションじゃなくて?」
テレポーテーションが、簡単に片付くから、それから行くか。
今日、
大関真之(おおぜき まさゆき)『先生それって「量子」の仕業ですか?』(小学館)
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という本を見てたら、
『「量子テレポーテーション」というのは、本当にワープするわけではありませんよ』
というようなことが、書いてあったんだよ。
「それだけで、信じちゃったの。太郎さんも、だまされやすいんじゃない?」
そういうことじゃないんだ。私の中に、不安要因ができちゃったんだよ。
「疑わしきは、罰せず?」
そう。きちんと、自分で納得してないものを、『実験成功してるんだ』と言い続けることは、できない。
それに、麻友さんには、まだ話せないけど、スピンというものを用いた説明も、書いてあったんだ。
「あっ、やっぱり太郎さんが、ただ一文読んだだけで、信じるわけないと思ったけど」
この人、2016年の文部科学大臣表彰若手科学者賞というのもらっている人なんだ。
「あらあら、トンデモ本どころか、ちゃんとした人が書いた本なんじゃない」
ただ、麻友さんに言っておかなければならないのは、これで、『決まり』、じゃ、ないからね。
「太郎さんは、こんな人でも疑うの?」
麻友さん、甘ちゃんでだめ。
この本は、通俗書なの。きちんとした専門書か、論文を読んで、実験原理に納得して初めて、『正しい』と、公言できるんだよ。
「やっぱり、テレポーテーションは、できました、っていう方が、面白そうだしね」
テレポーテーションの話は、一件落着。
「そういえば、なんで、本屋さんに、あんな時間に行ったの?」
前回の投稿のURLを麻友さんにツイートした後、『歯のマンガ』の意味を考えてたんだ。
「あっ、ほらっ、ほらっ、太郎さん、分かってないんだ。わー、嬉しい。京大理学部にいたことを鼻にかけてるほどの天才が、何にジワるのか、分からないんだ。これは、痛快よ。毎週こうやって、太郎さんをいじめてやりたいわ」
はい。分かりませんでした。
そのうちに、フォローしている人が、ツイートしてきたんだよ。
「私、ツイートしてないわよ」
分かってるよ。小林りんさんだったんだ。
「ああ、あの」
ネット時代って、こういうとき、本当に便利になったなって思うよね。
「どういうこと?」
これが、りんさんのツイートなんだよ。
We do not inherit this world from our ancestors. We borrow it from our children. こどもの日に向けて、本当に「こどものため」を考えたら、この国はどうあるべきか?じっくり考えてみませんか。今週号お薦め! pic.twitter.com/G57L7p8FTz
— Lin Kobayashi | 小林りん (@linkobayashi) 2017年5月1日
「ああ、コピペできるってことね」
紙に一度も印刷することなく、麻友さんの前へ、持ってこられるんだからね。
「太郎さん。もっとこういうのに慣れないと、『歯のマンガ』も、解けないわよ」
あー意地悪。じゃ、その英文サラーッと、解読してよ。
「英文?」
「ウィードナットゥインヘリトゥ・・・」
「さっき太郎さんが、英語の自慢をしてたのは、ここで格好良く、訳してみせられるよ、と言うためだったのか」
あれっ、そんな訳にはならないはずだが・・・。
「太郎さん、後で、なぜジワったか、教えてあげるから、いつもの超特急で、訳して」
私達は、この世界を先祖から受け継ぐのではない。
私達は、子供たちからそれを借りているのである。
これ、訳してて、感心させられたのは、2行目に があるでしょう。普通、家屋とか施設など移動不可能なものには、借りると言うとき、ボローは、使わないって、習うんだよね。
「何を、使うの?」
土地だったら、 リースするって言うでしょ。
「誤訳だって言いたいの?」
そうじゃないんだ。私達は、借りてるけど、子供たちにお金を払ったとは、言えないよ。ということなんだ。
「どうしてそうなるの?」
ボローを使うのは、お金を払わずに、借りるという場合なんだ。
「うっ、太郎さんと話してると、英文法が邪魔して、英語、話せなくなる」
それは、悪いことした。
「結局、どんなヒントをもらったの?」
さっきのツイートで、日本語のところを読めば、りんさんが、あの写真の雑誌
『日経ビジネス5月1日号』
を読まれません?
とヒントを書いてくれてるんだ。
「それで、寝てないのに、本屋さんへ行ってたの?」
結果的に、自殺行為になりかけてる。
「寝なきゃ、私と結婚どころでなくなる」
「教えてあげるわよ。ジワった理由くらい」
優しくなることもあるんだ。
「あのマンガで、『おまえ~』禁止にしようって、書いてあったでしょ」
うん。
「あれ見てるうちに、『おまえ、さては、えなり、だな』を禁止にしようってことにしたら、次回からあのドラマ、終わらなくなるなって思って、終わって欲しいんだか、終わらないで欲しいんだかもごちゃまぜになって、ジワジワと笑えて笑えてたまらなかった。ということなのよ」
それが分かった瞬間は、本当に、すっきりした。
確かに、気分スッキリ寝られる、というのも、人間には、重要なんだね。
「もう、寝るわよね」
ツイートして寝るよ。
じゃ、お休み。
「本当に、手のかかる人だわ。あっこの言葉は、タイプされてないわよね」
現在2017年5月2日19時07分である。おしまい。