現在2018年1月11日16時07分である。
「なんか、重たい題ねぇ。何の話?」
これは、去年(2017年)の10月頃、鶴見図書館で見つけた次の本の題名なんだ。
- 作者: ほっとけない世界のまずしさ
- 出版社/メーカー: ほっとけない世界のまずしさ
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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「題名見ただけで、内容が分かりそうな本だけど」
大人になると、新しい本を見付けたとき、その本の後ろの方を先に見てしまうようになる。
「結論は、何かなってね」
そう。
それで、私も、この本の最後を見た。
「どんなこと書いてあった?」
ちょっと、引用するよ。
この本が生まれたわけ
2005年日本では450万人以上の人がホワイトバンドを買ってくれました。
1コ300円。「貧困をなくしたい」という気持ちが13億5000万円を動かしました。そこから工場でホワイトバンドを作る人や売る人に払われるお金や、倉庫やトラックや材料にかかる経費をひいて5億2000万円。このお金を使って、(もちろん税金も払って)「貧困をほっとかない活動」は始まっています。
ほっとけない世界のまずしさ編『ほっとけない世界のまずしさ』(扶桑社) P.46より
「えっ、そういうホワイトバンドというものがあるの?」
正確には、『あった』んだ。
「なくなっちゃったの? 良い活動に思えるけど」
結局この団体自身が自分を経済的に支えられなくなって、2006年にこの本を出版した後、2008年までに解散しちゃったんだ。
「ほっとけない世界のまずしさ」を放り出した「ほっとけない世界のまずしさ」soulwarden.exblog.jp
「太郎さん、こういうの見付けてくるのは、うまいわねぇ」
私は、この人達を非難するために、この本を持ち出したんじゃないんだ。
「じゃあ、なんのため?」
麻友さん、あの引用した文章、どう思う?
「太郎さんのことだから、なぜ集まった13億5000万円から、仲介者のために8億3000万円も抜き取るんだ、結局自分のためにやってるんじゃないか、と言いたいんでしょ」
もし、小学生の時、麻友さんが、この話を聞いたら、どう思っただろう。
「そんなの卑怯よ。本当は、小学校の時の私も、今の私も、仲介者が8億3000万円も取っちゃうなんて、おかしいと思ってるのよ。でも、大人の私は、そんなこと言えないのよ。13億円なんて、ぱっと出せるわけないし」
本当に、小学校の時の麻友さんは、そう思っただろうか?
「これ以上、どう言いようがあるの?」
こういう話は、私の小学校の頃もあった。
こういう話を聞くたびに、私はいつも考えていた。
『この人達は、5億2000万円分だけ、アフリカやインドの子供達を救ったのだろうか?』
「えっ、どういうこと?」
つまり、『バタバタ死んでいっている子供達の前で、一人にワクチンを接種するのに500円かかるとして、104万人の子供だけに接種して104万1人目の子供には、『君の分はもうお金がないんだ。あきらめてね』と言って、死んでもらったのか?』
と、いつも考えてたんだ。
「だって、インフルエンザのワクチンだって、なくなっちゃったら、もうないのよ。ないものを、接種できるわけないじゃない」
だけど、目の前で、死んでいく子供を、『お金がないから』なんていう理由で、ほっといて良いのかよ!
「分かった。太郎さんの言いたいことも分かった。思い出したわ。私も、小学校の頃は、太郎さんのような心のかけらを持っていたわ。でも、どうしたら、いいのかしら。お金がなければ、助けられないのも、本当なのよ」
お金って、麻友さんは、基本的に、『円』しか、知らないよね。
「アメリカの『ドル』とか、ヨーロッパの『ユーロ』とか、中国の『人民元』とか、一応知ってるけど」
それなら、話は、早い。
一方から他方へお金を替えるときの比率を、為替レートと言うじゃない。
「それは、知ってるけど」
あの為替レートって、実は、各国の頭の良い人達が、かなりの部分、管理してるのね。
「全部ではないの?」
このレートの上下を利用して、お金を儲けようとしている人達がいるから、完全に全部は管理できないの。
「ああ、『海外の投機筋の買いが入って・・・』とか、ニュースで言ってるわね」
そうそう、あれ。
でも、日銀が本気で介入に入ったりしたら、アフリカの貧しい国との為替レートを思っている額にすることなんて、どってことないの。
「でも、それにつけ込んで、儲ける人がいるんでしょう」
それは、確かだけど、目の前で子供がお金がなくて死んでいく、なんてことを防ぐことは、絶対できるはずなんだ。
「そうなると、本当にアフリカで、バタバタ子供が死んでいっている、というのが、本当なのかどうか確かめて、本当なら助けられるはずなのね」
そう。
小学校の頃からの宿題。
私は、どうしても、アフリカの子供達を救いたかった。
故ダイアナ妃は、その知名度を利用して、アフリカやインドにメディアの目を向けさせたけれども、完全解決はできなかった。
麻友さんは、ダイアナ妃やマザー・テレサにできなかったことを、やれるはずだよ。
「太郎さん。太郎さんは、私の知名度や美貌を利用して、自分の名前を売るために、私に近づいたの?」
そんなことしたら、刑事コロンボの『白鳥の歌』みたいに、私が麻友さんに殺されちゃうよ。
私が、麻友さんに近づいたのは、本当に好きだからだよ。
「じゃあ、私が、あまり有名になりたくないから、子供達を助けるキャンペーンなんてしたくないわ、と言ったら?」
ちょっと、残念だけど、麻友さんのいやなことまで、させないよ。
「約束する?」
約束する。
「今日は、1日に2つ投稿ね」
前から、書きたかったことなんだ。
「太郎さんって、『はだかの王様』の子供みたいね」
『科学者であるということは、ある意味で、いつまでも子供でいつづけることなのかも知れません』
とは、アインシュタインの言葉だ。
でも、麻友さんが女優になることは、全面的に応援するから、麻友さんの側からも、要求を出してね。
「必要になったら、信号を出すわ。まずは、1月27日のフジテレビNEXTを見てよ」
分かった。スカパーの2週間のお試しに申し込もうと思ってる。
「わぁっ、見てくれるのね」
無理してでも見ます。
じゃあね。
「ええ、じゃあね」
現在2018年1月11日18時00分である。おしまい。