相対性理論を学びたい人のために

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「やっほー」の効果(その4)

 現在2019年10月15日18時22分である。

麻友「なんか、4年以上前に、私が、『やっほー』ってツイートしたのから始まって、随分尾ひれが付くわね」

私「この話を契機として、私の数学が、変わるかもしれない」

麻友「オーバーね」

結弦「何の話だっけ?」

私「計算可能実数(けいさんかのうじっすう)というものについての話だ」

若菜「それは、お父さんの命名ですか?」

私「一応、私が付けたんだけど、他の人が同じこと考えているかも知れない」

麻友「私達は、まだ、整数までしか、教わってなかったわね」

私「有理数作って、実数作って、・・・。と、行くはずなんだけど、そもそもの目標の『実数』というものが、私の中で、変化しだした」

若菜「えっ、実数って、中学でも習いましたけど」

結弦「中学1年で、小数で表せる数が、実数だって習った」

私「そう。小数で表せる数が、実数なんだ。そうなんだけど、『『小数で表せる』って、どういうこと?』というところに、拘ったんだ」

麻友「もう、気違い!」


若菜「まあまあ、話を聞いてみましょう」

結弦「お父さんは、『小数で表せる』というのを、どう定義するのですか?」

私「例えば、{a} という数が、{a=0.3} となっていれば、{a} は、小数で表せている」

若菜「じゃあ、{b=0.333 \cdots 333 \cdots} だったら?」

私「もし、これより下の桁も、全部 {3} なのだったら、{b} は小数で表せてる」

若菜「順調ですね。じゃあ、{\pi} は?」

私「小数で表せてる」

若菜「えっ、パイもですか? じゃあ、例えば・・・、お父さん、今47歳ですね。パイの小数点以下第47桁目は?」

私「あの剣、使っていい?」

結弦「『ウソをつかない数学』の剣だね。使ってみたら?」

私「産医師・・・

3.
  1415926535

  8979323846

  2643383279

  5028841971

  6939937510

おっ、ラッキーセブンだ。小数点以下第47桁目は、7だよ」

若菜「お父さん、50桁目より下だったら、どうするつもりだったんですか?」

私「ウルフラムアルファを、使うとか・・・」

若菜「そういうのじゃなくて、何桁目でも大丈夫だと、言えないのですか?」

私「言える。

{\displaystyle \frac{\pi}{4}=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\cdots +\frac{(-1)^n}{2n+1}+\cdots }

という級数で、パイを表せるんだ。だから、必要な桁が決まるまで、足し算引き算していけば、任意の桁を決定できる」

結弦「つまり、小数で表せるというわけか」

麻友「太郎さん。不親切よ。今見ていた、『解析入門Ⅰ』の202ページの隣に、『(4.32),(4.38)の級数によって {\pi} が表されるが,収束の速さが大変遅いので,{\pi} の値を実際計算するには適しない』と、書いてあるわ」

私「知られてたか。マチンの級数という収束が速くてどんどん数字が決まる方法があるんだよ。『解析入門Ⅰ』203ページから、証明は飛ばして結果だけ見せよう」

{\displaystyle \pi =16 \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1} \biggl(\frac{1}{5} \biggr)^{2n+1}-4 \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1} \biggl(\frac{1}{239} \biggr)^{2n+1}}

若菜「こんなの知ってたから、『小数で表せてる』なんて、自信持って言えたんですね」

私「まあね」


麻友「ちょっと、懲らしめてやらない? 太郎さん。実数だけど、小数で表せない実数って、どんな実数?」

私「まず、言葉の定義を、きちんとしよう」

私「私は、実数という言葉によって、整数部分 {c} と、小数部分 {0.c_1 c_2 c_3 \cdots c_n c_{n+1} \cdots } から表される、

{c.c_1 c_2 c_3 \cdots c_n c_{n+1} \cdots }

で、任意の {n} について、{c_n} が、{0} から {9} まで、全部くまなく動いたすべての数を指すことに、定義した」

結弦「つまり、あらゆる可能性を集めたわけだね」

私「この実数全部の集合を、{\mathbb{R}} と、表す。前に話したことを覚えていれば、{\mathbb{R}} の濃度は、連続の濃度で、{\mathbb{N}}{\mathbb{Q}} の可算の濃度より大きい」

麻友「その話は忘れたわ。それより、小数で表せない実数」

私「それを、言うためには、小数で表せる実数を、全部集めて、{\mathrm{{}_c}\mathbb{R}} と、表すことにしよう。この集合の元を、計算可能実数と、定義する。{\mathrm{{}_c}} は、{\mathrm{computable}} (計算可能)の {\mathrm{c}} だ。だから、計算可能実数は、{\mathrm{computable\ real\ number}} だ」

若菜「でも、{\mathbb{R}} の元、実数は全部、小数の様ですけど」

私「そこなんだよ。小数の様だけど、小数で表せてない」

結弦「あっ、お父さんは、任意の {n} について、小数第 {n} 桁目が、決定できてないと、『小数で表せた』と、認めないんじゃない?」

私「そういうことなんだよ。だから、{\mathbb{R}} の中には、{\mathrm{{}_c}\mathbb{R}} に入ってない元が、たくさんあるんだよ。実は、{\mathrm{{}_c}\mathbb{R}} の濃度は可算で、計算可能でない実数の方が、連続濃度なんだ」

麻友「21時14分です」


私「この後、{\mathrm{{}_c}\mathbb{R}} が、実数の公理を満たすこと、対角線論法をどう乗り越えるかを書くつもりだったけど、次回にしよう」

若菜・結弦「おやすみなさい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ、麻友さん」

 現在2019年10月15日21時27分である。おしまい。