現在2020年3月17日12時37分である。
麻友「今度こそ、相対論やってよね」
私「今日は、のっている。一気に進むぞ」
結弦「『相対論への招待(その22)』以来だね」
若菜「少し、復習させてください」
私「絵を見るだけで、思い出せるだろう。最初の3枚」
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1399ページと1400ページは、わざと間違った計算をして、数値が合わないことを示し、特殊相対論へ誘導している。
読み取りづらい部分の補足
1を往復したので、系で2秒経ったとき、系で秒経ったというのとも違う。
長さも縮んでいるので、やはり、加速させて縮む量を計算しなくてはならない。
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麻友「長さが縮まないとすると、実験事実と、合わないのだったわね」
私「そうだ。そこで、どう縮むのか、計算しようと思う」
結弦「手掛かりは?」
私「前、1回話したけど、グライダー部の親友(柔が、ラグランジュの定理云々としゃべっているプリントの問題を出された、藤居君であることは、もう分かっていると思うが)が、等加速度の場合、双曲線になる、と言っていた情報だ。具体的に持ってこよう」
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ここでもまた、あのグライダー部の親友の影響が、色濃く表れている。
「どういうこと?」
2回生の時のファインマン物理学のⅤ巻のゼミで、あるとき、グライダー部の親友が、
『この間、等加速度の変換の式を求めようとしたんやな。結果は、双曲線になることは、知ってたんやけど、これが、結構やっかいなんよ』
と、しゃべった。
その瞬間、私の頭に、以前見せた、ボロボロにした相対性理論の本での計算が、思い浮かび、
『あっ、ハイパボリックコサインだ。そうか、双曲線なんだから、ハイパボリックコサインで、パラメータ付ければ、いいんだ。双曲線だということ、覚えておこ』
と、インプットされたんだ。
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(『相対論への招待(その13)』より)
麻友「えっ、ちょっと、ハイパボリックコサインなんて、知らないわよ」
若菜「そもそも、双曲線って、なんですか?」
私「こういうものは、グラフを見せるに限る。こういう曲線なんだ」
麻友「太郎さん。グラフ描けるように、なったの?」
私「いや、『双曲線』って、ググって、たくさんの画像の中から、良さそうなの、ダウンロードしたんだ」
結弦「そんなことだろうと、思った」
若菜「この斜めの直線の角度は、どうやって、決まるのですか?」
私「良い質問だね。この2本の斜めの直線は、この双曲線の漸近線(ぜんきんせん)と言って、 と、 が、どちらも凄く大きくなって、右辺の が、ほとんど無視できる程になったとき、この を、 と置き換えて、 とする」
若菜「あっ、分かった。 だから、 で、 とできて、 と求まるんだ」
私「2乗を、平方根取るとき、 とすること、良く気付いたね」
若菜「これくらいしないと、お父さんには、褒めてもらえないので」
麻友「えっ、平方根取るとき、 とするなんて、知らないわよ。ああ、でも、微分積分やるくらいになると、それくらい当たり前になるのね」
結弦「お父さん。容赦しないから。それで、ハイパボリックコサインというのは?」
私「実は、この双曲線上の点は、 をパラメーターとして、このように、表せるんだ」
結弦「 とか、 というのは?」
私「指数関数というのは、一応やったよね」
麻友「オイラーの公式のとき、
というようなのを、チラッとやったわね。『数学者はなぜ、数学が美しいというのか(その4)』ね」
私「こういう風にして、一応指数関数というものが、定義されているとして、
と定義するんだ」
麻友「なんて読むの?」
私「日本語では、双曲余弦(そうきょくよげん)、双曲正弦(そうきょくせいげん)と、呼ぶこともあるかも知れない。でも、私が大学に入った後、ゼミで、『これなんて読むのかなあ?』と、私が言うたびに、あの傘をさしている柔の絵の問題を出された友達(つまり中田さん)が、『ハイパボリックコサイン』とか、『ハイパボリックサイン』と、発音してくれた。授業で、先生が、そう発音していたのだろう」
結弦「どうして、お父さんは、聞いてなかったの」
私「授業をサボっていたからだよ」
若菜「そういうことですね」
私「ごちゃごちゃ言ってないで、本当に双曲線の線上の点を表しているかどうか、試してごらんよ」
麻友「やってみるわよ。
で、これを、
に、代入する。
だから、
となる。2乗の書き方は、サイン、コサインの書き方を、真似たわよ」
私「それでいい」
若菜「約分できますね。
と」
結弦「この等式が、成り立てば、双曲線上の点だったと、証明したことに、なるんだな」
麻友「どうやって、証明する?」
若菜「使えるのは、ハイパボリックコサインと、ハイパボリックサインの定義だけですね」
麻友「あっ、そうよ。定義式を、代入すればいいのよ。数学って、大抵は綺麗にできているものなのよ」
私「そう。麻友さんのようにね」
麻友「今更、お世辞言っても、何も出てこないわよ。それより、定義。
だから、うん、できる。
と、
だから、
できた。完璧。双曲線上の点なんだ。だけど、 ってなってる。これ、パラメーターって言ってた。藤居さんが言った言葉を聞いて、お父さんが気付いたのは、これが、相対性理論を使って計算される、伸びた時間に合わせた、動いている私達の時間なんじゃない? そうでしょ。太郎さん」
私「いつもの、特待生ぶり、全開だな。そうだよ。動いている人自身の時間。つまり、固有時というものになってる。でも、それを証明するのは、もうちょっと先だ。ただ、そのことを、頭の片隅に入れておくのは、意味のあることだよね」
若菜「疲れましたね」
若菜「お父さん、どうして、先日から、『美少女戦士セーラームーン』なんて、もう一度借りてきて、観てるんですか?」
私「実は、京都の下宿で、『セーラームーン』の初回は観たんだけど、その後は、余り観てなくて、いつの間にか、終わってしまった。今のように、オンデマンドとか、そんなものもないし、私の下宿には、ビデオテープレコーダーなんてものも、なかったからね。最終回はどうだったのだろうと、『無敵鋼人ダイターン3』などと共に、気になっていた。そうしたら、鶴見のTSUTAYAに、DVDが、あったんだよ。最終回だけ観ようと思ったんだけど、あいにくそのとき、最終回が含まれている8巻は、借りられていた。それで、待っている間、1巻だけ借りて、返されるのを、待とうと思ったわけ」
結弦「あれなんて、小学校低学年向けだよ。お父さんが、熱心に観るようなものじゃないよ」
私「京都から、発病して戻ってきて、薬で、頭にリセットがかけられて、読めるのは少女マンガ『ガラスの仮面』、話が分かるのは映画『男はつらいよ』、家で観るテレヴィは、その頃放送されていた『美少女戦士セーラームーンR』だった。楽しんでいたのだが、『セーラームーンS』になった頃、私の頭が成長したんだね、急にストーリーが稚拙だと感じて、弟に、『もう録画しなくていいよ』と言った」
麻友「成長というのが、そんなに明白に起こるのは、ある意味恐いわね。それ以来、『セーラームーン』は、観てなかったの?」
私「ひとつだけ、借りてきて観たのがあった。『美少女戦士セーラームーン~亜美ちゃんの初恋~』という話。IQ200のセーラーマーキュリーこと水野亜美ちゃんが、謎の秀才、ペンネーム『メルクリウス』という人と、しのぎを削るという話だったんだ」
若菜「面白かったですか?」
私「初恋っていうから、どんな恋なんだろうと、期待したんだけど、恋は、出てこなかったので、ちょっとがっかりだった」
若菜「ほっとしました。お父さん、ちゃんと、成長しているのですね。お母さんを、託せますね」
麻友「若菜。そんな、簡単に判断しちゃ駄目よ。この人は、とんでもない人なんだから」
結弦「お母さんの、最初の選抜総選挙に投票した人、などには、かなわないとは言え、お父さんが、もうすぐ5年まで、自然淘汰で、残り続けているというのは、凄いことだよね。『出逢いの続き』が発売されたときから、お父さんは、『恋愛は自然淘汰じゃない』と、言ってたけど、必然の恋だったにせよ、自然淘汰にせよ、お父さんは、残ってる」
麻友「『相対論への招待』の連載が、私の誕生日までに終わるかが、ひとつの試金石なの。さあ、今日は、これで、終わりにしない?」
私「よし。次回は、いよいよ双曲線の解析をして、どれだけ縮むかに挑戦するぞ」
麻友「楽しみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
私「おやすみ」
麻友「おやすみ」
現在2020年3月17日22時56分である。おしまい。