現在2020年6月1日20時28分である。
麻友「あっ、もの凄く久し振りに、デートね」
私「半年ぶりくらいだ」
麻友「この曲は、知ってるわよ。『悲しみのシンフォニー』なんていわれて、有名ですものね」
私「うん。そうなんだけどね、ちょっと、謝ろうと思っていたんだ」
麻友「えっ、今日の芸能界引退のニュースに関して?」
私「あっ、いや、そのことは、後で取り上げるとして、謝るっていうのはね、モーツァルトの交響曲で、ずーっとデートしてきたじゃない」
麻友「うん」
私「だけどね、つい最近、グリーン&ブラックス観てて気付いたんだけど、麻友さんに取ってのモーツァルトは、井上芳雄さん主演の、ミュージカル『モーツァルト!』だったんだなあ、って分かったんだ」
麻友「太郎さんの思っているモーツァルトと、私の思っているモーツァルトが、全然違うのは、最初から、分かってたわ。それから、太郎さんの中には、映画『アマデウス』のモーツァルトもいる。それは、分かっていたけど、でも、私は、太郎さんのモーツァルトが、面白くて、楽しんでいるわ」
私「じゃあ、いつも通り、デートに、進むよ」
麻友「はい」
である。バックにかけるために、You-tubeを、選んでおいたよ」
モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550
カール・ベーム指揮/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
モーツァルト 交響曲 第40番 ト短調 k 550 ベーム /ベルリンpo. Mozart Symphony No.40
麻友「カール・ベームって、太郎さん、『英雄』聴いたことある?」
私「これね、ずっと謎に思っていることがあるんだ」
麻友「謎?」
私「私が、『英雄』を聴き始めたのは、中学2年のとき、1985年のことだ。それから、しばらくして、富士通が、『16(いちろくベータ)』というワードプロセッサを発売した。PC-9801は、確かに16ビットのパソコンだったけど、16ビットのワープロなんて、十分画期的だった。ああ、麻友さんの使っているパソコンは、64ビットだから、安心していい」
麻友「これ、64ビットなんだ。4倍か」
私「その16を売り出すとき、富士通が、こんなコマーシャルを、やったんだよ」
麻友「えっ、コマーシャル?」
私「まず、出だしに、あの『英雄』の和音が、ジャン、ジャンと鳴る」
私「若い宣伝部の社員が、『社長!』と、直訴する。『いちろくベータ』という名前にしようと」
私「『英雄』の主題が始まるにつれ、社長が、『いちろくベータか』と、納得する」
私「そして、富士通は、『いちろくベータ』という名前に決定し、若い社員は、皆に大事にされる、というところで、『英雄』の主題が、高らかに奏されて、おしまい」
私「というコマーシャルなのだが、私は、その『英雄』の指揮者は、音からいって、バーンスタインなのではないかと、思った」
麻友「根拠があるの?」
私「私が、当時持っていた、バーンスタインが、ロサンゼルス・フィルを振った演奏を、ラジオから録音した演奏に、凄く似てたんだ」
麻友「それならそれで、良いじゃない」
私「だが当時、そのコマーシャルを観ていると、
と、テロップが流れる。
私「ごめん。眠くなっちゃった。デートは中断して、明日以降に続きを書くよ」
麻友「太郎さんの病気の場合、眠りたいときに、眠らなきゃね」
私「麻友さんの芸能界引退は、ファンにしてみれば、残念だろう。でも、華々しい活動をしているだけが、人間としての優秀な生き方ではない。地道に誰にも褒められず、配偶者と(子供達と?)幸せに生きていくのが、人間には当たり前だけど、一番難しいことなのだろうからね。そう言えば、今日の19時のNHKのニュースで、麻友さんの引退を、報道してた。十分有名な人なんだね」
麻友「ありがとう。じゃあ、おやすみ」
私「おやすみ」
現在2020年6月1日23時14分である。おしまい。