現在2020年6月17日17時35分である。
麻友「何か、新しい発見があったの?」
結弦「ルベーグ積分不可能な関数って、ときどきお父さん話してるよね」
私「新しい発見じゃないんだ。ただ、ずっと、どうしてこうなるのだろう? と思っていたことが、分かったんだ」
若菜「時刻の刻印は?」
私「今日(2020年6月17日)の、15時45分頃、最初の切っ掛けがあって、それから、今(17時39分)くらいにかけて、理解が進んだんだ」
結弦「そもそも、なんで、その切っ掛けがあったの?」
私「それは、一昨日(2020年6月15日)の2時40分30秒頃、
久馬栄道(きゅうま えいどう)『Q&A 数学基礎論入門』(共立出版)

- 作者:栄道, 久馬
- 発売日: 1995/09/25
- メディア: 単行本
という本で、以下の本が、『NK,NJについてこれだけビシッと書かれた日本語の本は他にないかも』と評されていて、図書館に予約を入れたんだ。

- 作者:晋, 林
- 発売日: 1989/12/20
- メディア: 単行本
若菜「お父さんは、間違えませんよね。15日の午前2時40分に、起きていたということですか?」
私「最近、21時頃、寝る前の薬を飲んで、ブログ書いたりしていて、段々眠くなってきて、もう目も開けていられないくらいになって、眠りに落ちる。ということが、多かったのだけど、この日は、20時49分頃、寝る前の薬を飲んで、
『たまには、布団に入って、その日のことを思い出したりしながら、寝るか』
と思って、そのまま、布団に入ったんだ。でも、なかなか眠れなくて、1時6分に起き出して、数学を始めたんだ。
麻友「その後、昼寝はした?」
私「7時42分から11時24分まで寝たと、手帳にメモがある」
結弦「そうすると、そのビシッと書いてある本を、図書館で借りてきたんだな?」
若菜「本当に、ビシッとしてた?」
私「『NJの完全性定理』というのが書いてあって、ちょっと聞くと、古典論理の使い方で、直観論理(NJ)が、完全だと言ってるようで、それは、言えないのではないか? と、思ったんだけど、そうではなかった。直観論理(=NJ=構成的論理)の意味論というものを、説明してあって、その意味論に基づく論理の使い方で、『NJの完全性定理』が、成り立つということだと、分かった。説明が丁寧」
麻友「それは、簡単に言うとどういうことなの?」
私「直観論理で正しい命題は、直観論理の方法(つまりNJ)で、証明できるということ」
麻友「正しいことは、全部証明できるってこと?」
私「無制限に、『正しいこと』とは、言ってない。『直観論理の意味論で、正しいこと』と、断ってあるでしょう」
麻友「うっ、恐ろしい世界」
若菜「確かに、凄い本ですね。それを、読んでいるうちに、頭が整理されたんですか?」
私「そうだね」
麻友「積分って?」
私「簡単に言えば、図形の面積を測ったり、物体の体積を測ったりする、武器だよ」
若菜「『ルベーグ積分不可能な関数はない』とは、面積を測れないものは、ないということですか?」
私「まさにそういうことだよ」
結弦「ちょっと待って、今までは、面積を測れないものが、あったの?」
私「そこが、微妙だったんだけど、私は、面積を測れないものがある、と、以下の本で学んであった」

- 作者:清三, 伊藤
- 発売日: 2017/04/06
- メディア: 単行本
私「ところが、
藤田宏・吉田耕作『現代解析入門』(岩波基礎数学選書)
という本で、
『集合論から選択公理を外し、代わりに、ルベーグ積分出来ない関数はない、という公理を付け加えても、矛盾しない』
ということを知った。2回生の12月か1月だ」
結弦「どうして、そんなに限定できるの?」
私「実は、手紙が残っているんだ。私が、『現代解析入門』を読んでて、『ルベーグ積分出来ない関数はない、という公理を付け加えるって、どういうこと?』と、びっくりしていたとき、あの名古屋へ行った先輩、吉信康夫さんから、別件で手紙をもらっているんだ」
麻友「吉信さんって、『やっほーの効果(その3)』のときの人ね。分子生物学の女の人を共有してもいい、なんて、太郎さんが勝手に考えてた」
私「そうなんだけど、レポート用紙3枚の手紙の最後に、
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今、こちらでセミナーで読んでいるのは
Solovay : "A model of set-theory in which every set of reals is Lebesgue measurable."
という論文です。
(論文の説明は省略)
1/17 吉信康夫
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と、書いてくれたんだ。まさに、私がそのとき知りたがっていた、ことだった。
麻友「太郎さん、ちゃんと大学時代のことも、覚えてる。リセットされてないじゃない」
私「印象に残ったことは、覚えている。この定理の証明を知りたい人のために、文献を上げておくと、
A.カナモリ『巨大基数の集合論』(シュプリンガー・フェアラーク)
に、証明がある」
結弦「証明、見つけたんだ」
私「ただ、コーエンのフォーシングを使うので、まだ登頂できてない」
若菜「あっ、だから、今回、ルベーグ積分不可能な関数はないということの意味が分かって、喜んでいる段階なのですね」
私「そうなんだよ。面積を測れないものがあると、学んでいたけど、面積を測れないものは、無理矢理作らないと、存在しない。要するに、無理矢理作るというのは、選択公理を使うということなんだよ。だから、選択公理という武器を、封印すれば、面積を測れないものは、なくなる」
結弦「あっ、なんか言ってることが、少し分かった。証明とはほど遠いけど、分かった気分」
若菜「確かに、ちょっと、理解が進みましたね」
麻友「太郎さん。本当に、数学が恋人ね。私が、いなくても、幸せになれる」
結弦「でも、よく27年も前の手紙なんて、残ってるなあ」
私「これは、特に大切だから、A4のルーズリーフのクリアファイルに、きちんと、しまってあったんだ」
若菜「今日は、これで、終わりにしません? 感動も伝わったし」
結弦「夕食も、まだなんだろ」
私「じゃあ、解散」
現在2020年6月17日20時19分である。おしまい。