現在2020年8月21日19時22分である。
麻友「いよいよね」
私「いよいよだ。今日、ポートで、もう一度、式を書いて、チェックした」
若菜「お父さんでも、式変形で、詰まることって、あるの?」
私「いつだって、頻繁にあるよ。今日だって、せっかく計算したのに、間違いが見つかって、1ページまるまる、斜線を引いて、消したページもある」
結弦「消しゴムで、消すわけに、行かなかったの?」
私「あまりに、深刻な間違いだったので、どうしようもなかったんだ」
麻友「じゃあ、その成果を見せてもらいましょう」
私「計算したのに、まだ使ってなかったのは、この式だね。
が、留数解析の結果として、一応、得られているのだった」
麻友「そうだったわね」
私「これを、導くときは、実数で考えたけど、複素数体 へ、解析接続して、複素数 の関数として、考えよう」
若菜「そういうことをするのが、解析接続でしたね」
結弦「そうすると、
だね」
麻友「両辺に、 を、かけるべきね。
これを、どうするのかしら?」
私「後ろの式で、分子にある を、前に出して、分母分子を、 で割る」
私「シグマ全体にマイナスをかけて、引き算の形にする」
私「括弧を大きいものにして、見やすくする」
麻友「あらっ、何か、見たことのある形。等比級数って、こんなのじゃなかった? 和が」
私「さすが、特待生。
なんだよね。ちゃんと、トライ式高等学院でも、勉強してるじゃない」
麻友「でも、これを使うってことは、逆向きに使うってことね」
私「そう。先に和が求まっているものを、等比数列にする」
麻友「そうすると、 と、 を使って、
となる。一応、さっきの等比級数の和の公式、証明させて」
私「いいよ。
と、和を、 と表しておいて、求めてごらん」
麻友「これの両辺に、等比 をかけるのよね」
麻友「そして、ずらして、引き算する。後ろは、どこまでも同じだから、
が、得られる。だから、
と、和が求まる。 という条件は、十分条件なのよね。 でも、 なら収束する」
私「そこまで勉強してあれば、高校卒業と、胸を張って言える」
麻友「ツェノンのパラドックスは、これの応用だったわね」
私「今頃気が付いてるのかいな」
結弦「最後の計算しようよ」
ということは、
だから、
だけど、これどうすれば良い?」
若菜「もうちょっとよ。 についての和より、 についての和を、優先させるのよ。
そうすると、
となる。ここを、私ができるなんて、幸せだわ。ここに、
と、リーマン・ゼータ関数が、現れる。
で、ここに、
こう、あてはまる。ああ、お父さんが、数学にとりつかれるのが、分かる。奇跡みたいね」
私「上手く行ったようだな」
若菜「はい。
と、リーマン・ゼータ関数が、現れました。もう、感激です」
麻友「数学の感激って、やっぱり凄いわよね」
私「計算機や関数電卓で、計算していても、最後のボタンを押すとき、指が震えることもある。ましてや、手計算の場合の感激は、1度味わったら、病み付きになるよな」
麻友「もう、21時58分よ。今日は、3時28分に起きているのだから、結果の評価は、明日にして、今日はもう寝たら?」
私「分かった。じゃあ、唐突だが、解散」
現在2020年8月21日22時03分である。おしまい。