相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

等式でなく合同式?(その2)

 現在2021年2月8日22時00分である。(この投稿は、ほぼ1820文字)

麻友「今日は、月曜日。戦友の人と、ゼミをしたのね」

若菜「戦友の宿題と、言ってましたけど、結局、何が、宿題だったんですか?」

私「物理学で、超弦理論(ちょうげんりろん)と呼ばれる理論があるんだけど、その理論で、計算したとき、

{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}n^1=0^1+1^1+2^1+3^1+4^1+\cdots}

という足し算を計算しなければならない」

結弦「普通に考えたら、

{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}n^1=0+1+2+3+4+\cdots =\infty}

だから、無限大だよね」

私「そうなんだが、実際に実験してみると、有限の値が、求まる」

若菜「実験事実なんですね。物理学は、実験事実と合わない理論は、受け入れられないのでしたね」

私「一方、一昨日もやったように、リーマン・ゼータ関数{-1} での値は、

{\displaystyle \zeta(-1)=1+2+3+\cdots =-\frac{B_1}{2}=-\frac{1}{6} \times \frac{1}{2}=-\frac{1}{12}}

と、求められる。そこで、物理学者達が、これに便乗しようと、考えたんだな」

結弦「ちょっと待って、リーマン・ゼータ関数{-1} での値というのが、{\displaystyle -\frac{1}{12}}だというのは、本当に正しいの?」

私「そうだ。それが、正しいというのは、数学的に、厳密には複素解析関数論を用いて、証明できる。だが、前にタンジェントテイラー展開を、求めたときのように、留数解析(りゅうすうかいせき)という複素数特有のテクニックを使っていて、数学が得意でない人に取って、『なんか、怪しげな議論』と、思われがちなのだ。そこで、戦友の宿題というのは、

{\displaystyle \zeta(-1)=1+2+3+\cdots =-\frac{1}{12}}

を、松田さんなりに(麻友さんにも分かるように)、説明して下さい』

というものだったのだ」

若菜「いつ頃出されたのですか?」

私「最後に会った、去年の11月23日だと思う」

麻友「それから、ずっと、考えていたの?」

私「ずーっと、考え続けていたというより、折に触れ、ちょっとずつ考えていたんだ」


結弦「そうは、言うけど、お父さんの『等式でなく合同式?』というのは、答えになっているの?」

私「これは、宿題に答えたと言うより、もっと違う見方を、思い付いたんだ」

若菜「どんなのですか?」

私「無限大になってしまうものを、有限の値で、扱いたい。そのとき、もし、もの凄く大きな数を法として、例えば、{p=10^{80}} を、法として、{10^{80}} で割った余りが、{a} と、{b} で、同じだったら、{a \equiv b (\mathrm{mod} 10^{80})} と、表せる、とするんだ」

麻友「{10^{80}} というのは、どういう数なの?」

私「この宇宙にある、全部の原子の個数の大体の値なんだ」

若菜「そうすると、お父さんは、この世界の、全部の原子のことが、分からないと、今ここで、次に何が起こるか、分からないということですか?」

私「ただね、信号の伝達速度は、光速度 {c=2.997~924~58 \times 10^8 \mathrm{m/s}} を、越えないから、余り遠くのものは、すぐには、影響を及ぼしてこないけどね」

麻友「それで、太郎さんが、提唱したいのは、量子力学で、宇宙の原子の個数を、正確に求めることが、残っている課題に役立つということなのね」

私「そう。それが、戦友の宿題へのひとつの解答だ」

結弦「どうなるんだろうね」

若菜「お父さん、ほら吹きだから、どうなることか」

麻友「じゃ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2021年2月8日23時14分である。