現在2021年4月1日18時25分である。(この投稿は、ほぼ2547文字)
麻友「日本が、ここまで寛容になったのは、太郎さんのためよ」
私「今年、50歳になるんだよ。私が、若き17歳の日から、32年かかったんだなあ」
若菜「えっ、何が、許されたのですか?」
麻友「今年になってから、PornHub(ポーンハブ)というポルノサイトが、人道的に見て、よろしくないポルノ動画を、全部削除したのよね。そうすると、残っている動画は、全部合法的で、女子が見ても、恥ずかしくない、優良な動画だということになる。でも、太郎さんって、本当に、臆病よね」
私「臆病というより、慎重と言って欲しいな。実験すると言っても、難しい実験の場合、あらかじめ、予備実験もしておかなければ、ならない」
麻友「あれは、予備実験だったの?」
結弦「あれって?」
麻友「一斉削除が、行われる前、太郎さんは、Googleで、『クンニリングス』と、検索して、クンニリングスしている動画を観ている。それが、PornHub のものだった。太郎さんは、これ見ちゃっていいのかなあと、まったく無修正で、垂涎もののはずなのに、クリトリスを写すところを、見なかった」
結弦「えっ、そんな動画を、普通にネットで、見られるの?」
麻友「どうして、あのとき、見なかったの?」
私「理由は、簡単だよ。『クリトリス周辺が、どうなっているかは、麻友さんに、本物を、見せてもらおう』と思って、楽しみを残したんだ」
若菜「じゃあ、逆に、女の子が、男の人の性器を見られる動画もあるのですね」
私「『『数学』というゲームの企画書(その2)』という投稿で、若菜、怒ってたものなあ。無修正の動画だから、もちろん、観られる。ただ、男の人の性器って、女の人のものより、ただ伸び縮みするだけで、簡単なんだよ。だから、女の人の裸体のように、芸術とはならないんだよ」
麻友「あっ、本当に今回、実験したんだ」
私「そうだよ。女の人の性器を、バッチリ写して、マッサージしている動画、PornHub で、観た(『クリトリス』とググって、動画にして、『それは、完璧なマスターベーションがどのように見えるかです-クリトリスの拷問とおもちゃでオーガズムを振る-オイルマッサージ』というもの)」
麻友「正直な感想は?」
私「あんなに、襞があって、要するに、大陰唇(だいいんしん)の内側の、小陰唇(しょういんしん)が、あんなに立体的に立ち上がっているなんて、思ってなかった。それで、『ああ、こんなにでっぱっているから、女の人、男の人のものを入れられるとき、痛いんだな』と、納得した」
麻友「分かったのね。でも、太郎さんに聞いてみたいわ。今の時代、『ライオンキング』もそうだけど、コンピューターグラフィックスが、もの凄く発達しているのよ。太郎さんが観た動画って、CG だったという可能性は、疑わなかったの?」
私「確かに、女の人の体から何から全部、CG で作っている可能性もあるな、と思ったんだけど、その動画、2,925,076回(つまり292万回)再生されてて、私の目には、人間としか見えなかったから、実験成功ということに、なったんだ」
若菜「一体、どうなったのが、実験成功だったのですか?」
私「セックスというものが、ただ単に、あの中に、陰茎を入れて、射精するというだけの、どうでも良いもので、それをしたいからって、結婚するなんて、気違い沙汰だという、仮説が、検証されたんだよ」
若菜「お父さん、そのことを、検証するのに、32年かかったのですか? 何が、お父さんを、阻んでいたのですか?」
私「結婚するって、すっごく幸せな言葉に、聞こえるじゃない。少なくとも私は、『結婚』=『人生の幸せ』と受け止めていた世代の子供だった。その『結婚』という言葉に、性交という意味も混じっているのは、段々分かってくる。そうすると、性交というのは、もの凄いことが起こるんじゃないかと、期待するようになった。だが、私は、いくらお色気映画を観ても、アダルトヴィデオを観ても、全然楽しそうじゃない。何かが、違うと、思い出した。男の人はやりたがる、でも女の人は挿入されるのは、余り喜ばない。これを、検証しようと思い立ったのは、麻友さんに会ってからだった」
結弦「お父さん、もう結婚したくない?」
私「ここにいる3人に話しても、世代が違うのだが、かつて、グレタ・ガルボという女優さんがいた。恋の噂も多かったのだが、一生結婚しなかった。そのグレタ・ガルボが、年取ってから、
『私は、結婚をしなかったけれど、年老いてみて、老いた夫婦が、身を寄せ合って生きている姿を見て、私にも、連れ合いがいたら、良かったなあと、しみじみ思います』
と言うようなことを言って、彼女を知る世界中の人間が、
『グレタ・ガルボでも、そうか』
と、びっくりしたという話が、あるんだ」
若菜「お父さん、お母さんのことを、強迫しているんですか?」
私「この人は、強迫でもしなきゃ、落ちないよ」
麻友「でも、太郎さんの一番好きな、問題解決ね。太郎さんは、犠牲者が出ないよう、コンピューターでの数値計算で、確かめるという。実際に私を苦しめず、ネット上の動画で、結果を確かめた。若い子供達に、模範として見せられるわね」
私「『日本が、変わるまで、30年かかる。それまで、戻ってくるな』と、言われたらしい」
結弦「誰が? 誰に?」
私「分子生物学の女の人が、医学部の先生にだよ」
麻友「その『日本』って、太郎さんだったの?」
私「そこまでは、知らない。いずれにせよ、私は、麻友さんに会って、この若者にとってのはずの問題に、誠実に取り組み、模範解答を出せた。そのときまでに、32年の月日が流れていた」
若菜「問題の答えが、合っていれば、それでいい。そういうものではないのだと、お父さんから、何度も、学びました」
結弦「拘りすぎるというのも、どうかと思うけど」
麻友「今晩くらい、マッカラン12年で、ダブル一杯、乾杯したら?」
私「おお、良いこと言ったな、麻友さんを好きになってからも、一滴も飲んでなかったけど、じゃあ乾杯だ」
麻友「じゃ、おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
私「おやすみ」
現在2021年4月1日21時20分である。おしまい。