現在2021年7月8日21時02分である。(この投稿は、ほぼ2222文字)
麻友「太郎さん。駆け落ちなんて、一所懸命シミュレートしなくても、いいのに」
私「駆け落ちなんてことに、ならないからかい?」
麻友「逆よ。私達は、本当に、駆け落ちすることに、なるのよ。実際やってみれば、シミュレーション通りには、行かないことだらけに、なるわ」
私「じゃあ、本気で、シミュレートしなきゃ。始めるよ」
麻友さんが、マスクをしてやってきた朝。朝食を、食べた後。
麻友「さあ、持久戦になるのなら、時間はたっぷりあるのだから、色々見せてもらいましょう」
私「実際に、ノーベル賞なんて、無理なんだから、あの投稿は、日の目を見ないから、ここで見せておこう。麻友さんを好きになって間もない、2015年7月11日の、『やっぱり、シャコンヌにしようか』という投稿で、私が、賭けをするじゃない」
麻友「ああ、
冴えている。10分経っても、音符一つ飛ばしていない。
生演奏で、ぶっつづけ15分の曲で、1つもミスをしないなんて、なかなかない。
12分経ったとき、私は、1つ賭けをすることにした。
「もし、前橋さんが、今日の演奏で、シャコンヌに関し、一音も間違えなかったら、ノーベル・レクチャーで、シャコンヌを、弾いてもらおうか。」
という賭けね。あれ、10分とか、12分とか、時計見てたの?」
私「見てるわけないじゃん。あの曲は、1000回以上聴いているんだから、今、何分くらいのところにいるか、大体分かるんだよ」
麻友「そうよね。あっ、その曲を、かけてくれるってわけね。でも、私としては、前にも言ったけど、太郎さんのヴァイオリンを、聴きたいのよ」
私「『モーツァルト交響曲第36番『リンツ』(その3)』の投稿のときの話ね。時間はあるから、じゃあ、のこぎりの目立てを、やってあげようか」
麻友「そもそも、ヴァイオリンは?」
私「スピーカーに寄りかかってる」
麻友「あら、キレイ」
私「弾いてあげてないから、ケースが、傷んでないんだよ」
麻友「なるほど。で、何を、探してるの?」
私「電池」
麻友「サイレントヴァイオリンなの?」
私「そんなニセモノじゃない。電池は、チューナーに入れるんだ」
麻友「前回の電池は、もう切れてるの?」
私「見せてあげるよ」
麻友「ああ、ヴァイオリンケース。ニスの匂い」
私「本物だと分かっただろ。これが、チューナーだ」
麻友「えっ、それ私が見ても、もの凄く素晴らしいチューナーだと分かるくらい、高そうな、チューナー。だって、これ、オーケストラの全部の楽器合わせられるチューナーじゃない?」
私「そうだよ。これ、ヴァイオリンは、25,725円の安物だけど、チューナーは、8,275円で、合わせて34,000円にしてもらったんだ」
麻友「4,000円もしなくたって、チューナーは、十分なのに」
私「これにしたお陰でね、後で色々、分かったんだよ。調律するときに、純正律とか、ピタゴラス音律とか、平均律とか、あるというのがね」
麻友「電池は、残ってる?」
私「ヴァイオリンは、滅多に弾かないから、電池が古くなって、液漏れするんだ。だから、毎回使い終わったら、電池は、取り出しておくんだ」
麻友「チューナーを、大事にしているのは、分かったけど、何時買ったの?」
私「出納帳見ると、2003年2月26日。まゆゆ誕生前だね」
麻友「8歳か。小学校3年生。友達いなかったなあ」
私「麻友さん、友達作るの、下手だったんだなあ。本当に、勘違いしなければ、AKB48に入ったりしなかったんだろうな。でも、入らなければ、私にも出会わなかった」
麻友「うん」
私「差し当たって、1回だけだから、電子辞書の電池使おう。パチン」
麻友「次は?」
私「弦を張る。これ、結構コツがいるんだよ。4本きちんと張るのは、慣れるまでは、大変」
麻友「ふーん。その立ててある木が、倒れないようにしないと、いけないのね」
私「ああ、駒ね」
麻友「弦を張ったら?」
私「弓に、松やにを、塗る」
麻友「なんで、そんな粉だらけにするの?」
私「これ、摩擦を大きくする役割があるんだ。松やに塗ってないと、弓で弾いても、音がでないんだ」
麻友「意味があるんだ」
私「ここからが、メインイヴェント。調弦だ。絶対音感のあるひとなら、チューナーなくても調弦できるけど、普通に優秀な人は、A(アー)線を、チューナーで合わせて、後の弦はそれをもとに合わせる。でも、私は、4本全部、チューナーで、合わせなければならない。でも、これは、これで、楽しい」
麻友「随分、時間掛かるのねえ」
私「ピアノとは違うんだよ」
麻友「調弦も済んで、何か弾いてくれる?」
♪~
麻友「えっ、こんななの? CDなんかのとは、全然違うじゃない。音色からして全然違う」
私「そういうことなんだよ。ヴァイオリンが上手い人というのは、圧倒的に違うんだ」
麻友「分かったわ。太郎さんに、弱点があるのも分かった。今日は、もう22時46分だから、止めましょう」
私「おやすみ」
麻友「おやすみ」
現在2021年7月8日22時49分である。おしまい。