現在2021年7月10日20時16分である。(この投稿は、ほぼ2055文字)
麻友「太郎さんって、頭の回転の速い、天才なのかな? って思っていたんだけど、ときどき、あれっ、ということが、あるのよね」
私「頭の回転は、決して速くない。麻友さんと出会う前の記事だけど、『私のメモ』という投稿に、それが端的に表れている」
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私は、図書室へ行くときも、必ず付き添いの人に、一緒に行ってもらわなければならなかった。
それで、ある時、図書室に他に誰もいないのを確かめてから、
「看護士さんというのは、ホワイトハンドというものをすることがあるって聞いたんですが。」
と言った。そうしたら、狼狽して、
「あっ、良かった。俺、看護士じゃないもん。」
「えっ、なんなんですか?」
「看護助手だもん。」
私は、頭の回転がのろい人間である。この時も、その人が、なぜ慌てたか、分からなかった。
その人は、私が、他に人がいないのを確かめてから、そんなことを言ったので、ホワイトハンドをしてくれと言われたと、思ったのだろう。
私を知っている人なら、私が、男の人にそんなことをしてもらおうなどとは、夢にも思わない人間だと知っているだろうが、まだ入院したばかりであり、その人も、私を知らなかったのだ。
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(『私のメモ』という記事より)
麻友「そうなのよね。普通の人が、気付いて当然なことに、気付かないほど、頭の回転が、のろい。それで、困ったことないの?」
私「言っとくけど、困りまくり。それこそ、今年から大学入学共通テストに、変わったけど、その前のセンター試験で、普通の能力の人であれば、全問合ってなくても、答えられる量なのに、私は、ほぼ全科目、時間が足りなかった」
麻友「数学も?」
私「数学もだよ」
麻友「えー?」
私「こんな話もある。父と勤め始めて、社長が、『ブラインドタッチできないの? 先輩にソフトもらって、練習しなさい』と、言った。それで、先輩に聞いたら、5分間に2000文字打てるようになるという、ソフトをもらった。それで、練習したんだよ。5分で、300文字近く、打てるようになった」
麻友「順調じゃない」
私「それで、私は、満足して、ブラインドタッチの練習は、終了したんだ」
麻友「5分で、2000文字は?」
私「そんなスピードで、手が動くとしても、私の頭の、日本語の処理能力が、そんなのに、付いて行かれないから、意味ないんだよ」
麻友「日本語の処理能力?」
私「父が横で見ていて、イライラして、『お前なあ、エジソンが、あんなに速く、モールス信号打てるようになったのは、今日は、1分に300個だった、明日は、1分に350個にしよう。明後日は、1分に400個にしよう。と、訓練したからだろう。そうやらなきゃ、速くならないな?』と、言ってきたので、説明しても分からないだろうから、『エジソンのように、やってる、やってる』と、答えておいた」
麻友「でも、得意な数学なら、速いんじゃない? 妹さんから、若菜や結弦の前で、凄いことやったって、聞いたことあるけど」
私「それも、同じなの。若菜が小学校6年生くらいで、結弦が小学校4年生くらいのとき(本当は、この年齢の若菜と結弦は存在しないのだが)、実家で、2人の公文を見てあげたことがあった」
麻友「それで?」
私「2人が、『これ、できた』と、答案用紙を、渡してくる。横で、妹が、
妹「見ててごらん。暗算で、もの凄く速く解くよ~」
と、けしかけるので、立ったまま、暗算で連立方程式、解いて、
『結弦、この4番もう一度、計算して』
とか、突っ返す。結弦が、見てみると、確かに間違っている」
麻友「ほら、やっぱり。暗算で、連立方程式、解くなんて」
私「種を明かせば、簡単なんだよ。私は、暗算なんかしてない。小学校4年生が、連立方程式を暗算で解くなんて、まず有り得ない。だから、私は、答案用紙で、若菜や結弦が、手計算している部分を探したんだよ。結弦は、答案用紙のあっちの端から、こっちの端まで使って、係数を書いているが、そんなのが見抜けない私ではない。それで、本人と同じ計算による式変形を見ていって、『あっ、計算間違いしている』という場合は、指摘したというだけなんだ」
麻友「太郎さん。やっぱり天才じゃないんだ」
私「速ければ良い、というものでもないでしょ。でも、頭の回転ののろさでは、随分苦労してきた。今後、駆け落ちするにしても、麻友さんにアドヴァイスもらうことも、多くあるかも知れない。頼むよ」
麻友「お互い、助け合いね」
私「よろしく」
麻友「こちらこそ。じゃ、おやすみ」
私「おやすみ」
現在2021年7月10日22時08分である。おしまい。