現在2021年8月22日20時39分である。(この投稿は、ほぼ8592文字)
私「どうも、駆け落ちが長引いて、演義の問題を見せるという約束が、反故になりそうなので、ここで、一気に見せることとする」
若菜「分からないなりに、どれくらい分からないのか、見てみたかったです」
結弦「大学院入試より難しいって、どういうことですか?」
私「既に見せたのも含めて、きちんと見せよう」
1. を
(実数体),
(複素数体)のいずれかとし、
上の
行列全体
を
と同一視して自然な位相を入れる。以下のものは
の部分位相空間として、第二可算公理を満たす局所コンパクトハウスドルフ位相群である。(ことを、示せ)
,
,
2.i)上の位相群の中でコンパクトなものはどれか。
ii)上の位相群の連結成分の個数を調べよ。
次に、
1. を
多様体。
とする。
に対して
を
で定義する。(
の
における接空間。)
(ⅰ) は
の部分ベクトル空間になることを示せ。
(ⅱ) を
写像で
なるものとする。
を
で定義すると
となることを示せ。
(ⅲ) を
のまわりの局所座標とする。(以下特に断らない限り
のまわりの局所座標は
を満たすものとする。)十分小さな
に対し
を
で定義すると、
は
の基底になることを示せ。
を
と書く。
最後に、
1. を共変関手とする。任意の
に対し線形写像
が定まり、任意の
に対し、
が成立したとする。(すなわち
は
から
への自然変換。)
(i) をベクトル束とする。
を
で定義すると
は準同型になることを示せ。
(ii)ベクトル束の準同型 に対し
が成立することを示せ。(すなわち
は
から
への自然な準同型である。)
2.次のベクトル束の間の自然な同型が存在することを示せ。
(i)
(ii)
(iii)
以上。
麻友「うわーっ」
若菜「『示せ』って書いてあるから、問題であるのは分かるけど、1ミリも、分からない」
結弦「お父さん。これが大学院入試より難しいっていうのを、ちょっと、解説してよ」
私「まずだなあ、ここにある問題のうち、最後の6月末の問題以外は、全部、数学科なら誰でも持っている、
に、説明してあることなんだ」
若菜「えっ、じゃあ、もしかして、お父さんでも、解ける?」
私「問題、 で打ってて、多分こうやって解くんだろうなあ、と思ったりしてた」
結弦「それが、4月と5月の。それで、6月末のは?」
私「出だしに、
を共変関手とする。
と、書いてあるだろ。この関手(かんしゅ)って、見覚えないか?」
麻友「『圏と関手』川口周さんと、1年生で、『代数概論』の目標にしようと言いながら、ホモロジーのところは、飛ばさざるを得なかったと、『1から始める数学』のブログの『現代論理学(その27)』で、書いてある、まさにその圏論よね」
若菜「ああ、ブルバキを、新しく、圏論の言葉で、書き直すのが、1つの目標とか。とにかく、圏論というものは、難しいんだって、聞かされてきましたね」
結弦「大学院入試で、圏論は、出るの?」
私「もしかしたら、出るかも知れない。ただ、良く考えてみてよ。6月末の段階で、大学院入試の一番難しい問題かも知れないものが、もう問題として、出てるんだよ。私は、7月以降は、どんどん精神を病んで、演義の問題すら受け取らなかったので、分からないけど、演義は、1年通しであるんだ。しかも、実は、これは幾何学演義だが、他に、代数学演義、解析学演義A(実解析)、解析学演義B(複素解析)と、全部で、4つあるんだ」
若菜「落ちこぼれないの?」
私「まあ、ここまでは、建前だ。本音を言うと、毎週毎週、出される問題6問くらいを、全部解いてきていたのは、望月拓郎君ただひとりだった。理学部数学科でも、1週間に、1問解ければ、めっけもの。1問も解けなくて、望月君の書く黒板の式を、写しているだけのひとも、何人もいた」
麻友「うふふ、それでー、太郎さんは、どうだったの?」
私「聞きたいだろうなぁ。私が、手を引っ張ってくれてたんだなあ、みたいなことを、書いたけど、実は、3回生の演義のガイダンスは、受けた。そして、私は、幾何学の分野だから(分類として、上野健爾さんは、複素多様体論で、多様体というのは、幾何学なんだ。『一般相対性理論は、幾何学だ』と、言えるのは、多様体を用いて議論をするからだ。)幾何学の問題を、解こうとした。2回生のときから『多様体の基礎』を、読んであり、2回生の後期で、一般相対論で、優を取って、自信があったんだ」
若菜「いいムードですねぇ」
私「ところがね、その最初にもらった問題の1番最初、若菜たちも見てごらん」
結弦「えっと、あの、『第二可算公理を満たす局所コンパクトハウスドルフ位相群である。(ことを、示せ)』って、言うの?」
私「第二可算公理も、局所コンパクトも、ハウスドルフも、位相群も、全部、専門用語なんだけど、一応知ってるけど、それを応用して、具体的に与えられた問題を解く、ということは、それまでしてなかった。ひと言で言って、演習不足なんだけど、問題が、全然解けない」
若菜「あれっ、自信があったのに。そもそも、一般相対論では、試験受けて、優もらっているのに」
私「物理学で使う、数学の使い方と、純粋に数学をやるときの数学の使い方って、かなり、違うんだ。得意だったはずの、多様体の問題が解けず、落ち込んだ。例えば、
2.i)上の位相群の中でコンパクトなものはどれか。
と、2番にあるけど、昔麻友さんに『そのうち出てくる』なんて言った、コンパクトなんだけど、私は、コンパクトの定義も知ってるんだけど、5つのうちのどれが、コンパクトか、証明の仕方が、分からなかった」
麻友「5つって、
,
,
の5つのことなのね?例えば、
というのが、一つの位相群だと、言ってるのね」
私「あっ、分かってなかったか」
若菜「お父さん。そもそも、群という概念は、『数Ⅲ方式ガロアの理論』を読み終わるまで、使っちゃいけないんじゃ、なかったでしたっけ?」
私「そう。そうなんだけど、大学の数学科で、群、使いませんって、水飲めませんみたいな、ことになるから、ある程度は、使わして」
若菜「それより、『『数Ⅲ方式ガロアの理論』のガイドブック』のブログ、もっと進めて欲しいですね」
麻友「本当は、一番欲しいのは、医学機器なのよね」
私「えっ、随分前の話を」
結弦「お父さんが、医学機器を作るために、分子生物学を勉強して、その勉強の成果が挙がって、免疫の問題が解決し、新型コロナウイルスが、消える。というシナリオになってるのに、お父さんが、分子生物学勉強しないから」
私「えーっ、道理で、新型コロナウイルスが、いつまでも蔓延って、なくならないわけだな。そんな、今更、どうすれば良いんだ?」
麻友「ちゃんと、責任取れば?」
私「麻友さん、全然会ってくれないから、土曜日の朝日新聞のテレビ欄に、麻友さんにちょっと似た顔の女の人(浜辺美波さん)が、写ってたので、『もしかして、本人?』と、日テレの24時間テレビ録画して、昨日、『生徒が人生をやり直せる学校』見たくらい」
渡辺麻友(わたなべ まゆ)身長156cm
浜辺美波(はまべ みなみ)身長156cm
私「50パーセントだけ、麻友さんに似てた」
若菜「そういう風に、女の人への愛情を、数値で表したりするから、女の人から、大事にされないんです。お父さんは、ボケてる積もりかも知れませんが、ツッコミようがありません」
結弦「20文字中10文字同じだって、言いたいんだろうけど、そんな考え方、普通の人しないものなあ」
麻友「責任は、取るの?」
私「もし、私が、新型コロナウイルス、倒せたら、一緒になってくれる?」
麻友「なって、あげるわ」
結弦「えっ、聞いちゃったぞ」
若菜「証人ですよ。私達」
麻友「さっきのいいムードだった話の続きは?」
私「問題が解けなくて、そんな落ちこぼれなんて、経験ないから、『じぇーんじぇん、分かりません。先生なんとかして~』という武器があることも知らず、落ち込んで、1回生向けの教科書を、復習したりしているうちに、1週間経っちゃって、演義に出たら、他の子が、なんでもなく、解いている。解いて見せてくれるのを見れば、定義は知っている私だから、何だ、当たり前じゃないか、みたいに思える。来週は、全部解けるだろう、と思って、新しい問題をもらったのを見ると、今度は、正規部分群とか、連結とか、定義は知っているけど、問題で使ったことのないものが、登場して、また、どうしたら、いいんだろう? と、頭を抱えて、1週間経っちゃう。そんなこと、3週間もやったら、演義の時間に、行くのが恐くなっちゃって、サボるようになる」
麻友「えっ、それ、典型的な5月病じゃない。太郎さん、そんなことのために、才能ふいにしたの?」
私「5月病と言っても、良いかも知れない。だが、5月病なら、普通は、なんとかなる。ところが、その一方で、上野健爾さんのゼミの方も、段々似たようなことになる。先生は、『線型代数を勉強してきてください』と言ったが、『線型代数入門』を勉強してあるから大丈夫だと思っていたら、実は、コーディネートフリーな(基底によらない)線型代数で、射影空間、グラスマン多様体、フラッグ多様体などの話になる。私は、『多様体の基礎』を読んであるから、射影空間や、グラスマン多様体は、分かっているのだが、先生は、それの定義は、サラッと済ませ、実際にグラスマン多様体などをつかって、何かをやらせようとする。今でこそ分かるのだが、数学の中で、最も難しいと言われる、代数幾何学というものは、主な仕事が、射影空間(グラスマン多様体の一種)の中にある、部分多様体が、どう変形できるだろうか? というようなことを、調べる学問なのである。最もモニュメンタルな結果の一例を挙げるなら、リンク集の『私の文献』フォルダに納めてある『広中の特異点解消定理の論文』などが、挙げられよう」
麻友「つまり、太郎さんは、定義するところには拘るけど、それを使って、数学の内容を、調べるということに、不慣れだったのね」
若菜「定義というものは、本来、それを使って、何かをしてこそ、意味があるというわけですか」
結弦「久々に、8千文字越え。何か、得られたものがあった?」
私「これは、私にとって、発見だったのだが、上の、
今でこそ分かるのだが、数学の中で、最も難しいと言われる、代数幾何学というものは、主な仕事が、射影空間(グラスマン多様体の一種)の中にある、部分多様体が、どう変形できるだろうか? というようなことを、調べる学問なのである。
というのの、『今でこそ』というのは、本当に今(2021年8月23日22時34分頃)、麻友さんたちに、話していて気付いたことなんだ」
麻友「太郎さん。幸せね。ゆっくり寝て」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
私「おやすみ」
現在2021年8月23日22時39分である。おしまい。