相対性理論を学びたい人のために

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駆け落ちのシミュレート(その32)

 現在2021年8月27日15時59分である。(この投稿は、ほぼ3800文字)

麻友「京都大学演義の問題、確かに、見せてくれたわね」

私「無謀な約束を、してしまった場合を除けば、麻友さんとの約束は、守っている」

結弦「前回のシミュレートは、僕達、いなかったけど、卒業アルバムなんか、持ち出してたね」

若菜「女の人、自宅に連れ込んでも、卒業アルバム見せて、昔好きだった人の話をするなんて、恋愛で、禁じ手ですよ」

私「あの場合、麻友さんが、見たいと言ったからなんだけど」

結弦「そもそも、『昔好きだった女の人に、君が似ている』なんて言ったら、『その女の人の代わりにされる』と思われて、新しい女の人に、振られるというのは、常識だろうけどなあ」

麻友「その『♪夏の恋は実らない、恋愛の本に書いてあったけど、僕の想いは、奇跡を呼ぶだろう』(麻友さんのソロ曲『ラッパ練習中』の中の歌詞)みたいなのを、狙っているのよ、この人は」

若菜「禁じ手を、敢えて使っているんですか。その卒業アルバム、私も、見て良いですか?」

私「まあ、良いよね?」

麻友「うん。娘なんだし」

結弦「結婚する前に、好きだった人の、写真見せるなんて」

私「私が、本当に恵まれた家庭に、育った。というのは、こういうところにも、現れる」

若菜「あの、社長さんの娘さんが、お父さんのお父様を、好きになったので、幼いお父さんを含む、家族4人を、ハイキングに誘って、そのことを、お父さんも、知ってた、という話などですか?」

私「あの話、なんだけど、社長さんと言っているけど、父が勤めていた、会社の、社長さんでは、なかったようなんだ。ただ、お呼ばれしたとき、『ハセさんって、大きな会社の社長さんで、このビルも、ハセビルっていうんだよ』と、聞いたから、社長だったのは、本当なんだ」

結弦「それで?」

私「私が、大学入学後、『量子力学の冒険』持って、お婆ちゃんたちのところへ、行った話は、したよね」

若菜「ああ、叔母さんから、『娘が、医学部、云々』という相談を受けたとか」

私「そのとき、色んな話を、私も話したし、叔父さん、叔母さん、お婆ちゃん、従姉妹も、話してくれたんだ」

結弦「何日も泊まっていた?」

私「5泊か、6泊した」

若菜「それは、時間たっぷりあった」

私「そのとき、今まで、母から聞いてなかった話が、あったのだ」

麻友「お父様の話ね。どういう話だったの?」

私「そのときは、それほど凄い話だと、思ってなかったんだ。慶応大学にも、キュリー夫人みたいな人が、いたという話だったんだけどね」

若菜「えっ、でも、そのキュリー夫人みたいだった人が、お父さんのお母さまだったというオチでは、ないですよね」

私「もちろん、そうじゃない。お婆ちゃんたちの話によると、みんなをまとめて、読書会をやってたんだ。というんだ」

結弦「読書会? 工学部なんじゃないの?」

私「私も、だから、その人は、工学部じゃないんだろうと、思っていた」

若菜「それで?」

私「そのー、つまり、キュリー夫人みたいに、綺麗だったのかなあ、信奉者も多くて、私の父も、その読書会に、参加していた。というんだ」

若菜「全然、話が、見えません。何が、どうなってるやら」

私「当たり前だよ。このパズルのピースが、集まるには、23年かかるんだもの」

結弦「えー、23年?」


私「さて、父が、私の母に、『この読書会に、出ませんか?』という、葉書を送ったらしいんだ。父が、葉書や、手紙書くなんて、よっぽどのことだよ。母によると、結婚までで、父にもらった、葉書や手紙は、その1通らしいからね」

麻友「それで、読書会で、顔を合わせることに、なったの?」

私「もっと、ややこしいんだ。ここは、叔母さんの話なんだけど、お姉さんが(つまり私の母が)、『この人、読書会に、なんて言ってきたけど、断りの葉書を書かなければね』なんて言ってて、妹二人で(母は、3人姉妹の長女である)、『断るんだったら、葉書なんて、出さなくて良いのにねぇ。怪しいねぇ』と、言い合っていたと」

私「さて、そのとき受け取った、ピースは、それだけだった」

麻友「どうなるか、ちょっとこれだけじゃ、分からないけど、ファミリーヒストリーでもできそうなほど、面白そうに、なるのかしら?」


私「お婆ちゃんたちのところへ行ったのは、1992年の最初。それから、23年経った、2015年に、何が起こったのか?」

麻友「あっ、私を、好きになった年」

若菜「えっ、そんなピースが、必要なんですか?」

私「今回は、麻友さんは、出る幕はない」

結弦「何が起こったんだろう」

若菜「お父さんが、退院してきた年ですが、精神科から」

私「この年、北里大学大村智(おおむら さとし)さんが、ノーベル生理学・医学賞東京大学宇宙線研究所の梶田隆章(かじた たかあき)さんが、ノーベル物理学賞、を受賞した」

若菜「ふたりとも、男のひとですしー」

私「そのノーベル生理学・医学賞の受賞が伝わった日の、夕方遅く、母が、珍しく電話してきたんだ」

麻友「普通なら、メールよね」

私「『読売新聞の、夕刊なんて、手に入らないわよね』と、言うんだ。『いつものコンビニには、夕刊はないけど、あっ、でも、駅前のニュー・デイズだったら、あるかも。行ってみるよ』と言って、家を出た」

結弦「ノーベル生理学・医学賞ということは、大村智さんのことなんですか?」


私「何が、必要なのか、分からないが、駅前のニュー・デイズまで、来てみると、確かに、読売新聞の夕刊がある。取り敢えず買ってから、どの記事を読みたいのだろうと、読み始める。すぐ分かった。大村智さんの共同研究者だった人が、もう亡くなっているので、大村さんが、遺影を持って行った。という記事だろう。この女の人、どういう功績があったのだろう?」

麻友「女の人? その共同研究者って、女の人なの?」

私「世界中で大村先生が採取して送ってくるサンプルから、微生物を分離して、エバーメクチンなど、役に立つものがないか、実際に実験していた人。後輩や弟子の指導にも、厳しく、かつ温かい人だった」

若菜「そういうことか」

私「私は、その人の、功績ばかり、考えている。母に、届けて、


私「この記事のためだったんでしょ」

母「『るいこさんの写真が、載ったよ』って、電話があったから」(ここでもまだ、私は、気付いてない)

私「厳しい人だったんだってね」

母「あー、うん。キュリー夫人みたいな人だったから」(ここで、私の中で、やっと最後のピースが、嵌まった)

私「あ、そっか、その人のことなら、昔、お婆ちゃんから、聞いたよ。ノーベル賞って、誰でももらえるわけでは、ないからね」


そして、お婆ちゃんたちから、23年前に聞いたことを、振り返りつつ、帰宅したんだ」


麻友「その人のこと、ネット上にあるかしら?」

www.nikkei.com

私「これにチラッと、大岩留意子博士、とあるんだけど、私が、新聞で読んだときは、黒岩留以子さんと、なってた」

若菜「あっ、意 と 以 ですか。黒岩は、旧姓かも知れませんね。もう亡くなっちゃってると、難しいですね」

私「昔の、しかも亡くなっている人のことまで、全部、計算に入れていたら、新しいことには、進めない」

結弦「でも、どうして、キュリー夫人って、言われるまで、気付かないの?」

私「父たちの言っている、キュリー夫人みたいだった人というのは、読書会なんか開いてるってことは、文学部か何かだったんだろうと、勝手に思っていたんだよ。名前も知らなかったし、その後気が狂ってるし、精神科に入院もして、それで、23年後に、新聞記事と、母の『キュリー夫人』という言葉だけで、記憶が蘇るって、人間の脳の、耐久テストしているみたいだよ」

麻友「確かに、23年経っているのね。でも、昔のことの方が、思い出せるそうよ。年取ると」

私「意地悪なこと言うね。まあとにかく、これくらい、温かい家庭を、父と母は、築いたんだ。その、本当なら、トップバッターだったはずの、私という息子も、3番目だけど、温かい家庭を、築けるはずじゃない」

麻友「太郎さんのお父様か。確かに、読書会に出るって、今でも、分子生物学や化学の本以外も読んでる。文芸春秋すら、太郎さんは読まないけど、お父様は、読むものね。きっと、折角の才能が、薄まっちゃったのよね」

私「今度は、温かいことを言うじゃない。でも、薄まっちゃった、というのは、良く思うんだ。何でもできたノイマンは、置いといても、アインシュタインにしても、モーツァルトにしても、専門バカじゃないと、人並み外れたことは、なかなかできない。普通じゃ、駄目なんだよ」

麻友「黒岩留以子さんは、惜しいことをしたわね。さあ、今晩は、エアコンかけて、温かくして、寝るのよ。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2021年8月27日22時33分である。おしまい。


 翌日に付けた注.

 インターネットは、記事を書くと、それを、ディープラーニングで、学習して、次の人が、検索したとき、ヒットするものを、変えるのか?

 とにかく、新しいページが、見つかり、大岩留意子さんの方が、正しい漢字だったことが、分かった。新聞に載っていたのは、この写真である。文字をクリックすれば、下の方に載っている。

katosei.jsbba.or.jp

 以上