相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

問題19,20出題

 現在2024年10月12日1時20分である。(この投稿は、ほぼ2954文字)

麻友「変な時間ね」

私「寝そびれたんだ。ちょっとパソコンを触って、眠くなったら寝る」

結弦「久し振りに、問題だね」

若菜「どんな問題でしょう」

私「こうしてみた」


 問題19

 時間 {t} の関数、{T=\varphi (t)} が、あるとしよう。例えば適当に、{\displaystyle \varphi(t)=t^6+e^{t^2}+\frac{1}{t}-\log{t}} など。ここで、 {\mathbb{R}^3} が、3次元の空間(実数直線が、3本直交しているという意味)だとして、時間と共に、3次元の空間を動いていく点を、考える。{xyz-}座標を、{(x,y,z)=(X(t),Y(t),Z(t))} と、3つの関数で、表されるように、その点が、動くとする。さて、3次元の各点には、温度が分布しているとする。そうすると、ある時刻 {t} に、その点のいる場所での、温度が、{T=\varphi (t)} と、表されても、良さそうである(そういう関数を、{T=\varphi (t)} とするのだ)。このとき、{\displaystyle \frac{dT}{dt}=\frac{d\varphi (t)}{dt}} は、その点が移るに連れての、感じる温度の時間での微分である。
 さて、ここからが、本題である。
 {\displaystyle \frac{dT}{dt}=\frac{d\varphi (t)}{dt}} で、そのそれぞれの点の各 {xyz-}座標が、{(x,y,z)=(X(t),Y(t),Z(t))} なのであるから、ちょっと細工をして、{T=\varphi ((X(t),Y(t),Z(t)))} と、できないかと、考える。厳密には、{\varphi} は、{t} の関数だったのであるから、{\varphi(t)=\varphi_0((X(t),Y(t),Z(t)))} と、新しい関数 {\varphi_0(x,y,z)} を、考えることになる。結局 {\varphi(t)=\varphi_0((X(t),Y(t),Z(t)))} を、{t} で、微分したとき、どうなるかを知りたい。
 初めに書いたように、{\displaystyle \varphi(t)=t^6+e^{t^2}+\frac{1}{t}-\log{t}} であるから、これを、{t} で、微分すれば、良いのだ。
 ところで、{\varphi(t)=\varphi_0((X(t),Y(t),Z(t)))} であったから、例えば、{\displaystyle X(t)=t^6+e^{t^2},Y(t)=\frac{1}{t},Z(t)=-\log{t}} という場合、を、考えよう。一変数の場合(今、{x}軸 だけ考えよう)、合成関数の微分法の、一変数の場合が適用できるか試したい。合成関数の微分法とは、{\displaystyle \frac{dT}{dt}=\frac{dT}{dx}\frac{dx}{dt}} と計算できるというものであった。左辺が、{\displaystyle \frac{dT}{dt}=(t^6+e^{t^2})’=6t^5+e^{t^2} \times 2t ~~~~~(\sharp)} となる。一方、右辺のように、{x}-軸を混ぜて考える場合、{\displaystyle \frac{dT}{dt}=\frac{dT}{dx}\frac{dx}{dt}} の右辺を計算したいのだ。{\displaystyle T=X(t)=t^6+e^{t^2}} だから、厳密には、{x} と、{X} という違いはあるが、意味を汲んで、{\displaystyle \frac{dT}{dx}\frac{dx}{dt}=\frac{dT}{dX}\frac{dX(t)}{dt}} と書き換えられて、{\displaystyle T=X(t)} だから、{\displaystyle \frac{dX}{dX}\frac{dX(t)}{dt}=1・\biggl(\frac{d(t^6+e^{t^2})}{dt}\biggr)=6t^5+e^{t^2} \times 2t ~~~~~(\flat)} となり、{(\sharp),(\flat)} より、{\displaystyle \frac{dT}{dt}=\frac{dT}{dx}\frac{dx}{dt}} が、成り立っていることが、確かめられる。合成関数の微分法の1変数の場合の具体例を、1つ確かめたことになった。分数のように、約分するだけで証明できたとして、良いじゃないか? と、考えている人も多いだろう。
 一変数の場合は、それで、済まされる。だが、ここで、{xyz-}座標を、考えているように、多変数の場合は、もっとややこしくなる。{\displaystyle \frac{dT}{dt}=\frac{\partial T}{\partial X}\frac{d X(t)}{dt}+\frac{\partial T}{\partial Y}\frac{d Y(t)}{dt}+\frac{\partial T}{\partial Z}\frac{d Z(t)}{dt}} と、約分したら、3倍になるのではないかと思えるような、式になる。これが、連鎖律(れんさりつ)(chain rule)と呼ばれる定理である。
 上で、意地悪して、{\displaystyle \frac{d(e^{t^2})}{dt}=e^{t^2} \times 2t} の証明をしなかったが、この証明は、連鎖律を用いてなされる。今回の問題では、連鎖律が成り立つことを、証明せよ、とまでは、言わない。実際に、3次元なら、3つ足したものが、1個の微分と、一致する例を、作ってみよ。というのが、問題である。


 問題20

 こちらは、軽い問題とする。アンドレ・ヴェイユの著作に、“Basic Number Theory”(数論の基礎)というものがある。非常に有名な本なのだが、私はまだ読めない。この本の中では、整数と言った場合、ある微妙な条件を満たす数を指す。そして、普通の整数は、有理整数と、呼ばれる。有理整数より意味の広い整数は、何と呼ばれるのか? ネットで調べても良い。

 おまけの問題

 アンドレ・ヴェイユ自伝

のあとがきに、訳者が、

『単純な半生を聞かれるがままに答え「もう43歳…」とつい口をすべらせると「2倍以上だよ」と87歳のアンドレは言い,私は「計算が速いですね」という,とんでもない失言をした.』

と書いている。どう、失言だったのか、想像して楽しんで欲しい。


私「今日の問題は、ここまで。おやすみなさい」

 現在2024年10月12日4時26分である。おしまい。