現在2012年06月03日07時10分である。
昨日は、このブログで4月10日に予告していた、「重力をめぐる冒険」の講義を聞くために、新宿まで行ってきた。結論から言うと、非常にたくさんの収穫があった。
大栗先生の、講義も面白かったし、質問してみようと思っていたことにも、答えてもらえたし、講義の後に、ブログでの知り合い達と、オフ会をやって、そこでも収穫があった。
まず、大栗先生の講義に関して、書いておくと、一般相対性理論や、量子力学の説明は、私にとっては、分かって当たり前なのだが、先生は数式は使わず、色々なたとえを使って、直観的に分かるような、話をされていた。
宇宙が膨張しているとき、どこが中心で広がって行っているかということは特定できず、どこを中心としても、観測事実と合うということの説明では、前回もやったのだそうだが、ここに写真を入れる白いゴム紐に黒のマジックペンで、銀河をあらわす丸を書いたもので、それを私に一方を持たせて、ご自分が引っ張りながら、話された。
携帯のカメラが感度が悪くて白い紐が茶色になってしまっているのだが、大栗先生のブログが後ろに写っているのが分かるだろうか。なぜ私が選ばれたかというのは、非常に興味を持っている授業ではいつもしていることだが、先生のすぐ前の席に座っていたからである。講義の始まる1時間前に行って、場所を確認した後、お昼御飯を食べに行って、30分前くらいには開場前から並んでいたのである。いかに私が今日を楽しみにしていたかが分かるだろう。
後でオフ会を一緒にやったとねさんも私の隣に座ることになった。とねさんも並んでいたそうである。
さて、一般相対性理論の話が済んで、先生が休憩を入れてくれたので、私は、以前このブログで問題になった、宇宙の膨張に関する質問を先生にしてみた。
==== その問題というのは、このブログの2008年11月17日の「現在の幸せ」という投稿のコメント欄で始まったもので、その後、2008年12月12日の「親友2人による37歳の誕生会」という投稿のコメント欄で、一応決着が付いていたが、私が2011年7月27日の「光速よりも速く遠ざかる銀河」という投稿で新しい解釈を書き加えていた問題だった。
大栗先生に
「子供の図鑑などに、『光速を越えて遠ざかる銀河は観測できなくなります。』と書いてありますが、あれはどうしてですか?」
と、尋ねると、
「それは、ドップラー効果というのがあって光がひきのばされるからです。」
ここまでは、予想の範囲内。
「でも、それが、光の速さを越えた瞬間に起こるのですか?」
「光の速さというか、観測機でどこまで測れるかですね。」
そこで観測機を持ち出されると、そもそも光の速さになっていないものも見えなくなるなぁ。と思い他にも先生は何通りか説明をしてくださったが、私には、先生に逃げられてしまったように感じた。
だが、オフ会も終わって帰りの車中で、電車が混んでいて座れないときにヘッドフォンステレオで、大好きな「エロイカ」を聴き始め第4楽章くらいに来た頃、
「あっ、それでいいんだ。」
と、気付いた。
私は、時空の構造のことばかり頭にあったが、そもそも、観測機で、捕らえられないものは、見えないのだ。光の速さで遠ざかっていなくても、見えないものは見えないのだ。小学生が読む本だから、
「これ以上速くなるともう見えなくなるのです。」
というとき、
「光の速さになると見えなくなります。」
といっているが、
「その天体が、現在のレヴェルでは、これ以上は無理なんです。」
ということでもあるのだ。そこで小学生に言っているのは、
「もっと遠くを見たいでしょ、技術を高めてくれる人を、科学は求めているのです。」
というメッセージなのであろう。
第一その天体の写真が撮られたとき、その天体はもうとっくに光の速さを越えてしまっているだろうし。
第二に私が、「光速よりも速く遠ざかる銀河」で描いた絵のように、もう永遠に光が届かないところへ行ってしまっているのだろうから。
これに気付いて、私は、やっぱり質問して良かったな。と思った。
さて、大栗先生の講義の後半は、ホログラフィーの話が特に面白かった。
質問時間も結構手が挙がってそれにも答え、最後はサイン会もしてくれて、サービス満点であった。
とねさんは、
「後のオフ会に先生もきたかったんじゃないかな」
と、言っていたが、差し当たって6人でオフ会に向かった。
オフ会以後のことは、明日以後に書くことにする。
今日はここまで。
現在2012年06月03日13時50分である。おしまい。