現在2008年3月16日15時43分です。
前回書いた、予備校の面接を昨日受けてきた。
その時、模擬授業もあった。
あらかじめ、6問の問題を渡されていて、その中から、何問かを解くことになっていた。
その中の問題に、次のようなものがあった。
tが実数全体を動くとき、直線
の通りうる範囲Wを図示せよ。
この問題を解くとき、多くの受験生は、少しグラフを書いたりすることをした後、次のように解くのだろう、ということに、面接のあった、昨日の15時から23時間も経った今になって、やっと思い当たった。
まず、xがある値のとき、yがどこまで上昇するかを見る。
と置き、これをtについて微分する。
だから、
の時、最大になる。
従って、厳密には、増減表を書いた上で、
が、最大値となるような、部分がWであるということが分かる。
すなわち、放物線
の下の部分がWということになるのだ、と答えればよいのだ。
私は、今日の朝から、布団の中で、ずっと考えていて、やっとこの解答に思い当たって、
「ああそうだったのか。」
と、納得した。これが普通の解答だったのだな、と。
私はこの問題を渡されて、家で考えていたとき、多少は、鉛筆を動かして、グラフを書いたりはしたが、問題文にある、「実数」という言葉に触発されて、次のような解答を思い付いていた。
直線
の式を、
という2次方程式に変形して、これが、tについて実数解を持つ必要十分条件。すなわち、判別式
が、Wとなる。
というわけである。これでも、
となるから、答えは同じである。私は、黒板に実質的に、2次式を2本書いただけで、答えを出してしまった。
それに対し、面接官の先生が、
「どうして、tについての2次式と、考えたのですか?」
と、質問してきたのだ。
私としては、こんな易しい問題について、他の方法を思い付くことが出来ず、さらっと、通り過ぎてしまっていたので、面食らった。
「そうですねえ。」
と言って、色々言ってみたものの、説明にはなっていなかった。
だって、私にとって、tの2次式と見る、というのは、余りにも当たり前のことに思え、それ以外に思い付かなかったのだもの。
そして、面接が終わって、帰ってきてから、
「あの先生は、私からどんな解答を求めていたのだろう。」
と、ずっと悩んでいたのだ。面接の最後に、
「どういう解答を期待していたのですか?」
と、聞けば良かったなあ。なんて思っていた。
それが、今日、起きてから布団の中でずっと考えていて、やっと、他の解答を思い付くことが出来て、
「ああ、私の解答が、ある意味。飛躍していたのだな。」
と、分かったのだった。
中学生や、高校生の、特に、数学の出来が余り良くない生徒に教えるということは、こういうギャップがあってはいけないのだな、と改めて感じた。
私にとって、ギャップでなくとも、彼らにとって、ギャップであることはあり得る。
やっぱり、教えるということは、学ばされることだな、と痛感したのであった。
今日はここまで。
現在2008年3月16日16時41分です。おしまい。