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相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

ようこそ諸君

このブログの見方

 ようこそ私のブログへ

  この一番上の投稿のみ投稿時間を意図的に2018年12月31日に設定してあるので、常に一番上に表示される。2017年1月1日に2019年にシフトするつもりなので、半永久的に、最上段に表示されることになる。  

 

 これ以外の記事は、左の『ブログ内検索』に、キーワードを入れて、検索してほしい。かなり、検索能力は高いので、短い単語でも、大丈夫である。

 

 いくつか、私らしい、特徴の出た投稿があるので、それに対しては、常にコメントを受け付けやすいようにするためにこの措置を講じた。 

 

 これは、「a 女性科学者のスペース2」のsachiさんのブログで、「博士号の意味」という投稿を常時コメント可能にしているのを見て、思いついたものである。  差し当たって、今思い出せるものを並べておく。

 

 

★-7.なぜすばる望遠鏡を作らなければならなかったか(目の見えない人にものを見せるには)

 

★-6.小学生に選挙権を (1番恥ずかしい思い出と共に)

 

★-5.SONY許せぬと書きたかったが1(テロを未然に防ぐ方法)

 

★-4.SONY許せぬと書きたかったが2(逆アセンブルなんて言葉どこにある?)

 

★-3.SONY許せぬと書きたかったが3(少女よ、少年よ、アセンブラと等価になるコンパイラを作れ!)

 

★-2.SONY許せぬと書きたかったが4(勉強で、分からないことがあったら、どうすればいい?)

 

★-1.北上田君の思い出(科学はこう進め!)


★0.
さらば一般相対性理論(このブログに意義はあるのか?)

★1.
一般相対論の勉強法(分かろうとする努力が報われる方法)

★2.アインシュタインのくれた夢(1,000光年のリゲルに生きているうちに行けるか?)

 

★3.夢は実現してこそ相対性理論は、相対的というが、絶対的に効いてくる)

 

★4.相対論への招待(私の探検してきた相対性理論

 

★5.太宰治も役に立つ(それは、明治の恋愛だわ)(ドラえもんのブログの記事)

 

★6.私の役目(幸せな結婚をした家庭にも訪れる危機)

 

★7.社会を良くするにはどうすれば良いのか(生まれかわったら何になりたい?)

 

★8.相対論への招待(その2)三平方の定理を使えるか)

 

★9.お金を克服ニュートンの奇跡)

 

★10.相対論への招待(その3)(時間が遅れるって、それが理由?)

 

☆12.この世界の本当の姿は?3(努力で世界は変わるか?)(復活中)


★13.
解析入門Ⅰを読んでいるだけで十分勉強になる(正しくない命題の中には、正しくないということを誰にも証明できない命題がある)

★14.
順序に入り♪(数学において正しいとはどういうことか)

★15.『解析入門Ⅰ』§3問題5)
(この問題の完全解を作成中です)

★16.
「気違い」の定義統合失調症とは?)

 

★17.理論物理学者として(男の子達が、みんな喜ぶのにどうしてしちゃいけないの?)

 

☆18.分かりにくかったのだろうか(1~6,1~10)(私がどう気違いであるか)

 

★19.エイブラハム&マールスデン&ラティウに到達している統合失調症の妄想とはここまで広がる)

 

★20.神様(この世界には、「選ばれた人」が、いるのか)

 

★21.不協和音を不快に感じる理由(神様がいなくとも、この世界は、美しくなる)

 

★22.2人の素敵な女の人(ここが、渡辺麻友さんとの原点)

 

★23.傾国(天才というのは、無報酬でも努力できる人)

 

★24.『感情をなくした』心に響く言葉(皆、自分だけだと思っている)

 

★25.麻友&太郎という公認カップル (愛されていれば、ここまでできる)

 

★26.キスにも色んなキスがあるんですね渡辺麻友さんの心まで欲しいという人には、麻友さん自身を、麻友さんが耐えられるまで、一時、身近に行かせてあげるよ)

 

★27.先輩として叱る必要があるか(後輩との接し方)

 

★28.麻友さんの愚問(大先輩なら)

 

★29.ハグされちゃった (私にもガール・フレンドがいたことがある)

 

★30.私とエロイカ(なぜ私のペンネームがEROICAか)

☆31.私のメモ横浜市立みなと赤十字病院とは、こんなところだった)

 

★32.宇宙の外に出られる看護婦さん(柔軟な発想と読書)

 

☆33.やっぱり、シャコンヌにしようか前橋汀子さんとウィーン・フィルの共演を求む)

 

★34.最高の便箋(コンサートでのマナー)

 

★35.レオナルド・ダ・ビンチを真似てはいけない(リーマンゼータに関する私の数学の最前線の1つ)

 

★36.シュールですね(これを、数式ではなく、絵だと思ったのだな)

 

★37.「やっほー」の効果超越数の独立性に関する私の数学の最前線の1つ)

 

★38.はやぶさまゆゆか、はやぶさか)

 

★39.はやぶさ(その2)(映画『はやぶさ/HAYABUSA』の解説)

 

★40.はやぶさ(その3)(初めて、1回だけ1位になったきりAKB48を去った人)

 

★41.はやぶさ(その4)(それが、イトカワの微粒子か)

 

☆42.宇宙の年齢を求める(その1~その9)(ハッブル定数からの計算法を説明しました)

 

★43.IH(アイ・エイチ)調理器のこと(古典論で磁石とは相対論的現象だ) 

 

★44.ハイゼンベルグの先見の明(乱流は量子論的効果か?)

★45.
私が数学を信奉する理由(9.11はテロではない)

 

★46.欽ちゃんみたいな人に会いにいったら? (天才を目指す人へ)

 

★47.私の憧れの人(私はどんな人間になりたいか)

 

 

 

 以下は、女の人のところへ来たドラえもんというもう一つのブログの記事

 

★1.最初に種明かしします量子力学の使い道)

 

★2.右がどっちか答えるまで10分かかる少年(覚えている限り一番昔の事)

 

☆3.躍るアトム(その1~その5)(原子ってどれくらい小さい?)

 

★4.たのしい算数(数学の天才のつくり方)

 

☆5.持ち上がった卵(その1~その5)(人生最初の実験)

 

☆6.1から始める数学(その1~その15)(1から0をつくるまで)

 

★7.相対性に破れたスパイ作戦(ひらがなしか読めない子にこんな本無理か)

 

★8.相対性に破れたスパイ作戦(その2)(小学校1年生の私は何を見たのか)

 

★9.解ける謎は解こう(ブログのアクセス解析の謎)

 

☆10.謎、解けたよ(その1~その6)(すべて正直に公表することの大切さ)

 

 

 

   ★は、それだけで単独の投稿。☆は、その話題を論じた中で、中心となる投稿へのリンクであり、他のいくつかの投稿と関係があることを示す。

  コメントは、いつ行っても良い。よっぽど大量にコメントされない限り、なんらかのレスポンスはするつもりである。

  ワンクリック詐欺につながるようなコメントがあった場合を除き、基本的に、コメントはすべて残す。

  自由に書ける代わりに、下らない中傷を書いたりすると、永遠に残るので、後で恥ずかしくないよう、それなりに節度は守った方が、ご自分のためでしょう。

  それでは、炎上されるのは困るが、活発な議論をする分には、何度コメントされても良い。

  誠意のある熱心なコメントには、私としても、200字以上の誠実なレスポンスを出来るはずである。
  では、よろしく。

  追記  一時、このブログが、閉じられていた間に、2008年04月28日の「中島みゆきファンに捧ぐ」という投稿から、2009年07月04日頃の投稿までが、電子データから、削除されました。

 このブログを再開する際、電子的にバックアップを取ってあったものが、2008年04月28日までだったので、そこまでしか、まだ、復旧できておりません。

  しかし、私の家には、紙に印刷した形で、2009年04月18日までの投稿、および、コメントが、残されています。これ以前のものは、コメント者のリンクは復元できませんが、コメント本文は、復元できます。

 従って、皆さんが、心を込めて、コメントしてくださったものは、ほとんど、復元できます。  また、一度ネット上に流れた、データですから、本来なら、全部、どこかのハードディスクに記録が残っているはずです。

  私が、もっと有名になって、私の過去が語られる際には、その完全復刻版のブログが、公開できると思われます。

   それでは、よろしく。

2009年12月28日4時54分追記しました。
2015年8月5日3時43分一部改訂しました。

 

相対論への招待(その6)

 現在2017年3月12日21時24分である。

 前回は、恐ろしい話になったね。

「太郎さん。私の子供が欲しい人には、卵子あげちゃえばいい、なんて言い出すんだもの」

 私ね、人類は、生き方変えるべきところに、来てると思うんだ。

「また、オーバーなことを」

 幸い、現在は、世界中のほとんどの地域が、平和だ。

「それは、ウソではないわね」

 そして、先進国では、少子高齢化が進み、先進国の人口は、減ってきている。

「それも、確かだわね」

 世界全体の人口は、現在(2017年)ほぼ73億人だそうだ。

 私が、小学校6年生の頃(1983年)には、ほぼ46億人だった。

 麻友さんが産まれた1994年には、56億人だった。

 麻友さんが、AKB48のオーディションに受かった2006年には、65億人だった。

 子供が、減ってきてるのに、どうしてこんなに人口が増えるんだろう。

「それは、発展途上国で、子供がどんどん、生まれてるからでしょう」

 そうなんだよね。

 産んだ子の3割とかが死んじゃう国で、見境もなく、子供を産んでるからなんだよね。

「『見境もなく』だなんて」

 いや、そうなんだよ。ああいう国の男の人は、避妊具なんて、見たことないし、そもそも、

『育てられない子供は産まない』

という当たり前なことが、頭の中にないんだ。

「それを、教育のないせいだと言いたいの?」

 ある意味、教育だけど、道徳と言っても良いかも知れない。

「太郎さんは、ああいう発展途上国の人に、道徳を授けようというの?」

 私は、現在の先進国の人の道徳からして、間違っていると思う。

「例えば、どういうふうに?」

 まず、簡単な例をあげると、今、アフリカとかインドとかで、子供を産むということについての道徳が欠如しているために、10年でほぼ10億人ずつ人口が増えるなんてことになってる。麻友さんが生まれた1994年からでも、17億人増えている。これは、重大な問題だ、と言っていながら、解決できるのに解決してないというのは、道徳的に見て、間違ってないか?

「解決できないから、解決してないんじゃない?」

 解決できるよ。

「根拠もなく」

 根拠あるよ。

 麻友さんと以前計算したように、私を育てるのに父母は、45年間で、5千万円かけた。

 つまり、大体1年に100万円だ。

「そうだったわね」

 私の姪が、中学受験した話はした。

 その学費を見ていると、寮に入ると年間200万円くらいかかるようだ。

「太郎さんと計算した、5千万円って、過剰な見積もりじゃないのね」

 うん。私も、調べてみて、びっくりした。

 予備校には通ったけど、小学校から大学まで、ずっと公立だからね。私は。

 お医者さんの息子とか、社長さんの娘でもなきゃ、のんきに私立で、ずっとなんて、無理なのかもね。

「それで、人口爆発を止められるという、根拠は?」

 1人の人間を義務教育1年受けさせるのに、100万円かかるというわけだ。

「分かった。1年間に増える1億人、全員に、少なくとも9年間の、義務教育を受けさせるには、いくらかかるかを、計算しようというのね」

 さっすが、特待生。

「100万円かける1億人。こんなのどうやって、計算するの?手書き?」


 前、ちょっと話した、ログというものを、教えてあげよう。

「あっ、{\log}ね。トライ式高等学院で、ちょっとだけ習った」

 素晴らしいね。ログって、どういうものだった?

「えっとね。すっごく親切な先生が、分かり易く教えてくれたから、覚えてるんだけど、{\log_{10}10^n=n}というのだけ、覚えていれば良いのよ」

 そうだね。

 じゃあ、例えば、

{\log_{10}10^6=}

は?

「こんなの簡単よ。

{\log_{10}10^6=6}

だから、6よ」

 じゃあ、それを応用して、100万円かける1億人、計算してよ。

「えっ、そういうことに使うの?」

 ログ、つまり対数というものは、かけ算や割り算を楽に行うために、発明されたようなものなんだよ。

「いつごろ?」

 いつもの『代数学辞典 上』を、見てみると、3次方程式のカルダノの解法と、同じ頃、発表されてる。

「本当は、『カルダノの解法』じゃなくて、『フォンタナの解法』なんでしょ?」

 私も、そう思ってた。

 ところが、次の本の『6.4節 代数方程式を解く』を読んでたら、

『S. del Ferro は,3次方程式の解法を1515年に発見したといわれている.』

と、書いてあった。

楕円関数論―楕円曲線の解析学

楕円関数論―楕円曲線の解析学

「えっ、じゃあ、『フェローの解法』か、『フォンタナの解法』か、『カルダノの解法』か、はっきりしないじゃない」

 この部分の歴史は、すごく面白いから、『代数学辞典 上』の該当箇所を、全部、写してあげるよ。

代数学辞典 上―問題解法

代数学辞典 上―問題解法

(1052ページから)

 3次方程式の代数的解法を初めて研究した人はイタリーのフェロー({\mathrm{Ferro,\ 1465 \ \sim \ 1526}})である.彼はボロニア大学の教授で

{x^3+bx=c}

の形の方程式を解いたといわれている。その解法は公表されていないのでわからないが,これを門人フロリドには教えたらしい.しかし当時秘伝の風が盛んでくわしいことは何も知られていない.

 これからこのフロリドとタルタリアとの間に3次方程式解法についての有名な論争が起こるのであるが,それについて語るには,まずタルタリアの生い立ちから述べなくてはならない.

 タルタリア({\mathrm{Tartaglia,\ 1506?\ \sim \ 1557}})は本名をニコロ・フォンタナといい,イタリーのブレッシアに生まれた.1512年彼がまだ幼なかった時,ブレッシアの町はフランス兵のために占領されて,父は殺され彼は口に負傷を受けた.幸いに母の看護によって傷口は直ったが,その後十分に発音することができなくなった.それでいつしか彼はタルタリア(イタリー語で吃り(どもり))とあだ名でよばれるようのなった.その後彼は貧困の中から辛うじて学校に通い,刻苦勉励の結果ベニスの学校の数学教授になった.

 1530年頃にブレッシアにコウという名の数学者がいてタルタリアに2つの3次方程式

{x^3+3x^2=5 \ \ ,\ x^3+6x^2+8x=1000}

を解くように命じた.はじめ彼はこれを解くことができなかったが,1535年には

{x^3+ax=b}

なる形の方程式は解けるようになった.タルタリアはそのことを秘密にしていたのであるが,これを知ったフロリドは彼に試合を申し込んだ.そして試合は1535年2月22日ときめられた.

 初めタルタリアは楽観していたが,間もなく相手が確かにフェロー教授から聞いてその解法を知っているとの情報を得たので,万一負けるようでは不覚であると,一大勇猛心を起こして3次方程式の完全解に没頭した.その結果,試合期日の10日前にようやく一般解法を発見したので,勇躍して試合に臨んだ.

 試合の当日は双方から30題ずつの問題が提出され,それを50日以内に1番多く解いたものが勝ちと定められた.タルタリアは提出された問題{\mbox{――}}その中には{x^2+ax=b}の形の問題があった{\mbox{――}}をわずか2時間で解いてしまったが、相手は1題も解けなかった.

 彼が勝ったとの報が伝わると,方ぼうからその解法を教えてくれと懇請してきた.しかし彼は,これからかこうとする代数学の本の中でこれを公にするとの理由の下にすべてを断わった.

 ところがミラノに住んでいたカルダノ({\mathrm{Cardano, \ 1501 \ \sim \ 1576}})は1539年に秘密を厳守することを誓い,初めは隠語で,後には説明つきでその解法を教わった.その解法というのは

{x^3+ax=b}

において

{\displaystyle u-v=b \ ,\ uv=\biggl(\frac{a}{3}\biggr)^3 \ \ \cdots}

とおけば

{a=3\sqrt[3]{uv}}

であるから,与えられた式は

{(\sqrt[3]{u}-\sqrt[3]{v})^3+a(\sqrt[3]{u}-\sqrt[3]{v})=u-v}

と変形できる.よって

{x=\sqrt[3]{u}-\sqrt[3]{v}}

これに①より得られる{u,v}を代入すれば1根が求まる.

 その後1545年カルダノはこの誓いを破って

{\mathrm{Artis\ magnae\ sive\ de\ regulis\ algeraicis}}

{\mathrm{liber\ unus}} 略称 アルス・マグナ

という本をかき,その中でタルタリアの解法を公刊した.もっともその書の中で彼はタルタリアから説明なしに伝えられたと言っている.

 これを知ったタルタリアは憤慨してカルダノに試合を申し込んだが,彼は出馬せず,要領が得られなかったので1546年に3次方程式解法の発見に関する歴史をかいて世の誤解を解こうと決心したが,ついに発刊を見ずに死んでしまった.


 以上、笹部貞一郎編 『代数学辞典 上 第二版』(聖文社)1052~1054ページより


「これ、実話なのよね」

 少なくとも、数学者の間では、この話をして、『それは、ウソだ』という人は、いない。

「試合を申し込むって、決闘よね」

 そうだよ。

「こんな、平和な決闘って、ないわね。あっ、でも、どっちかが問題の答えを出したとき、第三者が、それ、合ってるかどうか、判定できないじゃない」

 麻友さんでも、そんなこと言うの?

 『これが、エックスだ』

って、求めた場合、そのエックスを、方程式に代入すれば、いいんだよ。

 3次方程式なんだから、3乗より何度も、かけなければならないことは、ないでしょ。

「でも、式の展開が、こんがらがったら?」

 だから、代数的な解法という条件が、生きてくるんじゃない。

 代数的な解法では、

足し算、引き算、かけ算、割り算と、2乗根(つまりルート)や3乗根(3回かけてその数になるちいさい数)や、もっと次数の高い累乗根(4乗根、5乗根、6乗根、・・・)

だけしか、使っちゃいけないことになってる。

というか、当時は、これだけしか計算できなかった。

 だから、問題を出す側も、解く側も、これ以外考えなかった。

 それで、第三者でも、式の両辺のエックスに、答えらしきものを代入して、両辺が、一致すれば、

『答えだった』

と、分かる。

 ものすごく、フェアな、決闘だよね。

「数学そのものは、フェアなのに、人間ドラマが、ドロドロなのね」

 うん。

 これは、ほんの一例で、世紀の大天才が、先取権を奪い合って、見苦しい争いをしたことは、枚挙にいとまがないほどなんだ。

「アーベルも、例外ではない?」

 例外ではない。

 国からお金をもらって、『ガウスに会いに行ってこい』と言われたのに、ヨーロッパ中周りながら、とうとうゲッチンゲンへ行かなかった。

ガウスは、ゲッチンゲンにいたの?」

 そう。ゲッチンゲンの天文台長だったんだ。

「アーベルも、天才なら、天才のガウスに、会ってみたいと思わなかったのかしら?」


 麻友さんも、音楽やってる人なら、ボンからウィーンに出てきたベートーヴェンの話は、知ってるだろう。

モーツァルトに、会いに行ったのよね」

 そう。それで、モーツァルトが、

『一曲、弾いてみろ』

と言った。

「弾いたら、上手かったのよね」

 そう。それで、モーツァルトが、この曲だけ、練習してきたのかも、と思って、

『じゃあ、この動機で、変奏曲を即興でやれ』

とその場で、作った動機を弾いた。

「すると、ベートーヴェンが、夢中になって、どんどん変奏していったのよね」

 あまりにすごいので、モーツァルトが、隣の部屋の友人に、

『今年、すごい新人が現れるよ』

と、伝えた、という話があるくらいだよね。

「もっと、ふたりで、競い合えば良かったのにね」

 天才同士って、あまり近付きすぎない方が、いいんだよ。

「そういうものかしら」

 例えば、モーツァルトハイドンとか、ベートーヴェンハイドンなら、いいんだ。

 交響曲の父ハイドンが、天才でないとは、言わないけど、モーツァルトベートーヴェンとは、比較にならない。

 モーツァルトベートーヴェンのような、歴史上最高の天才同士は、ちょっと離れて、お互いのことをそれとなく気にしているくらいの方が良い。

 アーベルは、長生きしていれば、間違いなく、ガウスの業績をも上回る、多くの業績を、残しただろう。

 早死にさえしていなければ、ガウスと同じくらいの業績を、もっと分かり易い言葉で、論文にしてくれる数学者が、19世紀に現れていたのにね。

「アーベルは、19世紀。3次方程式解法は、何世紀だっけ?」

 これね、覚えやすい物差しがあるんだ。

 まず、麻友さんが生まれたのは、20世紀だろ。

「うん」

 現代数学と言われているものは、大体20世紀に入ってからの数学なんだ。

「ふーん。それで?」

 アーベルは、その1つ前の世紀の人なんだ。

「つまり19世紀ね」

 それから、ペストの大流行の話を、前にしたでしょ。

「ああ、ニュートンが、学校閉鎖になって、田舎に帰っていたとき、大発見したって」

 あれ、何年だった?

「せんろっぴゃくとか・・・」

 そう。1665年。

 実は、この年は、絵画の歴史でも、名高い年なんだ。

 レンブラントの『ユダヤの花嫁』という絵。最近は、『イサクとリベカ』と呼ぶのが大勢になっているようだが、この絵が描かれたのが、1665年らしい。

「どうして太郎さん、そんなに詳しいの?」

 麻友さんに会う前の年、2014年11月11日から2015年1月15日まで、私は、みなと赤十字病院に入院してたんだけど、12月6日に、土曜22時からの『美の巨人たち』が、この絵を取り上げた。

「22時だったら、消灯時間じゃないの?」

 そう、22時消灯なんだけど、あの日は、若きゴッホも、この絵を見たとき、あまりの感動に、魂を奪われ何時間も立ちつくし、そのあげく『もうあと1週間この絵を見続けることができるなら10年命が縮んでもいい。』と言ったほどだと宣伝してたのと、ものすごく油絵の具を厚く塗り重ねて、6mm以上になってるという触れ込みだったので、看護婦さんが、『もう駄目ですよ』と言いにくるまで、食堂のテレヴィで見てようと思ったんだ。

「入院患者なのに、大胆よねぇ。それで、どれくらい見れたの?」

 22時18分くらいまで、見られた。

「じゃあ、内容は、かなり分かったのね」

 うん。

 そして、1665年という年に、ピーンときたんだ。

「『美の巨人たち』見てて、『万有引力の法則』思い浮かべるなんて、物理学者だけね」

 ただ、今日発見があったんだ。

「えっ、発見って?」

 この絵、

ユダヤの花嫁({\mathrm{The\ Jewish\ Bride}})』

『イサクとリベカ({\mathrm{Isaac\ and\ Rebecca}})』

の後者が、最近は正しいと言われてるの。この英語表記、何か感じない?

「確か・・・アイザック・ニュートン。このスペルは?」

 待ってました。

{\mathrm{Isaac\ Newton}}

だよ。

「絵を実際に、見てみたいわ」

 これだよ。

f:id:PASTORALE:20170313092021j:plain

「これが、万有引力と関係のある絵なの」


 ほぼ同じ頃、もっと有名な、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』も、描かれている。

f:id:PASTORALE:20170313092421j:plain

 その英語表記は?

真珠の耳飾りの少女{\mathrm{Girl\ with\ a\ Pearl\ Earring}})』

だけど、それよりも、こっちの方が、面白い。

ヨハネス・フェルメール{\mathrm{Johannes\ Vermeer}})』

「なんで?」

 ニュートンに、先んずること55年余り(1609年)、惑星の三法則の第一、第二を発見したのは、ヨハネス・ケプラー{\mathrm{Johannes\ Kepler}})なんだ。

ニュートンが、3番目を見つけたの?」

 この言い方だと、みんなそう思っちゃうね。

 そうじゃないんだ。惑星の第三法則を発見したのも、ケプラーなんだ。

「時期が、後なの?」

 そう。第一法則、第二法則から、10年経って、1619年に、発表している。

「10年後っていうの、多いわね」

 人間が、

『10年で、なんとかしよう』

と思うからというのもあるし、

『周りが、10周年とはやし立てるから』

というのもあるだろう。

「あらゆる数の中で、10が、特別になる理由があるの?」

 やっぱり両方の指で、普通に数えられる数だから、というのが、特別な理由だろうけど、つい最近、10ってすごい数なんだと、気付いた。

「えっ、どうすごいの?」

 麻友さん、{\sqrt{10}}って、どれくらか知ってる?

「いきなり、そんなこと言われても」

 実は、中学3年のときの数学の先生が、絵を描いて、覚えさせてくれたんだ。

{\sqrt{10}}を覚えるのに、絵を描くの?」

 『人(ひと)まるは、三色(みいろ)に並ぶ』

って言って、同心円状に内側から赤、緑、青、のチョークで、円を描いて、赤と緑と青の服を着た人が、このように並んでいるところを思い浮かべてごらん。これが、『人まるは、三色に並ぶ』だ。

と、教えてくれたんだ。

「えっ、教えてないじゃん」

 これで、いいんだよ。

{\sqrt{10}=3.1622\cdots}

なんだ。

 最初のルートのなかの10を、『ひとまる』と読むところが、ミソなんだよ。

「2が、2つ並ぶ、というところも、ひっかけてるのね」

 そう。

 これ、語呂合わせでは、高級なものだと思うんだけどね、私、つい最近、計算してて、これが、パイにすごく近いことに気付いたんだ。

「パイは、{\pi = 3.14\cdots}だから、まあまあ、近いわね」

 まあまあどころじゃないんだよ。

{\sqrt{10}\approx \pi}

だから、両辺2乗して、

{10\approx \pi^2}

となる。

「当たり前のようなことを、やってるように、見えるけど」

 当たり前じゃないよ。

 もう少し研究した後、麻友さんも、次のようなものが、求められるようになる。

{\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{6}}

 これを、求めたとき、計算しなくても、ただちに、右辺が大体、

{\displaystyle \frac{10}{6}}

だと分かる。

「きっと、すごいことなんでしょうね。

{\sqrt{10}\approx \pi}

に気付いた時刻の刻印は?」

『2017.2.10 3:29:29』

「朝3時半まで、数学やってる。早く寝なきゃ」

 そうだね。


 今日の話を、まとめよう。

 20世紀は、麻友さんの生まれた世紀。

 そのひとつ前が、5次方程式が解けないことを、アーベルが証明した19世紀。

 一方、ニュートン万有引力の法則を発見したのが、1665年だから、それは、17世紀だ。

 ニュートンは、翌1666年に、微積分学を発見したと言われる。

 あの『数Ⅲ方式ガロアの理論』に次の会話がある。『第9章 方程式論の流れを変える』の冒頭だ。


広田 今まで見たように,3次方程式・4次方程式の解法は16世紀の中葉までに,本質的に,完成している.だが,その後の二世紀というものは,方程式論にとって,「不毛時帯」となっている.
佐々木 特別な理由でも,あるの.
広田 この時期には,方程式論にかぎらず,代数学一般が沈滞している.17世紀に,「新しい数学」が興ったのが,一因でもある.
小川 「新しい数学」というのは「微積分」ですね.微積分の研究に集中したのですね.
佐々木 女性と数学者は,流行に弱い!
 でも,微積分なんか,もう古い.


「太郎さんは、微積分なんかもう古い、なんて書いてある本で、数学を勉強してたの?」

 微積分を古いと言えるほど、人類の数学は、まだ進んでないけど、麻友さんの注意をこの本に向けさせるために、面白いから引用した。

「これによると、微分積分学が、発見された、17世紀と、次ぐ18世紀は、数学者は、微積分の研究をしていたようね」

 そうなんだ。

 これを、逆に辿るとね、現代数学の20世紀、アーベルの5次方程式の19世紀、微積分を研究してた18世紀、微積分を発見した17世紀、となって、3次方程式や4次方程式が解かれたのは、16世紀だろうと、察しが付く。

「その歴史的考察で、対数が発見されたのが、カルダノの解法の頃だから、16世紀だ、と言いたかったのね」

 お疲れ様でした。やっと、対数発見の時期に関しての物語の輪が閉じました。


「ちょっと、ひどいわよ。本当は、対数を使って、1億人ひとりひとりに、100万円、あげたらいくらになるか、計算してくれる約束だったのよ」

 ごめん。お話書いてたら、面白くなっちゃって、書き過ぎちゃった。

「まあ、私達は、急いでる身じゃないけどね」

 麻友さんに、少しでも、数学が面白いと思ってもらえるのが、一番大事だからね。

「太郎さんが、文系の学部でも、数学教えられるようになるよう、私も、色々、特待生らしく、質問してあげるわ」

 ありがとう。この話は、相対論にも必要な話だからね。

「分かったから、今日は、もう寝なさい」

 そうだね。

 おやすみ。

「おやすみ」

 現在2017年3月16日4時19分である。おしまい。

ストーカーの心理

 現在2017年3月10日0時27分である。

「電子辞書の使い心地はどう?」

 うん。期待通り。

「どんなことができるの?」

 まず、今、一番役立ってるのが、日本大百科全書(ニッポニカ)が、入っていること。

 普通に、辞書を引くっていうと、広辞苑(こうじえん)を引くことを、想像したりするけど、広辞苑だと、説明は数行だ。

 ところが、百科事典だと、まともに説明してあって、ときにはカラー写真も、載ってる。

「英語の辞書は?」

 『200万語専門用語英和・和英大辞典』というのが、すごい。

「どう、すごいの?」

 たとえば、サンライズクエスト英和辞典は、見出し語が46,000語だ。

「それは、どれくらい?」

 高校1年生が、困らないくらい。

「えっ、高校2年生って、もっと必用なの?」

 普通、京大・東大を受ける人は、研究社の『新英和中辞典(第5版)』を薦められたが、これは、7万語くらいだった。

 私は、高校2年生になったとき、もっと見出し語の多いものが欲しくなり、研究社の『リーダーズ英和辞典』を買おうかと思った。これは、22万語くらい入ってた。

「どうして、買わなかったの?」

 父にその話をしたら、

リーダーズは、語数が多い分、例文が少ないから、やめたほうがいいぞ』

と、言われたんだよね。

「じゃあ、『新英和中辞典(第5版)』にしたの?」

 いや、7万語より、もっと欲しくて、旺文社の『英和中辞典』にしたんだ。これは、10万語だった。

「数字にこだわるのは、数学者の意地?」

 ただ、この辞書のことでは、後悔したんだ。

「研究社のにすれば良かったって?」

 そう。

 高校2年、高校3年、浪人中と、3年間、使ったんだけど、例文が少ないと感じたこと1回、良い訳語が見つからなかったこと1回、研究社の辞書で引いた人は、出てたよ、と言ったのに、私の辞書に載ってない単語があったこと1回。

 そのたびに、母に、

『もう1冊、辞書を買って』

と言いたかったんだけど、いいそびれた。

 たかが、4,000円で、京大に受かるのなら、安いものだったんだけど、最後の一歩が踏み出せなかった。

「太郎さん、英語のある京大の前期、2年目も落ちてるものね」

 同じことになってはいけないと思って、浪人したとき、代々木ゼミナールからもらった、図書券2万円のうち5,000円を妹に、

『研究社の『新英和中辞典(第5版)』買っておいで』

と、渡した。

『たろちゃんが、買ってきてよ』

と言うので、

『こういう大事なものは、自分で買わなきゃ駄目だよ』

と言って、紙屋町で、買ってこさせた。

「紙屋町って?」

 広島の原爆ドームも近くにある、一番の繁華街だよ。

「私、去年(2016年10月22日)広島サンプラザホールってとこで、全国握手会やったんだけど、最寄りの駅は新井口だったわ。近いの?」

 地図で見てみると、・・・。私の高校のそばじゃない。私の高校は、広島県立広島井口高校だから、新井口は、井口(いのくち)駅の隣。

 ついでに、私達が住んでたのは、もっと市の中心部に近い、宮島線東高須という駅のそば。

「私、太郎さんが、青春を過ごしたところのそばまで行ったのね」

 全国回ってると、色んなことがあるね。

「それで、妹さん、辞書買ってきた?」

 買ってきたよ。

 そして、奥付のところに、

『たろうchanの図書券で購入』

と、書き込んだ。

「わー、いい妹さんじゃない。この前、ひどいこと言われたみたいに、書いてたけど」

 あんなひどいことを、言われることなんて、滅多にないんだ。だから、大切に覚えているんじゃない。

 麻友さんと出会う前だけど、『SONY許せぬと書きたかったが』で、書いた、最初の入院(2014年6月24日入院)から、回復して7月13日に退院した後、もう一回いずみ野で、おかしくなってる。2014年9月2日の朝、ゴミを出しに行ったのに、ゴミ収集車が行ってしまっていたことを知ったら、どうして良いか分からなくなった。

 ガタガタ震えだしてしまい、近所の人が、『救急車を呼んであげましょうか』といったが、『大丈夫です』と、答えたものの、どうして良いか分からない。

 母に電話したが、母は、父の通院について行っていて、出なかった。

 私は、携帯の2番目のボタンを押した(1番目が、母である)。妹にかかった。

 妹が出たのだが、携帯だったのと、声が似ているので、私は、母が妹のところに手伝いに行っていて、電話口に出たのは、母なのだと思い込んだ。

『すぐ来て』

と言ったら、妹は、

『じゃあ、行ってあげる』

といった。

 近所の人も安心して、帰って行った。

 足柄からだから、それから2時間。

 連絡を受けた、父母も合流して、いずみ野へ来た。

 妹も来たので、私は、すっかり混乱してしまった。

 今の私からでは想像できないだろうけど、3年前の私って、ものすごく情緒不安定になって、自分でも、その状態が嫌なのに、どうすることもできなくなることが、結構あったんだ。

「太郎さんは、いつも、以前おかしかったとき、こうだったって、話してくれるけど、周りの人から見て、明らかにおかしいことをしてても、太郎さんには、今でも、『あのときは、こう思ったから、あんなことしたんだよ』という根拠が、思い出せるの?」

 思い出せる。

「たとえば、どんなふうに?」


 鎌倉の精神障害者のための就労移行支援の施設『ねくすと』(現在、大船にある)に通っていた頃、精神障害者のための『とらいむ』というオープンスペースで、食事をしていた。

 そこで、22歳の女の子と知り合った。

 私も、好きになるつもりはなく、向こうも、37歳の先輩のお兄さんという感じだった。

『読書は、頭がいたくなるので、あまり好きじゃないけど、『リング』は、読んだことあります。面白かったので、映画も見ました』

と言ったので、当然私は、『リング』を、買って読んだ。

 その話もした。色々、メールのやり取りもあった。

TOKIOが、好きです』

と言ったときは、中島みゆきの、『歌旅』というDVDを持っていって、オープンスペースのテレヴィで、『宙船(そらふね)』を、見せてあげた。

歌旅-中島みゆきコンサートツアー2007- [DVD]

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「つまり、太郎さんは、その女の子が、好きだったのね」

 いや、好きじゃないよ。あの頃は、まだ、分子生物学の女の人を、好きだったんだ。

「でも、そうやって、アプローチかけられたら、女の人は、好かれてると思うじゃない」

 私は、男の人の友達と同じように、接してたんだ。

「まあ、いいでしょう。何か事件が起こるのね」

 そう。

 知り合って1年後、2009年5月18日に、事件は起きる。

 当時、NHKが、『ソクラテスの人事』という番組をやっていた。

「その番組が、関係あるの?」

 ある。

 その番組では、地頭(じあたま)クイズとして、4月23日に、次のような問題を出した。


 2009年4月23日のNHK『ソクラテスの人事』の問題

燃え尽きるまで1時間かかるろうそくが2本あります。
これを使って、正確に45分を計ってください。
ただし、燃えるスピードは一定ではありません。

ヒント:ろうそくは1カ所に火をつけるとは限りません。


「太郎さん。この問題を解いたのね」

 番組宛てに、メールを送った。

「どうだった?」

 番組ホームページに、


オモシロ解答


【ピッコロンさんの答え】

一回ろうそくを2本ともいっぺんに湯せんにかけ、液体の状態にします。
そこから全体の量の3分の1の量を取り出し、また新しくその量でろうそくを作り、火をつける。


ジョンさんからのコメント:私がこれまでにまったく思いもつかなかった答えです。素晴らしいですね。
この方法がうまくいくかどうか証明できるほど、私は“ろうそく工学”に通じてないようです。


【かなちゃぴんさんの答え】

ろうそくAとろうそくBをT字型におきます。(←この時ろうそくAがTの横棒、Bが縦棒になるように)
そして、ろうそくAの両側とろうそくBの下端に同時に火をつけます。
そうすると、ろうそくAが燃え尽きるのに30分かかり、そのときにちょうど火が中央の位置にきます。
中央に火がくると、ろうそくBの上端に火が点きます。
その火が燃え尽きるのにかかるのが15分。
なぜなら、ろうそくBの上端に火が点くまでに下端の火は30分燃えているから。
残っている30分ぶんは上端と下端両方から燃やされるので、半分の15分で燃え尽きるわけです☆


ジョンさんからのコメント:大正解!かなちゃぴんさん、おめでとう。ただ、大したことではないのですが、かなちゃぴんさんの答えには1カ所だけ気になる部分があります。ろうそくをT字型におきますよね。となると、Bのろうそくに火をつけるには、火がちょうど真ん中に来た時点でAが燃え尽きることが前提となります。ですが、両端からの火が同時にAの中央に到達するとは限りません。燃えるスピードは一定ではないわけですから。それでも、この答えは根本的な解決方法を含んでいます。私が就職試験官だったらかなちゃぴんさんを採用しますね。


【EROICAさんの答え】

一本のろうそくは、火をつける芯を使ってつるして、振り子として使う。
振り子の等時性により、線形近似の出来る範囲で、この振り子は、等間隔を刻む。
さて、もう一本のろうそくに火をつけ、それが1時間かけて燃えるまでに、振り子が、1回振れるごとに、どこまで、燃えるかをチェックしておく。
火をつけた方のろうそくが1時間かけて燃え尽きるまでに、振り子が何回振れたかにより、1時間に何回振れるかが分かる。
それが、例えば、3600回だったとしよう。そうすると、45分は、2700回振れる間の時間であることが分かる。
それが分かったところで、あらかじめ、振り子が1回振れるごとに、どれだけの長さ燃えるのかをチェックしているので、2700回振れたときの長さが分かることになる。
燃えるスピードが一定でなくとも、同じろうそくなら、同じ時間たったときには、同じ高さまで、高さが下がっているはずである。
そこで、それまで振り子として使っていたろうそくに火をつけて、2700回振れるときまでの長さまでの間、燃えている時間をきっかり45分と、測り取れる。
2本目のろうそくは、いつでも使えるので、必用なときに、火をつけて、2700回振れたときの長さまで、燃える時間待つことで、45分を測ることが出来る。
ちなみに、私はこの解答を思い浮かぶまでに、4時間かかった。


ジョンさんからのコメント:この答えはとてもクリエイティブですね。ですが、1つだけ致命的な欠点があります。振り子が何回振れたかをチェックする段階でストップウォッチを使わないといけないのです。時計があるのなら、わざわざこんな苦労をしなくてもいいでしょう。時計で45分計ればいいのですから。



と、紹介された。

「太郎さんのは、EROICAさんね。他の2人の人と比べて、難しいわね」

 その女の子も、これを印刷したものを見せたら、

『難しくて、分かりません』

って、言ったんだよね。

「『線形近似』って、何?」

 結局、みんなそこで沈没してるんだよね。

『振り子の等時性により、(線形近似の出来る範囲で、)この振り子は、等間隔を刻む。』

と、括弧でくくって、その部分飛ばして読んでごらんよ。

「『振り子の等時性』なんて、習ってない」

 じゃあ、

『この振り子は、等間隔を刻む。』

だけにしたら?

「言いたいことは、それだけ?」

 この問題に関して、必要なのは、それだけだよ。

「だったら、余計なこと書かなければ、いいのに」

 私は、振り子というものは、同じ間隔で振れるものだ、と思っている、普通の人の思い込みを、本当は違うんだよ、とただしてあげたかったんだ。

「それで、その後どうなったの?」

 その女の子に、インターネットのサイトを利用して、振り子の等時性を説明してあげたくなったんだ。

「私に、物理学の説明してるのと、同じね」

 まあ、そうだけど。

「どうしたの?」

 その女の子が、帰るというので、しゃべりながら一緒について出て、逗子にあるその女の子の家まで、ついて行っちゃったんだ。

「家に入ったの?」

 いや、その女の子が、

『家まで付いてくるんですか?』

って言って、家に入った後、私は、

『インターネットで、さっきの問題の説明をしたいから、入れてくれない?』

と、メールを送った。

「携帯のメールアドレスも、交換してたの?」

 そうだよ。男の友達だったら当然でしょ。

「まあ、そうだけど。それで、メール送ったら、何だって?」

 『これ以上、許して下さい』

と、返事がきた。

「それ以上は、駄目なのよ」

 そうなんだけどね、実はそのとき、家の中から、その女の子が、お父さまに怒られている声が聞こえてきたんだよね。

「お父さま、いらっしゃったの?」

 そうみたいなんだ。

『なんで、家まで連れてきたんだ』

みたいに、怒られてたんだよね。

 それに対して、その女の子が、

産婦人科行く、とか言ったのに』

とか、答えていて。

「その女の子が、太郎さんに、産婦人科行く、とか言ってたの?」

 うん。逗󠄀子に着く頃、そう言ってた。

 つまり、他に彼氏がいて、子供もいるんだ、とか匂わせようと、してたのかも知れない。

「それは、ちょっと、分からないけど」

 とにかく、そんなことになってしまったので、私は、身の潔白を証明するために、きちんと親御さんと話さなければ、とか思ってしまった。

「あっさりと、引き下がるということが、太郎さんには、できないの?」

 あの事件の後は、そういうことを、学んだけど、当時は、食い下がってしまった。

「それで?」

 結局、その女の子のお母さまがいらっしゃって、私の携帯から、『とらいむ』に電話をかけ、施設長さんに、車で、私のことを迎えに来てもらった。

「その間、太郎さん、何してたの?」

 その女の子に、私の携帯のアドレス帳を見せ、分子生物学の女の人に、赤いハートが付いていることを確認してもらって、

『この人が、私の恋人なんだよ。君に、何かしようという気は、なかったんだ。振り子の説明をしたかっただけなんだよ』

と、説明していた。

「要するに、太郎さんって、説明するのが、好きなのよね。先生になれば良かったのよ」

 ひとりよがりな、先生だけどね。

「で、この事件で、何を説明したかったの?」

 私の行動って、端から見たら、完全にストーカーでしょ。

「気違い的ストーカーと言えるわね」

 でも、私は、好きにもなってないし、その女の子に手を出す気もない。

「それは、認める」

 気違いってね、こういうふうに、周りで見ている人が想像するのと、まったく違うこと、考えているんだよ。

「うーん。だから、ストーカー殺人なんかが、起こるわけ?」

 その人が、心の中で、なに考えてるかって、ものすごく難しい。

 本人も、後になると、なぜあんなこと考えたんだろう、と分からないことも、あるくらい。

「確かに、太郎さん。普通の人が、説明できないことを、説明するのが上手いってのは、分かるわ。ストーカーが、そんなこと考えていることがあるなんて、考えたことなかった」

 ストーカーしている人が、本当は、何を望んでいるのかを、見極めないと解決しない。

 ただ、何かを説明したいだけなのか、手をつなぎたいだけなのか、キスしたいのか、ペッティングをしたいのか、一夜を共にしたいのか、デートを1回したいのか、結婚したいのか、その女の人の子供を欲しいだけなのか、その女の人に暴力をふるいたいのか、殺したいのか、その女の人の財産を欲しいのか、誰でも良いから美人を彼女にしたいのか、ちょっと考えただけでも、ストーカーにはこれくらいの動機が考えられる。

 そんなことなら、してあげるわよ、というようなことが原因で、殺されたりしたら、本当に泣くに泣けない。

「女の人と同様、男の人も複雑なのね。良く分かったわ」

 電子辞書の話から、随分話が、それたね。

「もう、寝た方が良いわ」

 分かった。

 麻友さんのような、商売していると、しつこくつきまとわれることも、多いだろう。

 そのつきまとっている人が、本当は、何を望んでいるのか。

『結婚したい』

と、言ってても、本当は、ただ、麻友さんのような、美人で賢い人の子供が、欲しいだけの人もいるだろう。

 だったら、麻友さんの卵子を1個あげるだけで、ストーカーをひとり、完全に排除できる。

卵子をあげるなんて!」

 前から言ってるでしょう。ゲノム編集という技術があるんだよ。遺伝子を自由に書き換えられるんだ。

 麻友さんのオリジナリティは、その遺伝子を持った、これまで22年間生きてきた、人間だということ。

 遺伝子なんて、欲しい人には、あげちゃえばいいんだ。

 要するに、麻友さんのDNAを全部書き上げて、公表しちゃえばいいんだ。

 麻友さんの子供が欲しい人は、自分の奥さんのDNAを、麻友さんのDNAに書き換えた卵子を使って、子供を作れば良いだけのこと。

「そんなこと、本当にできるの?」

 科学的には、できるようになっている。

 ただ、倫理的に許せないと言っている人がいるだけ。

「太郎さんは、私と結婚したいの?子供が欲しいの?」

 どっちでもない。

 AKB48を卒業した後の麻友さんと、こういう話を、仲良く話せるようになりたいだけなんだ。

「太郎さんが言ってることは、一貫してるわね。信じて良さそうね」

 じゃあ、変なストーカーに、殺されるなよ。

 おやすみ。

「おやすみ」

 現在2017年3月11日4時47分である。おしまい。