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問題17解答(その5)

 現在2023年12月31日17時37分である。(この投稿は、ほぼ5104文字)

麻友「大晦日に、とうとうこの問題に、決着付ける?」

私「その積もりだ。まず、


 問題#1

 この演習問題では、この世に存在する集合は次のものだけであると仮定する。

 {a=\{b,c\},b=\{~~~\},c=\{e\},d=\{c,e\},e=\{b\}}

 この記号は、{a} の要素は{b}{c}のみで{b}は要素を含まない、などの意味である。

とあって、

1.以下の文のうちどれが真か?

{\mathrm{(i)}b \in e~~\mathrm{(ii)}e \in b~~\mathrm{(iii)}b \in d~~\mathrm{(iv)}(a \in c \vee c \in d)}

{\mathrm{(v)}(b \in c \Rightarrow a \in a)~~\mathrm{(vi)}(e \in d \Leftrightarrow d \in e)}

{\mathrm{(vii)}(e \in c \wedge a \in c)~~\mathrm{(viii)}\forall_x \neg (x \in b)~~\mathrm{(ix)}\forall_q(q \in c \Rightarrow q \in a)}

{\mathrm{(x)}\forall_n(n \in e \Rightarrow n \in a)~~\mathrm{(xi)} \exists _k (k \in d)~~\mathrm{(xii)} \forall_s \exists_t (s \in t)}

{\mathrm{(xiii)}\forall_s \exists_t(t \in s)~~\mathrm{(xiv)} \exists_h \forall_i ((i \in e \Rightarrow i \in h) \wedge \neg h=e )}

{\mathrm{(xv)}\exists_g \exists_w ((g \in e \wedge w \in e ) \wedge \neg g=w)}


と、15問ある。{\mathrm{(i)~(iv)}} は、解いたのだった」

若菜「{\mathrm{(v)}(b \in c \Rightarrow a \in a)} は、{e=\{b\}} で、{c=\{e\}} ですから、{c=\{e\}=\{\{b\}\}} で、{c \ni b} なのかな? って、思っちゃいそうですが、{c=\{\{b\}\}} と、{c=\{b\}} は、違うのですよね。だから、{b \notin c} です。よって 、この論理式の、ならばの{\Rightarrow} の、前件は、偽です。だから、後件の {a \in a} が、成り立っていなくとも、この論理式は、真だと、分かります」

麻友「また、太郎さんに、聞きたいのよ。{a \in a} が、成り立つことは、あるの?」

私「拘るのは、良いことだ。これの場合も、いくらでも底が深い集合が、できてしまう。通常は、ノイマンの提案による、正則性の公理、または、基礎の公理を、置いて、こういう集合はできないようにするが、{a \in a} というような、集合は、集合じゃない、ということを、他の公理から、証明できるわけではない」

若菜「あまり、お母さんに、知恵を付けないで下さいよ。どんどん、恐ろしいモンスターに、なっていく」

結弦「お父さんは、それを、望んでいる」


麻友「じゃあ、{\mathrm{(vi)}(e \in d \Leftrightarrow d \in e)} に、挑戦。あれっ、まさに、お互いを要素とする集合。どうすれば、いいのかな?」

若菜「{\Leftrightarrow} の定義は?」

麻友「{(e \in d \Rightarrow d \in e) \wedge (d \in e \Rightarrow e \in d)} だった。あっ、具体的に、{d}{e} が、与えられているんだから、調べればいいんだ」

麻友「{d=\{c,e\},e=\{b\}} だから、{e \in d} は、真。一方、{d \in e} と仮定すると、{e=\{b\}} なんだけど、{b=\{~~~\}} と、{b} は、空集合。ところが、{d=\{c,e\}} で、{c=\{e\}} だから、{c} の部分に代入し、{d=\{\{e\},e\}} とできる。{e} を、何にしても、これは、空集合 {b=\{~~~\}} とはならない。なぜなら、{d=b=\{~~~\}} なら、{\{\{e\},e\}=d=b=\{~~~\}} で、{d} の中身は、確かにあるのに、右辺では、中身がないことになっているのだから。これより、仮定 {d \in e} と、{e=\{b\}} は、両立しない。よって、この集合論で、{d \in e} は、偽」

麻友「それで、

{(e \in d \Rightarrow d \in e) \wedge (d \in e \Rightarrow e \in d)}

の、{e \in d \Rightarrow d \in e} は、前件が真。後件が、偽。あれっ、この場合、この論理式は、偽になるのよね。そうすると、かつ{\wedge} の一方が、偽なんだから、両方合わせても偽。そういうわけで、{\mathrm{(vi)}} は、偽よ」

私「凄い。◯か✕だけだけど、こんなに徹底的に考えることになるとは、思わなかった」

麻友「どんなもんよ」


結弦「次は、僕。{\mathrm{(vii)}(e \in c \wedge a \in c)} は、{e} は、{c} の元。だけど、{a} は、{c} の元ではない。よって、命題は、偽」

結弦「ついでに、{\mathrm{(viii)}\forall_x \neg (x \in b)} は、『すべての {x} について、{b} の元となることはない』。{b} は、空集合だから、当然だな。命題は、真」


若菜「私だって。{\mathrm{(ix)}\forall_q(q \in c \Rightarrow q \in a)} は、『任意の {c} の元 {q} は、{a} の元』。『{c} の元、{e} が、{a} の元になっていない』。よって、命題は、偽」

若菜「ついでに、{\mathrm{(x)}\forall_n(n \in e \Rightarrow n \in a)} は、『任意の {e} の元 {n} は、{a} の元』。『{e} の元、{b} が、{a} の元にちゃんとなっていて、これ以外に、{e} の元はない』よって、命題は、真」


麻友「10番超えたわね。{\mathrm{(xi)} \exists _k (k \in d)}{d} の元となるものが、存在する』。確かに、{c} と、{e} とが、存在する。命題は、真」

結弦「{\mathrm{(xii)} \forall_s \exists_t (s \in t)} 『すべての、{s} について、{s \in t} となる {t} が存在する』。これは、つまり、すべての集合が、どこかの元になっているという主張だけど、{a} と、{d} は、他の集合のやっかいになってない。よって、命題は、偽」

若菜「もう後、ひとり1問です。{\mathrm{(xiii)}\forall_s \exists_t(t \in s)} 『すべての、{s} について、{t \in s} となる {t} が存在する』。これは、つまり、すべての集合が、元を持っているという主張だけど、{b} は、明らかに空集合。よって、命題は、偽」


麻友「さて、長いな。{\mathrm{(xiv)} \exists_h \forall_i ((i \in e \Rightarrow i \in h) \wedge \neg h=e )} ちょっと、これ、入学試験レヴェルじゃない?」

私「流石に、難しいな。取り敢えず、後ろまで、読んでご覧」

麻友「{\wedge \neg h=e} って、どういうことかしら? {\neg h} って」

私「読み間違うと思った。それ、{\wedge \neg (h=e)~)} ってことなんだよ」

麻友「そうだとすると、{h} と、{e} が、等しくない。つまり、{e} じゃないということ?」

私「いつもの燕返し健在」

麻友「そうすると、{e} 以外の {h} で、任意の {i} で、{e} の元 なら、{h} の元になっているような集合 {h} が、存在する。つまり、{e \subset h} となる集合は、存在するか? という問いかけね。そうすると、{e=\{b\}} だから、{b} を、含んでるということは、{a=\{b,c\}} ね。ということは、あるんだから、命題は、真」


結弦「今年最後の問題。{\mathrm{(xv)}\exists_g \exists_w ((g \in e \wedge w \in e ) \wedge \neg g=w)} お母さんが、後ろから攻略してたのを、真似て、{g \notin w} から、見ると、同じでない元? ということ?。{e} が、異なる元を持つかというと、{e=\{b\}} と、元はひとつしか持たない。よって、命題は、偽」


麻友「結弦、やった。22時37分。太郎さんも、薬飲んだし、これで、今年も、終わりね」

若菜「大学に入ってみて、数学が、もの凄く難しくなりました。これを、高校にいたときから知ってて、大学の先生達に、アドヴァイスをしようなんて考えていた、お父さんは、凄すぎます」

麻友「でも、30年経っても、進歩がない」

若菜「それは、薬で、脳の働きが、抑えられているからです。ときどき見せる、冴えは、半端じゃないじゃありませんか」

結弦「お母さんに、出会った2015年から、躁の凄い状態があった。でも、躁状態を野放しにすると、振り切れることが、2018年に2回入院したことで、分かった。それで、お父さん自身、軽い躁状態で良いと思うようになった。後は、認知症が、どこまで追い付いてくるかだね」

私「問題、解いたなあ。来年も頼むぞ」

麻友「最後は、凄い問題だったわね。それでは、良いお年を」

私「じゃ、解散」

 現在2023年12月31日22時57分である。おしまい。