現在2020年12月19日11時49分である。(この投稿は、ほぼ4986文字)
麻友「前回、タンジェントと、その逆関数の、アークタンジェントを、微分できるようになったわね」
私「良く頑張ったな。今日は、アークタンジェントの整級数展開を、求める。これで、上がりだ」
若菜「上がりって?」
私「マチンの級数、証明できる」
結弦「おー、待ってました」
私「ところで、タンジェントの加法定理は、知ってるよな」
麻友「 ということ?」
若菜「お父さんが、ふっかけると言うことは、簡単に計算できるんでしょう。
ですけど、・・・」
結弦「これ、コサインで割るんだよ。
ってね」
私「よしよし。じゃあ、行くぞ。まず、次の整級数で、関数 を、定義する」
麻友「根拠は?」
私「計算してみると、これが、 に、等しいことが、分かる。ただし、収束半径は、無限大ではなく、
において、収束する」
麻友「『最初に種明かしします』か。収束半径が、 なんてことは、珍しいわね」
私「収束半径が、狭い理由は、なぜだろう?」
若菜「 と、ほとんど変わらないのに?」
結弦「どこが、違うんだ? を、持ってこよう」
若菜「同じ、・・・。あっ、ビックリマーク!」
麻友「それを、言うなら、エクスクラメーションマークでしょ」
若菜「そうでした。中学1年生のとき、公文の英語をやっていたら、お父さんが、そばで、じーっと、見てて、2回、ピリオドつけ忘れたら、『若菜、英語の大切な約束、忘れている』って、注意されて、その後も、じーっと見ていて、私が、感嘆文に、『!』を、付けたら、『このマーク、なんていうマーク?』って、質問されて、『えっとー』って言ってたら、『そういう分からないもの調べるもの、あるでしょ』って、言われて、『辞書』って答えたら、『持っておいで』と言われた。そのとき、ちょうど、電子辞書、電池が切れてて、困ったなと思ってたら、お父さんのと同じカシオの辞書だったから、お父さんが、お婆ちゃんに、『単3のアルカリ電池2本ちょうだい』って言った。そして、『英語を勉強するとき、そばに辞書を置かないというのは、英語勉強したくありません、と言ってるのと同じだよ』と、怒られた。『私は、いつも、辞書使っているから、電池切れなんてないよ』と、お父さんは言ってたけど、『電池がなくなることだって、あると思うのにな』と、あのとき思ったんだけど」
私「言葉が、足りなかったね。私が、『いつも、辞書使ってるから、電池切れなんてないよ』と言ったのは、私、電車の中とかでも、辞書を引くのね。だから、どこで電池切れになるか、分からない。それで、充電式の単3を、4本買ってあって、完全に充電して、2本を電子辞書に入れて、後の2本を、いつもしょっている、リュックに、入れてあるんだ。だから、いきなり電池が切れても、補充できる。そういう意味だったんだよ。まあ、今の人は、電子辞書止まっても、スマホで検索するかも知れないけどね」
若菜「あのとき、辞書で、ビックリマークって、調べて、『exclamation mark』と知った」
麻友「そういうことも、あったのね」
結弦「えっ、でも、階乗が付いているだけで、そんなに、収束半径が、変わるの?」
私「解析学が、良く分かってないな。階乗っていうのは、もの凄いスピードで、大きくなるんだよ。任意の実数、 で、
となるくらいにね」
若菜「階乗の大きくなり方は、半端でないと、覚えておきます」
私「さて、
が、定義された。とにかく、解析学では、微分しまくるんだよ。これ、結弦、微分してみな」
結弦「なんか、すっごく簡単になりそう。
だな」
私「ちょっと、最初の5項くらい、書いてごらん?」
結弦「えっとー、 から、・・・
だなあ」
若菜「公比、 の、等比級数ですね。和が求まる」
私「そのときの、条件があったな」
若菜「あっ、公比が、絶対値 未満でないといけないのでしたね。あっ、だから、収束半径が、
だと、お父さんが、注意したんですね。取り敢えず、収束するとして、
ですね」
麻友「美味しいところ、もらっちゃって、いいかしら?」
若菜・結弦「だめです」
麻友・若菜・結弦「これ、 を、微分したのだ!」
私「そういうことなんだよ。で、どうする?」
若菜「微分したものが、同じだったら、元のものも、同じとは、言えないのですか?」
私「ひとつだけ、条件が付くんだ。定数の差を除いて、元のものも、同じだと言えるんだ」
結弦「そう言えば、定数、つまり、 とかだったら、水平のグラフだから、傾き
だな」
麻友「そうすると、
みたいなこと? は、定数として」
私「今の場合、その 求まるんだ」
若菜「定義では、
でしたから、 ですね」
結弦「 は、
で、
なら、
だから、
となって、結局、逆関数でも、
が、成立する」
麻友「そっか。だから、で、
とすると、
より、
となるんだ。それで、
の整級数展開が、求まったわけね」
私「やったな。良く頑張った」
麻友「でも、これから、さらに、マチンの級数は、ちょっと疲れたわね」
若菜「今日のは、結構ハードでした。もう4147文字に、なってますし、続きは、明日にしませんか?」
結弦「お父さん、こんな証明、スラスラ、分かるの?」
私「大学1回生の頃は、かなり苦労してる。でも、今では、このレヴェルのことでは、『これは、必ず正しい』と、分かっているので、結構読めたりする。どんなことでも、これは、証明できることだと、分かっていると、案外簡単に、証明できたりする。やっぱり、最初の人は、偉いよね。上手く行くかどうか分からないのに、踏破するんだものね」
麻友「太郎さんは、何かできるのかしら?」
私「新しいものを、生み出そうと、あまり拘らない方が、良いのだろうね。今あるものを、改良するとか、ちょっと使い方を変えるとかね」
麻友「何かあるかしら?」
私「そういう意味で、微分形式の外微分を、後ろへ持っていくというあの変更なんか、採用したら、見通しが良くなると、思うんだけどね。
に対して、
とする。
この発想で、ホモロジーも、交換子も、全部定義を疑いながら、文献を読んでいくのは、適度な緊張感が得られて良いと思う」
若菜「お父さん、そうやって、自分の論理と数学だけを信じて、数学やってるの?」
結弦「いや、僕達を、巻き込んでるよ」
麻友「あらっ、15時22分。マックへでも行って、お昼食べていらっしゃいよ」
私「じゃあ、バイバイ」
麻友・若菜・結弦「バイバイ」
現在2020年12月19日15時23分である。おしまい。