相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

数学を悟ってみて(その23)

 現在2020年12月20日10時24分である。(この投稿は、ほぼ4270文字)

麻友「太郎さん。調子悪いの?」

私「どうして、そう思うの?」

麻友「昨日のお母様へのメールに、『最近は、比較的安定していましたが、トントンのお別れ会のために、多くの人に会ったためか、昨日(2020年12月18日)は、ちょっとハイになりかけました。楽しいことが、あっても、悪くなる、というのは、非常にガッカリ』と、書いてた」

私「これね、本当に、自分でも、いやなんだけど、楽しいことがあって、騒いだりすると、後で、ハイになって、ちょっと、危なくなるんだ」

若菜「それで、今日は?」

私「一昨日も、昨日も、良く寝たから、もう正常だよ」

結弦「正常と、正常じゃないのは、どう区別しているの?」

私「ひとつの目安としてね、『いつもの私だったら、こんなこと言わないのに』とか、『いつもの私だったら、こんなこと書かないのに』というようなことが、あったら、正常じゃない可能性がある」

結弦「恐ろしい~。ひとりの人の中に、ふたつの人格が、あるみたい」

私「『7人の人格がいる』麻友さんは、どう思うのよ!」

麻友「それを、書くということは、太郎さんのことだから、必ず原典をチェックしたはずね。つまり、エケペディアの私の『性格・趣味』のところを、見たのよね。だったら、

『あまり悩まないタイプ。「悩んでも3分で開き直れる。悩み事とか家族にも相談しないし、自分の事を、深いところまで他の人に知られたくないんです」』

という一文も、見たはず。いや、とっくにエケペディアは、全部印刷して、読んである。それなのに、

『私の妻になる人は、どこまで探られても、大丈夫な人でないと、堪えられないと思う』

なんて、書いてくるなんて、自爆してない?」

私「麻友さんが、幼稚園の頃からネクラで、自分の世界を囲っている人だ、というのは、分かっている。だけど、世界中にひとりくらい、麻友さんのこころを、本当に完全に受け入れてくれる人が、居たっていいんじゃないかな?」

麻友「ブラックホール抱えたままでも?」

私「もちろん」


結弦「感動的な場面なんだけどさあ、それは、デートでやってよ。今日は、マチンの級数を、証明するんだよ」

私「そうだったな。麻友さん、今言ったこと、覚えていてね。じゃあ、マチンの級数、行くぞ」

若菜「前回、タンジェント逆関数、アークタンジェントの、整級数展開を、求めました。

{\displaystyle \arctan x =\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{(2n+1)}x^{2n+1} ~~~~~(-1 < x < 1)}

でした」

私「ちょっと、具体的に、級数を、書いてごらん」

結弦「

{\displaystyle \arctan x =\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{(2n+1)}x^{2n+1} =\frac{x}{1}-\frac{x^3}{3}+\frac{x^5}{5}-\frac{x^7}{7}+\frac{x^9}{9}- \cdots~~(-1 < x < 1)}

だけど、あれっ、なんか、これとそっくりな、級数の計算やったな? どこでだろう?」

私「マチンの級数で、{\pi} を、求めたときだよ」

若菜「あっ、そうかあ。あれは、アークタンジェントの整級数展開だったんだ。やっと納得」

麻友「そうすると、もう結論に肉薄しているのね?」

私「最後は、技巧の限りを尽くす。『解析入門Ⅰ』の203ページで、わずか7行で、計算されていることだが、丁寧にやろう。まず、{\tan x} の、加法定理が、

{\displaystyle \tan(x+y)=\frac{\tan x +\tan y}{1-\tan x \tan y}}

なのは、良かったな」

結弦「覚えてる」

私「今、新しい実数、{\alpha} を、{\displaystyle \alpha =\arctan \frac{1}{5}} と、定義する」

若菜「どうしてですか?」

私「そういう疑問は、若い頃は、持って当然だ。そういう素朴な疑問を、大切に持ち続けていると、何年も後に、新発見とは限らないが、何か再発見をできる可能性がある」

若菜「お父さんの矢印みたいに?」

私「まあ、そうだな」

若菜「その矢印で、ちょっと疑問があるんです。お父さんは、『1から始める数学』というブログの、『0から始める数学(その6)』という投稿で、『(矢印について)、実は、京都で、既に悩み始めていた。だから、1994年から、26年間だよ』と言って、次のノートを見せてくれています」

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若菜「でも、日付を見ると、1994.10.16 です。お父さんは、8月か、9月には、もう横浜に戻っていて、頭もリセットされていたんじゃないですか?」

私「ひとりの人間を、完全にリセットするというのは、そんなに易しいことではない。京都で倒れて、連れ戻されたのが、何日だったのかは、はっきりとは、覚えていない。あの頃は、ノートに、日付をあまり書いていないから、7月なのか、8月なのかも、はっきりしない。ただ、最後の頃、読んでいたのは、前原昭二『数学基礎論入門』(朝倉書店)という本で、この本のはしがきに、『1994.6.19』とあって、京都で読み始めている。ところが、この本は、少なくとも初心者には、読みにくい本で、この本で、矢印の使い方が、分からなくなった。だが、自分では、『矢印の使い方が分かっていないから混乱しているんだ』と、自覚がないので、どんどん分からないまま、読み進めた。19ページに『94.10.15』の書き込みがある。そして、翌朝、『矢印の使い方が、問題なのだ』と気付き、あの写真のノートの記述が生まれたんだ」

前原昭二『数学基礎論入門』(朝倉書店)

数学基礎論入門 (基礎数学シリーズ)

数学基礎論入門 (基礎数学シリーズ)

  • 作者:昭二, 前原
  • 発売日: 2006/04/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

私「ただし、私が持っているのは、新装版ではない」

若菜「じゃあ、リセットされた後も、数学を続けていたんですか?」

私「私から、数学を取ったら、それはもう、私ではないんだよ」

麻友「私に、そこまで言えるものが、何かあるかしら?」

私「それは、人生を生きていく上で、じっくり考えたらいい。まだ、麻友さんの人生は、75年以上ある」


結弦「お父さん、100歳まで生きる気だ」

若菜「それじゃ、どう、{\alpha} をどう使うか、見ていましょう」


麻友「そこまで書いて、マックへ食べに行ってたの?」

私「待たせたね。ラストスパートだ」

若菜「薬、飲まなきゃ。20時59分です」

私「これ飲まないと、私が倒れて、周りに迷惑掛けるからな」


私「ゴックン、ゴックン、ゴックン。飲んだよ」

麻友「お母様にどんな写真を、送ってるの?」

私「見たけりゃ、見せてあげるよ」

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麻友「薬の数、あってるのかしら?」

私「大丈夫だよ。オランザピン10mg2錠、セロクエル100mg2錠、フルニトラゼパム1mg2錠で、いいんだよ」

麻友「まさか、この計算をする?」

私「もう、準備できてる」

若菜「はあ」

私「まず、タンジェントの加法定理で、{x=y=\alpha} と置いて、

{\displaystyle \tan (\alpha + \alpha)=\frac{\tan \alpha +\tan \alpha}{1-\tan \alpha \tan \alpha}=\frac{2 \tan \alpha}{1-\tan^2 \alpha}}

ここで、{\displaystyle \alpha=\arctan \frac{1}{5}} だから、逆関数であることより、{\displaystyle \tan \alpha =\frac{1}{5}} だな」

結弦「確かにそうだ」

私「そうすると、{\tan 2\alpha } が、求まるだろう」

結弦「{\displaystyle \tan 2 \alpha =\frac{\displaystyle 2 \times \frac{1}{5}}{\displaystyle 1-\frac{1}{25}}=\frac{2 \times 5}{25-1}=\frac{10}{24}=\frac{5}{12}} だ」

私「よし。次は、{\tan 4 \alpha} だ。若菜、やってみるか?」

若菜「やってみます。

{\displaystyle \tan 4\alpha =\tan 2(2\alpha)=\frac{2 \tan 2\alpha}{1-\tan^2 2\alpha}=\frac{\displaystyle 2 \cdot \frac{5}{12}}{\displaystyle 1ー\frac{5^2}{12^2}}=\frac{2 \cdot 5 \cdot 12}{12^2-5^2}=\frac{120}{119}=1+\frac{1}{119}}

です」

私「いよいよ、技巧的になる。

{\displaystyle \tan \biggl(4 \alpha -\frac{\pi}{4} \biggr)=\frac{\displaystyle \tan 4 \alpha -\tan \frac{\pi}{4}}{\displaystyle 1+\tan 4 \alpha \tan \frac{\pi}{4}}}

を、求めるのだが、もう眠くなったから寝るよ」

麻友「今日のも、太郎さんが、一所懸命、計算しているのが分かって、楽しかったわ。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2020年12月20日23時11分である。おしまい。