現在2020年12月20日10時24分である。(この投稿は、ほぼ4270文字)
麻友「太郎さん。調子悪いの?」
私「どうして、そう思うの?」
麻友「昨日のお母様へのメールに、『最近は、比較的安定していましたが、トントンのお別れ会のために、多くの人に会ったためか、昨日(2020年12月18日)は、ちょっとハイになりかけました。楽しいことが、あっても、悪くなる、というのは、非常にガッカリ』と、書いてた」
私「これね、本当に、自分でも、いやなんだけど、楽しいことがあって、騒いだりすると、後で、ハイになって、ちょっと、危なくなるんだ」
若菜「それで、今日は?」
私「一昨日も、昨日も、良く寝たから、もう正常だよ」
結弦「正常と、正常じゃないのは、どう区別しているの?」
私「ひとつの目安としてね、『いつもの私だったら、こんなこと言わないのに』とか、『いつもの私だったら、こんなこと書かないのに』というようなことが、あったら、正常じゃない可能性がある」
結弦「恐ろしい~。ひとりの人の中に、ふたつの人格が、あるみたい」
私「『7人の人格がいる』麻友さんは、どう思うのよ!」
麻友「それを、書くということは、太郎さんのことだから、必ず原典をチェックしたはずね。つまり、エケペディアの私の『性格・趣味』のところを、見たのよね。だったら、
『あまり悩まないタイプ。「悩んでも3分で開き直れる。悩み事とか家族にも相談しないし、自分の事を、深いところまで他の人に知られたくないんです」』
という一文も、見たはず。いや、とっくにエケペディアは、全部印刷して、読んである。それなのに、
『私の妻になる人は、どこまで探られても、大丈夫な人でないと、堪えられないと思う』
なんて、書いてくるなんて、自爆してない?」
私「麻友さんが、幼稚園の頃からネクラで、自分の世界を囲っている人だ、というのは、分かっている。だけど、世界中にひとりくらい、麻友さんのこころを、本当に完全に受け入れてくれる人が、居たっていいんじゃないかな?」
麻友「ブラックホール抱えたままでも?」
私「もちろん」
結弦「感動的な場面なんだけどさあ、それは、デートでやってよ。今日は、マチンの級数を、証明するんだよ」
私「そうだったな。麻友さん、今言ったこと、覚えていてね。じゃあ、マチンの級数、行くぞ」
若菜「前回、タンジェントの逆関数、アークタンジェントの、整級数展開を、求めました。
でした」
私「ちょっと、具体的に、級数を、書いてごらん」
結弦「
だけど、あれっ、なんか、これとそっくりな、級数の計算やったな? どこでだろう?」
私「マチンの級数で、 を、求めたときだよ」
若菜「あっ、そうかあ。あれは、アークタンジェントの整級数展開だったんだ。やっと納得」
麻友「そうすると、もう結論に肉薄しているのね?」
私「最後は、技巧の限りを尽くす。『解析入門Ⅰ』の203ページで、わずか7行で、計算されていることだが、丁寧にやろう。まず、 の、加法定理が、
なのは、良かったな」
結弦「覚えてる」
私「今、新しい実数、 を、 と、定義する」
若菜「どうしてですか?」
私「そういう疑問は、若い頃は、持って当然だ。そういう素朴な疑問を、大切に持ち続けていると、何年も後に、新発見とは限らないが、何か再発見をできる可能性がある」
若菜「お父さんの矢印みたいに?」
私「まあ、そうだな」
若菜「その矢印で、ちょっと疑問があるんです。お父さんは、『1から始める数学』というブログの、『0から始める数学(その6)』という投稿で、『(矢印について)、実は、京都で、既に悩み始めていた。だから、1994年から、26年間だよ』と言って、次のノートを見せてくれています」
若菜「でも、日付を見ると、1994.10.16 です。お父さんは、8月か、9月には、もう横浜に戻っていて、頭もリセットされていたんじゃないですか?」
私「ひとりの人間を、完全にリセットするというのは、そんなに易しいことではない。京都で倒れて、連れ戻されたのが、何日だったのかは、はっきりとは、覚えていない。あの頃は、ノートに、日付をあまり書いていないから、7月なのか、8月なのかも、はっきりしない。ただ、最後の頃、読んでいたのは、前原昭二『数学基礎論入門』(朝倉書店)という本で、この本のはしがきに、『1994.6.19』とあって、京都で読み始めている。ところが、この本は、少なくとも初心者には、読みにくい本で、この本で、矢印の使い方が、分からなくなった。だが、自分では、『矢印の使い方が分かっていないから混乱しているんだ』と、自覚がないので、どんどん分からないまま、読み進めた。19ページに『94.10.15』の書き込みがある。そして、翌朝、『矢印の使い方が、問題なのだ』と気付き、あの写真のノートの記述が生まれたんだ」
前原昭二『数学基礎論入門』(朝倉書店)
- 作者:昭二, 前原
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
私「ただし、私が持っているのは、新装版ではない」
若菜「じゃあ、リセットされた後も、数学を続けていたんですか?」
私「私から、数学を取ったら、それはもう、私ではないんだよ」
麻友「私に、そこまで言えるものが、何かあるかしら?」
私「それは、人生を生きていく上で、じっくり考えたらいい。まだ、麻友さんの人生は、75年以上ある」
結弦「お父さん、100歳まで生きる気だ」
若菜「それじゃ、どう、 をどう使うか、見ていましょう」
麻友「そこまで書いて、マックへ食べに行ってたの?」
私「待たせたね。ラストスパートだ」
若菜「薬、飲まなきゃ。20時59分です」
私「これ飲まないと、私が倒れて、周りに迷惑掛けるからな」
私「ゴックン、ゴックン、ゴックン。飲んだよ」
麻友「お母様にどんな写真を、送ってるの?」
私「見たけりゃ、見せてあげるよ」
麻友「薬の数、あってるのかしら?」
私「大丈夫だよ。オランザピン10mg2錠、セロクエル100mg2錠、フルニトラゼパム1mg2錠で、いいんだよ」
麻友「まさか、この計算をする?」
私「もう、準備できてる」
若菜「はあ」
私「まず、タンジェントの加法定理で、 と置いて、
ここで、 だから、逆関数であることより、 だな」
結弦「確かにそうだ」
私「そうすると、 が、求まるだろう」
結弦「 だ」
私「よし。次は、 だ。若菜、やってみるか?」
若菜「やってみます。
です」
私「いよいよ、技巧的になる。
を、求めるのだが、もう眠くなったから寝るよ」
麻友「今日のも、太郎さんが、一所懸命、計算しているのが分かって、楽しかったわ。おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
私「おやすみ」
現在2020年12月20日23時11分である。おしまい。