現在2020年12月17日12時40分である。(この投稿は、ほぼ6324文字)
麻友「2日間、投稿なかったわね」
私「ちょっと、相対性理論を勉強したりしててね」
麻友「何か、準備する、必要が、あるの?」
私「本の校閲をしたときの、戦友が、私を、『朝物理(あさぶつり)』という、ゼミに誘ったんだよ」
若菜「テキストは?」
私「これなんだけどね」
石井俊全(いしい としあき)『一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する』(ベレ出版)
- 作者:俊全, 石井
- 発売日: 2017/03/27
- メディア: 単行本
麻友「あら、太郎さんの、推薦図書じゃない」
私「そうなんだ。確かに、絶好の機会なんだ。この本で、一般相対性理論を、まだ良く知らない人が、どう躓くのか知るのは、非常に有意義だ」
麻友「それは、いつあるの?」
私「明日から、毎週火曜と、金曜なんだ」
結弦「それで、勉強してたんだ」
私「ただ、ひとつだけ、問題が、あるんだ」
若菜「スピードが、速いとか?」
私「そうじゃなくて、時間が、6時から7時なんだ」
結弦「ブログ書くのに、困る?でも、6時なら」
私「違うんだよ。朝の6時なんだよ」
結弦「あっ、それは確かに、問題だ。お父さんが、朝6時に起きるなんて、ほとんど不可能」
若菜「断った方が、良いのでは、ないですか?」
私「私も、そう思っている。ただ、こういうチャンスをもらっていながら、それをそのまま、ドブに放り込む人間だったら、私は、ここまで、来ていない」
麻友「1回だけ、参加することに、したのね」
私「そう」
結弦「勉強熱心なのは、認める。それで、 の根拠の、マチンの級数は?」
私「証明しよう」
結弦「待ってました」
私「『数学を悟ってみて(その15)』で、分母が の、関数の微分を、証明したね」
麻友「こんなことを、やったわね」
私「おお、さすが、特待生」
私「本当の、渡辺麻友さん。『ここまでは、自分は、冴えられない』なんて、悲観しなくていいですよ。私のブログの麻友さんは、私と同レヴェルに冴える、数学の天才ということになっているのですから」
若菜「誰と、しゃべっているんですか?」
麻友「ちょっと、具体的に、計算してみてよ」
私「そうだな。具体例も、必要か。じゃあ、
を、微分してみて」
麻友「まず、マイナスなのよね。そして、 の2乗が、分母。 の微分が、分子だから、
だわ」
若菜「普通の先生なら、減点すると、思います。
と、しないと」
結弦「高校だと、こういう細かいところも、減点するよな。それで、次の段階は?」
私「ライプニッツルールとか、積の微分法というものを、教えただろう」
若菜「やりましたね。
というように、ひとつずつ、微分するのでしたね」
麻友「これも、具体例が、欲しいわ」
私「じゃあ、 を、3通りに微分してご覧」
麻友「まず、普通に、 が、得られる」
若菜「次に、ライプニッツルールで、
となります」
結弦「別な分け方で、ライプニッツルールを使って、
となる。結果は、全部同じだ」
私「まあ、最初は、それに感心してもいいけどもね」
麻友「最初じゃなくなったら、どうだと言うの?」
私「微積分のライプニッツルールと、チェインルールくらい、呼吸するのと同じように、使えなければ、数学をやっていくことなど、不可能だということだよ」
結弦「チェインルールというのは?」
私「いずれ出てくる」
私「さて、積の微分法と、分母のある微分をやった。次は、どうなる?」
若菜「当然、
を計算したくなりますね」
私「その通りだ。やってみな」
若菜「
分母を、通分するんですか?」
私「普通、通分する」
若菜「じゃあ、
ですね」
私「よくできた」
麻友「具体例は?」
私「この際、実戦で使おう。結弦、 を、微分してみろ」
結弦「えっ、お父さん、無茶振りするからなあ。
だけど、サイン、コサインの微分って、使っていいの?」
麻友「いいわよ。私が、良いと言えば、太郎さんは、怒らないから」
結弦「サインの微分は、コサイン。コサインの微分は、マイナスサインだったな」
あれっ、分子、 になっちゃった。いいのかな?」
私「それを表すには、2つの流儀があるんだ。 のままにする流儀と、 と、あくまでも、 で表す流儀とね」
結弦「あっ、タンジェントで、表せたんだ。
と、表せるんだ」
私「
は、公式として、カッコいいんだけどね。
とも表せることを、覚えていた方が、応用上大切なんだ」
若菜「タンジェントが、微分できるようになりました。ところで、お父さんは、 と書いたり、 と書いたりします。何か、書き分ける根拠が、あるのですか?」
私「これ、一応、使い分けているんだ。麻友さんが、三角関数に慣れていない頃は、 などとしていたが、慣れるにつれ、 とするように、導いた」
若菜「お母さんが、基準ですか」
私「もっちろん」
麻友「太郎さん。それで、なぜ を、微分したの?」
私「そうなのよ、そうなのよ、そのためなのよ。今から、ちょっと、難しい話をする。良く聞いてて」
麻友「うん」
私「逆関数というものは、知っているね。例えば、今の、 という関数の逆関数は、 (エックス、イコール、アークタンジェント、ワイと読む)となるもので、この に、 の、 を、代入すると、 となる。つまり、 であるとき、 となるということなんだけどね」
麻友「それが、難しい話?」
私「そう」
麻友「大丈夫よ。進めて」
私「じゃあ、この で、独立変数を、 にして、 と書くことにしよう。この場合、 だ。さて、次の微分を考える。
麻友「ちょっと、ストップ。なぜ、 が、 なのよ」
私「1行上で、 と、 を、交換するって言って、『 だ』って、言ったじゃない」
麻友「なんか、騙された気分」
私「取り敢えず、見てて。
と、計算できる」
麻友「なんか、怪しいわね。逆関数の微分なんて、信じて良いのかしら?
なんて、ウソっぽそう」
私「実は、この逆関数の微分について、一番きちんと書いてあるのが、いつもの、『解析入門Ⅰ』なんだ。
- 作者:杉浦 光夫
- 発売日: 1980/03/31
- メディア: 単行本
の143ページに、
である.これは一変数の場合の と異なる点であるから注意が必要である.多変数の偏微分に一変数のときと異なる円い を用いるのは,ここに一つの理由がある.
とある。まだ、麻友さんは、ほとんど、 (まるいディ、という意味で、ラウンドディ、或いは、ただ単に、ラウンドと、読む)という記号に触れてないが、それが、出てきたら、分数のように使ってはいけなくなる。 は、『ラウンド、エックス、ラウンド、アール』と読む。分数のように、『ラウンド、アール、ぶんの、ラウンド、エックス』とは、読まないんだ」
若菜「私達は、まだ、1変数の世界にいるのですね。大学へ行くと、多変数になる。お父さんは、『ラウンド』などという読み方、どこで教わったのですか?」
私「実は、これ、古い情報かも知れないんだ」
結弦「どういうこと?」
私「私が、その後、新しい数学書を、たくさん買ったので、棄てられてしまったが、中学、いや高校の頃でも、母が大学時代に買った、『微分積分演習』とか、『函数論演習』などというような本が、3冊か4冊、家にあったんだ」
麻友「ああ、工学部のお母様」
私「流石に、高校1年で、大学2年生くらいの演習書は、読めなかったんだけど、唯一、この偏微分の記号の読み方が書いてあるところを、見つけたんだ」
若菜「そこに、『ラウンド ディ ワイ、ラウンド ディ エックス』と、読めと書いてあったのですね。そして、『ラウンド ワイ、ラウンド エックス』でも、良いと。でも、お父さんのお母様が、大学時代って、1960年代。通じるんでしょうかね?」
結弦「偏微分の記号っていうの? カチャカチャ。あっ、本当に、『ラウンドディー』って読む。お父さん、ATOKで、『ラウンドディー』って、変換してごらん」
私「うん? ラウンドディー ∂ 本当だ」
結弦「あと、『デル』でも、良いって」
私「デル ∂ なるほど」
若菜「55年くらい経っても、数学は不変ですね」
麻友「太郎さん。明日、5時半起きなんでしょう。 の微分まで分かったから、今日は、もう寝たら?」
私「ありがとう。じゃあ、これで、今日は、止めよう」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
私「おやすみ」
現在2020年12月17日21時16分である。おしまい。