相対性理論を学びたい人のために

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数学を悟ってみて(その10)

 現在2020年12月2日4時29分である。(この投稿は、ほぼ7492文字)

麻友「随分早い時間ね」

私「3時30分に、目が覚めちゃって、ヤクルト飲んで、もう一度、ベッドに入ったけど、眠れそうになかったから、3時54分に起きて、ご飯を仕掛けたんだ」

若菜「もう炊けてるかも」

私「うん。炊けた。朝食にする」


結弦「おかずは、有ったの?」

私「ふりかけとごま塩とキムチが、有った」

若菜「要するに、冷凍食品も、納豆も、なかったんですね」

私「今日、お昼にマックへ行った帰りに、西友で冷凍パスタ、買ってくる」

麻友「料理している暇ないか」


若菜「三角関数{\cos{z},\sin{z}} を、整級数で、定義した後、先に進んでませんが」

麻友「三角関数を、次のように、定義した」

{\displaystyle \cos{z}=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!} z^{2n}=1-\frac{1}{2!} z^2+\frac{1}{4!} z^4-\frac{1}{6!} z^6 \cdots }

{\displaystyle =1-\frac{1}{2} z^2+\frac{1}{24} z^4-\frac{1}{720} z^6 \cdots}

{\displaystyle \sin{z}=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n+1)!} z^{2n+1}=\frac{1}{1!} z -\frac{1}{3!} z^3 + \frac{1}{5!} z^5 \cdots }

{\displaystyle = z -\frac{1}{6} z^3 + \frac{1}{120} z^5 -\frac{1}{5040} z^7 \cdots}

若菜「この、{\cos{z},\sin{z}} は、{(\cos{z},\sin{z})} としたとき、点 {(x,y)=(\cos{z},\sin{z})} は、本当に、私の円の式、{x^2+y^2=1} を、満たすんでしょうかね?」

私「若菜、パンドラの箱を、開けてしまったな。でも、証明してあげよう」

麻友「なんか、恐ろしいことに、なりそう」


私「まず、{\cos{z},\sin{z}} の、{z} を、実数とするので、強調するために、{x} で、置き換える。これは、どうということではない。{\cos{x},\sin{x}} とするだけだ。そして、整級数の定義も、もっと精密にする。まず、{n} を、無限大に飛ばさず、有限のところで、止める。

{\displaystyle C_n(x)=\sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k}{(2k)!} z^{2k}=1-\frac{1}{2!} x^2+\frac{1}{4!} x^4-\frac{1}{6!} x^6 \cdots +(-1)^n \frac{x^{2n}}{(2n)!}}

{\displaystyle =1-\frac{1}{2} x^2+\frac{1}{24} x^4-\frac{1}{720} x^6 \cdots +(-1)^n \frac{x^{2n}}{(2n)!}}

{\displaystyle S_n(x)=\sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k}{(2k+1)!} z^{2k+1}=\frac{1}{1!} k -\frac{1}{3!} k^3 + \frac{1}{5!} k^5 \cdots +(-1)^n \frac{x^{2n+1}}{(2n+1)!}}

{\displaystyle = x -\frac{1}{6} x^3 + \frac{1}{120} x^5 -\frac{1}{5040} x^7 \cdots +(-1)^n \frac{x^{2n+1}}{(2n+1)!}}

これらは、{n=0,1,2,\cdots} で、定義されているものとする。{n} が、無限大でも、収束するのだから、有限の、{n} でも、和が求まる」

結弦「その、{\displaystyle \sum_{k=0}^{n}} という記号は、{k=0} から、{n} まで、{1} ずつ、{k} を増やして、足し合わせるという記号だよね」

私「そう。こうすると、

{\displaystyle \cos x=\lim_{n \rightarrow \infty} C_n(x)=1-\frac{1}{2!} x^2+\frac{1}{4!} x^4-\frac{1}{6!} x^6 \cdots }

{\displaystyle \sin x=\lim_{n \rightarrow \infty} S_n(x)=x -\frac{1}{6} x^3 + \frac{1}{120} x^5 -\frac{1}{5040} x^7 \cdots }

と、改めて、精密に定義できる」

若菜「今更ですが、{\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}} は、『微分積分入門』で、出てきた、極限の記号ですね」

私「今の場合、数列、{a_n} で、{n} をどんどん大きくしたとき、ある数、{a} に、近付いていくとき、そのある数を、収束先と言い、{\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} a_n 
=a} と、書くんだ。例えば、{\displaystyle a_n=2+\frac{3}{4n}} としたら、{\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} a_n = 2} みたいにね。もう、知っているものと思って、どんどん使ってしまったね」

結弦「『もう、手加減しない』って、言ってたもんね」


私「やっと、ちょっと眠くなってきた。しばらく寝るよ」

麻友「おやすみ」

 現在2020年12月2日6時59分である。中断。



 現在2020年12月2日17時56分である。再開。

麻友「7時から、今まで寝ていたの?」

私「いや、11時2分に起き、マックへ行き、『数学基礎概説』と、『解析入門Ⅰ』で、証明のチェックをして、『麻友71』のノートに、筋の通った証明を、書き入れて行った」

若菜「お父さんが、ノートに証明書くときって、一切省略なしに、書くの?」

私「あまり、自分に取って、当たり前なことまで、証明書いていると、集中力が落ちるから、自分に取っても、第3者にとっても、当たり前そうなことは、『以下の定理は認める』みたいに、飛ばすこともある」

結弦「その第3者という人の、レヴェルは?」

私「京都大学理学部に合格し、理学部で1年、数学の授業に出たくらいの人を、仮定している。つまり、ブルバキが読者として仮定しているレヴェルだ」

麻友「ちょっと、私達に、そういうレヴェルを、要求しているの?」

私「あのー、なんでもそうなんだけど、数学でも、ポイントとか、山場とか、難所とか、言われるところがあって、ここを押さえておけば、これに関しては、もう十分、みたいなものが、あっちこっちにあるのね。私は、そういうところを、分かるように、麻友さん達に、教えている。だから、5年半も経った今では、麻友さん達に、ブルバキレヴェルを要求しても、結構付いてこられるはずだ」

若菜「お父さんは、ポイントか、どうかを、どうやって判定しているんですか?」

私「自分が苦労した場所とか、色んな参考書で、絵を描いたりして、丁寧に説明してある部分とかだよ。ポイントというのは」

結弦「今回の証明で、見ていよう」


私「そろそろ、イライラしてきただろうから、{\pi} を、定義しよう。若菜が、最後に言ったように、{\cos x} で、最初に {\cos x =0} となる、{x} を、仮に、{\beta_0} としよう。{\beta} を使ったのは、『数学基礎概説』で、そうなっているからだ。いずれ、{2 \beta_0 =\pi} となるのは、分かっているね」

若菜「つまり、{\displaystyle \cos \frac{\pi}{2}=0} だからですね」

私「そう」

若菜「でも、最初に {0} になるところかどうかは、これだけでは、分かりませんね」

私「{\cos{0}=1} は、整級数の定義でも、当然。

 一方、

{\displaystyle \cos 2 =\biggl[1-\biggl(\frac{2^2}{2!}-\frac{2^4}{4!} \biggr) \biggr]-\biggl(\frac{2^6}{6!}-\frac{2^8}{8!} \biggr) \cdots - \biggl(\frac{2^{4n-2}}{(4n-2)!}-\frac{2^{4n}}{(4n)!} \biggr)- \cdots}

で、{n \geqq 1} に対して、

{\displaystyle \frac{2^{4n-2}}{(4n-2)!}-\frac{2^{4n}}{(4n)!}=\frac{2^{4n-2}}{(4n)!}(4n(4n-1)-2^2) \geqq \frac{2^{4n-2}}{(4n)!}(4 \times 3-4) >0}

だから、後ろの方の項は、すべて正なのだ。正の数を引いているので、それらをどけると、

{\displaystyle \biggl[1-\biggl(\frac{2^2}{2!}-\frac{2^4}{4!} \biggr) \biggr]}

は、

{\cos 2} より、大きくなる(こういう部分は、自分で納得できるまで、頭を働かせて、チェックしてね)。

 そして、

{\displaystyle \cos 2 \leqq \biggl[1- \biggl(\frac{2^2}{2!}-\frac{2^4}{4!} \biggr) \biggr]=1-\biggl(2-\frac{2}{3} \biggr)=-\frac{1}{3}}

と、{x=2} では、既に、マイナスになっている。

 そうすると、{\{x|0 \leqq x \leqq 2 \}} の中に、{\beta_0} の他に、{\cos x =0} となる、{\beta} が、あるかどうか、疑問が残るよね」

若菜「わぁ、問題って、こんなに、明確に、解いていくんだ。お父さん、学校のテストでも、こうだったの?」

私「私の頭が、正常に戻って、やっとこういうことが、できるように、なった」

麻友「今、太郎さん、幸せ?」

私「うん。幸せ」

麻友「太郎さんのお誕生日、祝いに行ってあげなくて、良いわね」

私「若菜~。結弦~。なんとか、お母さんを、会いに来てくれるように、説得してよ」

若菜「十分、会話しているじゃ、ないですか」

私「本物の、生身の麻友さんと、差し向かいで、しゃべりたいんだよ」

結弦「しゃべるだけなら、AKB48に、いたとき、握手会に、行けば良かったのに」


麻友「私との話に、逃げない。{\beta_0} が、最初に、{\cos x} が、{0} になる実数だと、証明しなさい」

私「まず、{\beta_0} が、最初に、{\cos{x}=0} となる、{x} だと、頭から、定義しよう。そのとき、もちろん、{\cos{\beta_0}=0} だ。このとき、{(x,y)=(\cos x,\sin x)} が、若菜が言っている、円 {x^2+y^2=1} の円周上の点なら、{\cos^2 x+\sin^2 x =1} のはずだ」

結弦「当たり前の式じゃない?」

私「言っておくけど、私達は、円と関係ない、整級数で、三角関数を、定義しているんだよ。{\cos^2 x+\sin^2 x =1} は、当たり前じゃない」

若菜「私が、パンドラの箱を開けてしまったって、そのことですか?」

私「そうだ。でも、これは、証明できる。実は、私達の、整級数を用いた、三角関数の定義でも、

 定理 (三角関数の自乗の和と加法定理)

(1){\cos^2 x+\sin^2 x =1}

(2){\sin(x+y)=\sin x \times \cos y + \cos x \times \sin y}

(3){\cos(x+y)=\cos x \times \cos y -\sin x \times \sin y}



は、証明できる。だけど、今日は、もう21時34分になってしまったから、その証明は、明日にしよう。差し当たって、{\cos x,\sin x} が、定義されているとして、{\tan x} を、定義しよう」

麻友「もちろん、{\displaystyle \tan x=\frac{\sin x}{\cos x}} でしょ?」

私「そう。ただこれを、微分したいとなったとき、麻友さんには、まだ無理だろう」

麻友「私は、{(x^6)’=6x^5} みたいなのしか、知らない」

私「これは、非常に重要な武器なので、知っておく必要が、ある。まず、積の微分法(せきのびぶんほう)と呼ばれる、次の式。

{\displaystyle \{f(x)g(x)\}’=\lim_{\Delta x \rightarrow 0} \frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x}g(x+\Delta x)+\lim_{\Delta x \rightarrow 0} f(x)\frac{g(x+\Delta x)-g(x)}{\Delta x}}

{=f’(x)g(x)+f(x)g'(x)}

麻友「これを、覚えろと?」

私「覚えようと思わなくとも、数学では、微分積分は、使いまくられるので、証明法と共に、頭に焼き付くと思う」

麻友「誰が、見つけたのかしら?」

私「英語圏の文献では、ライプニッツの公式({\mathrm{Leibniz's~rule }})と、呼ばれているから、ライプニッツかな?」

麻友「それで、これが?」

私「これを、用いて、分数の微分の公式が、導けるんだ」

麻友「だから、{\tan x} を、微分できると」

私「そういうこと。明日、説明するよ」


若菜「お父さん。十分、お母さんと、仲良くできてるじゃない」

結弦「でも、手で触れ合えない、オンライン彼女だものなあ」

若菜「新型コロナウイルスって、マスクしろって言われるじゃない。顔に自信のあった女の人達にとっては、お化粧が意味なくなって、困ってるのよね」

結弦「そう言えば、今年に入ってから、JK(女子高校生)なんかのスカートが、前より特に短くなったように見える。顔で引きつけられないから、脚で魅了しようってことか」

若菜「お父さん、渡辺麻友さんからも、ストーカーだと、思われているのかなあ?」

結弦「もう、49歳だものな」

若菜「私、風の噂に、『ガラスの仮面』の50巻が出ていないのは、お母さんとお父さんの、模範的恋愛のゴールを、少女マンガで描きたいからだって、聞いたわ」

結弦「もし、お父さんが、いきなりお母さんから、手を引いたら、どうなるだろう」

若菜「『あっ、自然淘汰されたな』で、バッサリよ」

結弦「お母さんって、本当に、サイボーグだったんだね」


麻友「ちょっと。『感情をなくした』けど、取り戻したのよ。でも、私には、自分を商品にする仕事は、本当に堪えに堪えてきたけど、これ以上許して」

私「麻友さんの、自分を見る目は、厳しい。だけど、それでも、これ以上は無理、というのが、あるのは、分かる。それで、良いんだよ」

麻友「明日の、AKB48のオーディションに合格した日から14周年。祝ってくれる?」

私「もちろん」

若菜「これで解決ですね。おやすみなさい」

結弦「お似合いのカップルだと、思うけどな。おやすみなさい」

麻友「太郎さん。自然淘汰で、最後まで残る自信ある?」

私「麻友さんが、好きな人が他にいたら、どうしようもないけど」

麻友「今日は、寝なきゃね。おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2020年12月2日23時19分である。おしまい。