相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

数学を悟ってみて(その6)

 現在2020年11月29日15時26分である。(この投稿は、ほぼ2667文字)

麻友「昨日の、{\pi} を使った、『{\Rightarrow} 導入-仮定除去』の説明は、分かり易かった」

若菜「さすが、矢印で、26年悩んだ、お父さんですよね」

結弦「でも、せっかくあそこまでやったんだからさあ、{\pi} が、本当に、小数点以下2桁目まで3.14なのか、計算して欲しかったなあ」

私「お前たち、気楽に考えているだろう。そもそも、{\pi} って、どう定義されていた?」

結弦「円の直径で、円周の長さを割ったもの、というのでは、駄目なの?」

私「円って、なんだよ」

結弦「えっ、そこから? 絵を描くんじゃ、許されないか」

若菜「あなたじゃ、この敵は、切れない。私が、相手になるわ」

私「どこまで、食い下がれるかな?」

若菜「円とは、2次元平面で、{x^2+y^2=1} を、満たす、 点の集合です」

私「その集合が、つながっていて、長さが、測れるというのは、どう示す?」

若菜「つながっているか、どうか?」

結弦「お姉ちゃん、大丈夫?」

若菜「なんのこれしき、{x^2+y^2=1} は、微分可能関数だから、特に連続関数で、陰関数定理により、像が連結なことは、証明できる」

私「ほーっ、少しは、手応えのあるのが、出てきたか。じゃあ、像が連結として、長さを、どう測る?」

若菜「線積分で!」

私「例えば?」

若菜「{\displaystyle \int_{-1}^{1} \sqrt{1-x^2} dx=\frac{\pi}{2}} と定義する」

私「それは、確かに成り立つ式だが、角度をラジアンで測るとしたら、{\pi} をあらかじめ知っていることに、ならないか?」

若菜「うぐぐ。{\pi} の計算に、{\pi} を、使ってしまう?」

私「ギブアップか?」

若菜「まだ。{\pi}{\cos{\theta}} で、{\theta} を、{0} から始めて、最初に {\cos{\theta}} が、 {0} となる {\theta} の値の、2倍とする」

私「やっと、解析的な、定義に、たどり着いたな。だが、 {\cos{\theta}} を、どう定義する? 三角形の、斜辺と、底辺の比、なんて、定義になってないぞ」

若菜「そんな、・・・。整級数による定義!、バタッ」

結弦「お姉ちゃん。もう、無理だ」

麻友「太郎さん。やってくれたわね。 {\cos{\theta}} を、整級数展開で定義すれば、確かに、幾何学的直観を、使わずに、計算できるわね。でも、そこまでする必要が、あったの?」

私「京都で、時間があったらやりたかったことのひとつが、 {\pi} を、厳密に定義して、それが、本当に、3.14かどうか、確かめることだった。そうそう、簡単なことではないと、知ってもらいたかった」

麻友「太郎さんが、5年かけて読んだ、『数学基礎概説』って、こういうことを、目指していたの?」

大芝猛『数学基礎概説』(共立出版

数学基礎概説 (共立数学講座)

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  • 作者:猛, 大芝
  • 発売日: 1987/10/20
  • メディア: 単行本

私「実数というものが、本当にあるのか? というところまで、証明してある」

若菜「実数があるって、小数で表せるのだから、あるに決まっているじゃないですか?」

私「自分の使っている公理で、実数の性質を持つものが、本当にあると証明するのは、そんなに、簡単じゃない」

麻友「それは、今の私達には、とても無理よ。実数の性質を持つ集合 {\mathbb{R}}実数体アール)の存在は、認めて」


私「実数体 {\mathbb{R}} と、複素数体 {\mathbb{C}} の存在は、認めよう」

麻友「三角関数{\cos{z},\sin{z}} を、整級数で、定義する」

{\displaystyle \cos{z}=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!} z^{2n}=1-\frac{1}{2!} z^2+\frac{1}{4!} z^4-\frac{1}{6!} z^6 \cdots }

{\displaystyle =1-\frac{1}{2} z^2+\frac{1}{24} z^4-\frac{1}{720} z^6 \cdots}

{\displaystyle \sin{z}=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n+1)!} z^{2n+1}=\frac{1}{1!} z -\frac{1}{3!} z^3 + \frac{1}{5!} z^5 \cdots }

{\displaystyle = z -\frac{1}{6} z^3 + \frac{1}{120} z^5 -\frac{1}{5040} z^7 \cdots}

若菜「お母さん。お父さんの虎の巻、手に入れてきました」

麻友「太郎さんの虎の巻?」

若菜「いつもの『解析入門Ⅰ』です」

解析入門 Ⅰ(基礎数学2)

解析入門 Ⅰ(基礎数学2)

麻友「どこを、読んだら良いのかしら?」

結弦「索引で、『マチンの級数』って、引いちゃえば?」

麻友「203ページ。パラパラ。凄い書き込み。本当に読んでる」


私「この整級数は、収束するのか?」

若菜「お父さんが、前にブログに書いていた、『初等関数』というノートも、持って来ました。

『第Ⅲ章の§3の問題 2) は、不親切だ。今回解くのは見送ろう。

 代わりに、{\pi} の定義をしよう。』

というページがあるんです」

麻友「整級数の収束半径を、計算してる。これで、反撃できるかな」

私「もう眠い、途中だけど、このまま投稿しよう。明日、通院なんだ」

若菜・結弦「じゃあ、おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2020年11月29日23時41分である。おしまい。