相対性理論を学びたい人のために

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数学を悟ってみて(その15)

 現在2020年12月8日10時31分である。(この投稿は、ほぼ2871文字)

麻友「昨日は、感動だったわ。でも、太郎さん、あんなに凄いの、まったく、計算ミスしないの?」

私「私だって、神様じゃない。最初、{1.93939~394 \times 10^{-9}} のところが、{10^{-11}} と、なってしまっていて、どうしても、下限が、{3.14159~26723} と、あり得ないものに、なった。ノートを、全部チェックして行って、計算ミスに、気付いた。下限が、{\pi} より大きいなんて、あり得ないものね。それで、{3.14159~26513~7} が、正しいと、分かった」

麻友「この計算で、ミスひとつだけ。普通の人だったら、間違いだらけで、正しい答えにたどり着けないのよ」

私「でも、麻友さんは、特待生だろ。期待しているよ」


若菜「何にしても、凄い計算でした。{\tan{x}}微分は、どこで使う積りだったのですか?」

結弦「それは、聞いちゃいけなかったのじゃない?」

私「ハハハ、聞いてしまったな。既に、積の微分法、つまり、ライプニッツルールは、一応確かめてある。これの応用で、商の微分法というのが、ある。やって、見せると、

{\displaystyle \biggl \{\frac{1}{g(x)} \biggr \}’= \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \Biggl \{\frac{ \displaystyle \frac{1}{g(x+ \Delta x)}-\frac{1}{g(x)}}{\Delta x}\Biggr \}}

というのは、微分の定義を、そのまま使ったようなものだ。

 この分子と分母に、{g(x+ \Delta x) g(x)} を、掛けると、

{\displaystyle \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \Biggl \{\frac{ \displaystyle \frac{1}{g(x+ \Delta x)}-\frac{1}{g(x)}}{\Delta x}\Biggr \}=\lim_{\Delta x \rightarrow 0} \biggl \{\frac{g(x)-g(x+ \Delta x)}{\Delta x \cdot g(x+ \Delta x) g(x)} \biggr \}}

 丁寧にほぐすと、

{\displaystyle \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \biggl \{\frac{g(x)-g(x+ \Delta x)}{\Delta x \cdot g(x+ \Delta x) g(x)} \biggr \}=\lim_{\Delta x \rightarrow 0}\frac{g(x)-g(x+ \Delta x)}{\Delta x} \lim_{\Delta x \rightarrow 0}\frac{1}{g(x)g(x+\Delta x)}}

{\displaystyle =-\lim_{\Delta x \rightarrow 0} \frac{g(x+ \Delta x)-g(x)}{\Delta x} \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \frac{1}{g(x)g(x+\Delta x)} }

 掛けたものの極限は、極限を取ってから、掛けても同じ、ということが、効いているんだ」

麻友「それは、一般的に、成り立つことなの?」

私「掛けるものが、実数とか、複素数なら、掛け算という算法が、連続な関数なので、成り立つ。ところが、まだ麻友さんは知らないが、掛けるものが、関数だったりすると、一様収束しているか? というようなことが、問題になる。一様収束(いちようしゅうそく)という概念は、あのアーベルが、最初に気付いたものと、言われていて、私は、勉強するのが、楽しみだった」

若菜「その一様収束というものは、どんな本で、勉強したのですか?」

私「前にも話したけど、この『一様収束』という本を、高校2年の頃、少し読んだ」

稲葉三男(いなば みつお)『一様収束』(共立数学ワンポイント双書1)

一様収束 (数学ワンポイント双書 1)

一様収束 (数学ワンポイント双書 1)


結弦「ちゃんと、勉強したのは?」

私「毎度毎度ながら、『解析入門Ⅰ』なんだ」

解析入門 Ⅰ(基礎数学2)

解析入門 Ⅰ(基礎数学2)

結弦「お父さん、この本しか、読んでいないみたい」

私「この杉浦光夫の『解析入門Ⅰ・Ⅱ』は、何でも書いてあるんだよ。大学1回生のとき、分からないところを全部写しながら、第Ⅳ章まで、読んであったのが、私の解析学の背骨になっている」


麻友「それで、

{\displaystyle =-\lim_{\Delta x \rightarrow 0} \frac{g(x+ \Delta x)-g(x)}{\Delta x} \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \frac{1}{g(x)g(x+\Delta x)} }

は?」

私「前半は、{g(x)}微分そのものだよね。そして後半は、{\Delta x \rightarrow 0} で、{g(x+\Delta x) } が、{g(x)} に限りなく近付くので、

{\displaystyle =-g(x)’ \biggl( \frac{1}{g(x)g(x)} \biggr)=\frac{-g(x)’}{\{g(x)\}^2} }

となる。これが、分母があるときの、微分の仕方だ。これを、使って、{\tan x}微分ができるのだが、今日はもう、22時08分なので、もう寝るよ」

麻友「それが、いいわ。太郎さんと私の仲は、まだまだ続くのですもの」

私「今日の結論は、

{\displaystyle \biggl\{ \frac{1}{g(x)} \biggr \}’=\frac{-g(x)’}{\{g(x)\}^2} }

だ」

若菜「お父さん。本当に嬉しそう。数学を悟ったというの、本当なんですね」

結弦「お母さんに、自分の数学を作れ、みたいなこと、言ってるけど、お父さん自身、やっと49歳になって、自分の数学が、確立したんじゃない。お母さんもお姉ちゃんも僕も、お父さんに付いていくのは、もの凄く大変なんだからね」

私「分かった。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2020年12月8日22時27分である。おしまい。