相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

キラキラ星変奏曲(変奏5)

 現在2020年8月5日18時43分である。

麻友「今日も、みなと赤十字病院行ってたじゃない。入院?」

私「床屋に行ってたんだよ」

麻友「なーんだ」

結弦「入院患者に、彼女できたんじゃないかな? って、お母さん、心配してたよ」

私「そんなの、結弦のウソだって、バレバレだよ。私は、麻友さん以外を好きにならないし、麻友さんもそれが分かってるから、心配なんかするわけないよ」

若菜「凄い結合力ですね」

麻友「化学結合で、一番強いのは、共有結合よね。次が、イオン結合>水素結合>分子間力結合と、続く」

私「高校の化学では、そう習うね」

麻友「前から知りたいんだけど、分子間力、ファンデルワールス力とも言うけど、これ、引力のはずよね。だったら、これが、ニュートンの見つけた、万有引力なの?」

私「それは、当然の疑問だ。だけど、先に言っちゃうけど、分子間力(ファンデルワールス力)は、ニュートン万有引力とは、全く違う。『問題9,10』という地球の重さを求めるという投稿で、こんな一文があった」


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私「麻友さんは、万有引力の法則というものを、ちゃんとは知らないだろうけど、こういうものなんだ。距離が互いに、{r ・ \mathrm{m}} 離れたところに、片方は、{M ・ \mathrm{kg}}、もう片方は、{m・ \mathrm{kg}} の重さの物体があったとすると、それらの間に、

{\displaystyle F=\mathrm{G}\frac{Mm}{r^2}}

の大きさの引力が、働くというものなんだ」


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(『問題9,10』という投稿より)


若菜「そういえば、お父さんが、万有引力定数を、4桁暗記してて、・・・思い出しました」

私「{\mathrm{G}=6.674 \times 10^{-11} \mathrm{m^3 kg^{-1} s^{-2}}} というのだろ」

麻友「これが、万有引力だとすると、どうなの?」

私「分子間力は、強さが距離の2乗に反比例するのではなく、距離の6乗に反比例するんだ。だから、ほんのちょっと遠ざかると、もう力が働かない」

結弦「だから、別な力だと」

私「そう」

麻友「その6乗だという証明は?」

私「まだ、グライナーの『量子力学概論』を、第3章までしか読んでないから、説明できない」

結弦「何章に書いてあるの?」

私「第15章の例15.3だ」

麻友「かなり、かかりそうね」

若菜「理解したら、説明して欲しいです」

麻友「あっ、そんなこと言っちゃったら・・・」


私「さて、キラキラの説明を、纏めておこう。そもそも、なぜ、偶数のときは、リーマン・ゼータ関数の値が、求まるのか?」

結弦「それ、証明するのって、相当大変そう」

麻友「私達に分かる?」

私「なるべく、具体的に、書くようにするよ」

麻友「頼むわよ」

私「オイラーの公式を導いた、『数学者はなぜ、数学が美しいというのか(その4)』という投稿で、


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 麻友さんが、中学、高校の課程で、習った、三角関数や、指数関数というものの別な定義を、お見せする。

 指数関数は、次のように、無限に続く級数(きゅうすう)というもので、表される。

{\displaystyle e^x=1+\frac{x}{1!}+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots+\frac{x^n}{n!}+\cdots}

 麻友さんの知っている、

{e^3=e \times e \times e}

という指数関数が、こういう級数で表せるということを知るには、もう少し微分の勉強をしなければならない。


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(『数学者はなぜ、数学が美しいというのか(その4)』という投稿より)


という話をしたのを、覚えているだろうか?」

麻友「それ、ずっと前よ」

私「2018年の4月。花の子ルンルンの入院より前」

麻友「じゃあ、覚えてなくても、許されるわね」

私「そりゃ、許されるけど、本当に全く覚えてない?」

若菜「お母さん、覚えてないって、言っちゃえ」

麻友「ほんのちょっと、覚えているのよね。それ、ほとんどオールマイティの武器、テイラー展開なのよね」

結弦「お母さんのお人好し」

麻友「だって、事務の人と、『花の子ルンルン』デュエットする人なんだもの」

私「まず、

{\displaystyle e^x=1+\frac{x}{1!}+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots+\frac{x^n}{n!}+\cdots}

を、仮定する。ただ、今回、変数が実数でなく、複素数であることを、強調するため、変数を、{x} でなく、{z} とする。これは、書き方の問題だけで、本質的な違いはない」

麻友「複素数にして、良いんだっけ?」

私「だって、オイラーの公式は、さっきので、{x=i \theta} と置いて、得られたんじゃない」

麻友「あっ、そうか。でも、なんで大丈夫なんだろ?」

私「そう、特待生は、そこまで追求しなきゃ」

麻友「えっ?」

私「実は、数直線上、つまり、実数で定義されている関数を、複素数の値を与えたとき、こうすれば、上手く行くというやり方があるんだ。それは、つまり1次元の直線上だけで、値が得られた関数を、変数の動くところ(これを関数の定義域というのだが)を、複素数にまで広げるとき、テイラー展開の実数の変数を複素数を代入することによって、無理矢理決めてしまう。こうやって、1次元で、決まっていたものを、2次元のところに、接続するという意味で、これを、解析接続(かいせきせつぞく)というのだ。だから、本当は、当たり前じゃないんだ」

麻友「解析接続。解析性。ここのことが分かると、向こうのことが分かるって、言ってた」

私「そう。遂に、解析性に触れたじゃない」

麻友「じゃあ、これが、解析関数?」

私「そうだよ」


若菜「お母さん、お父さんに手を取られて、どんどん進むんだから」

結弦「僕達、置いてきぼり」

私「この後、具体的な計算で、分かるようにする。今、私が書こうとしているのは、『解析入門Ⅱ』の第Ⅸ章 §10関数の表示 の335ページの、定理10.3の終わった後だ」


麻友「こんな難しい本の話?」

私「大丈夫だって。まず、整級数の収束半径というややこしい話が出て来るが、それは、オミット。

関数 {\displaystyle \frac{z}{e^z-1}} は、解析関数 {e^z} と、解析関数 {z} と、解析関数 {1} の足し算引き算掛け算割り算で、できているので、解析関数なんだ。

だから、

{\displaystyle \frac{z}{e^z-1}=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{b_n}{n!}z^n,~~~~(|z| \leqq 2 \pi)}

というように、整級数展開できるはずだと言うことになる」

結弦「整級数展開とテイラー展開は、違うの?」

私「概念は同じだ。ただ、整級数は、どんな形ででも、数列の級数となってれば良いのに対し、テイラー展開は、微分して0と置いて、また微分して0と置いて、ということを繰り返して得られたという意味が加わる」



私「ごめん。シンデレラだ。もう寝なきゃ」

麻友「グッスリ寝てね」

私「じゃあ、解散」


麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2020年8月5日22時28分である。おしまい。