現在2014年8月20日16時40分である。
今日は、私のブログにたびたび質問を書き込んでいる、宇宙が好きな人、さんに返事を書くことにする。
宇宙が好きな人、さん。もしかして、あなたは高校生ですか?
内山龍雄さんの『一般相対性理論』を持っているなどと書いていたので当然理系の大学生だと思っていました。
前回の投稿では、大学生向けの返事を書いてしまいました。
でも、テイラー展開を知らないようなので、高校生なのかな、と気付きました。
テイラー展開とは、例えば、杉浦光夫著『解析入門Ⅰ』(東京大学出版会)の101ページにあるように、
関数 f が実数 a のそばで、何回でも微分できるとき
f(x)=f(a)+f’(a)(x-a)+f’’(a)(x-a)^2/2+・・・
と、展開できる。
というものです。
これを用いて、
f(x)=1/√(1-x)
を展開すると、
f(x)=f(a)+(-1/2)(1-a)^(-3/2)(-1)(x-a)・・・
となり、a=0とおくと、
1/√(1-x)=1+x/2+・・・
となります。xが0に近いとき、xの2乗以上は、xよりも0に近くなるので、近似式としては上のものが使えます。
この式で、
x=(v/c)^2
とおくと
1/√(1-(v/c)^2)=1+(1/2)(v/c)^2+・・・
という近似が出来ます。
これを使ってローレンツ変換の式を近似すると、
ct’={1+(1/2)(v/c)^2}ct-(v/c){1+(1/2)(v/c)^2}x
x’=-(v/c){1+(1/2)(v/c)^2}ct+{1+(1/2)(v/c)^2}x
となります。この式で、(v/c)→0の極限をとれば、
ct’=ct-(v/c)x
x’=-(v/c)ct+x
となり、(v/c)→0ですから、
ct’=ct
x’=-vt+x
より、ガリレイ変換の式、3ページから4ページの(1.3)式
t’=t
x’=x-vt
に一致します。
こういうことを私は言いたかったのです。納得してもらえましたか。
そうは言うものの、特殊相対性理論を佐藤勝彦著『相対性理論』(岩波基礎物理シリーズ)で勉強するのは無理があります。
中野董夫(ただお)著『相対性理論』(岩波物理入門コース)
今日は、私のブログにたびたび質問を書き込んでいる、宇宙が好きな人、さんに返事を書くことにする。
宇宙が好きな人、さん。もしかして、あなたは高校生ですか?
内山龍雄さんの『一般相対性理論』を持っているなどと書いていたので当然理系の大学生だと思っていました。
前回の投稿では、大学生向けの返事を書いてしまいました。
でも、テイラー展開を知らないようなので、高校生なのかな、と気付きました。
テイラー展開とは、例えば、杉浦光夫著『解析入門Ⅰ』(東京大学出版会)の101ページにあるように、
関数 f が実数 a のそばで、何回でも微分できるとき
f(x)=f(a)+f’(a)(x-a)+f’’(a)(x-a)^2/2+・・・
と、展開できる。
というものです。
これを用いて、
f(x)=1/√(1-x)
を展開すると、
f(x)=f(a)+(-1/2)(1-a)^(-3/2)(-1)(x-a)・・・
となり、a=0とおくと、
1/√(1-x)=1+x/2+・・・
となります。xが0に近いとき、xの2乗以上は、xよりも0に近くなるので、近似式としては上のものが使えます。
この式で、
x=(v/c)^2
とおくと
1/√(1-(v/c)^2)=1+(1/2)(v/c)^2+・・・
という近似が出来ます。
これを使ってローレンツ変換の式を近似すると、
ct’={1+(1/2)(v/c)^2}ct-(v/c){1+(1/2)(v/c)^2}x
x’=-(v/c){1+(1/2)(v/c)^2}ct+{1+(1/2)(v/c)^2}x
となります。この式で、(v/c)→0の極限をとれば、
ct’=ct-(v/c)x
x’=-(v/c)ct+x
となり、(v/c)→0ですから、
ct’=ct
x’=-vt+x
より、ガリレイ変換の式、3ページから4ページの(1.3)式
t’=t
x’=x-vt
に一致します。
こういうことを私は言いたかったのです。納得してもらえましたか。
そうは言うものの、特殊相対性理論を佐藤勝彦著『相対性理論』(岩波基礎物理シリーズ)で勉強するのは無理があります。
中野董夫(ただお)著『相対性理論』(岩波物理入門コース)
などは、題名は同じですが易しく書かれています。
それから、線型代数を齋藤正彦著『線型代数入門』(東京大学出版会)で勉強し始めたようですが、高校生には難しいかも知れません。
あらかじめ、
和達三樹著『物理のための数学』(岩波物理入門コース)
などを先に読むことをおすすめします。
写像というのは、英語の map の訳で、関数 function と、ほとんど同じ意味で使われます。
細かいことを言うと、『多様体の基礎』では、実数に値をとる関数を“関数”、実数の直積空間R^mに値をとる関数、すなわちベクトル値関数を“写像”と呼び分けています。
分からない言葉が出てきたら、具体例が出てくるまで、読み進んでみるということを心がけると良いでしょう。
これで、納得できましたか。
今日は、宇宙が好きな人さんの質問に答えた。
現在2014年8月20日20時16分である。おしまい。