相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

数学を悟ってみて(その19)

 現在2020年12月12日19時36分である。(この投稿は、ほぼ2306文字)

麻友「目標は、{(\sin x)^2+(\cos x)^2=1} を、証明することだったわね」

私「そこで、{r_n(x):=(S_{2n}(x))^2+(C_{2n}(x))^2} と、置いた」

麻友「{\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} r_n(x)=1} を、証明するのよね」

私「若菜が、『両側から、挟めばいいんですよね』と言った」


若菜「お父さん、これもっと要領のいい方法が、あるのでしょう?」

私「なぜ知っている?」

若菜「お父さんが、2004年頃、眠い目をこすりながら、震える手で書き続けた、『数学基礎概説』のノートの19冊目を、開いてみたからです。お父さん、


2004.5.7 23:29「

[定理 9.32]

(1){\cos^2 x+\sin^2 x =1}

(2){\sin(x+y)=\sin x \times \cos y + \cos x \times \sin y}

(3){\cos(x+y)=\cos x \times \cos y -\sin x \times \sin y}

[証明]

 読者注)

 これは、解析入門Ⅰにあるように、オイラーの公式を用いた方がはるかに楽なので、解析入門Ⅰを読むまでおあずけとする.

                         注終)

と、書いてる」

結弦「オイラーの公式って、これ?」

{e^{i \theta}=\cos{\theta}+i \sin{\theta}}

麻友「えっ、これを使うとすると、{\theta} を、{-\theta} で、置き換えて、

{e^{-i \theta}=\cos{(-\theta)}+i \sin{(-\theta)}}

で、{\sin} と、{\cos} の性質を使って、

{e^{-i \theta}=\cos{\theta}-i \sin{\theta}}

となって、最初の式と掛け算して、

{1=e^{i \theta} \times e^{-i \theta}=(\cos{\theta}+i \sin{\theta})(\cos{\theta}-i \sin{\theta})=(\cos{\theta})^2-i^2 (\sin{\theta})^2}

{=(\cos{\theta})^2+(\sin{\theta})^2}

と、計算できちゃった。何がパンドラの箱よ」

私「2004年5月8日1時24分まで、定理9.32から、定理9.34の系までを、証明を放っておいて、進み、眠った。だが、2004年5月15日、実質的にこの本を読み終わる日が来る。5月15日の8時10分から、この本の最後の5つの定理、定理9.36から定理9.40までを、証明しながら読んだ後、『数学基礎概説19』のノート1125ページで、

『全文を写すという志を貫くため、定理9.32,定理9.33,定理9.34の証明をここに写しておくことにする』

と書いて、証明を、書き写している。相当難しい証明でも、きちんと論理を端折らずに書いてある証明なら、書き写すと、理解できるものだ。だから、そのもの凄い証明を、若菜に見せてあげようと思ったのだが、オイラーの公式を、持ち出されたら、かなわないな。どういうことを、やりたかったかだけ、書いておこう。

{\displaystyle 1-\frac{4}{3} \frac{(2x)^{4n+2}}{(4n+2)!} < r_n(x) < 1+\frac{4}{3} \frac{(2x)^{4n+2}}{(4n+2)!}}

というようにして、{\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} r_n(x) =1} を、証明するんだったんだ」

若菜「なるほど。大変そうですね」

結弦「僕が、オイラーの公式、覚えていたから、証明できたんだよ」

私「オイラーの公式は、『数学ガール』にも、出て来るな」

麻友「何にしても、点 {(x,y)=(\cos z,\sin z )} は、円 {x^2+y^2=1} 上の点ね。問題解決」

私「じゃあ、今日は、ここまでにしよう。多分、明日、マチンの級数を証明して、{\pi} の近似値の計算は、大団円を、迎えることとなる。そして、実はこんな大変な証明をしていても、ひとつひとつの証明のステップでは、前から言っている、13個の推論のパターンしか使っていないことを、振り返って見ようというわけである。それが、数学を、違う論理で、進めていっても、ほとんど同じ結果が得られてきて、ほんの一部、異なり、その違いから、『数学って、数学から1度出てみると、こうなっているのか』と、数学を悟った気持ちになる。というこの連載の、完結に導かれるのだ」

若菜「数Ⅲ方式ガロアの理論の『数学は、ひとつ』ですね」

私「おー、分かってる~。今日は、ここまで。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2020年12月12日23時21分である。おしまい。