相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

BBP公式に関して(その4)

 現在2020年3月14日7時36分である。

私「仕組んだわけではないんだけど、{\pi} についての公式を、証明し終わるのが、{\pi} の日となった」

麻友「{\pi} の日? ああ、3月14日か」

若菜「おしゃべり、始めると、長くなりますから、早速証明を」

私「そうだな。前回の復習を、結弦、ちょっと、やってくれ」

結弦「分かった。


*******************************


私「まず、定積分の前の、不定積分は、いいね?」

結弦「

{\displaystyle \int x^n dx= \displaystyle \frac{x^{n+1}}{n+1} +C}

だね」

若菜「それで、定積分

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{k-1}}{1-x^8} dx =\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}  x^{k-1} ( 1+x^8+(x^8)^2+ \cdots) dx =\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \sum_{n=0}^{\infty} x^{k-1+8n} dx}

を、考える」

結弦「だから、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \sum_{n=0}^{\infty} x^{k-1+8n} dx = \sum_{n=0}^{\infty} \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}  x^{k-1+8n} dx= \sum_{n=0}^{\infty} \biggl[ \frac{x^{k+8n}}{k+8n} \biggr]_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}}

として・・・」

麻友「ちょっと待って。どうして、インテグラルと、シグマを、交換しても良いの?」

若菜「あちゃー、一番微妙なところを、突かれましたね。お父さん、助けてください」

私「さすがに『微分積分入門』のレヴェルでは、これには、答えられない。アーベルが最初に想起したと言われる、一様収束という概念を使うのが、一般的だ。いつもの杉浦光夫『解析入門Ⅰ』の309ページの例5に、任意の整級数は、その収束円板内で広義一様収束する。とあり、証明が書いてある。広義一様収束するなら、項別積分、この場合、積分してから和を取ることができるんだ。今の場合、『一様収束』という言葉だけ、覚えておいて欲しい」


*******************************
(『BBP公式に関して(その3)』より)


という感じかな?」

麻友「言葉だけ出てきた、一様収束というのは、いちようしゅうそく、よね」

私「高校2年のとき、『イプシロン-デルタ』という本を読んだ私は、その最後に、一様連続(いちようれんぞく)というものの説明があり、さらに、『これに関して詳しくは、本双書の『一様収束(いちようしゅうそく)』を、参照せられたい』とあったので、『一様収束』という本を買って、読み始めた」

田島一郎(たじま いちろう)『イプシロン-デルタ』(共立出版 数学ワンポイント双書)

イプシロン-デルタ (数学ワンポイント双書 20)

イプシロン-デルタ (数学ワンポイント双書 20)

稲葉光男(いなば みつお)『一様収束』(共立出版 数学ワンポイント双書)

一様収束 (数学ワンポイント双書 1)

一様収束 (数学ワンポイント双書 1)


私「だが、前者はまだ私でも読めたが、後者は、技巧的な関数が出てきたり、ルベーグ積分まで出てきたりで、途中で挫折した。だから、麻友さんたちが、今の段階で、一様収束を身に付けるのは、無理だと思って欲しい。シグマとインテグラル、あるいは、極限とインテグラル、あるいは、極限と微分の、順番を交換できるための、ひとつの十分条件なんだ、ということだけ、知っておいてもらえれば、十分」

麻友「十分条件ということは、一様収束してなくても、交換できる場合がある?」

私「ある。この一様収束という十分条件を、論文としては、発表しなかったが、最初に気付いたのは、あのアーベルだと、言われている。発表していないのになぜ? と思うだろうが、アーベルは、ヨーロッパ留学中、以前も話したように、たくさんの手紙を、故郷に書いており、そこでの数学の記述に、当時アーベルが、もう一様収束に気付いていた、と見て間違いないと思わせる根拠がある」

若菜「そのことは、お父さんは、何で、知ったのですか?」

私「最初に何で知ったかは、覚えていないが、『一様収束』にも、書いてあったように思うし、高木貞治の『解析概論』にも、アーベルの書簡(1826)の一節が引用されている。さらに、ブルバキの『数学原論 位相5』の歴史覚え書きにも、記述がある」

結弦「わぁ、ブルバキまで持ち出された」


私「さて、上の積分を、計算すると、

{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \biggl[ \frac{x^{k+8n}}{k+8n} \biggr]_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}}= \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(8n+k)} \biggl(\frac{1}{\sqrt{2}} \biggr)^{k+8n}-0}

{\displaystyle =\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(8n+k)} \biggl(\frac{1}{\sqrt{2}} \biggr)^{k} \biggl(\frac{1}{\sqrt{2}} \biggr)^{8n}}

{\displaystyle = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(8n+k)} \biggl(\frac{1}{2} \biggr)^{\frac{k}{2}} \biggl( \frac{1}{2} \biggr)^{4n} = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(8n+k)} \biggl(\frac{1}{2} \biggr)^{ \frac{k}{2}} \biggl(\frac{1}{16} \biggr)^{n}}

{\displaystyle = \frac{1}{2^{ \frac{k}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+k)}}

となる。これにより、一般に、{k=1,2,\cdots ,7} で、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{k-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{k}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+k)}}

が、確かめられた」

麻友「えっ、証明、終わってないじゃない。まだあるの?」

私「ここからが、本番。目的の式は、何だっけ?」

若菜「

{\displaystyle \pi = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \biggl(\frac{4}{8n+1}-\frac{2}{8n+4}-\frac{1}{8n+5}-\frac{1}{8n+6} \biggr)}

です」

私「左辺から右辺は導けそうもない。こういうときは、どうするんだっけ?」

結弦「右辺からお迎えに行く」

私「そうだ。

{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \biggl(\frac{4}{8n+1}-\frac{2}{8n+4}-\frac{1}{8n+5}-\frac{1}{8n+6} \biggr)}

{\displaystyle =\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \frac{4}{8n+1}-\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{16^n} \frac{2}{8n+4} -\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \frac{1}{8n+5}}

{\displaystyle -\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \frac{1}{8n+6}}

 これに、苦労して求めた積分を、逆に代入する。最初の項は、以下の式で、{k=1} として、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{k-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{k}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+k)}}

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{0}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{1}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+1)}}

{\displaystyle \frac{1}{2^{ \frac{1}{2}}}=\frac{1}{\sqrt{2}}} が、掛かっているので、両辺に {\sqrt{2}} を掛けて、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{\sqrt{2}}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n (8n+1)}}

となる。

麻友「ちょっと、許して。もうちょっと、ゆっくり変形して」

私「そうか、速すぎるか。私が、十分付いていけるスピードというのは、数学の本の中で、ごく普通の本のスピードなんだけどな。じゃあ、もうちょっと、ゆっくりにするか」

若菜「私が、やりましょう。

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{k-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{k}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+k)}}

の式で、今度は、{k=4} として、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{4-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{4}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+4)}}

ですね。計算して、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{3}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^2} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+4)}}

ですから、{2^2=4} を使って、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{3}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{4} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+4)}}

より、

{\displaystyle 4 \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{3}}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+4)}}

を使って、計算するのですよね、お父さん」

私「そうか、これくらいゆっくり書かないと、無理か。でも、いずれ、私のスピードに付いてこられるように、なってくれよな。期待しているぞ」


結弦「じゃあ、次、僕がやる。

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{k-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{k}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+k)}}

の式で、今度は、{k=5} として、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{5-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{5}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+5)}}

だから、計算して、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{4}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ 2+\frac{1}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+5)}}

右辺の分母を計算して、

{\frac{1}{2^{ 2+\frac{1}{2}}}=\frac{1}{2^2 \times 2^{\frac{1}{2}}} =\frac{1}{4 \sqrt{2}}}

より、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{4}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{4 \sqrt{2}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+5)}}

だから、

{\displaystyle 4 \sqrt{2} \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{4}}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+5)}}

となるね」

麻友「私もやる。

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{k-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{k}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+k)}}

の式で、今度は、{k=6} として、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{6-1}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{ \frac{6}{2}}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+6)}}

が、得られて、計算して、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{5}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{2^{3}} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+6)}}

さらに計算して、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{5}}{1-x^8} dx =  \frac{1}{8} \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+6)}}

だから、

{\displaystyle 8 \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{x^{5}}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+6)}}

となる。{k} が、{1} から {7} で、{8} は、どうするのかなあ? と思ってたけど、使わないのね、{8} は」

私「そうなんだよ。必要ないから、証明しなかっただけなんだ」

麻友「それで、みんなで計算したこれを、無駄にしないでよ」

私「ちょっと、高校時代のことを、思い出すだろうところがある。楽しみにしてて。それでは、今計算したことより、

{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \biggl(\frac{4}{8n+1}-\frac{2}{8n+4}-\frac{1}{8n+5}-\frac{1}{8n+6} \biggr)}

{\displaystyle =\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \frac{4}{8n+1}-\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{16^n} \frac{2}{8n+4} -\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \frac{1}{8n+5}}

{\displaystyle -\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \frac{1}{8n+6}}

に、

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{\sqrt{2}}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n (8n+1)} ~\spadesuit}

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{4x^3}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+4)} ~\heartsuit}

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{4 \sqrt{2} x^4}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+5)}~\clubsuit}

{\displaystyle \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{8x^5}{1-x^8} dx = \sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+6)}~\diamondsuit}

を、代入する。

{\spadesuit \times 4 - \heartsuit \times 2 -\clubsuit - \diamondsuit }

{\displaystyle = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{4}{16^n (8n+1)} -\sum_{n=0}^{\infty}   \frac{2}{16^n (8n+4)} -\sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+5)} -\sum_{n=0}^{\infty}   \frac{1}{16^n (8n+6)}}

{\displaystyle =\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{4 \sqrt{2}}{1-x^8} dx -\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{8x^{3}}{1-x^8} dx- \int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{4 \sqrt{2} x^{4}}{1-x^8} dx -\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{8x^{5}}{1-x^8} dx}

 これより、次の定積分が、目標になる。

{\displaystyle =\int_0^{\frac{1}{\sqrt{2}}} \frac{4 \sqrt{2}-8x^3 -4 \sqrt{2} x^4-8x^5}{1-x^8} dx}


麻友「これから、目標なんて、言ってるの? もう8,656文字超えてるわよ」

私「大定理を証明するんだ。これくらいは、かかる。そして、最後の最後まで、麻友さんに理解できる。最後の1行だけが、今は理解できないものだ」

若菜「どうやって積分するのですか?」

私「置換積分の一番簡単なものを、使う。上の定積分で、{y=\sqrt{2} x} と、変数を取り換える。結弦が文句を言うかも知れないが、この場合、{dy=\sqrt{2} dx}となる。これを、使うと、インテグラルを、省略した形で、

{\displaystyle \frac{4 \sqrt{2}-8x^3 -4 \sqrt{2} x^4-8x^5}{1-x^8} dx=\frac{16(4 \sqrt{2}-8x^3 -4 \sqrt{2} x^4-8x^5)}{16-16x^8} dx}

{\displaystyle =\frac{16(4 \sqrt{2}-2\sqrt{2}(\sqrt{2})^3x^3 -\sqrt{2} (\sqrt{2})^4 x^4-\sqrt{2}(\sqrt{2})^5x^5)}{16-(\sqrt{2})^8x^8} dx}

{\displaystyle =\frac{16(4 \sqrt{2}-2\sqrt{2}y^3 -\sqrt{2} y^4-\sqrt{2} y^5)}{16-y^8} dx}

{\displaystyle =\frac{16 \sqrt{2}(4 -2 y^3 - y^4- y^5)}{16-y^8} dx}

 項を入れ換えて、

{\displaystyle =\frac{16 \sqrt{2}(4 -y^4-2 y^3 - y^5)}{16-y^8} dx}

 分母分子に、{-1} を、掛けて。

{\displaystyle =\frac{16 \sqrt{2}(y^5+2y^3+y^4-4)}{y^8-16} dx}

 高校生のように、因数分解して、

{\displaystyle =16 \sqrt{2}\frac{y^3(y^2+2)+(y^2+2)(y^2-2)}{(y^4+4)(y^4-4)} dx}

{\displaystyle =16 \sqrt{2}\frac{(y^3+y^2-2)(y^2+2)}{(y^4+4y^2+4-4y^2)(y^2+2)(y^2-2)} dx}

{\displaystyle =16 \sqrt{2}\frac{(y-1)(y^2+2y+2)(y^2+2)}{\{(y^2+2)^2-4y^2\})(y^2+2)(y^2-2)} dx}

{\displaystyle =16 \sqrt{2}\frac{(y-1)(y^2+2y+2)(y^2+2)}{(y^2+2+2y)(y^2+2-2y)(y^2+2)(y^2-2)} dx}

{\displaystyle =16 \sqrt{2}\frac{(y-1)(y^2+2y+2)(y^2+2)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)(y^2+2y+2)(y^2+2)} dx}

 約分して

{\displaystyle =16 \sqrt{2}\frac{(y-1)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)} dx}

 {dy=\sqrt{2} dx} を使って、

{\displaystyle =16 \frac{(y-1)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)} \sqrt{2} dx}

{\displaystyle =16 \frac{(y-1)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)} dy}

 ただし、積分区間は、{0} から {\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}} だったのが、{0} から {1} となる。{\sqrt{2}} 倍されるからね。だから、

{\displaystyle = \int_0^1 \frac{16(y-1)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)} dy}

となる。これを、部分分数分解という技を使って、

{\displaystyle \frac{16(y-1)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)}=4 \biggl( \frac{y}{y^2-2}-\frac{y-2}{y^2-2y+2} \biggr)}

と、積分できる形に持ち込む」

麻友「全然できそうにないけど、それに、どうやって、今の等号を、証明するの?」

私「分数を通分すれば、右辺が、左辺になるから、等しい」

麻友「そんな無茶な」

私「それより、最後、ここなんだ。一番難しいのは」

麻友「どれ?」

私「いくよ。

{\displaystyle = \int_0^1 \frac{16(y-1)}{(y^2-2)(y^2-2y+2)}dx =\int_0^1 4 \biggl( \frac{y}{y^2-2}-\frac{y-2}{y^2-2y+2} \biggr)dy}

{\displaystyle = \int_0^1 4 \biggl( \frac{y}{y^2-2}-\frac{y-1-1}{(y-1)^2+1} \biggr)dy}

{\displaystyle = \int_0^1 4 \biggl( \frac{y}{y^2-2}-\frac{y-1}{(y-1)^2+1}+\frac{1}{(y-1)^2+1} \biggr)dy}

{\displaystyle = \int_0^1 \biggl( 2\frac{2y}{y^2-2}-2\frac{2(y-1)}{(y-1)^2+1}+4\frac{1}{(y-1)^2+1} \biggr)dy}

{\displaystyle = \biggl[ 2\log|y^2-2|-2\log|(y-1)^2+1|+4\arctan(y-1) \biggr]_0^1}

 ログと、アークタンジェントという関数になる。これは、ちょっとやそっとでは、分からない。

{\displaystyle =2\log|1^2-2|-2\log|0^2-2|-\{2\log|(1-1)^2+1| -2\log|(0-1)^2+1| \}}

{+4\{ \arctan(1-1)-\arctan(0-1)\}}

{\displaystyle =0-2 \log2 -(0-2\log2)+0-4\arctan(-1)}

{\displaystyle =-4 \arctan(-1)}

となって、最後の、{\displaystyle =-4 \arctan(-1)} は、{\arctan(-1)}が、タンジェント逆関数で、タンジェントが、マイナス1になる角度なんだ」

麻友「タンジェントが、マイナス1? マイナス45度かしら」

私「ラジアンで言って!」

麻友「えー、ラジアン? いきなり言われても」

結弦「ええい、じれったい。{\displaystyle -\frac{\pi}{4}} なんだよ」

若菜「だから、{\displaystyle =-4 \arctan(-1)} は、{\displaystyle =-4 \times \biggl(-\frac{\pi}{4} \biggr) =\pi} なんですね。お父さん、この計算どのくらいかかりました?」

私「3月8日に始めて、今日3月14日まで、7日間かかった。もちろん、途中で食事したり寝たりしているが」

若菜「ですよねー」

私「でも、上野健爾さんは、

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で、『もちろんコンピュータからは,BBP公式を予想することしかできず,証明は別途行う必要がある.微積分を使えば簡単に証明できる(たとえば[26]p.150を参照されたい.)』と、書いている。本業の数学者にとって、これくらいの計算は、なんでもなく、こなせなければ、ならないのだろう」

結弦「その [26] っていうのは?」

私「私達が読んでいる、これだよ」

π―πの計算アルキメデスから現代まで

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結弦「あっ、そうか。横浜そごうの本屋さんで、上野先生の本を見て、それには、証明がないから、横浜市の図書館に、この本を手配したって、そういうことだったんだね」

若菜「結局どっちも、図書館にあったのですね」

私「でも、最後、マイナスになりそうだった数が、マイナス同士打ち消し合って、見事 {\pi} となるところは、数学やってて、良かったなあ。と、思うよな」

若菜「同感です」

結弦「『微分積分入門』予習して良かった」

麻友「最後に、もう一度、公式を見せて」

{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \biggl(\frac{4}{8n+1}-\frac{2}{8n+4}-\frac{1}{8n+5}-\frac{1}{8n+6} \biggr) = \pi}

私「証明したときの感動が蘇るように、{\pi} を、右辺に持ってきたよ」

麻友「これ見ちゃうと、微分積分、勉強したくなるわね」

私「強引に、微分積分に、触れさせちゃう、というショック療法も、あるな」

若菜「今日は、ここまでに、しませんか?」

結弦「僕も、満足」

麻友「一日で、12,820文字、書いたわね。お疲れ様」

私「じゃあ、バイバイ」

若菜・結弦「バイバーイ」

麻友「バイバイ」

 現在2020年3月14日20時14分である。おしまい。