現在2007年6月22日0時19分です。
6月末までに卒業研究の草案を練って、先生に提出しなければならないので、ずっと悩んでいた。
小学校1年生に一般相対性理論を分からせる、という野望をどうやって半年でやるのか。
書きかけの論文を見れば分かるとおり、私も、一歩一歩下から地道に築き上げていくことばかり考えていた。
だが、今気付いた。これは誰もが失敗した道なのである。
少なくとも、一般相対性理論を理解しようとして、専門書に立ち向かったほとんどの人が、何度かは挫折しているはずである。
ベクトル解析を学び、テンソルというものの定義を知り、平行移動という分かり難いものを用いた共変微分というものを学び、空間の曲率というものを知り、そうやって、進んでいく途中で、いつの間にか何をやりたかったのかも分からなくなり、相対性理論の本を投げ出す。
こういった経験をしたことのある人は、かなりの数に上るのではないかと思う。私も経験が何度かある。
これでは駄目なのだ。
今まで、おびただしいほどの数の一般相対性理論の本が書かれてきたが、それにならって、下から上っていくのでは、またしても読者を退屈させる本を一冊増やすだけだ。
私は、ランダウ・リフシッツの理論物理学教程を小学生に分かるように書き直す、ということを考えていたために、いきおい、それが表に出てしまった。
まずは、一般相対性理論の面白さ、美しさを分からせる本を書こう。
そのために、本の最初に、アインシュタイン方程式と、シュワルツシルド解の式を持ってこよう。
そして、
「このもの凄い式は、一体何を表しているのだろうか?」
と、読者に問いかけよう。そして、それを少しずつ少しずつほぐしていく過程で、小学生にも分かるレヴェルまで、持って行こうというわけである。
このアイディアは、今から1時間以上前にはなかった。今まさに思いついたのである。
このアイディアのもとになったのは、リンクが張ってあるsukarabeさんのブログで、朝永振一郎の「量子力学Ⅰ」を読んでいるsukarabeさんに、コメントを書いたことであった。
量子力学を勉強しようとしているsukarabeさんに、解析力学の知識が足りないようですね、というようなことを書いているうちに、予備知識を全部揃えてから、挑戦するという方法は、正攻法ではあるが、必ずしも成功しないな。と、感じたのである。
私は宇宙項を含んだアインシュタイン方程式まで扱う気はないので、一番スッキリとした、宇宙項なしのアインシュタイン方程式と、シュワルツシルド解の計量テンソルを示し、これらが私達の学ぼうとしているものだ。と、まずぶつけよう。
次に、計算機を使って、地球がブラックホールになるには何センチまで縮めなければならないか、という計算をやってみせる。
もちろん小学生は、1から10までしか知らないものとしているので、実際に計算機をたたかせて、数字が出ることをやらせてみるのだ。
とにかく、まず最初に結論を見せること。これは、刑事コロンボみたいなやり方だ。
刑事コロンボは、最初に犯人を分からせるが、見ている方には、どこで致命傷を負うのかは分からない。だから、最後にコロンボに驚かされるのだ。
私達もこの方法をとろう。すべて手の内は見せるが、本の最後まで、読んでみて、うーんそういうことだったのか。と、うならせるような、本当に感動させる本を書こう。
結論から行くのだから、論文も書きやすい。
そして、最終的に、
「リンゴが木から落ちる。」
という不思議なことを、ある意味で不思議で無くならせるような、そんな本にしようではないか。
ようし。やるぞー!
一般相対性理論を完全制覇することにはならないが、その一角を崩すことにはなろう。
今日はここまで。
現在2007年6月22日0時55分です。おしまい。