現在2013年9月6日23時59分である。
今日は、昨晩寝てしまったので、昼間に昨日の分を投稿したのだが、今日の分を投稿してないので、始めることにした。
ブルバキは、前回は、記号列の省略の部分だった。
ここで私のノートでは、次のような読者注が付いている。
読者注)
N,Zなどの集合を表すには、束縛変数が必要なように思えるが、ブルバキは論理記号,を用いてこれらを置き換えるので、文字はまったく含んでいない、という状態になる。
注終)
Nは自然数全体の集合、Zは整数全体の集合を表していることは、既に知っているものとして、それらの定義に束縛変数が必要なのではないか、と、私は思ったので、これを書いたのである。
実際、通常の集合論の本で、自然数全体の集合は、
N={X│∀Y(0∈Y∧∀Z(Z∈Y⇒Z+1∈Y)⇒X∈Y)}
と定義される。ここで、記号 ∀Y や、∀Z などのように、任意のという意味の∀が付いている変数が、束縛変数と呼ばれるものである。
そして、この1行を解読すると、「0を含み、Zが入っていればZ+1も入っているというような集合Yならば、必ずXが入っている、つまり、一つずつ次の数字が入っている集合の共通部分に含まれるXだけの集合を自然数の集合Nと定義するのである。
詳細を知りたい人は、例えば私の読んだ本では、
大芝 猛著『数学基礎概説』(共立出版)
の129ページなどを参照して欲しい。
そして、このように、通常は、束縛変数と呼ばれる文字を含んだ形で定義が行われるのである。
ところが、ブルバキでは、文字が含まれていないという。
この謎は、私が、挫折するといけないから、ということで飛ばした、訳者による
第1章を読むための注意
というのを読んであると、ある程度、解決する。
そこで、その部分をちょっと読んでみると、これは、ブルバキの本文のページ番号には含まれていない、その前文のページで6ページの所なのだが
(∀x)R とか (∃x)R という形の命題を考えるときのRも命題ではあるけれども、一般には、それは変数xを含む命題でなければならぬ。変数xを含む命題とは、いわば一つの≪性質≫を表わしている。命題Rが成立しているというのはxがその性質をもつことであり、命題Rが成立しないというのはxがその性質をもっていないということである。Tというのが一つの対象を表わす式であるとき、そのようなTをxに代入してRから得られる命題を(T│x)Rと表わす。この表現法を用いれば、(T│x)Rを≪TはRという性質をもつ≫と読むこともできよう。Rという性質が任意に与えられた場合、Rという性質をもつxがつねに存在するとは限らないが、もしそのようなxが一つでもあったならば、そのようなxの一つをxRという記号で表わす。Rという性質をもつxが一つもない場合にもxRという記法は用いる。そのときは、xRは何でもよい、何かある一つの対象を表わすということにしておく。要するに、xRというのは任意のRに対してつねに定義され、そして、もしRという性質をもつxが一つでもあれば、xRはRという性質をもつのである。すなわち、
(T│x)R ⇒ (xR│x)R
はどんなRに対しても、また、どんなTに対してもつねに成立する。
以上、日本語訳前文6ページの下から2行目まで引用。
引用の途中であるが、夜が遅くなってしまったので、今晩はここまで。
次回、続きから始めることにする。
現在2013年9月7日3時12分である。おしまい。
今日は、昨晩寝てしまったので、昼間に昨日の分を投稿したのだが、今日の分を投稿してないので、始めることにした。
ブルバキは、前回は、記号列の省略の部分だった。
ここで私のノートでは、次のような読者注が付いている。
読者注)
N,Zなどの集合を表すには、束縛変数が必要なように思えるが、ブルバキは論理記号,を用いてこれらを置き換えるので、文字はまったく含んでいない、という状態になる。
注終)
Nは自然数全体の集合、Zは整数全体の集合を表していることは、既に知っているものとして、それらの定義に束縛変数が必要なのではないか、と、私は思ったので、これを書いたのである。
実際、通常の集合論の本で、自然数全体の集合は、
N={X│∀Y(0∈Y∧∀Z(Z∈Y⇒Z+1∈Y)⇒X∈Y)}
と定義される。ここで、記号 ∀Y や、∀Z などのように、任意のという意味の∀が付いている変数が、束縛変数と呼ばれるものである。
そして、この1行を解読すると、「0を含み、Zが入っていればZ+1も入っているというような集合Yならば、必ずXが入っている、つまり、一つずつ次の数字が入っている集合の共通部分に含まれるXだけの集合を自然数の集合Nと定義するのである。
詳細を知りたい人は、例えば私の読んだ本では、
大芝 猛著『数学基礎概説』(共立出版)
の129ページなどを参照して欲しい。
そして、このように、通常は、束縛変数と呼ばれる文字を含んだ形で定義が行われるのである。
ところが、ブルバキでは、文字が含まれていないという。
この謎は、私が、挫折するといけないから、ということで飛ばした、訳者による
第1章を読むための注意
というのを読んであると、ある程度、解決する。
そこで、その部分をちょっと読んでみると、これは、ブルバキの本文のページ番号には含まれていない、その前文のページで6ページの所なのだが
(∀x)R とか (∃x)R という形の命題を考えるときのRも命題ではあるけれども、一般には、それは変数xを含む命題でなければならぬ。変数xを含む命題とは、いわば一つの≪性質≫を表わしている。命題Rが成立しているというのはxがその性質をもつことであり、命題Rが成立しないというのはxがその性質をもっていないということである。Tというのが一つの対象を表わす式であるとき、そのようなTをxに代入してRから得られる命題を(T│x)Rと表わす。この表現法を用いれば、(T│x)Rを≪TはRという性質をもつ≫と読むこともできよう。Rという性質が任意に与えられた場合、Rという性質をもつxがつねに存在するとは限らないが、もしそのようなxが一つでもあったならば、そのようなxの一つをxRという記号で表わす。Rという性質をもつxが一つもない場合にもxRという記法は用いる。そのときは、xRは何でもよい、何かある一つの対象を表わすということにしておく。要するに、xRというのは任意のRに対してつねに定義され、そして、もしRという性質をもつxが一つでもあれば、xRはRという性質をもつのである。すなわち、
(T│x)R ⇒ (xR│x)R
はどんなRに対しても、また、どんなTに対してもつねに成立する。
以上、日本語訳前文6ページの下から2行目まで引用。
引用の途中であるが、夜が遅くなってしまったので、今晩はここまで。
次回、続きから始めることにする。
現在2013年9月7日3時12分である。おしまい。