現在2021年9月29日19時30分である。(この投稿は、ほぼ1948文字)
麻友「太郎さん。色んな本を、眺めていたけど、どれを読もうか、考えていたの?」
私「ブルバキ全巻を、読みたいと、言ってきたけど、本当に、集合論を読む必要あるのかな、と調べていたんだ」
若菜「上野先生は、『集合論なんか読んだら、気が狂う』と、仰ってましたが」
私「そう。ただ一方、上野さんのゼミに向けて、勉強していたとき、あの本で、圏と関手を使うから、その説明が書いてある、『現代数学概説Ⅰ』という本を読んでいた」
結弦「勉強してあったというのは、本当なんだ」
私「湧源クラブの人と、昼食を食べていたとき、ある先輩が、こう聞いてきた。
先輩「なぜ、それを、読んでるの?」
私「圏と関手とか、色々知りたくて」
ここで、以前出てきた、加藤文元さんが、
加藤「お前、俺の再三の警告にも関わらず、上野先生のゼミを取ったな」
と、言ってきた。実は、前年、加藤さんは、上野先生のゼミに、1人だけで、参加していた人なのである。当然、厳しくしごかれたのだそうだった。
先輩「上野先生は、何を勉強してこいと、言ったの?」
私「『線型代数を、勉強してきて下さい』と、言われました」
先輩「それで、その本で、勉強しろって?」
私「いや、先生は、ブルバキで勉強するといいよ、と仰いました」
先輩「だったら、ブルバキで勉強した方がいいよ。その本は、著者が気取った書き方をしているから、あんまり良い本じゃないよ」
と、言われてしまったのである」
麻友「気取った書き方って、何だったのかしら?」
私「これは、半分は、謎のままなのだが、ひとつ分かっているのは、この『現代数学概説Ⅰ』という本では、線型代数は、あまり勉強できないということだったようなんだ」
若菜「あっ、そうか。圏と関手とかは、勉強できるかも知れないけど、上野先生が求めている、線型代数は、勉強できないと、思われたのね。4年生の先輩?」
私「いや、大学院の修士1回生か2回生だったと思う」
麻友「どうして、そんな大学院の人と、一緒に食事なんてできるの?」
私「湧源クラブのメンバーだったことと、私は、入学早々から、大学院の吉冨さんとのゼミなどに出ていたから、大学院の人とも、面識があった」
結弦「お父さん。気が狂ってなければ、相当な人になってただろうな」
私「話を戻して、ブルバキの集合論は、気が狂うけど、線型代数の部分は、行ける、というようにも、取れる」
若菜「あっ、そっかー。それで、お父さんは、集合論を、少しは、読みかじっていたわよね。『ブルバキとランダウ』のブログに、いくつも投稿がある。それで、どこが、気が狂う原因だと思うの?」
若菜「例えば?」
私「ブルバキは、記号を、切り詰めて、 という4つだけの記号で、始める。もう、麻友さんの前だが、手加減せず言うが、自由変数と、束縛変数の区別もない。また、現代において、集合論を論じるにおいて、コーエンのフォーシングに触れないのは、ほとんど、有り得ない」
麻友「ただ、太郎さんは、その後の、代数、位相、実一変数関数、などを読む上で、集合論が、必要なんじゃないかと、思ったのよね」
私「そうなんだ。実際、代数の章から、
逆構造(始構造)(『集合論』第4章,§ 2,n゜4)
などと、集合論の色んな箇所を、参照させる(これは、代数2 の12ページのもの)。これを、どうしたものかと、悩んでいたんだ」
麻友「太郎さん。ブルバキの集合論は、もう古いんでしょ。思い切って、別な本で、集合論を、現代的に研究して、その後で、代数や位相を読むとき、集合論を参照してても、パッと分かるくらいに、自分を磨いたら? ブルバキの他の章は、それなりに、価値があるのでしょう」
若菜「代数以下に、 は、出てくるの?」
私「出てこない」
結弦「じゃあ、もう決まりだよ」
麻友「ただ、太郎さんは、ブルバキ以外にも、読みたい本が、沢山あるのよね」
私「そうなんだ。でも、今日のところは、ここまでにしよう。自分が一番読みたい本はどれか、もうちょっと、模索してみる」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
私「おやすみ」
現在2021年9月29日22時08分である。おしまい。