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相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。

相対論への招待(その4)

 現在2017年2月20日19時56分である。

「前回、時間が遅れる理由が分かった瞬間は、『感情をなくした』心だけど、心躍ったわ」

 科学が、麻友さんの心を、取り戻したんだ。科学の勝利だね。

「でも、太郎さんが言ってたように、山脈が見えてきたわね」

 そう、それが、本当の科学だよ。

 だから、ドラえもんのブログの初回に、最初に種明かししても、必ず感動するって、いったでしょう。

「太郎さんは、こうやって、山脈が見えてきたとき、それに、引きつけられて、あの山にも登りたい、その山にも登りたい、となるんでしょうね」

 いくつかの山に登った、私に言わせるとね、最初の山と、あと人生でのぼる、特別な山いくつかをのぞくと、ほとんどの山は、登り方は、似たり寄ったりなんだよ。

「それが、悟るということ?」

 私自身が、悟ってるかどうか、分からないから、話半分で、聞いていていいけどね。

「確かに、一番難しいところが、超特急だったけど、太郎さんの説明で、私、相対性理論の肝心の時間が遅れるっての、納得したわ」

 オリジナル原稿、見せようか?

「オリジナルって?」

 京都で、早朝に新聞を配りながら、一所懸命考えてたとき、この説明法を、思い付いたって、言ったでしょう。

「あの、ゴールデンウィークの頃の発見が、モーターボートの説明法なの?」

 ある意味そう。

「ある意味というのは?」

 当時は、モーターボートで考えたりは、してなかったんだ。

「じゃあ、何で、考えてたの?」

 鉄の棒が、加速していくようなことを、考えてた。

「『ようなこと』、というのは?」

 実際は、加速していくものは、何かは、具体的に考えていなかったんだ。

「じゃあ、太郎さんの頭の中では、どうなってるの?」

 物理学を、ある程度学ぶと、具体的に何が、ということから離れて、ただ何かが動いている、という無色の考え方もする。

って、言ったけど、麻友さん、実は中学でも、結構理科で、こういうこと勉強してるんだよね。

「えぇっ?」

 私、遂に、手に入れたのです。

 これ。

「あっ、やった!私、この中で、聞きたいことが、いっぱいあるのよ」

 だろうね。

 説明、不十分なところ、いっぱいあるからね。

「たとえばね。たとえば、エネルギーって、保存するっていうでしょ、でも、太郎さんも、前、言ってたように、エネルギー問題ってあるのも確かよね。つまり、エネルギーって、なくなっていく・・・」

 ストップ。

 そう、結論を、急がない。

「エネルギーって、なくなっていかないの?」

 いつもは、麻友さんのために、曲げて説明する私だけど、思いっきり本物を、見せた方が、納得することもあるだろう。

 いつもの『ファインマン物理学』のⅠ巻の、第4章は、

『エネルギーの保存』

という章だ。この最後の方で、ファインマンがこういう。


 エネルギーの保存について論ずるときに、使えるエネルギーというものを問題とするならば、話は別だということを忘れてはならない。

-海水はある温度をもっているのだから、その原子は躍りまわっている。しかし他からエネルギーをとることなしにそれを集めてきまった運動をさせることは不可能なのである。我々は、エネルギーは保存するという事実を知ってはいるけれども、人間の利用にたえるエネルギーは、そうやすやすとは保存しないのである。どれだけのエネルギーが使えるかということを支配する法則は、熱力学の法則であって、それには非可逆熱力学過程のエントロピーという概念が入ってくる。


「そうなのよ。いつも、エントロピーってものが出てきて、うやむやになるのよ。ファインマンだって、Ⅰ巻が、力学で、Ⅱ巻が、光・熱・波動だから、Ⅱ巻へ行くまで、おあずけなのよ」

 一応、ファインマンのために弁解しておくとね、米語版では、Ⅰ巻とⅡ巻は、一緒で、それが、第Ⅰ巻なんだ。だから、詐欺ではない。

「詐欺とは、言ってないけど、エントロピーをどう説明するのよ」

 ひとつの説明の仕方として、こういうのがある。

「どんなの?」

 さっきのAKB48中学理科によると、麻友さんたちは、物質、つまり我々も含めて色んなものが、原子からできていて、その原子というものは、陽子と中性子からなる原子核の周りを、電子が回っているという様子をしていると、習ったようだ。

「まあ、今は、それは、認めましょう」

 一方、他の単元を見ると、・・・

「たんげんって、何?」

 ああ、この問題集では、『シーン』って言ってるね。そのことだよ。

「質問は、いつしてもいいのよね?」

 特待生の特権だな。

「それで、他の単元で、なんと言ってるって?」

 コイルに、電流を流すと、磁界ができると言ってる。

「おっと、ここを突かれると、痛いなあ、というところばかり、突いてくるわね」

 どうして、そんなこと言うの?

 物理学に関係のあるところを、読んでるんじゃない。

「じゃあ、聞くけど、ああ、どうしようかな。太郎さんが、みんなと同じこと言ったら。ウジウジ・・・」

 特待生らしくないぞ。

 聞いてみろ。

「磁石の周りに、鉄粉をまくと、線ができるでしょ、あれを・・・」

 磁力線っていわれてるヤツか?

「ああ、やっぱり、太郎さんも・・・」

 本当に、磁力線なんてものあるのか?って、聞きたいんだろ?

「うん、うん。そうなの。でも、あるって言うのよね?」

 ないよ。

「えっ、ウソ」

 ウソじゃないよ。本当だよ。

「じゃあ、磁石というものは、どうして、反発したり、引き合ったりするの?」

 以前、『IH(アイ・エイチ)調理器のこと』という記事で、磁石の登場しない説明って、やってみせたでしょ。

「そういえば、そういうことあった」

 あれは、私の再発見を自慢したかったんじゃなくて、将来、麻友さんが、相対性理論を知ったとき、ものすごい驚きを持って見るように、書いてあるんだ。

「そういえば、太郎さん、『古典論で磁石とは相対論的現象だ』と書いてた。えっ、『古典論で』というのは?」

 私が、常に、誠実であろうとすることの表れだよ。

「『古典論』の反対は?」

 『量子論』だよ。

「あっ、そうか。太郎さん、いつも、量子力学は研究中だから、分かってると言えないって言ってるから、ここでも、保留を残したのね」

 そうだよ。

 でも、『磁力線があると、信じろ』というのは、間違った教え方だと思う。

 私は、一度も信じたことない。

「わーっ、京都大学理学部、行った人が、磁力線なんか信じたことないって言ってくれた。感動!」

 誠実さを期すために言っておくとね、電磁気学という電気と磁気の学問で、電気と磁気の両方から抽出される、ベクトル・ポテンシャルという量があるんだ。

 そのベクトル・ポテンシャルという量は、量子力学と関連して、磁場のないところにも存在することなどが、物理学者の苦心の実験で、確かめられている。

 だから、磁石を置いても、まったく反応しないところにも、磁気の気(け)があるわけだ。

 つまり、磁力線なんて、19世紀の遺物であることに変わりはない。

「うれしー。こんなに、スカッと、したの、久しぶりよ。ただ、太郎さん、エントロピーの説明して、相対性理論のオリジナル原稿見せてってしてたら、寝不足になっちゃう。今日は、磁力線をぶっ壊したので、満足よ。寝ましょ。」

 そうだな。仕方ない。おやすみ。

「おやすみ♡」

 現在2017年2月21日1時38分である。おしまい。