現在2019年6月30日20時14分である。
「太郎さん、数学の連載が、『微分・積分入門』、『数Ⅲ方式ガロアの理論』、『現代論理学』、『数学原論』と4つあるのに、生物学が、『細胞の分子生物学』ひとつだけでは、面白い話を、なかなか聞けないわ」
『細胞の分子生物学』を、もっとどんどん進めようと、私も思っている。
若菜と結弦も、加えよう。
「じゃあ、スマホに、『若菜、結弦、出てきて!』」
若菜「前回、お母さん。おほしさまが、なぜ光ってるか、聞けたみたいじゃないですか。なぜだったんですか?」
結弦「おほしさま? そりゃ、光を出しているから、見えるんでしょ」
「うーん。聞いたんだけど、人に説明できるほど、分かってないのよ」
「太郎さん。もう一度、説明して」
うん。
あの説明で分かったら、麻友さんは、天才だ。
もう少し説明しよう。
でも、今日は、もう21時36分で、眠いから、中断する。
「分かったわ。続きを、楽しみにしている」
じゃあ、解散。
「おやすみ」
おやすみ。
現在2019年6月30日21時39分である。一旦中断。
現在2019年7月1日4時12分である。
「太郎さん。寝られたの?」
結構ぐっすり寝た。大丈夫。
若菜「お父さん。核融合というものの話を、してたじゃないですか。どうして、核融合だと、凄いエネルギーが、出るんですか?」
うん。知りたい気持ちは、分かる。
その気持ちを、大切に胸に秘めて、科学の勉強をするのは、良いことだ。
結弦「でも、僕たちは、今知りたいんだよな」
そうか。
じゃあ、いきなり、核心を突こうか。
このグラフを、見てみて。
結弦「なんだこりゃ」
これはね、若菜は中学3年生だから、化合物とか、単体とか、少し習ったかも知れないけど、その単体(例えば、水素(H)とか、炭素(C)とか、酸素(O)など)が、できるときに、どれだけエネルギーが、放出されるかを表したグラフなんだ。
若菜「あっ、本当だ、HとかCとかOとか書いてある」
「私は、もう少し分かるわよ。Caは、カルシウムよね」
結弦「それくらい、知ってらーい」
ところで、右の方を、見ていくと、一番右にウラン(U)がある。
「そうね」
一方、グラフで、一番高いところにあるのが、鉄(Fe)だ。
結弦「うん」
ウランができるときに、出てくるエネルギーより、鉄ができるときに、出てくるエネルギーの方が、大きいなら、ウランを壊して、鉄を作ったら、差額分だけ、エネルギーを、横取りできるんじゃないか?
若菜「その、ウランができるとき、出てくるエネルギーというのが、良く分かりませんが」
これは、普通に日常見慣れているもので、例えを作るのは、難しい。
でも、例えば、台所に、ガスコンロって、あるよね。
若菜「今は、IHです」
どうすれば、いいんだ。
例えば、火事になったとき、当然熱くなるよね。
結弦「まあ、そうだね」
ああいうとき、木が燃える。つまり、植物が酸素と結びついて、炭になるとき、その炭を作るときに出てくるエネルギーというものが、実験で、分かってるんだよ。
「理論的にでなく、実験で?」
理論的に、計算できるのかどうかは、私は、まだ不勉強で、分からない。
でも、少なくとも、数値シミュレーションでは、出せるかも知れないけど、解析的には、求められないと思う。
「解析性、また出てきたわね」
さて、それは、置いておいて、ウランを壊して、鉄を作ったら、それだけで、エネルギーが取り出せると、思わない?
若菜「言われていることは、分かりますが」
そう。
1905年に、アインシュタインが、特殊相対性理論を発表して、
が、物理学者の知ることになったときから、物理学者は、薄々気付きはじめ、1938年ドイツで実験中の化学者、オットー・ハーンが、説明できない現象を発見。ユダヤ人だったため、スウェーデンに逃れていた、女流物理学者リーゼ・マイトナーが、1939年、それがウランの原子核が壊れて、バリウムなどができていることを、明らかにした。
でも、ここまでだったら、核兵器は、できなかった。
「えっ、じゃあ、何が、引き金になったの?」
核分裂というものが、上手く条件を整えてやると、連鎖反応を起こすことが、分かったことだ。
若菜「つまり、どんどん続けて、反応が、起こるんですね」
そうなんだ。
結弦「でもさあ、なんで、普通に、紙が燃えたりするのと、原爆とだと、あんなにエネルギーが、違うのかなあ?」
そこまで、追求しちゃうと、科学では、答えられないんだよ。
『なぜ、自然がこうなっているのか?』
という問いは、自然科学では、答えようがない。
だって、
『自然は、どうなっているのかな?』
というのが、問題なのだから。
「ところで、太郎さん。さっきのグラフだけど、・・・」
もう一回持ってこよう。
「これで、さっきは、ウランから、鉄の方へのことを、言ってたけど、水素から、鉄の方が、圧倒的に、取り出せるエネルギーが、多いじゃない」
若菜「そうですねぇ」
麻友さん、私並み。
実は、このグラフは、私の高校のときの物理の参考書から、スキャンしたものなんだ。
萩原茂男『くわしい物理の新研究』(洛陽社)
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「高校卒業して、もう30年以上になるのに、まだ参考書持ってるの?」
物理と化学だけは、ときどき使うんだ。今でも、大切に持ってる。
「それで、高校の参考書から、スキャンしたから、どうだというの?」
私、高校3年生の夏頃かな、この参考書を、パラパラと見ていて、このグラフを見つけて、この曲線見た瞬間、
『水素を核融合させた、水爆の方が、威力が大きいのって、これが、原因か!』
って、分かったんだ。
結弦「あっ、そう言われれば、そうだな。5,6倍くらい違うな」
だろう。
若菜「お母さん、お父さん並みですね」
「このグラフって、他には、どんなものに、載ってる?」
今回、麻友さん達に見せるから、チェックしようと思って、
並木雅俊(なみき まさとし)『大学生のための物理入門』(講談社基礎物理学シリーズ0)
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を、見ていって161ページに載ってることを、確かめた。
「太郎さんの話してくれてることって、お話じゃないのね。ちゃんと、この世界で成り立っていることを、話してくれてるのね」
まあ、『AKB0048』は、あくまで、お話だけど、面白いことは、面白い。
あの中で、第4話で、牛山先生という人が、片桐ツバサさんに、
『いい化学反応が、起きそうじゃない』
というところがある。
『まゆゆ、良くがんばった』
という、昔の記事で、おほしさまの話をしたことを、思いだし、もう少し、核分裂や核融合の話を、してあげようと、思ったんだ。
『細胞の分子生物学(その12)』
でも、化学変化というものなんかも、話したしね。
若菜「化学変化って、学校では、物理変化と、対照させて、教わりますけど、そこで言う物理変化だけが、物理学の対象ではないんですね」
もちろん。
結弦「カチャカチャ、お父さんは、さっき、
『
『なぜ、自然がこうなっているのか?』
という問いは、自然科学では、答えようがない。
』
って、言ったよね。でも、お父さん自身が、以前、
入院の思い出(私の量子力学では、その物理法則というものが、原子や分子みんなで、相談して、これからは、別な動きをしようよ、ということになったら、変わりうるものだ、というわけなんだ)
と、書いているのを、見つけたよ」
そうだったな。
結弦に説明しながら、私、これと違うようなこと、書いたことあったな、と思いだした。
結弦「お父さんは、どうして、『物理法則というものが、原子や分子みんなで、相談して、これからは、別な動きをしようよ、ということになったら、変わりうるものだ』なんて、書いたの?」
ふたつ、例を挙げて、説明しよう。
本当にまじめな素粒子論の教科書には、書いてないのかも知れないけど、現在の手に入る素粒子論の教科書に、磁石の一方だけの極(モノポールと言われる)が、存在するかも知れないから、日本のスーパーカミオカンデなどで、探す試みがなされている。とある。
もうひとつは、自然界の4つの力のうち重力以外の3つを統一する、大統一理論によると、陽子というものにも、寿命があって、長い時間が経てば、崩壊するはずである。だが、大量の水を用意して、センサーで監視しているが、まだいっこうに崩壊する現象が、捉えられない。とある。
この2つに関し、私は、疑いを持っていた。
麻友さんとの『結婚をシミュレート(その4)~(その23)』で、やったように、電磁力というものは、電気だけで答えが出せるもので、磁石というものを、考える必要はない。ということだったから、モノポールなんて、あるわけない。ただ、ここだけ読んだ人が、慌てないように書いておくと、超弦理論でいうモノポールというものは、磁気単極子ではないので、超弦理論でのモノポールは、存在しうる。
それから、陽子崩壊だが、現在の物理学者が、どこまで信じているのか、分からないのだが、この世界の現象が、絶対起こらないこと、なんてものは、なくて、確率は小さいけど、いつ起こってもおかしくない、という性質を持っていると信じているようなのだ。
私は、放送大学時代、自由な京都大学と違い、同じ名前の授業を1つ取ったら、その名前の他の授業は、単位をあげない、などというので、すでに素粒子論の面接授業を受けて、単位は取ってあったが、時間を調べて、別な素粒子論の授業に出て、先生には、登録してはいないので、単位はくれなくていいです、と言って、授業を受けた。
そのとき、先生が、
『例え、陽子が、何億年も寿命があっても、スーパーカミオカンデに、5万トンも、水を蓄えてあるんだから、とっくに1個くらい崩壊しているはずなんですけど、見つからないんです。新しい理論が必要かも知れません』
というので、
『確率的に、と仰いますが、例えば、ペット屋さんで、カメを一匹買ってきたとした場合、少なくとも1日くらいは、生きていると思うんですよ。それと、同じで、陽子ってものは、宇宙ができて137億年ですか? つまり、137億年くらいは、壊れないものなんじゃ、ないですか?』
と、質問した。
若菜「お父さん、大学の講義で、しかも、モグリなのに、そんな無茶苦茶な質問したの?」
結弦「確かに、裸の王様だよなあ」
「それで、先生は、なんて仰ったの?」
『現代の物理学では、こうなってるんです』
と言った。
「あっ、つまり、あなたが、新しい物理学を作れるなら、作って下さい、ということね」
取りようによっては、そう取れる。
でも、放送大学に行ってた頃の私の頭は、そんなに冴えてなくて、新しい物理学を作れるなんて、思ってなかった。
結弦「今は、冴えてるから、作れるの?」
ちょっと、微妙な話なんだけどね、この世界の物理法則というものが、ずっと同じじゃないみたいなんだよ。
私が、幼稚園の頃と、高校の頃と、大学4年の夏までは、ほぼ同じで、私としても、納得できる世界だったんだ。
ところが、大学4年の夏に、精神分裂病を発病してから、外界の私への肌触りが、どんどん、変化するんだ。
私は、この世界の法則である、量子力学を、勉強しようと、岩波物理入門コース、ファインマン物理学、朝永『量子力学Ⅰ・Ⅱ』『角運動量とスピン』『スピンはめぐる』、広江克彦『趣味で量子力学』と、色々苦労しながら、読んだんだ。ところがね、なんか、手応えがないんだよ。
「つまり、『分かった!』というのが、ないの?」
いや、色んな、『分かった!』は、あるんだけど、
『これが、量子力学の精髄だ』
みたいなものが、感じられないんだ。
それで、私がたどり着いた結論は、
『量子力学というものは、捕まえようとすると、逃げていくんじゃないか』
ということなんだ。
この世界の物理法則を、今、捕まえたと思っても、次の瞬間には、別の法則に、ちょっとすり替わってるのではないか。
私が、この世界の圧倒的多数の人間と、きちんと話し合って、私の居場所を、作ってもらわないと、私は、いつまでも、不安定なままなのではないか?
若菜「お父さんの頭の中で、物理法則が不安定という話と、お父さんの居場所が不安定という話が、同時進行してますね」
若菜、分かるか。こういう、関係なさそうなものと、同時進行で、重要なことを、考えていると、思いがけないアイディアにたどり着くことがあるんだ。
「太郎さん。やっぱり、太郎さんに取って、ブログ大切でしょう。私のために、ブログやめたら、アイディアも浮かばなくなるわよ」
ブログは、書いても、公表しないことだって、できる。
それに、麻友さんのミュージカルの出演情報なんかが、あらかじめまったく私の耳に入ってこないのは、やっぱり報道管制が敷かれてるんでしょ。
日本では、報道の自由がある、と、みんな信じ込まされてるけど、本当は、テレヴィだって、本当のことを言ってるとは、限らないんじゃない?
「太郎さん。言ってることは、全部が、間違いではないけど、混乱していることも、一杯ある」
「ひとまず、ここまでで、投稿して、明日読み返してみたら? もう薬の時間でしょ」
じゃあ、『細胞の分子生物学』は、明日に回すか。
若菜「お父さんの頭というのが、すっごく自由に考えられるというのは、感じました」
結弦「核融合とか、核分裂の話してたのに、『ペット屋さんで、カメを一匹買ってきたとして』って、つながるんだもんなあ」
「やっぱり、この脳が、いたずらに、破壊されるのは、防ぎたいわね」
若菜「お母さん、本当に他に好きな人いるんですか? お父さんと結婚して不利なことって、お金稼いでくれないことだけですよ」
「考えることは、一杯あるのよ。じゃあ、解散」
今日は、躁状態ではないけど、躁状態のとき書いた『入院の思い出』という記事を読み返していて、少し、思い出したことなども書いた。
「生きててよ。おやすみ」
おやすみ。
現在2019年7月1日21時20分である。おしまい。